2019年9月30日月曜日

(K0883)  認知症当事者 ゆっくり接客 <認知症>

 
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大阪市役所内の喫茶店で、認知症の当事者が「店員」となって接客を体験する「ゆっくりカフェin英國屋」が1日限定で開かれた。当事者ばかりでなく、認知症の人に接触する機会のない人たちにとっても貴重な体験だ
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 認知症の当事者らは緑色のエプロン姿で、付き添いのスタッフのサポートを得ながら接客やレジでの会計に従事。提供するテーブルを間違えたり、グラスを割ったりすることもあったが、客からは「大丈夫ですよ」「気にしないで」と温かい言葉がかけられていた。
 
 カフェは市民や職員ら約150人が来店する盛況ぶりで、市高齢福祉課の担当者は「当事者には笑顔で働いてもらい、お客さんには彼らの活躍をみてもらえた」と手応えを語る
 
 認知症の予防や早期発見の対策の強化に加え、市は当事者の生きがいづくりの支援にも乗り出している。今回のカフェ開催もその一つ。見知った人が集まる施設や病院ではなく、一般客が訪れる店で行うことで、「認知症の人に社会とのつながりを感じてもらい、活躍する場が広がるきっかけになれば」(担当者)と話す。
 


<出典>
認知症当事者が「店員」に 大阪市役所の一日カフェで接客
https://www.sankei.com/life/news/190926/lif1909260019-n1.html

(K0882)  それでも長寿を目標にするのか <定年後>

 
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福祉がある程度充実している日本でも、冷静に考えれば長寿はあまりありがたくない。生活費や健康面の不安は年をとるほど大きくなるのは当然だが、多くは長寿を目標とする。違った生き方があっていいのではないか
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1.   長生きリスク

1.1.  人生100年時代となり、定年後に40年間残り、経済的なリスクがある
1.2.  80歳を超えると急に認知症のリスクが高くなる
1.3.  自分が長生きすることで子供も高齢化して深刻な問題が起き始めている
1.4.  最新医療が発達しても老化に伴う病気を克服するのは困難だ
1.5.  人生は50歳くらいが曲り角でそれ以降は衰えるばかりだ
1.6.  高齢になれば自分の体調ばかりを気にしがちだ
 

2.   長寿を目標としない生き方

2.1.  長寿を目標とせずに残りの人生を楽しく過ごしたり、若い人の生活の援助をしたりともっと視線を外へ向けて、人のために何ができるのか考えて実行するようにすれば自分もの不安も少しは解消するのではないか

2.2.  単なる長寿を目標とするのは虚しい。高齢になっても日々、充実して楽しい人生を送りたい。その上で長く生きられるなら、それはありがたいことだ
 


<出典>
石蔵文信、老いはあきらめも肝心
【山あり谷あり】 産経新聞(2019/09/30)

(K0881)  孤食の死亡リスク、遠隔共食 <社会的健康>

 
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高齢者が独りで食事をする「孤食」が健康長寿の阻害要因と指摘されている。同居していても、孤食だと共食の1.5倍の死亡リスクになる。最新機器を使って外出せずに会食できる「遠隔共食」の研究が進んでいる
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A)   孤食が死亡リスクを高める
 
1.   実験

1.1.  東京医科歯科大大学院の谷友香子助教。谷助教ら

1.2.  65歳以上で日常の介助が不要な男女約7万人のデータ

1.3.  4群に分け、3年間追跡し、孤食と死亡との関連を調べた
1.3.1. 「同居で共食」
1.3.2. 「同居で孤食」(配偶者以外との同居による食事時間のずれなどで孤食)
1.3.3. 「独居で共食」(友人や近所に住む子供などとの共食)
1.3.4. 「独居で孤食」
 

2.   結果

2.1.  男女とも「同居で共食」の人に比べ、孤食の人の死亡リスクが高くなることが分かった
2.2.  特に、男性の「同居で孤食」の人は、「同居で共食」の人を1とした場合、死亡リスクが1・5倍と有意な差が出た
 

