2017年12月31日日曜日

(K0245)  医療と宗教「終末期」講義 <臨死期>


先ずは、ごあいさつ。
今年、最後の投稿になります。

このブログは、始めてから245日目になりましした。
ご愛読いただき、ありがとうございます。
 

私の書く基準は
(1) 誰かの役に立てばうれしい
(2) 自分の為に役立つことを書き留める
です。

 人それぞれニーズが違うので「誰にも役立つ」は不可能です。ということは、「私には役立たない」があるでしょう。その時は読み飛ばしてください。でも、しばらくしたらまた舞い戻っていただくと嬉しいです。話題は、きっと変わっています。


 閲覧数を気にしていますが、そのためには書いていません。

 少しは、字数を減らしていきたいですが、それでも長いと思います。読みたければ最後まで読み、疲れたら途中でも止めてください。「誰にも役立つ」訳ではないので。


 以下、今年最後の本文です。


===== 引用はじめ
 終末期のがん患者を、医療、宗教それぞれの立場からどう支えるかを考える名物講義が、滋賀医科大(大津市)で10年以上続いている。医学科の4年生を対象とした「医の倫理合同講義」で、年に1度だけ開かれている。内部の医学生と外部の宗教者が互いの役割を知って「死生観」を深め、終末期の患者との向き合い方を議論する。治療の技術習得にとどまらず、患者と向き合う医療関係者の育成につながると注目されているという。(小野木康雄)
===== 引用おわり

 
 医療の目的が「死なせない」ことなら、死は医療にとって敗北になる。二つの問題が発生する(私の意見)。

(1) 「死なせない」を優先させ、QOL(quality of life)を低下させる可能性がある
(2)  人は必ず死ぬので、医療は最後には必ず敗北する

 講師を務める浄土真宗本願寺派の善福寺住職、長倉伯博さん(64)は「医療の目的は病気を治すことよりも、人生を深く味わう機会を患者に作ることに置くべきではないか。そう考えないと、人の死に直面したとき、医療には敗北しか残らない」と強調した。
 

 合同講義で「肺がんで余命1カ月と診断された50歳の男性は死の恐怖を抱えると同時に、仕事ができない喪失感を募らせていた」事例を検討した。学生からは、もし自分が担当する患者だったらどう対処するかという観点で意見を出されたが、大半が口にしたのは医療側からの希望だった。「悔いなく余命を過ごしてほしい」「死を受け入れてもらいたい」。

 すると、患者の言いたいことをひたすら聞く「傾聴」を実践している、ある僧侶がこう諭した。「この方は自分がどうなるかを知った上で苦しんでいる。そのとき、どうしたり、どう言ったりすれば共感してもらえるだろうか」

 合同講義後、医学科4年の平林歩さん(22)は「宗教者の見方は、いい意味で私たちと違っていた。患者に与えられるものも異なると思う」と語った。
 

医療と宗教「終末期」講義は、意味あるものだと思った。
 

出典
医療と宗教「終末期」講義   産経新聞(2017/12/4)
終末期がん患者どう支えるか-医学生と宗教者が「死」を考える 10年以上続く滋賀医科大の名物講義「医の倫理合同講義」
http://www.sankei.com/west/news/171204/wst1712040037-n1.html
 添付写真は、ここから。

2017年12月30日土曜日

(K0244)  病院・施設から「まち」に出る 常陸大宮フロイデDAN <地域の再構築>


 前回からの続き。
 

===== 引用はじめ
 茨城県常陸大宮市の介護施設「フロイデ総合在宅サポートセンター大宮」に隣接するリハビリ公園で17日、野菜、卵、パン、コーヒー、手工芸品などを販売するイベント「楽市(らくいち)」が開かれた。
 企画したのは、同センターを運営する医療法人「博仁会」(鈴木邦彦理事長)などの有志「フロイデDAN(だん)」。地元農家やNPO法人、同市高校生会も協力。高校生らは子供を対象に、フリスビーに似たスポーツ「ドッヂビー」の体験会を行った。
===== 引用おわり
 

