2018年8月31日金曜日

(K0488)  行動する時間が価値を生む。無駄と思えることにも時間を費やす <定年後>

 
 現役のときの時間と、引退してからの時間は、違うものだと考える方がよい。「無駄なことはしない」という信条は、捨てるとよい。そうすると、時間が価値を生み出す。
 
===== 引用はじめ
 (まとめ買いする)高齢者に「お忙しいですか」と尋ねると「特に用事もなく家でテレビをボーとみている」と言います。暇で退屈しているという人には毎日必要な分だけを買いに出かけたらどうでしょうと提案しています。
===== 引用おわり
 
 提案は、さらに過激になる。
 
===== 引用はじめ
 … おやつやアルコールをまとめ買いすると、過食や依存の温床にもなりかねません。
 私は本気でダイエットしようと思うなら冷蔵庫のスイッチを切りなさいと勧めています。家に食べ物を極力少なくすると、おなかが減れば買い物に行って足腰が鍛えられ、あまり空腹でもなかったら我慢するでしょう。
===== 引用おわり
 
 突飛な提案だが、妙に説得力がある。
 
===== 引用はじめ

 忙しい若者にとって便利なことはありがたいでしょうが、その便利さが、時間に余裕のある高齢者の健康を蝕んでいる可能性があります。高齢になれば便利さを追求せずに、少し手間のかかる、不便な生活に挑戦してみれば健康になるかもしれません。
===== 引用おわり
 
 意義あることに時間を使おうとこだわると動けなくなる。動けば時間が価値を生むことがある。
 
===== 引用はじめ
 そして毎日見慣れた商店街やスーパーマーケットでもよく観察すると新たな発見があって、脳が活性化されることでしょう。
===== 引用おわり
 


<出典>
石蔵文信、毎日必要な分だけ買い物を
【山あり谷あり】  産経新聞(2018/07/25)

2018年8月30日木曜日

(K0487)  高齢者の”ひとり”と”孤立”は違う? 、 「居場所」の限界 <居場所><社会的健康>

 
  同じ文を、Facebook、個人ブログ(1346)にも書き込んでいます。
 

 Facebook友達の豊島 彩さんが「以前からお世話になっているEditage edgeさんに研究紹介の記事を掲載してもらいました」と書き込んでいて、そのインタビュー記事のタイトルが興味深かった。

「高齢者の”ひとり”と”孤立”は違う?:豊島彩(とよしま・あや)さんメールインタビュー」
https://edge.editage.jp/aya-toyoshima/
 

===== 引用はじめ
 最新の研究では,高齢になると自分の趣味を一人で楽しむ傾向が若い世代より強いことが分かってきました。今後,高齢になり家族や友人との交流が少なくても心豊かに生活できるのか明らかにすることで,日本の超高齢社会に貢献できるのではないかと考えています。
 現状として,“おひとりさま”という言葉が社会で広まっていますが,実際にその方たちがどのような生活をしているのかはまだ曖昧です。そこで,まずは高齢者の中でも社会参加に消極的な方のライフスタイルを把握し,孤独に陥っている人との違いを比較しようと考えました。
===== 引用おわり
 

 刺激的な研究であり、この研究から色々なものが派生してきそうで、成果が楽しみです。
 


 以降は、刺激を受けて、私が考えた事を書きます。
 
 高齢者がひきこもらないよう「居場所づくり」の重要性が注目され、実際にアクティブに活動している人が増え、成果をあげています。例えば、既に終わった話ですが「居場所サミット」。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2018/07/20180717072601.html
https://www.facebook.com/events/193159481403502/
私も参加しました。活気にあふれていました。
 
 とても大切な活動で、今後も進めるべきだとは思うのですが、私は何か「限界」のようなものを感じていました。「両輪で走ればよいのに、片輪で走っているのではないか」。でも、それ以上は見えていませんでした。豊島 彩さんの文がヒントになりました。
 

