2018年6月30日土曜日

(K0426)  3つのタイプ別 尿漏れ改善 / 軽い尿漏れ対策(2) <体の健康>

 
 尿漏れの予防は、肥満にならない、適度な運動をするなどの健康習慣が大前提です。その上で、尿漏れ改善をタイプ別に説明します。
 

(1) 腹圧性尿失禁

 腹圧性尿失禁は、出産や加齢、肥満などにより骨盤底筋が弱まることが原因です。症状を改善するには「骨盤底筋体操」(添付図参照)が有効です。
 いすに座って足を肩幅に開きます。背筋を伸ばして正面を向いたまま全身の力を抜き、肛門と膣を締めてゆっくり5秒数えます。これを3~5回繰り返しましょう。あおむけに寝て、膝を立てた状態でもできます。(注)女性向け説明
 簡単な体操なので続けやすく、予防にも効果的です。毎日続ければ6~8週間ほどで効果が実感でき、症状が改善されるそうです。
 

(2) 切迫性尿失禁

 切迫性尿失禁は、膀胱が過敏になっており、尿が十分にたまらないうちに尿意を感じる過活動膀胱の症状の一つです。
 服薬による治療のほか、尿意を我慢することによる膀胱訓練も改善に役立ちます。排尿間隔を少しずつ延ばすことで膀胱が広がり、尿がためられるようになります。骨盤底筋体操を並行して行い、尿道を締める力を鍛えることも必要です。
 

(3) 溢流性尿失禁

 溢流性尿失禁の場合は、前立腺肥大などの尿が出ない原因を解消する治療と、残尿をなくすための治療があります。
 服薬や手術に加え、排尿時に腹部を押し、尿を出し切るように心がけることも大切です。
 


<出典>
西村かおる、軽い尿漏れ対策 自分の症状見極めて
【快適生活学】 産経新聞(2018/06/20)
添付図は、この誌面より


2018年6月29日金曜日

(K0425) 見つけた課題、行政任せにせず / NPOで社会を変える(2) <システムの構築>

 
 まずはどんな社会課題に取り組むか。その「気づき」がNPOを立ち上げる出発点になる。原動力になるのは、企業や行政に頼らず、市民の力で何とかしようという「思い」だ。
 
 これは、NPOの強みを生かすことでもある。
 
===== 引用はじめ
 NPOの強みは先駆性と柔軟性にある。行政はリスクを恐れて新たな社会活動にはすぐ対応できない面があるが、NPOなら「まずやってみる」という「実験」ができる。特定の人々のニーズに応じて弾力的に対応できる点も、公平性が求められる行政との大きな違いだ。

横田能洋、「先駆性と柔軟性生かして」
===== 引用おわり
 

 空き家問題のような社会活動を解決するには、議員や役所に要望すればいい、という考え方は根強い。しかし不動産業者はもうけが出ないと敬遠し、市役所も素早く対応できなかった。ならば自分たちで――。

 「坂の町」として知られる広島県尾道市、NPO「尾道空き家再生プロジェクト」の代表理事である豊田雅子さん(44)は言う。「市民が自ら動いた方がいいアイデアが出やすい。取り組みが長続きするし、町や社会はきっとよくなる」。
 
 

 新聞記事から離れる。
 
 NPO法人を立ち上げる場合は、どのような課題でもよいという訳ではなく、法律で指定された分野で活動する。現在は、20分野が認められている。複数の分野に取り組んでもよい。
 
第1号  保健、医療又は福祉の増進を図る活動
第2号  社会教育の推進を図る活動
第3号  まちづくりの推進を図る活動
第4号  観光の振興を図る活動
第5号  農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
第6号  学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
第7号  環境の保全を図る活動
第8号  災害救援活動
第9号  地域安全活動
10 人権の擁護又は平和の活動の推進を図る活動
11 国際協力の活動
12 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13 子どもの健全育成を図る活動
14 情報化社会の発展を図る活動
15 科学技術の振興を図る活動
16 経済活動の活性化を図る活動
17 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18 消費者の保護を図る活動
19 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20 前各号で掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

https://www.npo-homepage.go.jp/about/toukei-info/ninshou-bunyabetsu
 

取り組んでいる法人数(以下に示す各々の最後の数字)の多い順で5分野をあげると、

(1)  第1号      保健、医療又は福祉の増進を図る活動     30,527
(2)  第2号      社会教育の推進を図る活動       25,174
(3)  19     前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動  24,600
(4)  13     子どもの健全育成を図る活動     24,246
(5)  第3号      まちづくりの推進を図る活動     23,110
 