 「衰退する地域を何とかしたいと思っている人は多い。フロイデDANが中心になって、新しいつながりを作りたい」「町が衰退するなかで、人が集まったり、話をしたりする“場”がなくなると、人はどうしても引きこもりがちになり、健康を害する」
 
 

===== 引用はじめ
 作業療法士の寺門貴団長(38)は、「リハビリには、病院や介護施設に来るだけでなく、外へ出ることが必要。そうしないと『自分でできる』と感じられないし、楽しくもない。だが、業務の中でやるのは難しい。制度の枠を超えて、外に向けて活動することが必要だと思った」と言う。
===== 引用おわり
 

===== 引用はじめ
 だが、当初はまったくうまくいかなかった。病院職員として地域に御用聞きに出かけても、地域住民は「病気でもないのに、何しにきたんだ?」「患者集めか?」とけんもほろろ。
 考え直して、「病院職員だけど、まちづくりのチームです」「地元を元気にしたい」と伝えて、同世代の商店街のチーム「あきない組」とも連携し、活動を広げてきた。
===== 引用おわり
 

 「医療や介護、福祉の専門職らが地域に飛び出し」活動してくれるのは、心強い(フロイデDANは、作業療法士や介護福祉士、福祉用具専門相談員らが平成22年に立ち上げた)。

 

出典
「病院・施設から「まち」に出る 常陸大宮フロイデDAN」
産経新聞(2017/3/23) http://www.sankei.com/life/news/171221/lif1712210009-n3.html
添付写真は、ここから転載

2017年12月29日金曜日

(K0243)  医療職らが交流の場づくり 流山・コミュニティナース <地域の再構築>


===== 引用はじめ
 医療や介護、福祉の専門職らが地域に飛び出し、住民同士のコミュニケーションの場を創出したり、健康や子育てなどに関する潜在ニーズを拾ったりしている。医療や福祉のサービスがあっても、まちやコミュニティーがないと健康は実現できない。公的制度にはまらない活動は収益にならないが、住民の力を引き出せるか問われている。(佐藤好美)
===== 引用おわり


 千葉県流山市の子育てサロン「Fratto」(ふらっと)。「何となく一緒になって、何となく一緒に話す」。そんな場所を作りたいと、看護師の小林朋子さん(34)が、同僚の看護師、渡辺綾香さん(30)らと始めた。
 

===== 引用はじめ
 小林さんは、大学病院の看護師や自治体の保健師として働いた経験もある。だが、決められた業務以外の活動をすることは難しく、助けを必要としている人に手が届かないもどかしさもあった。
 転換点は、島根県出雲市を拠点に活動する看護師の矢田明子さんに出会い、「コミュニティナース育成講座」に参加したこと。集落に移住して、住民の病気予防に対する意識を高めたり、健康に関して自己管理する力を引き出したりする「コミュニティナース」の存在を知り、「専門職が地域に飛び出してできることはたくさんある」と気付いた
===== 引用おわり


===== 引用はじめ
 その活動はアウトリーチの考え方に近い。アウトリーチはもともと、利用者を待つのではなく、専門職などが訪問や出前で医療や福祉、行政サービスを届ける手法。見えないニーズをくむ手法として、最近は町づくりの分野でも注目される。
===== 引用おわり
 

===== 引用はじめ
 小林さんは「いずれ、近所のおばちゃんたちにも参加してもらい、お互いに助け合える多世代交流の場にしていきたい」と話している。
===== 引用おわり
 

 次回に続く。
 

「医療職らが交流の場づくり 流山・コミュニティナース」
産経新聞(2017/3/23) http://www.sankei.com/life/news/171221/lif1712210009-n1.html
添付写真は、ここから転載


(K0242) 移住ドラフト会議 <地域の再構築>


 移住ドラフト会議というものがあるそうだ。

===== 引用はじめ
 若年層を中心に地方移住への関心が高まる中、移住者を受け入れる側の地域が、欲しい人材を“指名”するイベントが注目を集めている。移住希望者を「選手」、受け入れ地域の団体を「球団」に見立てた、プロ野球のドラフト会議さながらの「移住ドラフト会議」。移住を人生の重すぎる決断にせず、地域と気軽に関わってくれる人を増やすなどの狙いがあるようだ。(松田麻希)
===== 引用おわり