 「社会参加に消極的な方」で「家族や友人との交流が少なくても心豊かに生活できる」人がいる、これは事実だと思います。


 二つの課題を想定できます。

      「社会参加に消極的な方」で「家族や友人との交流が少なくて」「心豊かに生活」「できていない人」は大丈夫だろうか
 
      「社会参加に消極的な方」で「家族や友人との交流が少なくても心豊かに生活」「できている人」は当面は大丈夫だか、自立できなくなったとき大丈夫だろうか
 

 いまある片輪「居場所づくり」は、これらの課題には届きにくい。それが「限界」ではないかということです。居場所は「社会参加に消極的な方」にとっては、そもそも、それほど快適な場所ではないかもしれません。積極的に誘うには、抵抗感があります。
 


 単純化すると、世の中には、外向的な人と内向的な人とがいます。例えば、
https://jibun-compass.com/naikou_gaikou
(添付の絵は、このサイトからの転載です)
 
 多くの「居場所」は、外向的な人にとっては快適な場所だが、内向的な人には馴染みにくいのではないか。「居場所」は、外向的な人にとっては答(救い)になりやすいが、内向的な人にとっては答(救い)になりにくいのではないか。
 
 また、見ていると「居場所」を推進する人には外向的な人が多いようです。その彼ら・彼女らのなかには、内向的な人への対応が難しい人もいると思います。自分とは違うタイプの人と付き合うのは、誰にとっても難しいことです。
 

 考えねばならないいくつかのことがあります。

(1)     今でも、内向的な人も適応しやすい居場所もあると思います。そういう居場所を増やす

(2)     居場所とは違う形で内向的な人達の課題解決を支援する。先の言葉でいうと「もうひとつの片輪」を作っていく。ただし、それが何かは、私には見えていません。また、内向的なひとだけに、接触の難しさもあると思います

(3)     「社会参加に消極的な方」で「家族や友人との交流が少なくても心豊かに生活」「できている人」をモデルとして提示し、「できていない人」の変容を目指す。これは課題の解決策になりえると思います

(4)     課題の解決策は何か? あるいは、そもそも解決すべき課題は実はないのかもしれません
 
 
 先に「この研究から色々なものが派生してきそうで、成果が楽しみです」と書きましたが、(2)(3)(4)をどうすればよいのか、ヒントが出てくるのではないかと期待しています。


2018年8月29日水曜日

(K0486)  ケアする人のセルフ・ケア、GRACE <介護>

 
 自立できない高齢者(a)がいて、介護する人(b)がいる。認知症の人(a)がいて、世話をする人(b)がいる。病人(a)がいて、看病する人(b)がいる。
 

 ケアされる人(a)がいて、ケアする人(b)がいる。
(1)  ケアする人(b)が、ケアされる人(a)をケアする
(2)  ケアする人(b)が疲弊してきたら、彼・彼女をケアする人(c)が必要になる
 
 終末期のがん患者(a)がいて、向き合い医療者(b)がいる。
 
===== 引用はじめ
 終末期のがん患者と向き合う医療者らの燃え尽きを防ぎ、よりよいケアにつなげる心のトレーニング「GRACE(グレイス)」が注目されている。患者の苦悩に対処し切れない無力感や罪悪感、チーム内の意見対立に伴うストレスなどを「マインドフルネス」(瞑想)で克服しようとする米国発の取り組みだ。
 医療現場では見落とされがちな自分自身のケアを重視しており、12月には研究会が設立される。(小野木康雄)
===== 引用おわり
 
 (b)=(c) 即ちセルフ・ケアを前提としているようだ。
 


 GRACEは、「マインドフルネス」と併せて「コンパッション」も重視している。
 
 「コンパッション」を和訳すると「慈悲」「思いやり」だ。患者の苦悩や悲嘆といった体験に寄り添い、何が役に立つかを感じる能力を指す。共感するだけでなく、和らげようと行動することまで含まれる。
 