 ニーズが多く、かつ、NPO法人として取り組みやすい分野と言えるだろう。
 
 


 なお、「NPO」と「NPO法人」は、使い分けるのがよい。

l  NPO」とは「Non-Profit Organization」又は「Not-for-Profit Organization」の略称で、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。
l  特定非営利活動法人(NPO法人)とは、特定非営利活動促進法に基づき法人格を取得した法人です。

 
 「NPO」は誰でも勝手に自称できるが、「NPO法人」は認定されなければ名乗ることはできない。
 
 

<出典>

見つけた課題、行政任せにせず
【NPOで社会を変える】(2) 朝日新聞(2018/06/21)
 
(教えて!NPOで社会を変える:2)見つけた課題、行政任せにせず
https://www.asahi.com/articles/DA3S13549288.html
添付図は、ここから


2018年6月28日木曜日

(K0424) 「尊厳」「尊厳死」とは? 「尊厳死」の「尊厳」でよいのか <臨死期>

 
 最近、「尊厳死」という言葉をよく聞く。「尊厳」と聞くと「尊厳死」を思い浮かべてしまう。
 
 多分、一番オーソドックスな定義を、下に示す。

===== 引用はじめ
 尊厳死とは、不治で末期に至った患者が、本人の意思に基づいて、死期を単に引き延ばすためだけの延命措置を断わり、自然の経過のまま受け入れる死のことです。本人意思は健全な判断のもとでなされることが大切で、尊厳死は自己決定により受け入れた自然死と同じ意味と考えています。
===== 引用おわり
日本尊厳死協会
www.songenshi-kyokai.com/question_and_answer.html
 

 言っていることは分かるが、そもそも「尊厳」というのは、そういうものなのだろうか。定義では、死に方から始め、その死に方に「尊厳」という言葉を使っている。「尊厳死」という言葉を作って、そう定義するのは自由だが、「尊厳」はそういうものではないのではないか。
 


 曽野綾子さんが、尊厳に関連して次のように書いている。
 
===== 引用はじめ
 聖書の中で私の好きな言葉は「受けるより与える方が幸いである」(『使徒言行録』2035節)という箇所だ。これは人間の尊厳と密接な関係がある。現実の問題として、人は他人から与えられる時も嬉しいが、人に与えた時も嬉しいものなのだ。
 もっともその機能が狂っている人もいる。最近の若い人は「受けるのが権利」というふうにしか考えない。与えたら損になると思っている。同様に年寄りにも強欲な人が出てきて、親戚や社会からもらって当然という顔をする人もいる。

 … 別に与えられない人は一人前になれないとは言わないが、少なくとも他人からどんなに世話を受けても、感謝を忘れなければ、相手に満足や嬉しさを贈るという形で与えている。それが成熟した人間の姿勢だと思うのだが。
===== 引用おわり
 

 これは「尊厳生」について述べているのではないだろうか。どのようにしたら、尊厳をもって生きられるか。曽野さんのは一つの答えで、価値観はいろいろだから、別の答えもありえる。
 
 いずれにせよ、「尊厳死」を考える前に、「尊厳生」を考えたい。そして自分の信じる「尊厳生」を死ぬ直前まで大切にして生ききる。私は、そこで「尊厳死」を迎えたのだと言いたい。
 
 延命処置を受けながら、子や孫のことを想い、彼らの幸せを祈りながら死んでいく。それも、本来の「尊厳」を成就する、立派な「尊厳死」だと、私は思う。
 


<出典>
曽野綾子、感謝を示すだけでも役に立てる
【透明な歳月の光】804 受けることと与える事  産経新聞(2018/06/20)