===== 引用はじめ
 どんな人材に来てほしいか、地域になじんで活躍できるのはどういう人か、これまで受け身になりがちだった地域側に真剣に考えて発信してもらいたいと、指名という形をとった。
===== 引用おわり
 

 産経新聞(2017/12/21)で知ったのだが、NHKではもっと以前(2017/3/31)に紹介していた。
 

===== 引用はじめ
 選手にあたる「移住希望者」は、あらかじめ経歴やアピールポイントなどを提出。
 その情報を元に、NPOや自治体、企業関係者など、「移住者を募る団体」が、地域に来てほしい人を指名。独占的に交渉する権利を得ることができます。
 移住したい人と受け入れる側がお互いを知り、真剣に向き合うきっかけを作りたいと、企画されました
===== 引用おわり
 

出典

「欲しい人材を“指名”「移住ドラフト会議」 遊び心で地方と関わりを」
http://www.sankei.com/life/news/171221/lif1712210006-n1.html
↑ ここから写真を転載。欲しい人材を指名の2枚
「遊び心で地方とかかわりを」
産経新聞(2017/12/21)
 

「“移住ドラフト”で理想の出会いを」
NHK クローズアップ現代(2017/3/31)
http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/03/0331.html
↑ ここから写真を転載。移住ドラフト会議




2017年12月28日木曜日

(K0241) オールドタウン化への対応 <地域の再構築>


 今回は、「(K0232)  少子高齢化の縮図 <地域の再構築>の続編であると同時に、
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/12/k0232.html

別のBLOGの「(1100)  家族と暮らしの再構築(3) / 「人口減少社会の構想」(10-3)(放送大学)」とも関連している。
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1100-310-3.html
 

===== 引用はじめ
 国土交通省の担当者は、まちびらきから30~40年で高齢夫婦世帯が増加し、40~60年で単身高齢世帯が増加。やがて世帯消失が進行するという傾向があると指摘していた。
 例えば、昭和46(1971)年にまちびらきした「多摩ニュータウン」(東京都多摩市など)の諏訪・永山地区では、2050年ごろ、高齢化率は42%に到達するという深刻な予測も示された。
===== 引用おわり

 それに対して、二つの動きを紹介している。
 

 一つは、移動販売車である。

===== 引用はじめ
 移動販売車といえば、過疎地の買い物対策とのイメージもあるが、最近はニュータウンでの需要も多い。この団地の場合も、周囲に坂道が多く、食料品販売店はほとんどない。車が運転できない高齢者は移動の手段も限られ、「このままでは、買い物難民になってしまう」と、自治会が業者に出店を掛け合った。
===== 引用おわり
写真参照
 

 もう一つは、「コミュニティレストラン」(食を通じて住民参加で地域課題に取り組む手法)である。

===== 引用はじめ
 堺市南区で平成22(2010)年にオープンした「槇塚台レストラン」。
 管理栄養士の監修を受けた住民らが低カロリーで栄養バランスのとれた食事を提供するという高齢者向けレストランとしてスタートした。ところが、高齢者以外の利用者も少なくないという。
===== 引用おわり

 実際、インターネットで見ると、子供向けに力をいれているようだ。
http://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/hughug/mokuteki/ouen/ouendan/ouen_minami/makitukadai_restaurant.html

===== 引用はじめ
 夜間に“居酒屋”をオープンしたところ、大人たちが集う場所になった。ハロウィーンやクリスマスの行事にあわせ、商店などとタイアップしたイベントを行うと、子供たちでにぎわい始めた。
 ともに住民アイデアをもとに実現したプラン。レストランを運営するNPO法人「すまいるセンター」代表理事の西上孔雄(よしお)さん(50)は「レストランは世代をつなぐ地域活性化のきっかけになる」と話した。
===== 引用おわり

 

出典

【泉北ニュータウン50年 まちをつなぐ(中)】

「加速化する超高齢化社会、買い物難民…オールドタウン化にどう対応」
http://www.sankei.com/west/news/171221/wst1712210036-n3.html

