2019年3月31日日曜日

(K0700)  介護に携わる人の意識の変化 / おいおい展 <介護>

 
 介護のお仕事については、今でも人不足なのに、需要(介護を必要とする)は増え、供給(介護を担う働き手)は減り、人で不足が慢性化している状態が続きそうだ。しかもイメージが悪い。

 「おいおい老い展」のチャレンジを見る。
 
===== 引用はじめ
 年を重ねるのが楽しみになる社会を目指す「おいおい老い展」(スタジオ・エル主催)が5日間の日程を終え閉幕した。《小学校の主要5教科に介護や老いの要素を》《高齢者の恋愛と性》など、社会通念を打ち破る67の展示に、来場者は自分の未来を重ねて“生きる”道筋を考えた。(「介護と福祉のこれから」取材班)
 介護と福祉のイメージアップを目指す厚生労働省の補助事業「これからの介護・福祉の仕事を考えるデザインスクール」の集大成。昨夏から多職種の約500人が延べ55回の会合を重ねてきた。
 スクールは、到達点を先に決め、すべきことと日程を逆算して挑戦する手法を取った。高齢者施設で酒を醸造して地域の交流拠点にしたり、動く市電で鉄道ファン向けにデイサービスを行ったりするなどのアイデア展示がずらり並んだ。
===== 引用おわり
 

 一つの成果は、「これからの介護・福祉の仕事を考えるデザインスクール」受講生の意識が前向きな変化が多く見られた ――― こと。

 主催のスタジオ・エルは全会合でアンケートを実施。初回と最終回のアンケート結果(平均年齢39歳)を分析した。
 
(1)  介護業界について「かっこいい、かわいい、おしゃれな業界」「やりがいや意義など、伝えたい魅力が多い業界」と答えた人が増えた。

(2)  家族や友人から介護業界への就職、転職を相談されたとき「賛成する」「勧めたい」との回答も増え、反対の意見は減った。

(3)  幸せの心的特性に注目した分析でも、「自分の人生に求める大切なものを得てきた」など21項目中15項目で満足を感じた人が増加。
 
 介護の魅力を発信しようと始まった一連の取り組みの成果が、参加者によって示された。
 

 介護の職場環境が改善し、介護に携わっている人が、「介護職はいいよ」と人に勧められるような職場になってほしい。
 

<出典>
自分の未来と生きる筋道考えて  老い展
産経新聞(2019/03/29)
 
「おいおい老い展」 自分の未来と生きる道筋考えて
https://news.headlines.auone.jp/stories/domestic/social/12249849?genreid=4&subgenreid=12&articleid=12249849&cpid=10130017
 
 添付写真は、「ポータブルトイレットシアター」の舞台で演じる92歳の俳優、岡田忠雄さん(右)


2019年3月30日土曜日

(K0699)  中高年ひきこもり61万人 <定年後>

 
 内閣府は29日、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40~64歳の引きこもりの人が全国で61万3000人いるとの推計値を公表した。中高年対象の調査は初めて。男性が76・6%で、引きこもりのきっかけは退職が最も多い。期間は「7年以上」が合計で46・7%に上り、長期化・高齢化が裏付けられた。
 平成27年度の前回調査で推計した15~39歳の54万1000人を上回った。内閣府は「引きこもりは若者特有の現象ではない」として、全体で100万人超に達するとみている。


 以下は、私(藤波)の意見です。
 
 三つの点に注目した。

(1)  就職氷河期世代にあたる40~44歳の3人に1人は「20~24歳」で引きこもり状態になっており、就職活動がうまくいかなかったことが原因の可能性もある。単純計算すると、約20年間引きこもっていることになる

(2)  今回の調査で、誰が生計を立てているか尋ねたところ、自分と答えた人は29・8%にとどまり、父母(34・1%)や配偶者(17・0%)に依存している実態が明らかになった

(3)  「退職した男性」が大きな塊としてある。「男性が76・6%で、引きこもりのきっかけは退職が最も多い」
 

 「中高年のひきこもり問題」と大きくくくるとわりにくい。分けて考えるべきだろう。代表的な課題と対策を考えてみた。

(1)  40代】就職氷河期世代。早期にひきこもりになり、ひきこもりが長期化している。そこからいかに脱出するか

(2)  50代】3人に1人が高齢の親に依存している。福祉の現場では親が80代、本人が50代で生活が困窮する「8050問題」も指摘されている。経済的自立をどうするか