2018年6月27日水曜日

(K0423)  尿漏れの3つのタイプ / 軽い尿漏れ対策(1) <体の健康>

 
 花王の調査では、「軽い尿漏れ」症状は50代では3割以上の男女、70代では半数以上の女性が経験しているそうです。
 
 
 尿漏れにはいくつものタイプがありますが、特に多くの人が悩む3つの症状を紹介します。
 
(1) 腹圧性尿失禁

 女性の尿漏れで最も多い。せきやくしゃみ、スポーツなどで腹部に力がかかると尿漏れを起こします。
 

(2) 切迫性尿失禁

 膀胱に尿をためる機能が低下し、トイレが近くなったり、トイレに間に合わなくなったりします。
 

(3) 溢流性尿失禁

 尿が出にくく排尿までに時間がかかるのに、少しずつ漏れ出てきてしまう症状です。
 

 尿漏れの改善には、自分の症状を知ることが第一です。そのためには、1日にどれくらいの水分をとっていて、排尿は何回あるのか記録する「排尿日誌」が役立ちます。24時間つけてみると、自分の尿漏れのタイプ、対策も分かってきます。

 対策については、後ほど。
 
 
<出典>



西村かおる、軽い尿漏れ対策 自分の症状見極めて
【快適生活学】 産経新聞(2018/06/20)
添付図は、この誌面より


2018年6月26日火曜日

(K0422)  本来の課題 先取り / NPOで社会を変える(1) <システムの構築>

 
===== 引用はじめ
 「周りに空き家が増えた」「高齢者の居場所がほしい」――。こんな問題に直面したとき、あなたならどうしますか? 最近では政治や行政に頼らず、非営利組織(NPO)を立ち上げてこうした課題を解決しよう、いわば社会を変えようとする人も珍しくはありません。本当にNPOで社会を変えることなんて、できるのでしょうか。全8回で社会の変え方、教えます。
===== 引用おわり
 

 「現在の社会課題に取り組んでいるだけでなく、未来の社会課題を先取りしている」という。
 
(1) 空き家対策する

(2) 高齢者の居場所をつくる

(3) 災害救援する

(4) 子ども食堂を運営する

(5) LGPTなど性的マイノリティーを支援する

(6) 最近増加している「医療的ケア児」と呼ばれる障害児を支援する
  医療的ケア児:生活する中で”医療的ケア”を必要とする子どものこと
  医療的ケア:病院以外の場所で”たんの吸引”や”経管栄養”など、
   家族が医療的ケア児に対し、生きていく上で必要な医療的援助
  (全国医療的ケア児者支援協議会, http://iryou-care.jp/about/

(7) アニメや特撮、ゲームなど新たな文化財を後世に残す

(8) ブラインドサッカーやボッチャなど障害者も楽しめるスポーツを普及させる

など
 

 こうした課題は、まだ気づいている人は少ないものの、将来大きな問題になる可能性を秘めた「社会課題の芽」だという。
 



 以下は、私のまとめだが、「未来の課題 先取り」という観点からみて、NPOはいくつかの特徴をもっているようだ。
 
(1) 会社や役所に就職するより、より「やりたいこと」を直接しているという実感をもちやすい

(2) 役所に陳情するのなど他者に依存するのではなく、自らの手で課題解決に挑戦しやすい

(3) 収入あるいは収益を二の次にでき、やりたいことを優先させやすい

(4) 行政や企業がしていることから抜け落ちてしまっていると思われる課題に取り組みやすい
 


【展開】
 
(1) 会社や役所に就職するより、より「やりたいこと」を直接しているという実感をもちやすい

 日本で「就職」という言葉を使うが、「就社」という言葉が適切ではないかと思う。「○○を造っている会社」に「就職」しても、あるいは「世の役に立ちたい」と役所に「就職」しても、中に入ると、配属があり、異動があり、分業化しており、歯車の一つになるので、「やりたいこと」を直接しているという実感をもちにくい。ある組織に属することは決まっても、何をするかは「就社」した時点では決まらない。NPOは「やること」が絞り込まれていることが多く、自分の「やりたいこと」とマッチングさせやすい。
 ただし、一人何役もやらされる小さな会社はNPOに近く、規模の大きいNPOは会社に近い。
 