「食」を通じ世代間を橋渡し
産経新聞(2017/12/15)


2017年12月27日水曜日

(K0240) 催し物情報(18) <催し物紹介>


前回の配信は、

(K0234) 催し物情報(17) <催し物紹介>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/12/k023417.html

 

今回の配信は、

連続公開講座「生きづらさの中を生きる」(全8回木曜日)

開催日  4月5日~5月31日 毎木曜日(連休を除く)
時 間  18:30~20:15

会 場  神戸市立総合福祉センターを予定
受講料  1回につき1,000
     事前一括申し込み5,000円(最大3,000円割引になります)

チラシURL
https://drive.google.com/file/d/1YZZzruXh_AZ4kMfU5b7tQuZ3-BKyPD3b/view?usp=sharing


主催:社会福祉法人 神戸いのちの電話

 

対人援助という活動-アマチュアリズムと専門家、どう違うか-、講師:羽下大信(住吉心理オフィス 臨床心理士)

45()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

家庭内の暴力 児童虐待、講師:稲垣由子(甲南女子大学 小児科医)

412()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

ターミナルケア「看取る」とは、講師:関本雅子(関本クリニック院長)

419()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

ストレスとPTSDのケア、講師:有園博子(兵庫教育大学 臨床心理士)

426()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

今、ジェンダー(性)の抱える問題とは、講師:川喜多好恵(ドーンセンター カウンセラー)

510()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

ひきこもり・依存症など現代の心の病について、講師:阪田憲二郎(神戸学院大学 臨床心理士 精神保健福祉士)

517()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

心の病について、講師:井出浩(関西学院大学 精神科医)

524()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000
 

人生における危機とその対応、講師:白石大介(武庫川女子大学名誉教授)

531()18:30~、会場:神戸市立総合福祉センター(予定)
参加費:1000

2017年12月26日火曜日

(K0239)  趣味辞典 ~ 全500趣味 ~ / 趣味(14) 趣味の辞典(7) / トライアングル理論(27) <定年後>


趣味辞典~全500趣味~(編集:藤波進 2017/12/16)を開示する。
  ©2017 藤波進


 

ここでは、【趣味とは何か(10種類の趣味)】について述べる。

【趣味の5要素】については、
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1098-500.html
を参照してください。

 

 前回示した14分類の一部を更に統合し、10の枠組みと1つの「枠外」にくくった。

 今後、暫定的にこの分類体系を使いたい。おそらく新たな趣味が提示されても、これらの分類項目のどれかに当てはめていける。
 

【10種類の趣味】

A.スポーツ

B.表現(聴覚・視覚)

C.創作(物)・創造(非物)

D.鑑賞・観察・読書

E.非日常の場所

F.収集・保有

G.遊び・学習

H.生活密着型

I.つながりとIT

J.その他

◆ 枠外(趣味的関わり)

 

<各論>

A.スポーツ

・ スポーツ:(スポーツする側)。観戦する側の趣味もある
 体を動かしたいというのは、本能的な欲求だろう
 

B.表現(聴覚・視覚)

・ 表現-聴覚:(表現する側)。鑑賞する側の趣味もある
・ 表現-視覚:(表現する側)。鑑賞する側の趣味もある

 自ら何かを表現したいというのは、本能的な欲求だろう
 

C.創作(物)・創造(非物)
・ 創作(物):物を作る趣味
・ 創造(物以外):物以外を創造する趣味

 何かを創り出したいというのは、本能的な欲求だろう
 

D.鑑賞・観察・読書
・ 鑑賞・観察・読書:優れたものを味わう

 スポーツや音楽や絵画などに直接参加するのも趣味であるが、他者の優れたスポーツや音楽や絵画などを味わうのも趣味と言える。
 

E.非日常の場所
・ 旅行・めぐり:非日常の場所にいき、日常から離れる

 日常からいったん離れることができるというのが趣味の効用の一つと考えると、日頃とは違う場所に行く趣味は、外せない。
 

F.収集・保有
・ 採取・収集・模型・保有:集めたい、持ちたいのは本能ではないか

 何かを手に入れて、集め、保有するのは、楽しい。
 

G.遊び・学習
・ 遊び:身近な遊び
・ 学習:楽しみとしての学習(注:どこまでが「趣味」か?)