(3)  60代】ひきこもりの対極を目指す。定年後、いかに生き生きと過ごせるか。定年延長の傾向があるが、問題の先送りに過ぎない。また、男女雇用機会均等法世代の女性が、そろそろ定年年齢に達する。今までとは異なる課題がでてくるかもしれない。
 

 若年層のひきこもりとは、頭を切り替えて考えるべきだと思う。
 


<出典>
中高年ひきこもり61万人。若年層を上回る。
産経新聞(2019/03/29)(2019/03/30)
 
中高年ひきこもり61万人 若年層上回る
https://www.sankei.com/life/news/190329/lif1903290022-n1.html

2019年3月29日金曜日

(K0698) 「幸せをもたらす因子」は4つある <個人の発達>

 
 介護と福祉のより魅力的な現場づくりを目指す厚生労働省補助事業「おいおい老い展」(スタジオ・エル主催)が、東京都千代田区の「アーツ千代田3331」で開かれた。
 
 開催は、3月21日から25日までの5日間。23日の座談会のテーマは、「老いとファッション」「老いと多様性」「老いと幸福」「老いとデザイン」「VR体験会」の5つ。
 
 座談会「老いと幸福」は人工知能とモノのインターネット(IoT)がつくる未来が主題だった。その中で前野さんは、「幸せをもたらす因子」は4つあるという。
 
 
(1)  「やってみよう因子」。
 仕事などやらされる気持ちでやるのではなく、自分から個性を強みにして挑戦しよう
 
(2)  「ありがとう因子」
 世の中に感謝して、社会のために何かしようという姿勢から、多くの人と会う機会を持とう
 
(3)  「何とかなる因子」
 何事も何とかなる。とにかくやってみて、失敗しながら前へ進むデザイン思考が大事
 
(4)  「ありのままに因子」
 人と自分を比べすぎると幸福度は低い。自分らしく生きよう。多くの人が個性を使ってありのままに生きて、うまくつながって、やりがいがある幸せな社会を目指したい
 


 よくまとまっている。自分のこれまでの生き方を照らし合わせて、違和感はない。
 
 
<出典>

牧壮・前野隆司、「老いと幸福」(2019/03/23)。「おいおい老い展」、アーツ千代田33312019/03/2125
 
【老い展】人工知能、IoTと幸せの関係は
https://www.sankei.com/life/news/190324/lif1903240036-n1.html


2019年3月28日木曜日

(K0697)  高齢者向け投資手引書 / 老後の資金不足防げ <高齢期の家庭経済>


 少し古い(18日前)記事を取り上げる。
 私は、この政策には反対だ。「高齢者を対象」に呼びかけるのは、おかしいと思う。
 
 「金融庁が高齢者などを対象に、老後の資金不足に備え投資を呼びかける手引書を作成する」
 

 金融資産はリスクを伴う。リスクを伴うからこそ収益を期待できる(ハイリスク‐ハイリターン)。高齢者は今後の収入は見込めない。財産を減らすと取り返せない。「虎の子」の資産をリスクに晒せと国が誘っている。しかも、高齢期には、一般に言って、情報収集力も判断力も鈍ってくる。リスクを負うには、情報収集力・明晰な判断力が絶対に必要だ。だまし討ちをしているように思う。
 
 この政策で得をするのは、金融業界と国である。低金利政策が続いて、金融業界の経営は厳しい。それを助け、経営が立ち直れば、税収も増える。それを、高齢者を犠牲にして(私にはそう思える)なしとげようとしている。
 そもそも、日本国民が金融商品を買わないのは、魅力がないからだと思う。金融商品の売買で、金融業界はノーリスクで利益を確定する。リスクは、全て購買者にある。そのリスクを冒すだけの魅力ある商品を、金融業界は提供していないのではないか。
 
===== 引用はじめ
 人生100年時代を迎えるに当たり、金融庁が高齢者などを対象に、老後の資金不足に備え投資を呼びかける手引書を作成することが9日、分かった。平均寿命が延びる一方で、日本人の現預金や株式などの金融資産はほとんど増えていないことが背景にある。充実した老後を迎えてもらうためには、これまでのような預貯金に偏った資産運用では不十分で、投資を奨励する思い切った手に打って出る。
===== 引用おわり
 
