2018年7月31日火曜日

(K0457)  介護休暇を取得する条件 <介護>

 
1.   介護休暇とは何か

1.1.  介護休暇の根拠になる法律
1.2.  介護休暇を取得できる人、できない人
1.3.  介護休暇を取得しているときの給与
 
2.   介護休暇を取得すると何ができるか

2.1.  介護休暇の対象になる介護
2.2.  介護休暇の対象になる家族
2.3.  介護休暇を取得できる日数
 
3.   私の感想
 
なお、「介護給休業給付金」というのがあるようだ。
 



【展開】

1.   介護休暇とは何か

1.1.  介護休暇の根拠になる法律
 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働種者の福祉に関する法律」によって定められた制度のひとつである。
 
1.2.  介護休暇を取得できる人、できない人
(1) 雇用期間が6カ月以上の人で、正社員だけでなく、パートやアルバイト、派遣労働などの非正規雇用で働いている人も取得できる
(2) ただし、労働協定締結により入社して6カ月未満の労働者や1週間の所定労働日数が2日以下の労働者については取得できないことがある
 
1.3.  介護休暇を取得しているときの給与
 休んでいる間は無給になる
 


2.   介護休暇を取得すると何ができるか

2.1.  介護休暇の対象になる介護
 対象家族の介護、買い物や通院の付き添いなどを行うための休暇である。
 
2.2.  介護休暇の対象になる家族
(1)  2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする要介護状態にある対象家族であり
(2)  対象家族は、事実婚を含む配偶者、実父母、配偶者の父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫に限定されている
 
2.3.  介護休暇を取得できる日数
(1) 1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)を限度として、1日単位や半日単位での取得が可能である
(2) ただし、半日単位で取得することが難しい業務についている方や、1日の所定労働時間が4時間以下の方は、半日単位での介護休暇を取得できない場合がある
 
 
3.   私の感想


(1)  有給休暇との兼ね合い
 介護休暇が無給ということは、有給休暇を使う方が得である。有給休暇がないか使い果たした後に使える制度のようだ。
 
(2)  年間取得可能日
 「2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする」なら、1年に5日では「焼け石に水」ではないか。この制度があるから退職を思いとどまる…ということはあまり起こりそうにない。
 
(3)  有る方が良いが、
 無いよりも有る方が良いが、御利益は限定的ではないか。
 


「介護給休業給付金」については、以下を参照。
https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/kaigo_kyufu.pdf
 


<出典>
関孝子、介護休暇を取得する条件
【治療とお金】 産経新聞(2018/07/25)


2018年7月30日月曜日

(K0456) 身元保証人の署名がないと受け入れない <高齢期の住まい>

 
(1)  「身元保証人の署名がないと受け入れない」

===== 引用はじめ
 厚生労働省が昨年12月、みずほ情報総研に委託して行った調査で、高齢者が介護施設に入所する際に身元保証人がいない場合は受け入れを拒否する施設が、なんと約3割に上ることが分かった。
===== 引用おわり
 

(2)  施設が保証人に求める役割と不安

===== 引用はじめ
 施設が保証人に求める役割としては「緊急時の連絡先」「遺体や遺品の引き取り」「入院時の手続き」「手数料の支払いや滞納時の保証」が多数。
 単身者や身寄りのない人が保証人を用意できないケースは増えているが、施設側は費用の支払いや死亡時の引き取りなどへの不安が根強いようだ。
===== 引用おわり
 

(3)  解決方法はないのか。

===== 引用はじめ
 「抜本的に介護保険法を改定することです。時代のニーズに合ったものにすべきです。しかし、法改定までは時間がかかるので成年後見制度の周知を徹底することです。成年後見制度とは認知症などによって、判断能力が低下してしまった人の財産や権利を法律面や生活面でサポートする制度。しかし、どういう手続きをすればいいのか以前に、多数の人が制度自体を知らないのが現状で、早く知らせるべきです」(上原喜光氏)
 前出の調査では、成年後見制度の申請など「条件付きで受け入れる」が33.7%だった。全く身寄りのない人でもこの制度を使えば安心のように思えるが、成年後見人は葬儀など死後の対応ができないため、厚労省は権限の拡大などを検討中だという。
===== 引用おわり
 