 何かの目的があっての学習は趣味とは言いがたいが、楽しみとして取り組むなら趣味と言っても良く、それは遊びと同質だろう。
 

H.生活密着型
・ 生活(衣食住・嗜好・浴):日常生活の中での楽しみの発見・実現
・ お金と買物:小遣い稼ぎと買物(注:どこまでが「趣味」か?)

 衣食住を中心に考えていたが、浴・嗜好は他に分類しがたく、お金・買物は趣味としてよいのか疑問であるが、とりあえずこの枠に入れた。
 

I.つながりとIT
・ つながり(交流と情報):人はつながりたがる(交流・情報)
・ IT:趣味としてのITの活用

 つながり(交流・情報)IT:ITによる交流・情報(つながり)に関係する趣味
 元々はITをキーワードとして集めたものであり、他の項目とは別軸をなす。たとえば、ネットゲームは遊びに、ネットオークションはお金に、Web制作は創造(非物)に、パソコンの自作は創作(物)に属するものだが、ITというキーワードを重視して、ここにとどめた。
 その一方、例に掲げた、交流IT(Facebook、ツイッター、チャット)・情報IT(ネットサーフィン)は、まとめると人や情報へのつながりとなるが、大切なものであるにも関わらず、大分類としては出てこない。そこでここの分類名を「つながりとIT」とした。趣味活動をする中で自ずと「つながり(交流・情報)」は形成されていく。例としては出していないが、ITを使わないつながりも、ここに含む
 

J.その他
・ その他:以上の分類項目に入れにくい趣味

 ここで掲げた例、嗅覚(お香)、占い(四柱推命)、生き物(ペット)、精神活動(瞑想)は、他の分類にいれにくく、入れてしまうと埋没してしまいそうなので、あえて「その他」に分類した。
 

◆ 枠外(趣味的関わり)
・ 枠外(趣味的関わり):趣味対象外への趣味的関わり。趣味の枠外に置く

 ここで掲げた例、利他行為(ボランティア)、その他行為(アルバイト)、人との関わり(恋愛)は、「趣味的に楽しく取り組む」ことはあろうが、趣味として取り組んでしまうと、本来のボランティア、アルバイト、恋愛ではなくなる。だから、趣味とは言えない

2017年12月25日月曜日

(K0238)  趣味(13) 趣味の辞典(6) / トライアングル理論(26) <定年後>


 「趣味百貨」のサイトに、
http://syumi100.com/zensyumi/

「趣味を見つけるために見ておきたい世の中の趣味422個まとめ」というのがある。
(ただし、実際にあったのは、421個だった)
 

 この421個の趣味を、
(K0231)  趣味(11) 趣味の辞典(4) / トライアングル理論(24) <定年後>」で
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/12/k0231-11-424.html

提示した分類に、落とし込んだ。

 

 そもそも、(K0231)で示した分類は、「ユーキャン」「兵庫県高齢者生活協同組合」「神戸市の区民センター」のデータから構築したものであり、通信教育やイベントとして取り上げやすく、集客力のある趣味のみを対象としていたので、不完全だった。
 新たに落とし込んだ421個の趣味で、どの分類にも当てはまらないものも多くあった。これらを包含できるよう、新たな趣味項目を追加するとともに、いくつかの趣味項目は再編成した。そのようにして改良し14の趣味分類の大枠と趣味例を、以下に示す。カッコ内の数字は、421個の趣味のうちその分類項目に当てはめられた趣味の数であり、合計は421となる。

 

1 スポーツ (106)
  例: 歩・走・登・車、体操・舞踏、筋肉・格闘・刀、球技・的、冬・水・空
 

2 表現-聴覚 (25)
  例: 楽器(弦・吹・打・盤)、歌唱(カラオケ、シャンソン)、発声(朗読)
 