 
(2) 役所に陳情するのなど他者に依存するのではなく、自らの手で課題解決に挑戦しやすい

 NPOへの関わり方は、二つある。①自分の課題にすでに取り組んでいるNPOがあれば、その「職員」や「会員」になったり、ボランティアで手伝ったりする「仲間」になったり、署名活動や寄付をする「応援者」になったりする。②自ら仲間を募って、あるいは仲間の誘いに乗って、目的やミッションを共有するNPOを立ち上げる。最近では株式会社や社団法人も簡単にできるようになったが、NPO法人は法人を設立しやすいというメリットがある。先に説明した(1)は①の「職員になる」関わりであるが、②の関わりで役所に陳情するのなど他者に依存するのではなく、自らの手で課題解決に挑戦しやすい。
 

(3) 収入あるいは収益を二の次にでき、やりたいことを優先させやすい

 最近では中小企業並みの給与を払うNPOも出てきて、希望者を対象にした就職説明会も開かれるようになった。しかし、生活の糧は他のところで得(本業での給与、夫などの収入、高齢者においては年金も含む)、それとは別にNPOに取り組む人が多い。弁護士や公認会計士といった資格や、仕事で培ってきた専門知識・経験を活かしてNPOを手伝う「プロボノ」と呼ばれる社会貢献活動も盛んになってきた。
 株式会社の経営者(社長)は、株主のため、あるいは自分の生活の為に収益をあげ、より増やさねばならない。NPOの経営者(理事長)は、赤字を出さないようにしなければならないが、収益を増やすことを優先させる必要はなく自らの使命の遂行に集中でき、また収益が出た場合はNPOの目的にそって投資することができる。
 

(4) 行政や企業がしていることから抜け落ちてしまっていると思われる課題に取り組みやすい

 行政や企業にはさまざまな制約があり、ニーズがあっても取り組めないことが多い。まだ多くの人が気づいていないニーズ、将来的には重要でも緊急性の少ないニーズ、問題を抱えている人が少ないニーズ、企業としては採算のとりにくいニーズ、細やかで柔軟な対応が必要なニーズなどに挑戦しやすいのが、NPOのメリットだろう。
 行政や企業が取り組める課題、あるいは、取り組めるようになった課題については、NPOとしては彼らに任せる、あるいは、NPOから会社組織に変える方が、社会全体として効率的でメリットがあるのではなか。
 

<出典>

本来の課題 先取り
【NPOで社会を変える】(1) 朝日新聞(2018/06/20 ?)
 
(教えて!NPOで社会を変える:1)未来の課題、先取り
https://www.asahi.com/articles/DA3S13547639.html
添付図は、ここから


(K0421) 『礼記』(2) 八十の者 一子政に従わず <システムの構築>

 
前回からの続き。
 
 『礼記』には、現在に通じる知恵がある
 
(1) 「罪ありといえども、刑を加えず」
(2) 「子が養え」
(3) 「税に従わず」
 

【展開】
 
(1) 「罪ありといえども、刑を加えず」

 「耄」「悼」には、たとえ有罪でも刑罰を科してはならない、とある。「耄」は8090歳で「惛忘」(認知症)の状態になる。「悼」は、7歳未満で幼児にあたる。日本の最近の裁判の結果を予言しているかのようだ。
 
「耄」。JR東海認知症事故訴訟 最高裁判決

===== 引用はじめ
 責任能力がない認知症男性=当時(91)=が徘徊(はいかい)中に電車にはねられ死亡した事故で、家族が鉄道会社への賠償責任を負うかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、男性の妻に賠償を命じた2審名古屋高裁判決を破棄、JR東海側の逆転敗訴を言い渡した。判決が確定した。
===== 引用おわり
https://www.sankei.com/affairs/news/160301/afr1603010024-n1.html
 