<出典>
介護施設の3割が入所拒否 身元保証人なき高齢者はどう救済
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/229654/3
 
介護施設3割が入所拒否 身元保証人いない高齢者
https://this.kiji.is/371054159329805409?c=39546741839462401
写真は、このサイトから


2018年7月29日日曜日

(K0455) 「年齢の壁」崩れ、50歳以上の転職活況 <高齢期の仕事>

 
 「サービス業を中心に、若手ではなく経験豊富なミドル、シニアを戦略的に活用する企業が増えている」(リクルートジョブズ 広報担当の福田愛さん)。パート・アルバイトでも、シニアの求人数は、27年4~6月期に比べて29年同期は約10倍、応募者数は2倍に増えた。
 
===== 引用はじめ
 人工知能(AI)関連の技術者だけでなく、事務系職種も含めたミドル、シニアの転職市場が活況だ。高い人件費や環境変化への適応性が心配され、「転職は35歳まで」「50歳以上は採用しない」と敬遠された時代から一変。「年齢の壁」が崩れ、競争力確保のため、企業が経験豊富な中高年層を戦略的に獲得する時代が到来した。(大塚昌吾)
===== 引用おわり
 
 「自動運転への対応を急ぐ自動車業界に限らず、あらゆる業種が事業変革を求められ、年齢に関係なく人材獲得に動いている」「50代でもこんなに転職が成立するんだと驚く好調ぶり」(リクルートキャリアの転職サイトの藤井薫編集長)
 
===== 引用はじめ
 日本経団連の会員企業など約7千社が賛助会員の公益財団法人「産業雇用安定センター」は、公共のセーフティーネット。企業が自社の早期退職、再雇用希望者を登録する。…
 29年度は8606件の仲介が成立し、うち50歳以上が54・1%。50歳以上の割合は22年度の33・3%から大きく上昇し、「新卒と同じ売り手市場」(藤井礼一事務局長)の状況だ。
===== 引用おわり
 
 
<出典>

50代以上の転職活況 「年齢の壁」崩れ、経験を評価
産経新聞(2018/06/08)
 
転職市場50代以上も活況! 経験求める企業、決定数8年で倍増
https://www.sankei.com/life/news/180608/lif1806080006-n1.html
添付図は、このサイトから


2018年7月28日土曜日

(K0454) 「免許更新時の認知機能検査」の効用 <脳の健康>

 
 「運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーは、高齢者講習の前に認知機能検査を受けなければならない」こととされている。このことは(K0452)で書いた。
 

 4つの効用があると思う。

(1)  認知症の人が運転して事故を起こす可能性を減らす
(2)  認知症を発見するきっかけになる(添付図参照)
(3)  認知症にかかわる医師が増える
(4)  認知症についての関心が喚起される
 

【展開】

(1)  認知症の人が運転して事故を起こす可能性を減らす

 これが一番の目的である。運転する認知症者が減れば、事故も減るはずだ。
 最終的に免許の取り消しや停止の行政処分を受けたのは1892人で、平成28年の597人に比べて約3倍に増えた。他にも1515人が行政処分に向けた手続き中の状態
 

(2)  認知症を発見するきっかけになる(添付図参照)

   免許更新しようとする75歳以上の人は、必ず認知機能検査を受けることになる。この意義は大きい

   全国で210万人5477人が検査を受け、そのうち57099人が第1分類と判定(「認知症の恐れ」)された。率にして2.7%。免許更新しようとする人たちでこの率なので、全体でいうともっと割合は高いだろう

   第1分類になった57099人のうち、医師の診断を受けたのは16470人。率にして29%。医師の診断待ちの人もいるので、この割合は高くなる

   診断した16470人のうち、行政処分を受けたのが1892人、手続き中が1515人。合計の割合は、21%

   「第一分類」と認定された人は、自主返納すれはそれで終わるが、自主的に医師の診断も受け、進行しているようなら対策してほしい。現時点の医療では、治すのは難しいようだが、進行を遅くできる可能性はある
 