B)   「遠隔共食」
 
1.   実験

1.1.  問題解決のため、インターネットを活用し、テレビ会議の「食事版」のように離れた人と一緒に食事をする「遠隔共食」の実験を行っている
1.2.  東京電機大システムデザイン工学部の武川直樹教授と徳永弘子共同研究員のグループ
1.3.  27~29年にかけ、離れて住む親子3組に対し、親子それぞれの自宅の食卓にタブレット端末を設置。映像とともに通話ができるアプリを使って、相手を見ながら一緒に食事をしてもらい、継続的に行うとどんな効果があるか調べる実験を行った
1.4.  期間は8週間で、最初の2週間は共食は行わず、残りの6週間について、最低でも週に1回遠隔共食をしてもらい、最初の2週間と最後の2週間とを比較、変化を記録してもらった
 
2.   結果

2.1.  主観的な幸福感の変化の項目で、親の「体調」「気分」「存在意義」「あすへの意欲」がそれぞれ向上した
2.2.  その際の映像を分析したところ、食事内容を毎回、見せ合う親子がいることも分かった … こうした話題をきっかけに食事内容を改善させる可能性がある
 
 
<出典>
【100歳時代プロジェクト】ネット活用「遠隔共食」 健康長寿阻む「孤食」解消へ
https://www.sankei.com/life/news/190926/lif1909260014-n1.html
産経新聞(2019/09/26)


2019年9月29日日曜日

(K0880)  認知症の人が地域社会で安心して暮らせる(大牟田市の場合) <認知症><地域の再構築>

 
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認知症の人が地域で暮らしていけるようになるのは難しいことですが、実現すれば凄い事です。認知症の人は助けを必要とします。その人が安心して暮らせる地域は、子供も高齢者も障碍者も、みんな安心して過ごせる地域です
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 「大牟田市は、子どもから大人まで、あらゆる世代の市民が心を一つにして、認知症の人やその家族の願いに寄り添い、地域社会において、誰もが人として尊重され、安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。」(認知症の人とともに暮らすまちづくり宣言2015
 


1.   認知症による行方不明から見えてくる課題
2.   ほっと・安心ネットワーク (高齢者等SOSネットワークを含む)
3.   認知症の当事者の想い
4.   認知症でも安心して外出できるまちへ
 

【展開】


1.   認知症による行方不明から見えてくる課題

(1)  行方不明になった高齢者の中には、まだ家族が認知症に気 づいていないことも・・・【早期発見・診断の必要性】
(2)  まだまだ恥じたり、隠したりして、家族が助けを求めない・求められない・・・【誤解や偏見、地域の理解】
(3)  ある日突然、帰り道がわからなくなったり、どうしてよいのかわからなくなり途方に暮れる
(4)  対応の困難さ故、家族は疲弊していく・・・【家族支援の重要性】
(5)  家族だけでは支えられない・・・【地域の理解と支援】
(6)  広範囲に歩き回ったり、事故に遭ったり、長期間見つからず栄養失調になり死に至ることも・・・【見守りや地域の実行力の高いネットワーク】
 
 
2.   ほっと・安心ネットワーク (高齢者等SOSネットワークを含む)

(1)  認知症の人と家族を支え、日頃から見守る地域の意識を高め認知症の理解を促進していく
(2)  認知症により道に迷ってしまう高齢者を隣近所、地域ぐるみ、多職種協働により可能な限り、声かけ、 見守り、保護していく実効性の高いしくみの充実
(3)  認知症になっても安心して暮らせるために、「認知 症になっても安心して外出できるまち」を目指していく
(4)  年一回の模擬訓練は効果検証と課題の抽出
 
 
3.   認知症の当事者の想い

(1)  自由に外出し、町の風景や人たちに触れて暮らすことは、人としてあたりまえのことであり、認知症があっても同じです
(2)  「認知症だと外出は危険」という一律の考え方や、過剰な監視や制止は、私たちが生きる力や意欲を著しく蝕みます。私たちだけでなく、これ から老後を迎える多くの人たちも生きにくい社会になってしまいます
(中略)
(3)  今回の判決(*)を機会に、家族だけに責任を負わせず、認知症があっても安心して外出できる地域にすべての市区町村がなっていくよう、誰が何をできるのかを私たち当事者と話し合いながら、具体的な取組みを進めていってほしいと切望します
(*)JR東海事故 最高裁判決
 

4.   認知症でも安心して外出できるまちへ

(1)  世代を超えた地域住民の認知症の理解が広まり、見守りのネットワークができている
(2)  行政が明確なビジョンを持ち続け、アクションプランとして実践している
(3)  核となる人材が育成され、地域の拠点に配置されている
(4)  医療と介護が連携し、早期診断、予防、早期支援のしくみができている
(5)  いつも当事者や家族が参加し、共に築くしくみができている
 


