2018年3月31日土曜日

(K0335)  認知症を公表した認知症医療第一人者(長谷川和夫医師) <脳の健康>


先ずは、長谷川医師に敬意を表したい。
 


これだけ認知症が話題になっても、誤解している人が多い。
  「認知症になったら何もわからなくなる」
  「何も分からなくなるから、本人は幸せだ」
と考えている人が、今も多い。
 


以前、立て続けに二人の方から「究極の選択」の話を聞いた。
  「最期は、がんになって死にたいか、認知症になって死にたいか。
  二つから一つを選べ」

講演者自身の答えは、
がんの専門家はがんを選び、認知症の専門家は認知症を選んだ。
 

何故か。

自ら多くの事例に接し、
がんの専門家は、がんとの付き合い方を知っており、
認知症の専門家は認知症との付き合い方を知っているからだろう。

付き合い方を知っておれば、与えられた状況下での最善の生き方ができる。
 

認知症当事者として認知症専門家が語る話は、とても貴重なのである。
 

インタビューに応じた長谷川医師は、次の事項について語った。

(1)  自分が認知症になって、どんなふうに感じたか
(2)  認知症じゃない人が認知症の人に接するとき
(3)  これからどのように生活していきたいか
(4)  認知症を公にすることで、伝えたいこと
 
 

【各論】
 
(1)  自分が認知症になって、どんなふうに感じたか
 
===== 引用はじめ
 認知症になった自分とそうじゃなかった自分には、そんなに大きな差がない。連続性があるという感じがするんだ。
===== 引用おわり
 


(2)  認知症じゃない人が認知症の人に接するとき
 
===== 引用はじめ
 だから、認知症じゃない人が認知症の人に接するときは、自分と同じ人だと思って接した方がいいと思う。たとえば、
 目線を同じ高さに、ということ。認知症だからといって、特別な待遇はしない。軽蔑しない、敬遠しない。逆に「特別な気持ちで接しないと」と見上げるのも良くない。それが(認知症の人を尊重し、中心に置く)パーソン・センタード・ケアだろうと思う。
===== 引用おわり
 


(3)  これからどのように生活していきたいか
 
===== 引用はじめ
 他の人からの支えを受けなければ、何もできない。そういう気持ちを持って、お願いしながらやっていく。この先、何が起こるか分からないよ。突然転んで認知症が進んだり、思わぬ病気になったり、あっという間に死んでしまったりするかもしれない。未来は不透明だと覚悟して、腹をくくって一日一日を大切に生きていく。自分のできる範囲で、人の役に立つことをやってみようと思う。
===== 引用おわり
 


(4)  認知症を公にすることで、伝えたいこと
 
===== 引用はじめ
 非常に重要なのは、生きていることの尊さ。 … 1人1人が、みんな尊い存在であるあるということを、知らなくちゃいけない。僕はこれからも明るい気持ちで、笑うことを大切にしていく。
===== 引用おわり
 
 
出典

  発症を公表 長谷川和夫医師に聞く  認知症 特別扱いしない
  患者だからこそ分かる「生」の尊さ



人生マスターズ、産経新聞(2018/03/25)
添付写真は、新聞紙面より。



2018年3月30日金曜日

(K0334)  孤立しそうな遺族を夢が支える「孤立“夢”援」 <親しい人の死>

 
 人は死んでも、孤立してしまいそうな私たちを“夢”援してくれることもあるようだ。
 


「死者は、生者の記憶のなかにしか生きられない」
 
===== 引用はじめ
 歌人の永田和宏さんに悲痛な一首がある。〈わたくしは死んではいけないわたくしが死ぬときあなたがほんたうに死ぬ〉。同じ歌人で妻の河野裕子さんをがんで亡くし、自戒を込めて詠んだという。「死者は、生者の記憶のなかにしか生きられない」と(『たとへば君』文芸春秋)。
===== 引用おわり
 