(3)  認知症にかかわる医師が増える

 「当初は医師不足が懸念されたが、医師がいなくて困るという声は上がっていない」。3つのケースがある。

   「指定医」(1272人。20%):認知症についての専門的な知識があり、都道府県公安委員会が指定

   「指定医以外の医師」(4990人。80%):指定医のいる医療機関が居住地から離れているケースなどで警察が近場の医師を紹介する

   「普段のかかりつけ医」
 

(4)  認知症についての関心が喚起される

 認知機能検査を受けた方がよいと思いつつも、なかなか行けないものだ。半ば強制的に行かされるのも結果としては良いことだし、検査を受けた人が増えて体験談などを聞けば、検査への抵抗感が和らぐのではないか。認知症を他人事と考えずに、自分や家族もやがてなる可能性があるという前提で、これからのことを考えてみることも大切だろう
 


<出典>
認知症診断 協力医師が倍増 / 免許更新時 5.7万人に「恐れ」
産経新聞(2018/06/08)
添付図は、この紙面より


2018年7月27日金曜日

(K0453) 「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用)(2)環境整備 <体の健康>

 
「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用)

A)   「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 実情
B)   「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 環境整備
 

 (K0451)で取り上げたのは、A)「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 実情
 今回取り上げるのは、B)「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 環境整備
 
 

1.    厚生労働省は「高齢者の医薬品適正使用の指針」を作成
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11125000-Iyakushokuhinkyoku-Anzentaisakuka/0000209385.pdf

1.1.  5月末、都道府県を通して医療機関などに通知した

1.2.  指針の内容
1.2.1. 例1:ベンゾジアゼピン系の薬
1.2.2. 例2:抗精神病薬
 
2.   かかりつけ医

2.1.  診療報酬改定
2.2.  介護報酬改定
 
3.   一般向けの啓発資料「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20161117_01_01.pdf
  表紙を添付した。
 


【展開】
 
1.       厚生労働省は「高齢者の医薬品適正使用の指針」を作成
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11125000-Iyakushokuhinkyoku-Anzentaisakuka/0000209385.pdf
 
1.1.      5月末、都道府県を通して医療機関などに通知した
===== 引用はじめ
 厚生労働省は「高齢者の医薬品適正使用の指針」を作成。5月末、都道府県を通して医療機関などに通知した。
===== 引用おわり
 
1.2.    指針の内容
===== 引用はじめ
 指針は、服用する薬剤が特に多い75歳以上の高齢者に重点を置いた。不眠、高血圧、糖尿病、脂質異常などでよく使われる薬の名前を具体的に挙げ、使用の注意などを記している。
===== 引用おわり
 
1.2.1.  例1:ベンゾジアゼピン系の薬
===== 引用はじめ
 例えば不眠治療に使われるベンゾジアゼピン系の薬は、過鎮静、認知機能や運動機能の低下、転倒やそれに伴う骨折などのリスクがあり、高齢者には依存を起こす可能性があるため慎重な投与を求めている。
===== 引用おわり
 
1.2.2.  例2:抗精神病薬
===== 引用はじめ
 認知症による興奮や暴力などの周辺症状(BPSD)には、抗精神病薬が使われることもある。認知症患者への使用が脳血管障害や死亡率の上昇につながるとの報告もあり、指針は、抗精神病薬の「BPSDへの使用は適応外使用であることに留意する」とした。
===== 引用おわり
 


2.      かかりつけ医
===== 引用はじめ
 だが、これらの薬を処方されている人が、素人判断で中止するのは危険。指針でも、かかりつけ医が薬剤の処方全体を把握し、薬局が一元管理するなどで解消に向かうことが期待されている。
===== 引用おわり
 
2.1.    診療報酬改定
===== 引用はじめ
 今年4月の診療報酬改定では、高血圧、脂質異常、糖尿病、認知症などを併せ持つ患者を、「かかりつけ医」として診る医師に、診療報酬が加算された。他の医療機関で出た薬も含めた、薬の一元管理も役割の一つだ。
===== 引用おわり
 
2.2.    介護報酬改定
===== 引用はじめ
 また、同時に行われた介護報酬改定でも、短期・中期の入所などに対応する「介護老人保健施設」の医師が、かかりつけ医と連携して行う減薬指導に評価が新設された。
===== 引用おわり
 


3.      一般向けの啓発資料「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20161117_01_01.pdf
===== 引用はじめ
 一般向けの啓発資料には日本老年医学会と日本老年薬学会が平成28年に共同で作成した「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」がある。
===== 引用おわり
  表紙を添付した。
 