3 表現-視覚 (13)
  例: 書道(毛筆・ペン字)、絵画(スケッチ・水彩画・ちぎり絵)、写真
 

4 創作(物) (28)
  例: 材料加工(糸・布、陶、紙、木)、制作(工作、装飾、アクセサリー)
 

5 創造(非物) (23)
  例: 茶華道、芸(マジック)、文筆(俳句)、植栽(園芸)
 

6 鑑賞・観察・読書 (22)
  例: 鑑賞(芸術・映画・演劇)、観戦(スポーツ)、観察(天体観察)、読書
 

7 旅行・めぐり (49)
  例: 旅行、めぐり(公共・集客・遊興・一般施設、自然、飲食店・販売店)
 

8 採取・収集・模型・保有 (30)
  例: 採取(釣り、山菜)、収集(切手、骨董)、模型、保有(文房具)
 

9 遊び (27)
  例: 対戦遊び、一人遊び、おもちゃ、無道具遊び、屋外遊び、ゲームセンター
 

10 学習 (12)
  例: 外国語、歴史、心理学、文学、習い事、自己啓発
 

11 生活(衣食住・浴・嗜好・お金・買物) (43)
  例: 装い(ファッション)、食(そば打ち)、住(インテリア)、嗜好(酒)、浴(岩盤浴)、お金(ロト6)、買物(フリーマーケット)
 

12 つながり(交流・情報)IT (20)
  例: 交流IT(Facebook、ツイッター、チャット)、情報IT(ネットサーフィン)
 

13 その他 (16)
  例: 嗅覚(お香)、占い(四柱推命)、生き物(ペット)、精神活動(瞑想)
 

14 枠外(趣味的関わり) (7)
  例: 利他行為(ボランティア)、その他行為(アルバイト)、人との関わり(恋愛)

2017年12月23日土曜日

(K0237)  趣味(12) 趣味の辞典(5) / トライアングル理論(25) <定年後>


 しつこく再び、趣味に話題をもどす。参考になりそうな記事を二つ書き留めておく。


===== 引用はじめ
 以前から定年後の男性をテーマに書きたかったんです。三菱重工業の社員として社内報を編集していたとき、定年を迎える社員にインタビューをして、コメントを掲載していました。「これからどう過ごしますか」と聞くと、皆さん、「菊作りをする」「孫と遊ぶ」「妻と温泉に行く」なんて口をそろえるんです。

 私自身が会社を辞めたとき、「あのとき退職する皆さんが話していたことは違ったのではないか」と思い始めました。だって毎日、やることがないんです。趣味なんて、忙しいときに時間を捻出してやるからこそ楽しい。毎日趣味に生きることは、多くの人にとって難しいと思いますよ。
===== 引用おわり

内館牧子、「終わった人」はあがかない、話の肖像画、産経新聞(2017/12/12)
http://www.sankei.com/life/news/171212/lif1712120021-n1.html

 
 「定年になったら、趣味三昧の生活をする」という人が、確かに多い。「趣味なんて、忙しいときに時間を捻出してやるからこそ楽しい」は、その通りだと思う。趣味が人生の主役になった途端、つまらなくなってしまう。

 

 次は、IOC副会長だったアベリー・ブランデージの言葉。

===== 引用はじめ
 「アマチュアは楽しみのためにスポーツを行い、身体や精神、社会的な利益を引き出すためにそれを行う者、また、直接、間接を問わず、いかなる報酬も受けることなく、娯楽として行っている者をいう」と定義した。
===== 引用おわり

蔭山実、スポーツは重要で難しい労働、オリンピズム、産経新聞(2017/12/12)

 
 少し複雑な表現だが、「楽しみのため」「娯楽として」という言葉が散りばめられている。「趣味」もまたこのキーワードを外せない。スポーツをすれば、身体や精神に良い影響を及ぼす。趣味もまた、身体や精神に良い影響を与える。それとは別の何かの目的で趣味をすることはない。

 例えば「オリンピックを見て感動した。勇気が出た」という発言が、「社会的な利益を引き出す」に該当するのだろうが、趣味は「社会的な利益を引き出す」ことを目的にはしない。
 