『私の夢まで、会いに来てくれた』
 
===== 引用はじめ
 東北学院大の学生は一昨年秋から遺族の見る夢を聞き取り、記してきた。2月に出版された『私の夢まで、会いに来てくれた』に妻と次女を失った40代男性の話がある。震災1カ月後の夢で「戻りたい」と嘆いた妻が、5年後に見た夢では「どこにも行かないよ」。
 夫を励まし、指切りしたという。「私にとって生きる力」と男性は語り、
===== 引用おわり
 


孤立しそうな遺族を夢が支える「孤立“夢”援」
 
===== 引用はじめ
 監修した同大の金菱清教授は「夢は、遺族たちが前を向こうとする魂(いのち)の律動(はたらき)」と書いている。死者に生かされる、そんな「生」がある。孤立しそうな遺族を夢が支える「孤立“夢”援」だと。
===== 引用おわり
 


出典
産経抄、産経新聞(2018/03/11)
http://www.sankei.com/column/news/180311/clm1803110003-n1.html

(K0333)  介護保険料の引き上げ <高齢期の家庭経済>

 
 介護保険制度は、高齢期の家庭経済にとって、プラス面とマイナス面とがある。介護保険を受けるというプラス面と介護保険料を払うというマイナス面である。このマイナス面が、急激に増えつつある。
 
===== 引用はじめ
 全国約1700自治体の27~29年度の平均保険料は月5514円。制度発足直後の12~14年度は2911円だった。4月分からの全国平均額は厚生労働省が4月ごろに発表を予定するが、6千円前後になる可能性がありそうだ。
===== 引用おわり
 
 30年度の平均保険料は18年前の制度発足時の2倍だが、介護総費用は3倍になる。
 
===== 引用はじめ
 介護保険制度が発足した12年度の介護総費用は3兆6千億円だったが、30年度予算案では11兆1千億円と約3倍になる。今後も保険料値上げは続く見通しだ。
===== 引用おわり
 

直近で言えば、
 
===== 引用はじめ
 平成30年度に3年ぶりに改定される65歳以上の高齢者の介護保険料(基準月額)について、都道府県庁所在地(東京は都庁のある新宿区)と政令指定都市の計52市区のうち、65%の34市区で月額6千円を超す見込みであることが、共同通信の調査で分かった。85%に当たる44市区で引き上げられ、据え置きは8市にとどまる。
===== 引用おわり
 

 引き上げの理由としては、
 
===== 引用はじめ
 多くの自治体で値上げするのは、高齢化の進行で介護サービスの利用が増え給付費が増加することや、事業者に支払う報酬が4月から0・54%引き上げられるため。
===== 引用おわり
 
 
 「高齢化の進行で介護サービスの利用が増え」について、もう少し分析すると

(1) 高齢化率が高くなる
  原則65歳以上が支給対象だから、65歳以上の人口が増えれば支給総額も増える

(2) 高齢者の高齢化
 [後期高齢者/前期高齢者]の比率が大きくなっていく。後期高齢者の方が、一人当たりの支給額が高い

(3) 介護保険利用の促進
 同じ状態(例えば「要介護3」)でも介護保険制度を活用する人と活用しないない人とがいる。活用する割合が増えていると思う(バックデータなし)
 

 このうち、(1)高齢化率が高くなるのも、(2)後期高齢者の割合が増えるのも、制御不能因子である。(3)介護保険を必要とする人にその活用を制限するのは本末転倒である。ただ、ヘルパーをお手伝いさん代わりに使っている例もあるようで、これは抑制したい。
 
 

 私たちにできることは、自分の健康を保ち、できるだけ介護保険のお世話にならないようにすることである。そもそもこれは自分自身のためである。

 自治体が「個々人の健康維持」を支援することは、介護保険料抑制に役に立つ。
 


 今回調査において、8自治体は「増加額ゼロ」だった。
 
 水戸市「高齢化は進んでいるが、認定率の上昇が見込みより緩やかになっている。介護予防を盛んに行っており、27年度には一般の高齢者を対象にした予防教室の開催実績が全国4位。このあたりが要因と思う」
 