<出典>
一元管理推進へ環境を整備
【ゆうゆうLife】 産経新聞(2018/06/09)
 
高齢者の薬の飲み合わせ、入院を機に見直しも 10種類服用「以前から多いと思っていた」
https://www.sankei.com/life/news/180607/lif1806070010-n1.html


2018年7月26日木曜日

(K0452)  改正道交法にともなう「認知機能検査」(警視庁) <脳の健康>

 
===== 引用はじめ
 運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーは、高齢者講習の前に認知機能検査を受けなければならないこととされています。
 認知機能検査は、運転免許証の更新期間が満了する日の6月前から受けることができます。
 認知機能検査の対象となる方には、運転免許証の更新期間が満了する日の6月前までに認知機能検査と高齢者講習の通知が警察から届きます。
===== 引用おわり
 

 検査方法が公開されているので、事前練習することもできる。
事前練習しても合格できない、それが認知症なのだろう。
 

(1)   認知機能検査とは
(2)   3つの検査項目
(3)   判定
(4)  「記憶力・判断力が低くなっている」場合
 

【展開】

(1)  認知機能検査とは
 記憶力や判断力を測定する検査で、時間の見当識、手がかり再生、時計描画という3つの検査項目について、検査用紙に記入して行います。認知機能検査は、公安委員会(警察)又は委託された教習所等で受けることができます。検査の実施は、約30分ほどで終わります。
 
 
(2)  3つの検査項目
 具体的には、次の3つの検査項目を受けます。

   時間の見当識
 検査時における年月日、曜日及び時間を回答します。

   手がかり再生
 一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントをもとに回答します。

   時計描写
 時計の文字盤を描き、さらに、その文字盤に指定された時刻を表す針を描きます。
 

(3)  判定
 検査終了後、採点が行われ、その点数に応じて、

   「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」
   「記憶力・判断力が少し低くなっている(認知機能の低下のおそれがある)」
   「記憶力・判断力に心配がない(認知機能の低下のおそれがない)」

と判定が行われます。
 

(4)  「記憶力・判断力が低くなっている」場合
 検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」との結果であった場合は、警察から連絡があり、臨時適性検査(専門医による診断)を受け、又は医師の診断書を提出することになります。認知症であると診断された場合には、聴聞等の手続の上で運転免許が取り消され、又は停止されます。
 


<出典>
認知機能検査について(警察庁)
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninchi.html
添付画面は、このサイトから。


2018年7月25日水曜日

(K0451) 「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用)(1)実情 <体の健康>

 
(K0451) 「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用)(1)実情 <体の健康>
 

 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センターには「ポリファーマシー外来」がある。「ポリファーマシー」は、健康被害を招く多剤併用のことだ。
 

===== 引用はじめ
 高齢になって持病が増えると、診療科も薬も増える。その結果、薬の飲み合わせによる健康被害も起きやすくなる。
 注意が特に必要な薬もあり、厚生労働省は5月末、適正使用の指針を医療職向けに通知した。
 患者としては、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師に、服薬を一元管理してもらうのが健康被害を防ぐ第一歩となる。入院や施設入所など、薬を整理しやすい機会をとらえ、一元管理を実行する動きも出てきている。(佐藤好美)
===== 引用おわり
 

 2回に分けて書く。

A)   「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 実情
B)   「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 環境整備
 


 今回は、A)「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 実情
 
1.   どの様にして「ポリファーマシー」が起こるか
1.1.  症状が改善しても
1.2.  体が変化しても
1.3.  言い出しにくい
 
2.   「ポリファーマシー」の弊害
2.1.  服薬管理が難しくなる
2.2.  リハビリを行えなかったケース
 
3.   薬を整理する
3.1.  「ポリファーマシー外来」での事例
3.2.  薬を整理する好機
3.3.  患者の心得
3.3.1. 関心と納得
3.3.2. 協同作業
 
4.   医療機関
4.1.  数がはっきりしない
4.2.  事例
4.2.1. 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター
4.2.2. 国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)
4.3.  医療機関としての難しさ
 