 GRACEは、コンパッションに根ざしたケアを育むために構築された5つのステップを、英語の頭文字で表している。
 
G: Gathering attention
  注意を集中させる

R: Recalling intention
  動機・意図を思い起こす

A: Attunement to self/other
  自己と他者の思考、感情、感覚に気づきを向ける

C: Considering what will serve
  何が役に立つかを熟慮する

E: Enacting, ending
  行動する、終了する
 


<出典>
医療者の心 瞑想で癒す / 終末期がん患者と向き合い、無力感も…
産経新聞(2018/07/23)
添付図は、この紙面からの転載。


2018年8月28日火曜日

(K0485)  携帯電話やスマホを持つ高齢者が認知症になったとき <脳の健康>

 
携帯電話やスマホを持つ高齢者が認知症になったとき

(1)  どのような困ったことが起こるのか
(2)  何故、困ったことが起こるのか
(3)  失敗する対応
(4)  では、どう対応すればよいか
 

【展開】

(1)  どのような困ったことが起こるのか

===== 引用はじめ
 A子さん、80歳、夫と二人暮らし。今年4月にアルツハイマー病と診断され、デイサービスを利用中です。最近、頻繁に娘さんに電話をかけてくるようになりました。10分間に10回もかかってきたことがあります。
 … 娘さんにすれば、週2回も実家に行って何かと世話をしているのだから、その時に言ってよとイライラするそうで、「神経がおかしくなりそう」と言います。
===== 引用おわり
 

(2)  何故、困ったことが起こるのか

===== 引用はじめ
 認知症の人は何か気になることがあると、どんどん不安が膨らむようで、そのために信頼できる人に電話をするのですが、かけたことを忘れるのでまたかけるの繰り返しになります。
===== 引用おわり
 

(3)  失敗する対応

===== 引用はじめ
 A子さんに「かけないで」と言っても聞いてもらえないでしょうし、携帯電話を取り上げるのもよくありません。
===== 引用おわり
 

(4)  では、どう対応すればよいか

===== 引用はじめ
 この場合は、娘さんのスマートフォンをマナーモードにして電話に気づかないようにし、イライラすることを防ぐ。そのうえで、娘さんが都合の良い時に、「さっきの電話の用事は何?」とこちらから電話をかけてあげるという方法をとります。
===== 引用おわり
 

<出典>
スマホをめぐる困りごと
【高見国生の認知症だより (38)】  産経新聞(2018/08/15)

(K0484)  安楽死 / (4) 日本・日本人の場合 <臨死期>

 
 これは、以下の投稿の続きである。

(K0477)  安楽死 / (3) 進歩? 世界標準? <臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/08/k0477-3.html
 


 安楽死を考える時、「先進国のオランダがこうなっているのだから、日本もこうすべきだ」という発想は好ましくない。「先進的であるべきだ・遅れてはいけない」とか、「世界標準(グローバルスタンダード)にあわせるべきだ」というのは、やめておこう。
 

 安楽死を考えるとき、ポイントが3つあるのではないか。

   日本・日本人に相応しいあり方はどうか
   意識がどんどん変わっているので昔の通りがよいとは言い切れない
   今後どのような日本・日本人に変わっていきたいのか
 
 総合的に考えて方向付けることが必要だろう。その結果として「たまたま」世界標準と合致していたのなら、それはそれで結構な話だ。
 


 人の生き方に関することなので「こうあるべきだ」と決めつけるのはよくない。一方、「ここまでしてはいけないよ」という規制も必要だろう。「安楽死を認めない」という取り決めもありえる。ある範囲を決め、その範囲内では、個人の自由裁量を広く認める。
 

 オランダを参考にして考えることはよいことだ。あくまで参考にするのであって、真似をするのではない。そのためには、オランダと日本の違いをしっかり見ておく必要がある。
 
(1)  オランダの自由の欲求
(2)  オランダの保険制度
(3)  日本人の特質  ~ 弱い個人主義
 

【展開】
 
(1)  オランダの自由の欲求

===== 引用はじめ
 自分の生命は自分で決める-オランダ人のあくなき自由の欲求はこの国の歴史に根ざす。
 17世紀、カトリック王政に抵抗して共和国として独立。宗教に縛られない自由貿易国として成長し、世界金融の中心地となった。「他人に迷惑をかけない限り、個人の自由を尊重すべきだ」という気風は欧州でも特に強い。
===== 引用おわり
 