 大分市「介護予防の運動に力を入れたことで住民の意識も変わったし、ケアプランに改善の視点を入れることで介護する側の意識も変わった。どの事業がどう奏功したか、因果関係はこれからだが、総合的な取り組みの結果だと思う」
 


出典
大阪市2927円で最高額/参加ゼロは「予防」が成果か
ゆうゆうLife、社会保障、産経新聞(2018/03/17)
 
県庁所在地、政令市65歳以上の介護保険料 30年度から月額6000円超65%
http://www.sankei.com/life/news/180315/lif1803150009-n2.html
添付図は、このサイトから転載









2018年3月28日水曜日

(K0332) 「徘徊」使いません(2)その意味するところ <脳の健康><インクルーシブ社会>

 

(K0331) 「徘徊」使いません(1) <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/03/k03311.html

からの続き。
 
 

認知症サイドからの声。
 
===== 引用はじめ
 …「徘徊と呼ばれるのは受け入れられない」と話す。散歩中に自分がどこにいるのか分からなくなった経験があるが、「私は散歩という目的があって出かけた。道がわからず怖かったが、家に帰らなければと意識していた。徘徊ではないと思う」。

「私たちは、自分なりの理由や目的があって外に出かける」「外出を過剰に危険視して監視や制止をしないで」

「『徘徊』という言葉で行動を表現する限り、認知症の人は困った人たちという深層心理から抜け出せず、本人の視点や尊厳を大切にする社会にたどり着けない。安心して外出が楽しめることを『当たり前』と考え、必要なことを本人と一緒に考えてほしい
===== 引用おわり
https://www.asahi.com/articles/ASL3N6H64L3NULZU015.html
添付写真は、このサイトから転載
 


 認知症当事者からすれば「私たちは自分なりの理由や目的があって外に出かけている」「行方不明になるとしても、わけもなく出歩いているのではない」のであっても、「徘徊している」という言葉を使うと、「目的もなく、うろうろと歩きまわること」(大辞林)、「どこともなく歩きまわること」(広辞苑)ということになる。ギャップがある。このギャップがなくなれば、楽になる
 
 そのためには、「私から見てその人がどう見えるか」ではなく、「その人がどのような世界を見ているか」に寄り添えるようになればよい。。(添付図「当事者と周囲の人とのギャップ」参照)

 


 この関係は、認知症当事者だけではなく、あらゆる人に対しても、当てはまる。相手のことを分かっているつもりでも、本当は私たちの視点から見ているにすぎず、本当のその人の想いをくんでいないのかも知れない。謙虚な気持ちで、素直に相手により添おうとする。一人一人がそのように生きていけば、生きやすい世の中に変わって行く。
 
 認知症当事者に優しい社会は、すべての人に優しい社会だ。それが「インクルーシブ社会」の一つの姿なのではないだろうか。






 

(K0331) 「徘徊」使いません(1) <脳の健康>

 
Facebook友だちの石前 浩之さんの投稿

===== 引用はじめ
 私も多少関わった25日付の紙面の記事。
認知症のご本人に接すると、より理解が深まる話だと思います。
ご本人に焦点を当てた記事をこれからもっと発信していきます。
===== 引用おわり

そこで引用していたのは、
https://www.asahi.com/articles/ASL3N6H64L3NULZU015.html
添付写真は、このサイトから転載
 



「徘徊」を使わない動きが広がっている

===== 引用はじめ
 認知症の人が一人で外出したり、道に迷ったりすることを「徘徊(はいかい)」と呼んできた。だが認知症の本人からその呼び方をやめてほしいという声があがり、自治体などで「徘徊」を使わない動きが広がっている。
===== 引用おわり
 