環境整備については、別途とりあげる
 


【展開】
 
1.   どの様にして「ポリファーマシー」が起こるか

1.1.  症状が改善しても
===== 引用はじめ
 処方されたときの症状はおおむね改善しているのに、医師が代わっても、『念のため』などとして薬が継続して処方され、もはや何のために飲んでいるか誰にも分からなくなっているケースもある
===== 引用おわり
 
1.2.  体が変化しても
===== 引用はじめ
 高齢期に体重が軽くなった結果、相対的に薬の量が多くなり過ぎたり、腎機能の低下で薬の排出がうまくいかなかったりすることもある
===== 引用おわり
 
1.3.  言い出しにくい
===== 引用はじめ
 薬の中には、前の前の病院に入院したときから飲んでいたものや、症状が治まったのに飲み続けていたものもあり、以前から多いと思っていた。かかりつけの先生に聞けばよかったのかもしれないが、なかなか言い出せなかった
===== 引用おわり
 

2.   「ポリファーマシー」の弊害

2.1.  服薬管理が難しくなる
===== 引用はじめ
 患者が薬を中断したり、飲み忘れたりするなど服薬管理が徹底しないケースも増える。
===== 引用おわり
 
2.2.  リハビリを行えなかったケース
===== 引用はじめ
 骨折で入院していた80代の女性は、手術後も血圧低下やふらつきで、なかなかリハビリを行えなかった。利尿剤による低血圧が原因とみられ、薬を整理したところリハビリを開始できた。そもそも、骨折自体が低血圧による転倒だった可能性も否定できない。
===== 引用おわり
 

3.   薬を整理する

3.1.  「ポリファーマシー外来」での事例
===== 引用はじめ
 男性は脳血管障害で入院する前から、約10種類の薬を服用していた。入院で新しい薬も必要になり、病院側が薬の見直しを提案した。
 矢吹医長(*)は一剤一剤について説明し、いくつかの薬剤の服用をやめることを提案した。症状や検査結果などから、アルツハイマー型認知症の薬、利尿剤や貧血の薬などは必要性が薄いと考えられたからだ。
===== 引用おわり
(*)宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター 内科医長
 
3.2.  薬を整理する好機
===== 引用はじめ
 薬を整理する好機としては、(1)入院したとき(2)在宅医療を導入したとき(3)施設に入所したとき-などが挙がる。いずれも、主治医が1人に決まるタイミングだ。
===== 引用おわり
 
3.3.  患者の心得

3.3.1. 関心と納得
===== 引用はじめ
 薬には優先順位があり、きちんと飲むべき薬も当然、たくさんある。どんな薬を、なぜ飲んでいるのか。自分の病気や薬に関心を持ち、納得して飲むことが大切
===== 引用おわり
 
3.3.2. 協同作業
===== 引用はじめ
 薬を飲むか飲まないかは、医学的な判断以外に患者の価値観も関係してくる。医師と患者が意見を交わし、共同作業で行うことが重要だ
===== 引用おわり
 
 
4.   医療機関

4.1.  数がはっきりしない
 
4.2.  事例
4.2.1. 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター
===== 引用はじめ
 同センターのポリファーマシー外来は3年前にスタートした。65歳以上で5種類以上の薬を使う入院患者が対象。薬剤師や看護師などの多職種でチームを組み、これまでに約150人の薬を検討した。昨年6月までの104人を対象にした集計では、抱える疾患は1人あたり5、6種類。平均8・9剤の薬を4・3剤に減らすことができた。
===== 引用おわり
 
4.2.2. 国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)
===== 引用はじめ
 多職種で高齢者の処方を見直すこうした取り組みは、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などでも行われている。
===== 引用おわり
 
4.3.  医療機関としての難しさ
===== 引用はじめ
 薬の整理には、処方の優先順位や処方量、本人の治療選択などを包括的に考える必要があり、他の医療機関の医師が処方した薬を整理する場合は、情報を共有するなどのすりあわせも必要になる。
===== 引用おわり
 


<出典>
入院機に減薬の取り組みも 高齢者の多剤併用
【ゆうゆうLife】 産経新聞(2018/06/09)
 
高齢者の薬の飲み合わせ、入院を機に見直しも 10種類服用「以前から多いと思っていた」
https://www.sankei.com/life/news/180607/lif1806070010-n1.html
添付写真は、このサイトから。