 
 もちろん、高齢者であっても、情報収集力・明晰な判断力の備わっている人もいるし、自ら投資をしようとする人もいて、彼らが投資するのは何ら問題がない。結構なことだと思う。資産を増やそうと、高齢になる前にチャレンジするのも結構だ。ただし、リスクは自分で負わなければならない。

 
 「投資手引書」は、なんら保証を与えてくれるものではない。
 

<関連>
(K0676)  政府税調、資産形成支援へ税制改正検討 <高齢期の家庭経済>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/03/k0676.html
 
<出典>
高齢者向け投資手引書 / 老後の資金不足防
産経新聞(2019/03/10)
 
老後の資金不足予防に投資呼び掛け 貯金偏重解消へ金融庁が手引書
https://www.sankei.com/economy/news/190310/ecn1903100002-n1.html

2019年3月27日水曜日

(K0696)  有酸素運動と筋トレ <体の健康><脳の健康>

 
1.   認知症予防には、3つの運動をバランスよくやることが大切
 
2.   有酸素運動
2.1.  有酸素運動の効果
2.2.  トータルが大事・歩きだめができる
 
3.   筋トレ
3.1.  筋トレの効果
3.2.  加齢による筋肉量の減少
3.3.  歩くことの大切さ
3.4.  歩くことでは筋肉量の低下は防げない
3.5.  移動能力
3.6.  90代でも筋肉はつく
3.7.  運を動かす
 

【展開】

1.   認知症予防には、3つの運動をバランスよくやることが大切
 現状ではこれをやったら認知症に効くとはっきりいえるものはないのですが、潜在的に良さそうというのはいくつもあります。運動もそのひとつ。有酸素運動、筋トレ、ストレッチをバランスよくやることが大切です。


2.   有酸素運動
 ウオーキング、ジョギング、水中運動など

2.1.  有酸素運動の効果
 有酸素運動は、加齢や塩分のとりすぎで硬くなった動脈を柔らかくする効果があります。運動と食事によって動脈硬化を予防することは、日本人の寝たきり原因1位である脳卒中や心筋梗塞を防ぐのに役立ちます。

2.2.  トータルが大事・歩きだめができる
 30分続けて歩いても10分ずつ3回に分けても効果は同じ。トータルが大事です。1週間の中で分けても良い。1日8千歩くらい歩くと良いとされていますから、今日1万歩歩いたら明日は6千歩でいい。歩きだめができるんです。
 

3.   筋トレ

3.1.  筋トレの効果
 筋トレは転倒骨折の予防、最近は認知症に効果があるかもといわれています。 … 動けなくなって寝たきりになると、認知症も発症してしまうリスクが高まります。

3.2.  加齢による筋肉量の減少
 加齢による筋肉量の減少は30代で始まり、下肢に関しては40代以降、年1%ずつ減ると分かっています。対策をとらないと、100歳まで元気に歩けません。

3.3.  歩くことの大切さ
 歩けなければ人とも会えないし好きなこともやれない。歩くためには筋肉を維持しないといけません。

3.4.  歩くことでは筋肉量の低下は防げない
 残念なことに、動脈硬化の予防には歩くことが大事だと言いましたが、歩くことでは筋肉量の低下を防げません。筋トレしかない。

3.5.  移動能力
 100歳まで元気で歩くために必要な移動能力は、すっと立ちすっと座れる能力と、一定の速度で歩く能力です。片道4車線、計8車線の道路を信号が青の間に渡りきるには筋肉が必要です。

3.6.  90代でも筋肉はつく
 90代でも適切に刺激を与えると筋肉はつきます。

3.7.  運を動かす
 運動とは「運を動かす」と書きます。
 


<出典>
ダンスと筋トレで健康寿命 / シンポジウム「100歳ダンス&筋肉~かっこよく! 健康長寿」
100歳時代プロジェクト】  産経新聞(2019/03/13)

2019年3月26日火曜日

(K0695)  早く死ねるワースト20 <体の健康>

 
===== 引用はじめ
 世界保健機構(WHO)は2005年、「早く死ねるワースト20」を発表しました。1位が高血圧、2位がたばこ、3位が糖尿病の原因となる高血圧、4位が運動不足、5位が肥満でした。
 運動不足を解消すると、2位のたばこ以外の全てが改善されます。
===== 引用おわり
 