朝日新聞もまた、「徘徊」の言葉を原則として使わないことにした。

===== 引用はじめ
 朝日新聞は今後の記事で、認知症の人の行動を表す際に「徘徊(はいかい)」の言葉を原則として使わず、「外出中に道に迷う」などと表現することにします。今後も認知症の人の思いや人権について、本人の思いを受け止め、様々な側面から読者のみなさんとともに考えていきたいと思います。
===== 引用おわり
 


介護関係者らが使用停止を呼びかける動きもある。

===== 引用はじめ
 兵庫県たつの市のNPO法人播磨オレンジパートナーは、「歩く目的あり。徘徊と言わないで!」というメッセージ入りの缶バッジをつくった。賛同した全国の介護関係者らとともに16年から「撲滅キャンペーン」を展開する。「認知症をニンチと言わないで!」という呼びかけとセットだ。
===== 引用おわり
添付写真参照
 

続く。



2018年3月27日火曜日

(K0330) 「長寿リスク」対策「トンチン年金」 <高齢期の家庭経済>

 
 若い時は「短命リスク」、年をとったら「長寿リスク」だと思う。
 

===== 引用はじめ
 介護施設に入居される際には、入居料を公的年金に加えてご自分で蓄えた資金を活用して支払われる方が多いようです。ところが、長生きによって蓄えが底をつき、入居料が払えなくなり、退去せざるをえなくなる方がいらっしゃるというお話を聞くようになりました。自分が何歳まで生きるかわからない。長生きがまさにリスクとなっているのです。
===== 引用おわり
 
 【(年間支出-年間収入)×余命】が【ある時点の蓄え】より大きくなったら、破産する。つまり、余命が長くなるリスク、「長寿リスク」というものが存在する。「短命リスク」もあることはある。夫の年金で暮らしていた妻にとって、夫が死ぬと年金が遺族年金になって減額されるというリスクもあるが、「長寿リスク」の方が大きいだろう。
 



===== 引用はじめ
 --長生きすればするほど受取額が増える「トンチン年金」が注目を集めている
 田村氏(*) 「100歳時代年金」は、解約返戻金を抑えることでより多くの年金を受け取ることができるようにした、いわゆるトンチン年金です。「長寿年金保険」と「終身生活介護年金保険」をセットにすることで、生涯にわたって年金を受け取れる仕組みです。
===== 引用おわり
(*) 太陽生命保険 取締役常務執行役員 田村泰朗氏
 


トンチン年金とは、何か。
 
===== 引用はじめ
  「トンチン」とは17世紀にイタリアのロレンツォ・トンティ氏が考え出したとされる「トンチン年金」に由来する。ごく簡単に言うと、年金保険への加入者が亡くなったとき、その遺族に対する保険金などは支払わず、その分は生きている他の加入者の年金原資に回すという仕組みだ。このため加入者は長生きするほど、多くの年金を受け取れるようになる。逆に年金を受け取る前に亡くなれば、保険料は掛け捨てだ。
===== 引用おわり
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO07186850T10C16A9945M01?channel=DF280120166591
添付図は、このサイトより。
 

出典
「年金と介護保障をセットで提供」「太陽生命保険 長寿への備え」、
【100歳時代プロジェクト・パートナー企業分科会】、
産経新聞(2018/03/14)
 
太陽生命保険 長寿への備え 年金と介護保障をセットで提供
http://www.sankei.com/life/news/180322/lif1803220025-n1.html


(K0329)  インターネット通販は「買い物弱者」対策になりえるか <インクルーシブ社会>

 
【目次】
1.   買物弱者の出現

(1)  世帯主が高齢化している
(2)  高齢でマイカーを運転できなくなると
(3)  人口減少が進んだ地方では
(4)  エレベーターのない集合住宅では
 
2.   インターネット通販  その限界
(1)  若い人を中心にインターネットによる商品購入が増えている
(2)  インターネットを自在に使いこなしてきた世代が高齢になってくる
(3)  トラック運送業界の現状。ドライバーの不足、高齢化
(4)  無人運転の自動化  その限界
 