(2)  オランダの保険制度

===== 引用はじめ
 オランダの安楽死法は、だれもが公平で高度な医療を受けられる保険制度があるから可能だ。貧富の差で医療や介護の水準が決まる国では、患者が「家族に迷惑がかかる」と考え、死を求める危険がある。
===== 引用おわり
 

(3)  日本人の特質  ~ 弱い個人主義

 「日本人の弱い個人主義」。これ自体は良いことでも悪いことでもない。日本人の特質だ。
 オランダ人が孤独になって安楽死を選ぶとしても、それはオランダの課題だ。日本人は、支え合うのが得意だ。孤独にならないようにして安楽死を選択しなくてすむようにしていくという姿を目指そうとするとき、難しい課題ではあるが、日本人はオランダ人より、はるかにゴールに近いと思う。
 


<出典>
三井美奈、安楽死 揺れるオランダ
【特派員発】  産経新聞(2018/07/20)
 
安楽死どこまで 認知症・老いの孤独…広がる「死の権利」要求 オランダ・三井美奈
https://www.sankei.com/world/news/180722/wor1807220001-n1.html

2018年8月27日月曜日

(K0483)  死者ホテル/寝台車で思い出の地巡り <葬式>

 
===== 引用はじめ
 日本で昨年1年間に亡くなった人は134万人。2000年には100万人に満たなかったが年々増え続け、2040年には167万人になると推計されている。問題になっているのが火葬場の「待ち日数」だ。都市部では3、4日待ちは当たり前となり、需要の多い正午前後の火葬を希望すると、もっと長く待つことも。この「待ち」をいかに過ごすかが今、注目されている。
===== 引用おわり
 

 「待ち日数」を有効利用できるようなサービスがある。

(a) 「死者ホテル」 ラステル新横浜
(b) 「故郷に帰ろう」(寝台車で思い出の地巡り) 株式会社花葬

(*) 御参考: 待ち行列
 
 

【展開】

(a) 「死者ホテル」 ラステル新横浜

===== 引用はじめ
 出棺まで故人に24時間いつでも会える施設になっている。「ラステル」というネーミングは「ラスト(最後)のホテル」からつけられた。「ラステル」の部屋は2タイプある。
 ひとつは20体の遺体を安置できる部屋の隣に「面会室」が設けられ、遺族らが面会を希望すると、電動式で棺が出てくるタイプ。
 もうひとつは8畳ほどの個室タイプ。中の棺が見えるようにした遺体保存専用の冷蔵庫「冷柩庫」などの保管設備が設置され、脇にソファも置かれるなど、故人とともに最後の時間を心ゆくまで過ごすことができる。
===== 引用おわり
 
 
(b) 「故郷に帰ろう」(寝台車で思い出の地巡り) 株式会社花葬

===== 引用はじめ
 待ち日数を活用して、故人と家族らが1台の車(寝台車)で、故人のゆかりの地などをめぐるサービス「故郷に帰ろう」を始めた。地方から出てきて川崎で暮らした故人が、最後に故郷に戻ったり、思い出の友場所を訪ねたりすることを想定している。
===== 引用おわり
 

(*) 御参考: 待ち行列

 需要数(火葬をしてください)が供給数(火葬を引き受けます)を上回ると、「待ち日数」が発生する。
 トータルとして、そうなら、(需要数-供給数)[件/日]が毎日累積でどんどん溜まってしまうので、大変なことになってしまう。おそらくトータルとしては足りるが、
  希望する日に火葬してほしい
  希望する時間帯に火葬してほしい
  希望する場所(遠くないところ)で火葬してほしい
の条件にこだわると、予約待ちになってしまうのだろう。
 友引でもいいとか、夜になってもいいとか、隣の県でもいいとか、妥協する人が現れて、累積されたものを調整していくのだろう。
 


<出典>
死者ホテル/寝台車で思い出の地巡り
産経新聞(2018/08/15)
 
死者のホテル 火葬までの時間を家族とともに
https://www.sankei.com/life/news/180727/lif1807270003-n1.html
「死者ホテル」の写真は、このサイトから。
 