<出典>
認知症の人とともに暮らすまちづくり宣言2015
https://www.city.omuta.lg.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=6652&class_set_id=1&class_id=136

当事者に学び共に築くまちづくり ~大牟田市の取り組み~
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/caresystem/documents/0927002.pdf

2019年9月27日金曜日

(K0879) 「認知症による物忘れ」(中核症状)と「老化による物忘れ」 <認知症>

 
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認知症による物忘れと老化による物忘れとを見分ける方法を、中核症状と関連付けながら説明する。エピソード記憶と認知症による物忘れとの関係も説明する。認知症発症以前のエピソード記憶を強化するのが回想法だ
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 「富士見市 認知症支援ガイドブック (認知症ケアパス)」で示された「認知症による物忘れと老化による物忘れ」と「認知症の症状 中核症状」とを関連付けてまとめた表を添付します。
 
 経験したことを丸ごと忘れる、というのが認知症による物忘れの大きな特徴です。『おもいでのアルバム』という歌の一番は「いつのことだか 思(おも)いだしてごらん あんなことこんなこと あったでしょう うれしかったこと おもしろかったこと いつになっても わすれない」。これを丸ごと忘れてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=DP68_ZaB5BE
 
 「何を食べたか思い出せない」は、老化による物忘れです。認知症による物忘れは「食べたこと自体を忘れる」になります。一時間前に夕食を食べたのに、丸ごと忘れてしまうので、「まだ夕食をすませていない。早く食べさせてくれ」と言い張ります。
 
 「昨日の夕食で何を食べたか忘れた」でも、「あなたが好きな“う”のつく魚」とヒントを出してもらえれば「うなぎ」と答えられます。これは老化による物忘れです。認知症による物忘れは食べたこと全体を忘れているので、ヒントをもらっても答えられません。
 
 「昨日すれ違った有名な歌手の名前を思い出せず恥をかいた」というのは、認知症ではありません。認知症なら、そんなことがあったことをもう忘れています。認知症なら、顔の認識ができなくなるので、すれ違ったのが有名歌手なのが分かりません。会社から帰って来た息子に「どなたか知りませんが、よく来てくださいました」と歓迎するのは認知症です。
 

===== 引用はじめ
 エピソード記憶(エピソードきおく、episodic memory)とは、宣言的記憶の一部であり、イベント(事象)の記憶である。エピソード記憶には、時間や場所、そのときの感情が含まれる(感情は記憶の質に影響する)。自伝的記憶はエピソード記憶の一部である。エピソード記憶は意味記憶(事実と概念に関する記憶)と相互に関連している。エピソード記憶は物語にたとえることができる(Tulving, 1972)
===== 引用おわり
Wikipedia『エピソード記憶』
 
 認知症になると、このエピソード記憶を丸ごと忘れてしまいます。「エピソード記憶には、時間や場所、そのときの感情が含まれる」ので、「うれしかったこと おもしろかったこと」が思い出せません。認知症の方は、とても寂しいですね。
 
 ただ、思い出せないのは、認知症になってからのエピソード記憶で、認知症になる前のエピソード記憶は覚えています。回想法で認知症の方でも、子どもの頃の思い出を楽しそうに話すことができます。残念ながら、認知症が進むと、認知症発症以前のエピソードを記憶も失っていきます。
 

 最後に余談。認知症かどうか受診に来た人に対し、お医者さんは最初の質問だけで、だいたい見当がつくと言います。Q「今日は一人で来られましたか」。A1「一人で来ました」は認知症でない、A2「息子と来ました」は認知症だと言うのです。勿論これだけで決めつけてはいけませんが、かなりの確立で当たっているそうです。
 


<参照資料>
富士見市 認知症支援ガイドブック (認知症ケアパス)
https://www.city.fujimi.saitama.jp/kenko_fukushi_iryo/04koureisya/soudan/2015-0330-1724-38.files/SCN_0001.pdf

2019年9月25日水曜日

(K0878)  認知症の記憶と時間軸 <認知症>

 
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「認知症になったら、すべての記憶がなくなる」訳ではない。前向性忘却や逆行性忘却などの理屈を知っていると、認知症の理解が深まる。回想法で進行を遅らせることができる。「今」という時を生きることもできる
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1.   「認知症になったら、すべての記憶がなくなる」訳ではありません
 