2017年12月22日金曜日

(K0236)  個人Blog 12月中旬リスト <サイト紹介>


● 個人Blog 12中旬リスト


(1084) 老いじたくを支える法制度 - 成年後見制度 / 「家族と高齢社会の法」(8) (放送大学)
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/10848.html
 

(1085) 移動体センシングと行動認識 / 「ソーシャルシティ」(8) (放送大学)
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/10858.html
 

(1086) 障害 / 『発達障害を理解する』(1)
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/10861.html
 

(1087) 「認定ホスピス・ボランティア」
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1087.html
 

(1088) 人間とは何か、自己とは何か / スタニスワフ・レム『ソラリス』(3)
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/10883.html
 

(1089)  くらしのセーフティ・ネット / 「人口減少社会の構想」(9)(放送大学)
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1089-9.html
 

(1090)  老いじたくを支える法制度-相続と遺言 / 「家族と高齢社会の法」(9) (放送大学)   
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1090-9.html
 

(1091) お客様は神様ではない
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1091.html
 

(1092)  ごみ屋敷 1年で半減 / 「すべての権利の行使は、他者の権利の侵害の上に成り立つ」
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/1092.html
 

(1093) 赤外線放射カメラでまちの熱環境をとらえる / 「ソーシャルシティ」(9) (放送大学)
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/12/10939.html

(K0235)  フレイル <体と脳の健康>


 「フレイル」について、非常にわかりやすく書いた記事があった。私なりにまとめ直した。


1. フレイルとは何か

2. フレイルの多面性

3. フレイル対策方針

4. 身体的フレイルの評価基準

5. 身体的フレイルの介入

 

<各論>

 

1. フレイルとは何か

(1) フレイル: 健常と要介護の間にある状態 = 図

(2) フレイル対策: フレイル状態に医療などが介入(治療・予防)して、健康状態に戻す取り組み

(3) フレイル対策効果: 要介護期間(健康寿命と平均寿命の差。日本では912年。先進国は約6年)を縮める

 

2. フレイルの多面性

(1) 身体的状態: 低栄養・転倒の増加・筋肉量の低下など

(2) 精神的・心理的状態: 意欲・判断力や認知機能の低下、うつなど

(3) 社会的状態: 閉じこもり、孤食など

 

3. フレイル対策方針

(1) 国・行政、医療機関、福祉などの多方面からアプローチしなければならない

(2) 多面性のあるフレイル対策には、既存の地域包括ケアシステムなどを活用し連携を密に

 

4. 身体的フレイルの評価基準

(1) 5つの評価項目
  筋力の低下: 握力で男性は26キロ、女性は18キロ未満
  日常生活活動量の減少: 外出が少なくなる
  身体能力: 歩行速度の低下(1秒1メートル未満)(横断歩道を青信号の間に渡れない)
  疲労感: 最近、以前より疲れやすい
  体重減少: 年間約4.5キロ、もしくは5%の体重減

(2) 判定基準(5項目のうち)
  フレイル:       3項目以上該当
  プレフレイル(前段階):2項目該当
  ロバスト(健常):   0項目該当

 

5. 身体的フレイルの介入

(1) 運動介入: 筋肉の維持・増強を図る。①歩行程度で維持は可能だが、②増強させるためには、体力に応じた機器の仕様や階段昇降など抵抗(負荷)をかけた運動が必要になる

(2) 栄養介入: 高齢者の栄養源で鍵となるのが1日60グラムのたんぱく質だ。植物性や動物性、魚肉などのたんぱく質をバランスよく摂取するには食事指導も大切だ

(3) 薬物介入: 筋肉量維持や運動機能改善に可能性のある薬剤では、ビタミンDが注目されている。漢方医学も効果が期待できる。フレイルは東洋医学でいう「未病」の状態。生薬(陳皮、人参、五味子)を使った動物実験では、筋肉の量の増加と質の改善に効果が認められた

 

なお、ビタミンDについては、
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail221.html
など
 

出典
向坂直哉、健常と要介護の間 「フレイル」を考える。Healthy Life、産経新聞(2017/12/12)