「故郷に帰ろう」の写真は、次のサイトから
https://hanasou-sougi.co.jp/return_hometown/



(K0482)  45歳以上は現代版「金の卵」 <定年後>

 
 45歳代世代は、当面も、定年後も、安泰ではないか。
 

===== 引用はじめ
 業績悪化を理由に企業が中高年層に希望退職を募り、指名解雇が社会問題化した時代は、今は昔…。
 深刻な人手不足を背景に、ミドル、シニア世代は転職市場でキャリア人材として注目され、「社外への人材流出が経営リスクに直結する」と考える企業が、処遇改善によるつなぎ止めに動いている。
 65歳定年で45歳が会社人生の折り返し点に位置付けられたこともあり、45歳以上の現代版「金の卵」の活用が、生産性向上を目指す企業の常識になりつつある。
===== 引用おわり
 

 時代は、確実に変わっている。変わる理由がある。
 
===== 引用はじめ
 バブル崩壊後の就職氷河期の採用抑制によって後輩社員の少ないこの世代は、「プレーイングマネージャーとして現場経験が長く、専門性が高い」(山田氏)のが特徴で、転職市場でも重用される理由になっている。
===== 引用おわり
 
 オリックスも大和証券も、45歳以上社員に対して、大胆な人事政策をうっている(詳細は、新聞記事を参照してください)。
 


===== 引用はじめ
 経団連が27年9月に行った調査(中高齢従業員の活躍推進に関するアンケート)では、企業のホワイトカラーの社員の構成は40~50代がボリュームゾーンになる「ひょうたん型」が40.5%、「ひし型」が32.2%だった。
 このゾーンは今後、右方向に移動していくが、企業がこうしたミドル、シニア世代に期待するのは、「培った経験などを生かした専門能力の発揮」(50.0%)、「スキルやノウハウ、人脈や顧客などの継承を通した後進の指導」(38.1%)。経団連は、世代のゆがみを抱えるひょうたん型の企業にとって、「世代間の断絶を補う若年層への積極的な技能継承が重要」と分析する。
===== 引用おわり
 
 現在重宝がられている45歳代世代がやがて定年年代(65歳?)に差し掛かって、継続的に働きたいと希望するなら、未来は明るいと思う。現在重宝がられている理由が、その時も継続されているだろうから。
 
 しかし、条件がある。「培った経験などを生かした専門能力の発揮」「スキルやノウハウ、人脈や顧客などの継承を通した後進の指導」を期待できる人材に限る。
 これらの能力を養っていないのなら、彼らの定年後はやはり厳しい。
 

<出典>
大塚昌吾、45歳以上は現代版「金の卵」 人手不足で注目のキャリア層
【日曜経済講座】 産経新聞(2018/08/12)
 
人手不足で注目のキャリア層 45歳以上は現代版「金の卵」 フジサンケイビジネスアイ編集委員 大塚昌吾
https://www.sankei.com/premium/news/180812/prm1808120015-n1.html
添付図は、このサイトから転載。


2018年8月26日日曜日

(K0481)  どう年齢を重ねるかを考える <仕上期>

 
===== 引用はじめ
 だれもがいつかは迎える最期にむけ、今ある生を充実させるにはどうすればいいだろう。年齢を重ねることを前向きにとらえた本が集まった。
===== 引用おわり
 

(1)  朝倉真弓、『グレイヘアという選択』(主婦の友社)
~ ありのまま受け入れ ~

 「白髪を伸ばし、整えることを育てる」と前向き。一方、周囲の目も気になるし白髪染をやめてしまっていいのか、という心の葛藤が興味深い。
 いつまでも見た目を若く、という本が棚を席巻しているより、ありのままを受け入れるグレイヘアのような本が出ると自分の中の選択肢が増えそう。
 

(2)  つばた英子・つばたしゅういち、『ききがたり ときをためる暮らし』(自然食通信社)
~ 流されずに暮らす夫婦 ~

 キッチンガーデンを耕し、口に入れる物は自分たちで作る暮らしを長年ご夫婦で。心豊かな暮らしを丁寧に紡がれている。2人合わせて171歳! しゅういちさんが変わり者だけど、えらい格好良いんです。
 映画「人生フルーツ」にもなりました。
 