3.   小型無人機「ドローン」  その限界
(1)  検討状況  その限界
(2)  ドローンが頭上を飛び回ってよいのか
 
4.   賢い対応
(1)  インターネット通販、小型無人機「ドローン」の活用  使い分け
(2)  循環型商店街
(3)  地域配送隊
 


【各論】
 
1.   買物弱者の出現

(1)  世帯主が高齢化している
 世帯主が65歳以上の世帯は2015年の1917万9千世帯から、2040年には2242万3千世帯に増える。

(2)  高齢でマイカーを運転できなくなると
 高齢でマイカーを運転できなくなると、途端に行動範囲が狭まる。

(3)  人口減少が進んだ地方では
 人口減少が進んだ地方では商店の廃業や撤退が進み、ちょっとした買い物でもバスを乗り継いで出掛けなければならないといったケースも見られる。

(4)  エレベーターのない集合住宅では
 高齢者の中には店舗が近くにあっても自宅が高台にあったり、エレベーターのない集合住宅に住んでいたりして、「重い荷物を持って階段を上るのは大変」といった悩みを抱える人は少なくない。
 

2.   インターネット通販  その限界

(1)  若い人を中心にインターネットによる商品購入が増えている
 2人以上の世帯におけるインターネットを使って注文した世帯の割合が、2002年の5・3%から16年には27・8%に伸びた

(2)  インターネットを自在に使いこなしてきた世代が高齢になってくる
 「高齢者はインターネットを使うのが苦手」と思い込んでいた。しかしよく考えると、これからは、インターネットを自在に使いこなしてきた世代が高齢になってくる

(3)  トラック運送業界の現状。ドライバーの不足、高齢化
 インターネット通販が充実すると、商品を運ぶ人手が必要になる。ところが、トラック運送業界は、少子化による若者不足に加えて、規制緩和による競争激化もあり、危機的ともいわれる運転手不足に直面している。

(4)  無人運転の自動化  その限界
 トラック自体が荷棚から個別の配達商品を選別し、重い荷物を階段の上の玄関先まで運んでくれるわけではないだろう。
 

3.   小型無人機「ドローン」  その限界

(1)  検討状況  その限界
 政府内ではトラック輸送に代えて、ドローンによる配送も検討されているが、どれだけの重量のものを運べるのか疑問だ。

(2)  ドローンが頭上を飛び回ってよいのか
 そもそも大規模な数のドローンが頭上を飛び回るようになったのでは、危険で外出するのも困難となろう。
 

4.   賢い対応

(1)  インターネット通販、小型無人機「ドローン」の活用  使い分け
 利用できるものは利用するが、過度に依存しない。日用品は、なるべくインターネット通販に頼らないよう心掛ければ、ドライバー不足を少しは改善できる

(2)  循環型商店街
 商店が無くなった地域には、いくつかの個人商店からなる「巡回型商店街」を都道府県が主導する形で創設し、日にちを決めた移動マーケットを開く。

(3)  地域配送隊
 地域ごとに荷物を受け取る物流拠点を定め、そこまで取りに行けばドライバーの負担は軽減される。取りに行けない高齢者には、住民ボランティア組織「地域配送隊」を結成し、サポートすることを考えてもよいだろう。
 
 
出典
河合雅司、「巡回型商店街」の創設を 買い物弱者対策 
日曜講座・少子高齢時代、オピニョン、産経新聞(2018/03/18)
 
買い物弱者対策 「巡回型商店街」の創設を 論説委員・河合雅司
http://www.sankei.com/premium/news/180318/prm1803180004-n1.html
添付図は、このサイトから


2018年3月26日月曜日

(K0328)  報酬をどう考えるか /自治会長奮闘記(11) <地域の再構築>

 
 自治会の任期は2年で、なかなか次に自治会員を引き受けてくれる人を探すのが難しい。会長さんが色々考え、自治会規約を変更することになった。変更する一つに、お金の話があった。提案されるまで、何回も書き直されてきた。
 