 認知症で万引きした老人も、裁判沙汰になっている。『礼記』では、罪に問われない。
 
 
「悼」。今治。小学生が蹴ったボールで転倒し死亡――親の「賠償責任」 最高裁判決

===== 引用はじめ
 いまから11年前、学校の校庭でサッカーをしていた小学6年生の男児(当時11歳)が蹴ったボールが道路に飛び出し、それをよけようとした男性(80代)が転倒して、約1年半後に死亡した。その男性の遺族が少年の両親に対して損害賠償を求めた裁判で、最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)は49日、監督義務違反があったとして両親に賠償を命じた2審の高裁判決を破棄し、遺族側の請求を棄却する判決を下した。
===== 引用おわり
https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_2936/
 

(2) 「子が養え」

 『礼記』では、100歳は子が養え、と言っている。

 一方、日本では、社会保障制度へ凭掛(ヨリカカリ)しようとする。

===== 引用はじめ
 社会保障費は、本来、自分たちが積み立ててきた蓄積金額の範囲内で配分すべきものなのである。しかし、そういう自律・自立・自己責任の個人主義精神は、家族主義で来た日本人に乏しい。
 金額が不足なら、御本家が、お上が補えばいいと思い、そう要求する、ぶら下がるので、今や社会保障費は厖大な赤字となってそれが蓄積され、絶望的となっている。
===== 引用おわり
 

(3) 「税に従わず」

 東北アジアの古代においては、家族主義(厳密には一族主義)であっったから、高齢になると、子が養ってきた。しかし、ただ単に家族が負担せよと言っていたのではない。『礼記』には知恵がある。

===== 引用はじめ
 曰く、八十の者[がいるとき]は、一子政(税)に従わず。九十の者は、その家[全員が]政に従わず。廃疾(*)[で一般]人[と同じ]にあらざる、養われざる者は、[家族の誰か]一人政に従わず。
===== 引用おわり
(*) 不治の病気。
 
 こうした免税をするので、家族主義の下、介護・養老等ができたのである。
 


<出典>

加地伸行、「八十の者 一子政に従わず」
【古典個展】産経新聞(2018/06/18)
 
写真は、
https://mainichi.jp/articles/20180419/k00/00m/040/155000c
より。


2018年6月24日日曜日

(K0420) 『礼記』(1) 人生100年 <個人の発達>

 
江戸時代は、「人生50年」

===== 引用はじめ
 人生50年。俳人の松尾芭蕉(まつおばしょう、1644-1694)は、享年50歳、大坂で客死しています。本コラムで毎回登場している井原西鶴(いはらさいかく、1642-1693)は「浮世の月見過ごしにけり末二年」と人生50年、自分は余分に2年も生きて、この浮世で月見をしてきたと辞世を残しています。
===== 引用おわり
https://thepage.jp/detail/20170110-00000008-wordleaf?pattern=4&utm_expid=90592221-90.XuDNLc76QeGwwGjZsGOLmA.3&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2Furl%3Fsa%3Dt%26rct%3Dj%26q%3D%26esrc%3Ds%26source%3Dweb%26cd%3D7%26ved%3D0ahUKEwjsh4nLkOzbAhVFi7wKHTETDMsQFghbMAY%26url%3Dhttps%253A%252F%252Fthepage.jp%252Fdetail%252F20170110-00000008-wordleaf%26usg%3DAOvVaw2uDmTUd5KaNO49g-sbsvW5
 

今や、「人生100年」とも言われている。

===== 引用はじめ
 「人生100年時代構想」
 一億総活躍社会実現、その本丸は人づくり。子供たちの誰もが経済事情にかかわらず夢に向かって頑張ることができる社会。いくつになっても学び直しができ、新しいことにチャレンジできる社会。人生100年時代を見据えた経済社会の在り方を構想していきます。
===== 引用おわり
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/jinsei100.html
 
 