 私の場合はたばこを吸わないので、運動すれば上位の5つの対策がとれることになります。
 
 ところで「早く死ねるワースト20」で検索してもヒットしません。「早く死ねるワースト20」は久野教授の命名で、世界保健機構は「早く死ねるワースト20」を発表していません。
 

 発表したのは、”Global Health Risks”です(図を添付)。

 引用した順位は全世界のものであり、先進国と途上国では傾向が大きく違います。「途上国では低体重児(7.8%)、高血圧(7.5%)、安全でないセックス(エイズなどの感染)(6.6%)が上位になっている」。一方、「米国や欧州、日本など先進国では、死亡につながる危険因子として喫煙(17.9%)、高血圧(16.8%)、過体重・肥満(8.4%)を上位に挙げている」
 
 また、統計では、「喫煙」「高血圧」「過体重・肥満」を個別に扱っているが、因果関係がある。「喫煙」「過体重・肥満」は原因に近く、「高血圧」は結果に近い。原因は直接コントロールしやすい。例えば、原因としての「たばこを吸わない」「食べ過ぎない・間食しない」「運動する」は分かりやすい。一方、結果としての「高血圧」を下げるための行動は、教えてもらわないと分からない。
 
 二つ目の図参照。「虚血性心疾患」のリスクを減らすための行動は、「運動・身体活動」「脂肪摂取」「過体重・肥満」「アルコール」「喫煙」の5つになる。ただし、「過体重・肥満」は結果の方に回して、その原因は「運動・身体活動」「食事(過食しない・栄養のバランス・間食しないなど)」にするのが良いと、私は思う。
 

<出典>
久野譜也、講演「筋トレで移動能力維持を」
ダンスと筋トレで健康寿命 / シンポジウム「100歳ダンス&筋肉~かっこよく! 健康長寿」
100歳時代プロジェクト】  産経新聞(2019/03/13)
 
健康を脅かす上位リスクは高血圧、喫煙、糖尿病 WHO報告
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2009/000171.php


(K0694)  ダンス体操(USA氏) <体の健康><脳の健康>


USA氏:ダンス体操というものを考案しました
 
Eダンスアカデミー『EXダンス体操(EXILEのダンス体操)』 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ENuB3qHCp0s
 


島田氏:認知症予防の観点からみると、あまり簡単ではだめなんです。例えばラジオ体操は体が覚えているので、頭はあまり活性化しない。ですからちょっと難しいくらいの体操やダンスはすごく良いと思います。
 大事なのは続けることなので、USAさんのように楽しく続けていたら病気が治ったというのが理想です。楽しくできる課題をどんどん取り入れていくことが大切だと感じました。


USA氏:ダンス体操で大切なのは、まずは目で見て動きをまねすること。音楽を耳で聞いてリズムに合わせて楽しむこと。そして、次の動きは何だったかを考える。体を動かしながら、ちょっとだけ未来のことを考えるのです。
 ひとりで踊るよりも大勢で踊った方がすごく楽しい気分になり、人とのつながりも感じられます。

 ―― 続けるにはどうすればいいのでしょうか

朝田氏:習慣化するには、人から褒められないといけない。自分を自分で褒めるのでもいい。
 もう一つはかっこいいと思われる要素があることが必要。かっこよいと思われるために技を磨き、それを誰かが認めてくれることが、続ける上でものすごく重要です。


朝田氏:高齢者にはひざや腰の悪い方が多く、運動も外出もしなくなり、刺激がないので認知症のリスクも高まります。ですので、ひざや腰が悪くてもできるダンスを作ってほしい。
  確かに、冒頭の動画を、高齢者ができるとは思えない。「高齢者版 ダンス体操」が必要。
「座って踊るバージョン」がある。
http://www4.nhk.or.jp/e-dance/




久野氏:ダンスも体の筋肉全体を動かすことができる。運動を続けると、もちろん体力がついて動きが変わりますが、洋服がカラフルになるなど、自分の容姿を気にするようになる。
 生活そのものが変わっていき、人生を結果的に豊かにする。それが予防につながるのではないかと思います。
 