ポイント1: 役員会に出席した場合、これまでは無償だったが、1回に付き500円支給することにした。これは、「役員活動費」であって「報酬」とは位置付けない。

 「役員会に役員が出席した場合、活動慰労見合いとして役員会1回の出席に付き、報酬金は1,000円とする。」 → 「役員の報酬は自治会活動費として、役員会1回の出席に付き、500円とする」 → 「役員活動費は自治会活動費として、役員会1回の出席に付き、500円とする。」
 

ポイント2:役員会出席でなくても、役員会が認める活動に参加したら、500円を支給する。「役員会が認める活動」とは、「区防災福祉コミュニティに参画」「ふれあいまちづくり協議会に参加」「資源集団回収リーダー研修会の参加」など

 「自治会活動に参加した場合は、1回の参加に付き500円とする」→「役員会が認める活動に参加した場合は、1回の参加に付き500円とする」
 

ポイント3:「実費弁償」「実施弁済金」は、削除した

 検討過程で提案されていた。お役所ではよく使われる言葉らしいが、一般には使われない言葉であり、また、これを削除しても困らない。
 
 

【変遷】
 
(1)  13条 2) 役員会に役員が出席した場合、活動慰労見合いとして役員会1回の出席に付き、報酬金は1,000円とする。

(2)  10条 自治会の運営に必要な事項及び必要な経費・報酬・実費弁償等は役員会で協議して執行するものとする

(3)  第5条:また、自治会の活動にあたり、必要な事項及びそれに伴う必要な経費・報酬・実施弁済金等は、役員会で協議して執行するものとする / 【細則 第1規則第5条による役員の報酬は自治会活動費として、役員会1回の出席に付き、500円とする。また、自治会活動に参加した場合は、1回の参加に付き500円とする。

(4)    第5条:また、自治会の活動にあたり、必要な事項及びそれに伴う必要な経費・役員活動費は、役員会で協議して執行するものとする / 【細則 第1】規則第5条による役員活動費は自治会活動費として、役員会1回の出席に付き、500円とする。また、役員会が認める活動に参加した場合は、1回の参加に付き500円とする。

2018年3月24日土曜日

(K0327)  高齢者のゴルフ 記憶力改善効果 <脳の健康>

 
その研究は、平成2810月からスタートした。
 
===== 引用はじめ
 「高齢者の認知機能低下予防におけるゴルフの効果検証」の介入プログラムを開始しました
 国立長寿医療研究センターでは、平成281018日(火)より、東京大学、杏林大学、ウィズエイジングゴルフ協議会との共同研究による「高齢者の認知機能低下予防におけるゴルフの効果検証」(主任研究員:島田裕之 予防老年学研究部部長)の介入群のプログラムを開始しました。会場は、埼玉県日高市の日高カントリークラブで行われました
===== 引用おわり


http://www.ncgg.go.jp/topics/20161020.html
 


以下のサイトで、研究の概要が示されている。
http://withaging-golf.com/research/#section1
 
 
研究結果は、平成303月に公表された。

 
===== 引用はじめ
 65歳以上でゴルフ未経験の106人を対象に6カ月間ゴルフ教室を実施。毎週1回、90分の練習セッションを14回、その後120分間のコースセッションを10回行い、その結果、単語記憶(30点満点)が13点から約14点へ、論理的記憶が約15点から16点半ばへと、いずれも事後の方が数字がアップした。


 国立長寿医療研究センター・予防老年研究部の島田裕之部長は「運動不足はアルツハイマー発症の1番の危険因子。ゴルフには運動、脳トレ、社会的活動と認知症予防になる要素がそろっており、ゴルフは認知症の予防になる」と説明した。
===== 引用おわり
https://gunosy.com/articles/atgh7
 

(1)  体を動かすことに加え、
(2)  スコアを計算したり
(3)  他の人と交流したりすることで
認知機能が改善された可能性がある
http://www.sankei.com/life/news/180323/lif1803230038-n1.html
 