 そうすると、今の50歳は、昔の50歳とは違うということになる。ところが、「周から漢にかけて儒学者がまとめた礼に関する書物」と言われている(*)『礼記』は、不思議なことに今の年齢感にあっている。
(*)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BC%E8%A8%98
添付図は、このサイトから転載。
 
 
===== 引用はじめ
 『人生十年曰幼、學。二十曰弱、冠。三十曰壯、有室。四十曰強、而仕。五十曰艾、服官政。六十曰耆、指使。七十曰老、而傳。八十、九十曰耄、七年曰悼、悼與耄雖有罪、不加刑焉。百年曰期、頤。』(『禮記』曲禮上)
 
 →
人生における最初の十年は「幼」といい、学問をする。


二十年は「弱」といいい、冠を授かる。
三十年を「壮」といい、家庭を築く。
四十年を「強」といい、仕官をする。
五十年を「艾(がい)」といい、官職や政務に就く。
六十年を「耆(し)」といい、人に指図をする。
七十歳を「老」といい、教えを後人に伝える。
八十、九十を「耄(もう)」といい、
七歳未満を「悼(とう)」という。
「耄」「悼」には、たとえ有罪でも刑罰を科してはならない。
百歳を超えると「期」という。大切にしなれればならない。
===== 引用おわり
https://plaza.rakuten.co.jp/poetarin/diary/201403290000/
 
 


加地伸行(大阪大名誉教授)の解説によれば、

===== 引用はじめ
60歳   現役引退ではなく、人々を指揮する
70歳   家長の地位を譲って子に従う
8090歳  「おいぼれ」。「惛忘」(認知症)
100歳   「養う」。衣服のことも食べるものの味も分からない。
     もう何もわかっていない状態で子が養う
===== 引用おわり
加地伸行、「八十の者 一子政に従わず」
【古典個展】産経新聞(2018/06/18)
 
 

 実に、現代の年齢の感覚に近い。「70歳定年」などは、今の時点でも、将来を先取りしている。まるで、時代を予言しているような、不思議な本である。
 
 
 続く


2018年6月23日土曜日

(K0419)  言われるなら「若々しい」より「自然体だ」 <自立>

 
 前回からの続き
 
===== 引用はじめ
 かつては年を重ねた女性に対するほめ言葉として歓迎されていたのは「若々しい」だった。だが今は変わってきているようだ。
 博報堂新しい大人文化研究所が昨年、40~60代の男女を対象にした調査によると、女性が言われてうれしい言葉で、「自然体だ」(38・9%)が初めて1位になったという。次いで「若々しい」(32・7%)「センスがいい」(31%)と続く。
===== 引用おわり
  これが、自然体の着こなしが好まれる理由だという。
 


 そもそも、今の60代女性は、どのような世代か

(1)  見合い婚より恋愛結婚が多くなった最初の世代。自分で結婚相手を決めたということもあり、主体性がある女性が多い

(2)  青春時代にビートルズの来日やミニスカートブームがあった。70年代には雑誌のアンアンやノンノが創刊され、今につながる若者文化を牽引(けんいん)してきた世代でもある
 

 ちょっと前までの60代は『おばあさん』は、今や『大人の女性』という表現が合う存在に生まれ変わりつつある。経験が自信になり、ありのままの自分で良いと意識している。
 
 個人的な好みだが、『おばあさん』より『大人の女性』がいいな。

 いやいや、人のことを勝手に言うのではなく、自ら『おじいさん』ではなく『大人の男性』にならねば。   これは、難しい!
 