<出典>
ダンスと筋トレで健康寿命 / シンポジウム「100歳ダンス&筋肉~かっこよく! 健康長寿」
100歳時代プロジェクト】  産経新聞(2019/03/13)

2019年3月25日月曜日

(K0693) 「臨床美術」 認知症予防、感性引き出す効果も <脳の健康>

 
「臨床美術」とは
 
===== 引用はじめ
 絵を描くことで脳の機能を活性化させ、認知症の発症予防や進行抑止につなげる「臨床美術」。近年は認知症予防にとどまらず、子供の感性を引き出したり、心をリフレッシュさせたりする効用も指摘され、さまざまな職種や世代の人々に有効な芸術療法として注目されている。
===== 引用おわり
 

「臨床美術士」とは
 
===== 引用はじめ
 臨床美術士は、NPO法人「日本臨床美術協会」が認定する民間資格。1~5級があり、同協会によると昨年11月末現在、国内外で約2300人の臨床美術士がいるという。
===== 引用おわり
 

兵庫県西宮市の特別養護老人ホームを中心に臨床美術に基づくプログラムを実践する臨床美術士、中谷真理さん(48)
 
===== 引用はじめ
 平成27年に5級、28年に4級の資格を得た中谷さんは昨年4月、社会福祉法人「円勝会」(たつの市)に採用され、法人所属の臨床美術士として働き始めた。月の半分程度は西宮市内の福祉施設や銭湯などで臨床美術のプログラムを実践する多忙な日々を送る。
===== 引用おわり
 

臨床美術での絵の描き方
 
===== 引用はじめ
 「一般的にリンゴを描くとすれば、見たままにリンゴの輪郭だけを表現しても絵になる。でも、臨床美術の場合はリンゴの実物に触れながらイメージを育て、まず中心の種の部分を描く。そして、そこから外側の皮の部分へと色を塗り重ねていく」
 視覚だけで処理せず、手触りやイメージなど五感を使って色や形を自由に表現する。本物そっくりにうまく描くことしか頭になかった中谷さんにとって、この考え方は新鮮だった。
===== 引用おわり
 

 中谷さんは「臨床美術をもっと多くの人に知ってもらい、仲間を増やしたい」と意気込む。
 


<出典>
「臨床美術」浸透へ情熱 認知症予防、感性引き出す効果も
産経新聞(2019/03/21)
 
「臨床美術」浸透へ情熱 臨床美術士の中谷真理さん
https://www.sankei.com/west/news/190312/wst1903120011-n1.html

(K0692)  防災と高齢者ケア同時に <高齢期の住まい>

 
===== 引用はじめ
 奈良県十津川村(とつかわむら)が、防災と高齢者ケアの両方を重視した住まいづくりに取り組んでいる。平成23年の紀伊半島豪雨など繰り返し自然災害に遭ってきた経験を踏まえ、安全な場所に集合住宅を造り、村民の「第二の家」とする珍しい試みだ。介護や買い物支援が受けられるほか、居住者以外が長期間生活できる避難所の機能も備え、地域の頼れる拠点となっている。
===== 引用おわり
 

 ユニークで合理的な考え方だと思う。行政の負担がかなり重いとは思うが、支援を必要としている人がまとまって住むと、後々の支援の効率はよくなる。写真を見る限りでは、入居者は「老人ホームに押し込められる」という感覚は抱かないと思った。
 
(1)  安全な場所に集合住宅を造り、
 リスクが比較的低い高台にある約5200平方メートルの敷地に29年3月、高齢者向け公営住宅、高森のいえが完成した。
 
(2)  村民の「第二の家」とする珍しい試みだ。
 介護を受ける高齢者を中心に現在は9世帯14人が支え合いながら暮らす。梅雨や台風の季節などに高森のいえに「村内移住」し、住み慣れた自宅とを行ったり来たりする「2地域居住」を実践している人も多い。
 
(3)  介護支援が受けられ、
 近くにある村唯一の特別養護老人ホームからヘルパーが派遣されるほか、医師による月1回の出張診療もある。
 
(4)  買い物支援が受けられるほか、
 毎週木曜日の夕方、食品や雑貨を積んだ地元スーパーの移動販売車が音楽を流しながら敷地内に到着。音を合図に人が集まると、日用品を調達する機会はコミュニケーションを取る時間に変わり、居住者同士の会話が弾む。
 