(3)  山田 風太郎、『人間臨終図巻』(KADOKAWA)
~ 有名無名923人の最期 ~

 初出の昭和61年以前の有名無名を問わない923人の最期がどうだったかに絞って並べています。没年は十代から100歳以上と幅広く、年齢ごとに全3巻に分かれています。
 「この人こんなに有名だけど、こんな死に方をしたのか」とか思いつつ読むといいのではないでしょうか。
 


<出典>
木ノ下めぐみ、どう年齢を重ねるかを考える
【エエねん!この本】 産経新聞(2018/08/16)


2018年8月25日土曜日

(K0480)  異なる人口減の要因 <少子高齢化>

 
 Facbookで「働くママ、初の7割超え」を書き込んだところ、Facbook友達のHisako Nakayama  さんから「今児童館にお伺いすると少子化なのにどんどん子供が増えています」というコメントをいただきました。一律でとり扱えない、その地域の実情にあわせた施策が必要になります。ちょうど関連する記事がありました。

===== 引用はじめ
 人口減少問題を解決する上での難しさは、地区によって変化のスピードや要因が大きく異なる点にある。それぞれに課題が違うため、他の自治体の取り組みが参考になるとはかぎらない。
 例えば、同じ政令指定都市でも個々に事情は異なる。総務省がこのほど公表した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2018年1月1日現在)が自治体ごとの人口増減ランキングをまとめているが、これを分析するとこうした事情が浮き彫りになってくる。
===== 引用おわり
 

人口増減には、三つの要因がある

  自然増減
  社会増減
  外国人の増減
 

A)   人口増減

 人口増加幅が1位だったのは福岡市(1万4116人増)だ。これに川崎市(1万3864人増)、大阪市(1万1007人増)、さいたま市(1万602人増)名古屋市(9046人増)が続く。これら上位5都市を比較してみよう。
 

B)   自然増減、社会増減

 自然増加(出生者数と死亡者数の差)をみると、1位は川崎市(2995人増)、2位は福岡市(2507人増)だ。残り3市はベスト10に名前が見つからない。
 一方、社会増加(転入者数と転出者数の差)では大阪市(1万8353人増)、福岡市(1万1609人増)、名古屋市(1万1175人増)など、これら5都市でベスト5を占めている。
 

C)   外国人の増減

 018年時点で最も外国人住民の多い自治体は、大阪市(13万1582人)だ。横浜市(9万1440人)、名古屋市(7万8556人)がこれに続く。
 この1年間の増加数でみても、大阪市6139人増、名古屋市5799人増、横浜市4856人増となっている。大阪市や名古屋市の場合、増えた人口の過半数が外国人だったことになる。
 しかも、この両市で外国人住民が増えた理由は、社会増加によるところが大きい。大阪市が1位で6392人増、名古屋市が2位の5464人増だった。
 

 
<元データ>
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成3011日現在)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000177.html

<出典>
河合雅司、異なる人口減の要因 自治体ごとに分析・対策
【日曜講座 少子高齢時代】 産経新聞(2018/08/19)

異なる人口減の要因 自治体ごとに分析・対策を 論説委員・河合雅司
https://www.sankei.com/premium/news/180819/prm1808190008-n1.html
添付表は、このサイトから。




2018年8月24日金曜日

(K0479) 「頼れる人いない」高齢独居男性 <社会的健康>

 
===== 引用はじめ
 国立社会保障・人口問題研究所が「日頃のちょっとした手助け」で頼れる人の有無を尋ねたところ、65歳以上で1人暮らしの男性の約30%が「いない」と答えたことが10日、分かった。女性は9.1%にとどまり、男性が地域で孤立しやすい傾向が浮き彫りとなった
===== 引用おわり
https://this.kiji.is/400591751394657377
添付図は、このサイトから転載。
 

 元のデータは、
 
国立社会保障・人口問題研究所、「生活と支え合いに関する調査」

プレスリリース(1頁、312KB
http://www.ipss.go.jp/ss-seikatsu/j/2017/seikatsu2017press.pdf
 
結果の概要(90頁、3.9MB
http://www.ipss.go.jp/ss-seikatsu/j/2017/seikatsu2017summary.pdf


2018年8月23日木曜日

(K0478)  個人Blog 8月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 8月中旬リスト





(1327)  西日本豪雨 倉敷 / チーム設置
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1327.html
 