説明に説得力がある。
 

ただし、「ゴルフをほとんどしたことがない、またはほとんどしない65歳以上の男女(平均年齢70.1歳)53人に平成28年10月から半年間、週1度のゴルフ教室に参加してもらい」とある。運動習慣のない人が、半年間週1度運動する習慣をつければ、ゴルフでなくても数値が改善されそうな気もする。
 

それにしても、
FacebookBlogなどを書いてばかりいると、認知症が早めにお迎えに来るのかな…
そうかもしれない。
 
 
クラブの握り方の写真の出典は、
https://www.google.co.jp/search?q=%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E3%81%AE%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E6%A9%9F%E8%83%BD%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%95%E3%81%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E6%A4%9C%E8%A8%BC&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwillubogIXaAhXLerwKHSOeDVcQsAQIUw&biw=1536&bih=714&dpr=2
 

研究発表の写真の出典は、
https://www.nikkansports.com/sports/golf/photonews/photonews_nsInc_201803230000445-0.html


 
 

2018年3月23日金曜日

(K0326)  ハードとソフト /自治会長奮闘記(10) <地域の再構築>

 
 現在の自治会は、この2年間、とても頑張ってこられた。
 

会長【挨拶】
===== 引用はじめ
 私の原点は、私が会長を引き継ぎにあたり、前会長から、前向きに、市に要望をしていかなければ何も変わらない。
自治会が、住民が声をあげなければ100年たっても安全で安心して住める●町にはならない。
皆様それでいいのですか。子の代、孫の代に恥ずかしいのではないですか?
この状況では、空き家ばかりで、若い人が来ない安心して住める街にならないでしょう。
この言葉を胸に、この2年間頑張ってきました。
 
 生活に直結するゴミの問題。暴風時に水路が濁流になる溝の蓋掛け。交通に支障がある電柱の移設。住民の安全を守る防犯カメラの設置。自治会・行政の大事なお知らせを知らせる掲示板の設置など頑張ってまいりました。
 
 その結果、ほとんどの住民の方にご支援、ご賛同の声を頂きまして、頑張ったおかげと、感謝申し上げます。まだまだ道半ばであります。また、心残りでありますが、次期、自治会の役員の皆様にお願いする次第です。今後とも、次期役員の皆様に協力していただき安心して安全に住める街にしていってほしいと思います。
===== 引用おわり
 
 実際、目に見える形で、町が変わってきた。
 


 その一方、一年前の活動計画書を見ていて私の目を引いたのは、「高齢者の把握と日常生活の気配りを行う」である。「その通りだ」と「これで良いのか」という、相反する声が自分の中で響いた。
 
 確かに高齢化率が高く、てっきり都会だと思っていたのに、栄えある?「消滅可能性都市」に選ばれた。「消滅可能性都市」とは、「2039歳の女性の数が、2010年から40年にかけて5割以下に減る自治体」である。高齢者への対応が必要である。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H0H_T20C14A9NN1000/
 
 この町は、高齢化率は高いが、新規の戸建もボチボチ建てられ、若い子育て世代も移ってきている。こういう世代が移り住みたくなる町になることが大切なのではないか。高齢者ばかりではなく、若者にも目を向けなければならない。
 

 そこで活動方針の中に追加した。
4) 地域の福祉の増進       高齢者も若者も暮らしやすくなるための方策を模索する
5) ふれあう機会の増加     ふれまち協議会の行事などへの参加を誘う
 
 具体的に何をすればよいのか、正直に言って未だ分かっていない。でも、この方向に進んでいきたいと思っている。間違ってはいなといと思う。
 
 ハードも大切だけれど、ソフトも大切だろう。ソフトは、目に見えにくい分、取り組みが難しい面もある。
 
 自治会としてパワーは限られている。両者のバランスをどのようにとればよいのだろうか…、具体的に何をしていけばよいのだろうか…、優先順位をどう考えたらよいのだろうか…