(5)  居住者以外が長期間生活できる避難所の機能も備え、
 近隣住民の避難所として使える広い集会所には着替えができる個室があり、風呂や台所も併設して長期の避難生活になっても困らないよう工夫した。
 
(6)  地域の頼れる拠点となっている。
 地元の自治会長、蔭地野(おおじの)清志さん(60)は「被災しても、料理をしてゆっくりご飯を食べるような、普段通りの暮らしができる」と話す。
 

<出典>
防災と高齢者ケア同時に / 避難所兼ねた「第二の家」
産経新聞(2019/03/08)
 
村民の「第二の家」 災害リスク低い高台に高齢者向け住宅 奈良・十津川村の試み
https://www.sankei.com/life/news/190308/lif1903080012-n1.html


2019年3月24日日曜日

(K0691) 「バルシューレ」(子供だけではなく高齢者も楽しめるのではないか) <体の健康>

 
 「バルシューレ」動画例
https://www.youtube.com/watch?v=ruW0JR-tJww
https://www.youtube.com/watch?v=E5l7FNySInw
 
 バルシューレはボールを使う運動プログラムで、元々は子供向けなのだが、ゲームを選び、ルールを変更すれば、高齢者も楽しめそうな気がする。
 
 こういう運動を続けるためには、楽しくなければならない。楽しく遊べる工夫がこらされているようである。
 
 
バルシューレとは
===== 引用はじめ
 「バルシューレ」とは直訳すると「ボールスクール」(Ball school)、子どものボールゲーム教室のことで、その運動プログラムはドイツ・ハイデルベルク大学スポーツ科学研究所で開発されました。
 現在、子どもたちの外遊びが激減し、オールラウンドな体力・運動能力を身につける機会がめっきり少なくなってきているなか、ドイツ・ハイデルベルク大学スポーツ科学研究所が開発したバルシューレ運動プログラムは、種目横断的な子ども用ボールゲーム指導プログラムとして注目を集めています。
 “Ballschule” の運動プログラムは、バレーボール、サッカー、テニスといった個別種目の学習に入る前にすべてのボールゲームに共通する、最大公約数的な基本要素をプレイしながら身につけることができるよう工夫されており、さまざまなボールゲームの基礎技能がオールラウンドに習得できるようにつくられています。例えば、”Ballschule” の指導プログラムに「敵の穴を見つけよう」「飛んでくるボールのところに走りこもう」というものがあります。これらは単に走る、捕る、蹴る、投げるといった技能だけを身につけるのではなく、判断力、空間把握能力を養うプログラムでもあります。刻々と変化する状況の中で、周りの状況を把握、判断し、その判断に従い自分の身体を動かす、”Ballschule” にはそのような特徴があります。
===== 引用おわり
NPO法人 Ballschule Japan
https://ballschule-japan.com/what/
 

<出典>
ボール遊び教室 運動離れ防げ / ドイツ発祥「バルシューレ」神戸に開校
産経新聞(2019/03/14)
 
登録(無料)しないと途中までしか読めないが、
https://special.sankei.com/f/life/article/20190314/0001.html


(K0690)  個人Blog 3月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 3月中旬リスト
 

(1539)  夏目漱石スペシャル(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1539-3-2100de.html
 

(1540)  二段階の決定プロセス(楽観と悲観)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1540.html
 

(1541)  (47) 長塚節『土』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1541-47-50.html
 

(1542) 「こうすれば事故を防げたかも」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1542.html
 

(1543)  (48) 石川啄木『一握の砂』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1543-48-50.html
 

(1544) 主体喪失の危機 / 大阪メトロ サイト誤訳(1)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/15441.html
 

(1545)  夏目漱石スペシャル(4-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1545-4-1100de.html
 

(1546)  人を良くするIT、悪くするIT / 大阪メトロ サイト誤訳(2)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1546-2.html
 

(1547)  (49) 谷崎潤一郎『秘密』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1547-49-50.html
 

(1548)  夏目漱石スペシャル(4-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/03/1548-4-2100de.html
 


なお、前回の紹介は、
 
(K0682)  個人Blog 3月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/03/k0682-blog.html