(1328)  レンタルアンブレラ
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1328.html

 
(1329)  感動的な話、とは
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1329.html
 

(1330)  レンタルアンブレラとベーシックインカム
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1330.html
 

(1331)  太宰治『走れメロス』(1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1331-1100de.html
 

(1332)  太宰治『走れメロス』(2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1332-2100de.html
 

(1333)  相手とうまくいく方法
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1333.html
 

(1334) 「Our Leadership Principles」(Amazon) (1)前半
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1334our-leadership-principlesamazon1.html
 

(1335) 「Our Leadership Principles」(Amazon) (2)後半
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1335our-leadership-principlesamazon2.html
 

(1336)  (23) 島崎藤村『若菜集』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/08/1336-23-50.html
 


なお、前回の紹介は、
 
(K0469)  個人Blog 8月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/08/k0469-blog.html

2018年8月21日火曜日

(K0477)  安楽死 / (3) 進歩? 世界標準? <臨死期>

 
 もしも「進歩」というものがあるなら

(1)  尊厳死も、安楽死もだめ(日本)
(2)  尊厳死はよいが、安楽死はだめ(イギリス、フランス)
(3)  安楽死もよい(オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス)

と「進歩」していく。
 

 さらに、安楽死にも「進歩」がある。

   年齢制限の緩和(オランダは12歳以上、ベルギーは年齢制限なし)
   医師の関わりの緩和(スイスでは、医療手続きが不要)
   「人生はもう無意味」でも安楽死できる(オランダで係争中)
 
 
 「進歩」があるなら、先に進む方が「進んでいてよい」、先に進まないのは「遅れていてわるい」ということになる。おかしいのではないか。どこかに、(様々な考え方の人がいるので)「正しい」とは断言できないが、「好ましい点」(中庸)があるのではないか。
 
 また、「欧米では…と進んでいるが、日本は何をしているのだ!」となりがちだが、欧米と日本とは同じでなければならないのだろうか。違う。
 

 尊厳死・安楽死問題においては、

A)   進歩とか先進的だとかの概念を導入すべきではない
B)   世界標準(グローバルスタンダード)という概念を導入すべきではない
 

 「進歩的文化人」は、気楽なものだ。本当にそれがよいかどうか自ら判断せず、「日本は駄目だ。欧米のようにならねばならない」と言っておけばよい。

 しかし、A) B)の立場に立つなら、「では日本ではどうあるべきか」「正しいのは何か。何故それが正しいか」を自分で考えて、世の中に説明し、受け入れてもらえねばならない。「進歩的文化人」は、そのような矜持も、意思も、能力もない人たちではないだろうか。


日本尊厳死協会の見解

===== 引用はじめ
 尊厳死とは、
   不治で末期に至った患者が、
   本人の意思に基づいて、
   死期を単に引き延ばすためだけの延命措置を断わり、自然の経過のまま受け入れる死のことです。
 本人意思は健全な判断のもとでなされることが大切で、尊厳死は自己決定により受け入れた自然死と同じ意味と考えています。
===== 引用おわり  箇条書き形式に変えた
 
オランダの安楽死の条件

===== 引用はじめ
  患者が自発的に要求
  苦痛が耐え難く改善の見込みがない
  医師による十分な情報提供
  医師、患者が「他に代替手段がない」との結論に達する
  複数の医師による診断
  処置後に万全の医療ケアを行う
==== 引用おわり
 

 尊厳死と安楽死の違いがあるので比較はできないが、オランダの安楽死の定義では6項目中5項目は医師が関与する。医師が決めるのが本当によいのか。日本の尊厳死では、医師の関与が少ない。
 

<出典>
三井美奈、安楽死 揺れるオランダ
【特派員発】  産経新聞(2018/07/20)
 
安楽死どこまで 認知症・老いの孤独…広がる「死の権利」要求 オランダ・三井美奈
https://www.sankei.com/world/news/180722/wor1807220001-n1.html