<引用>
60代に提案 自然体の装い
【人生マスターズ】産経新聞(2018/06/06)
写真は、このサイトから
 
60代女性のファッション進化 「心地よさ」「自然体」重視に
https://www.sankei.com/life/news/180518/lif1805180028-n1.html


(K0418)  靴なら「若々しさ」より「履き心地」 <自立>

 
===== 引用はじめ
 カジュアルな装いや、履き心地が良くて、しかもおしゃれな靴-。年を重ねた女性に向けたファッションの提案が変化してきている。「若々しさ」よりも「自然体」を重視した着こなしが多く、「年を重ねることの楽しさ」が伝わってくる。(油原聡子)
===== 引用おわり
 

(1)  60代以上の女性をターゲットにした新ライン「オープンエンド」(百貨店の三越伊勢丹)
(2)  60代女性向けファッション誌ムック本「素敵なあの人の大人服」(宝島社)
 

【展開】

(1)  60代以上の女性をターゲットにした新ライン「オープンエンド」(百貨店の三越伊勢丹)

 百貨店の三越伊勢丹はオリジナルブランド「ナンバートゥエンティワン(NT)」でこの春から、60代以上の女性をターゲットにした新ライン「オープンエンド」をスタートさせた。
 高齢者に対応した従来のコンフォートシューズは、デザインよりも機能性が重視されていたが、オープンエンドでは、足の悩みに対応しつつファッショントレンドにも配慮した靴を企画。人気のローファーは、すっきりした見た目だが、柔らかい革を使い、履き心地をよくした。メーカー独自の製法で中底を抜き、片足約140グラムと通常のローファーより4割も軽くなったという。
 

(2)  60代女性向けファッション誌ムック本(*)「素敵なあの人の大人服」(宝島社)

 60代女性向けファッション誌として話題になっているのがムック本「素敵なあの人の大人服」(宝島社)だ。昨年12月に発売、先月には第2弾も出て、合わせて10万部と好調だ。
 60代女性のファッションは高級志向で華やかなものが注目されていたが、同誌は“心地よい装い”がテーマ。誌面で紹介される服は、カジュアルでナチュラルだ。明るい色を取り入れた着こなしもあるが、あくまでシンプル。
 
(*) 『ムック本』を簡単に説明すると、“雑誌のような作りをした単行本”。ムック本は雑誌とは違い、一つのテーマの“まとめ”のようなトレンドに左右されない内容のものが多いですね。そして、写真やイラストが多く、本自体のサイズも大きいビジュアルを重視した「ビジュアルブック」と呼ばれる、一般の書籍とも作りが違うのもムック本の特徴です。
http://pro.bookoffonline.co.jp/book-enjoy/books-trivia/20180129-zasshi-mook-tigai.html
 
 

  60代女性のおしゃれが変わってきたという

(1)  「今の60代は心が若く、いつまでもおしゃれを楽しみたいと思っている人が多い」とNT営業部の河村明彦さん

(2)  担当編集者の神下敬子さんは「数年前、インテリア本の取材で出会った50~60代の女性たちは何げないおしゃれがすてきでした。60代のセンスが変わってきていると感じました」と明かす


次回に続く
 

<引用>
60代に提案 自然体の装い
【人生マスターズ】産経新聞(2018/06/06)
 
60代女性のファッション進化 「心地よさ」「自然体」重視に
https://www.sankei.com/life/news/180518/lif1805180028-n1.html
写真は、このサイトから



2018年6月22日金曜日

(K0417)  個人Blog 6月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 6月中旬リスト
 

(1266)  (4)パラスポーツは健常者にもできる / 上原大祐
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1266-4.html
 

(1267)  良心学(同志社大)
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1267.html
 

(1268)  米朝首脳会談
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1268.html
 

(1269)  米朝首脳会談(2)
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1269-2.html
 

(1270) 「今の自分を引き受ける」「人間における楽観主義」 / アルベール・カミュ『ペスト』(3-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/12703-1100de.html
 

(1271) 「こんな世界を愛せるか?」「ペストの正体」 / アルベール・カミュ『ペスト』(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/12713-2100de.html
 

(1272) 「5つ教えて3つ褒め、2つ叱ってよき人にせよ」(二宮尊徳)
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1272.html
 

(1273)  大阪北部地震
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1273.html
 

(1274)  朝の詩_(15)雨の中を・(16)母の愛
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1274-1516.html
 

(1275) 「Jayden K. Smithの友情要求を」のメッセージは転送しない
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/06/1275jayden-k-smith.html
 



なお、前回の紹介は、

(K0407)  個人Blog 6月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/06/k0407-blog.html