2019年3月23日土曜日

(K0689) 「人工透析」中止問題(2) / 最期の選択(5) <臨死期>

 気になるので、もう少し書いておきます。
 

 ポイントは二つあると思う。

(1)  「死にかかわる選択肢を医者が示し、患者が説明を受けて判断し、医者が患者の決定した意思を尊重して治療する」という考え方がよいかどうか。尊厳死を認めるか認めないか

(2)  手続きは、適切だったか
 

 尊厳死を認めるという人と尊厳死を認めないという人とが議論すると、これはほとんど平行線になって先に進めない。私からは、キリスト教徒とイスラム教徒が、互いに自分の宗教に改宗しなさいと言っているように見える。
 
===== 引用はじめ
Q:【尊厳死と安楽死】尊厳死とは安楽死とどう違うのですか。

A:尊厳死は、延命措置を断わって自然死を迎えることです。これに対し、安楽死は、医師など第三者が薬物などを使って患者の死期を積極的に早めることです。どちらも「不治で末期」「本人の意思による」という共通項はありますが、「命を積極的に断つ行為」の有無が決定的に違います。協会は安楽死を認めていません。
 わが国では、いわゆる安楽死は犯罪(違法行為)です。ただ一定の要件を備えれば違法性を阻却できるという司法判断は出ています。山内事件の名古屋高裁判決(1962年)の安楽死6要件や東海大付属病院事件の横浜地裁判決(1995年)の4要件です。しかし、日本社会には安楽死を認める素地はないと言ってよいでしょう。
===== 引用おわり
http://www.songenshi-kyokai.com/question_and_answer.html
 

 「尊厳死はよいが、安楽死はだめだ」というのが、今の日本のおおまかなコンセンサスかなと思っている。

 批判派は、根っこに「尊厳死もいけない」があるように感じる。「非常に厳格な条件付きで尊厳死もいい」と言っても、条件を厳格にすると、実質「尊厳死もいけない」と同じになる。
 一方、擁護派は、「患者の尊厳死を選ぶ権利」「<患者の尊厳死を選ぶ権利>を尊重する医者の義務」を守ろうとしているように思える。


 手続き的には、かなり慎重に進めているようだ。
 
===== 引用はじめ
 女性は昨年8月9日、受診していた医療機関の紹介で同病院を訪問。腕からの透析を継続できない状態で、外科医は(1)首から透析を受ける新たな方法(2)透析中止-の二択を示した。女性は透析中止を選び、16日に死亡した。
 女性が中止に同意して署名した文書には、中止に伴う死亡リスクが記されており、女性の夫や複数の病院関係者が立ち会っていた。
===== 引用おわり
透析中止 院長ら積極提示、産経新聞(2019/03/13) 一つ目の添付表は、この紙面より。
https://www.sankei.com/affairs/news/190312/afr1903120032-n1.html
 

===== 引用はじめ
 同病院は8日、「家族を含めた話し合いが行われ、記録も残されている。密室で独断専行した事実はない。悪意や手抜き医療過誤もない」などとするコメントを発表した。
===== 引用おわり
透析せず 20人死亡か、産経新聞(2019/03/09)  二つ目の添付表は、この紙面より。
https://www.sankei.com/affairs/news/190308/afr1903080033-n1.html
 

 「死亡前には一時、撤回意向と受け取れる発言をしていたことが9日、関係者への取材で分かった。この意向は病院側にも伝わっていた」とのことだが、
 
===== 引用はじめ
 関係者によると、女性の症状が重くなった後、担当医は、透析を再開するか、苦しさを和らげるかの選択肢を示し、女性は苦しさを和らげる方を選び、透析は再開されなかった。
===== 引用おわり
透析中止 死亡前に撤回意向  産経新聞(2019/03/09)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190309-00000017-kyodonews-soci
 


 病院側の言い分が正しいとするなら、少なくとも形式的には、問題がないように思う。
 
 ただ、選択肢の提示の仕方(例えば、透析しながら生き延びられるチャンスが十分あることを分かるように説明したか、透析中止後の苦しみを伝えたか、透析を再開しかつ苦しさを和らげる方法はなかったのか)、また、「透析治療のため同病院を訪れた腎臓病患者149人のうち、20人前後が担当医と相談した上で透析治療を行わなかった」(おそらくこの病院が突出して多い)など、気になる点はある。

 この先は、医学的知識が必要なので、この検討は、ここまでにしておく。