2.   時間軸で追うと、4つの段階があります
 
2.1.  A(○)残された記憶
 認知症になっても子供の頃を覚えている人が多くいます。認知症で海馬がダメージを負って新しいことを記憶できなくなっても、古い記憶は大脳皮質にあるので保たれます。ただ、認知症が進むと、より新しい方から記憶が消えていきます。より昔のことが記憶に残りやすいといえます。
 
2.2.  B(×)逆行性健忘
 逆行性健忘は、認知症発症以前の情報の記憶障害です。認知症発症時には覚えていても、認知症が進むと大脳皮質もダメージを受けるようになり、より新しい記憶から健忘していきます。
 
2.3.  C(×)前向性健忘
 前向性健忘は、認知症発症以降の情報の記憶障害です。認知症が発症すると、海馬がダメージを受け、新しいことを覚えられなくなります。そのため、認知症発症以後の記憶は残りません。
 
2.4.  D(○)「今」という時を生きる
 認知症になっても、「今」という時を生きることはできます。記憶を保持できる時間はだんだん短くなります。10分間の間に何回も同じ話が繰り返されるなら、その人が記憶を保持できる時間が10分以内だということです。重症化すると、一連の話をしていても、長くなると最初に行ったことを忘れてしまうので、一貫した話ができなくなります。
 

3.   いくつかのトピックス
 
3.1.  回想法
 回想法とは、認知症のリハビリテーションに用いられる手法の一つです。会話しながらその方の人生を振り返ったり、写真や映像を見て過去を思い起こすことで、気持ちの安定やコミュニケーションの活性化に繋がります。
 残された記憶で回想法が出来ます。回想法をすると脳が活性化するため、逆行性健忘症の進行を抑制できると言われています。


3.2.  取り繕い、作話

 認知症の方にはしばしば正しい答えをさも知っているかのように取り繕ってしまう行動が見られ、病状の進行発見が遅れたり、ケアする人々をいらだたせたり怒らせてしまったりするケースがよくあります。
 抜け落ちた記憶の穴を埋めるため、作話することもあります。話を聞いていると矛盾が起こってくるのですが、本人にとっては実際にあったことです。
 
3.3.  メモ帳
 自分が認知症であるという自覚のある人の中には、「今」という時を生きようとして、その場でメモをとる人もいます。今日起こったことは明日には忘れてしまうのですが、メモを見る習慣ができていると、翌日にメモで確認できます。
 認知症当事者が講演するときは、その日にメモを見ることにより講演に行かなければならないことを把握し、作っておいた駅までの詳しい地図を見ながら駅までたどり着き、さらにメモを見ながら、会場まで行きます。認知症になっても、上手にメモを使って、一人住まいできている人もいます。
 
3.4.  まだら認知症
 まだら認知症は、病気の種類ではなく認知症がまだらにあらわれる症状のことです。 脳梗塞や脳出血が原因で起こる脳血管性の認知症の代表的な症状で、「できる時とできない時がある」ことが特徴です。
 認知症状態の時に自分の排便をもてあそび、認知症を脱した時に、バラまかれた糞尿は自分が汚したものと気づくこともあります。本人にとっては、とても苦しい時期です。認知症が進行して「まだら」でなくなると、ずっと記憶のないままになるので、苦しさが和らぎます。
 

<出典>

認知症の進行のしかた|中核症状と周辺症状
https://kaigo.homes.co.jp/manual/dementia/symptom/
 
前向性健忘
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/前向性健忘
 
脳はこうして記憶する
http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku3/kioku3_1.html
 
「今」という時を生きる
http://www.e-65.net/mylife/category08_6.html
 
認知症リハビリ|いきいきとした心を取り戻す「回想法」
https://kaigo.homes.co.jp/manual/dementia/care/Reminiscence/
 
「取り繕い反応」はアルツハイマー病の特徴的なコミュニケーションのパターン
https://www.eurekalert.org/pub_releases_ml/2018-06/ku-4060618.php
 
まだらぼけ認知症とは
https://www.roujin-homes.jp/guide/kaigo/madaraninchisyo/



2019年9月24日火曜日

(K0877)  アルツハイマー病による視覚認知の喪失 <認知症>

 
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認知症は、単に記憶を失うだけでなく、視覚認知も喪失していく。進行した認知症患者には、どのように世界が見えているか? 我々が見てるのとは違う世界を見ているかもしれない。その前提でお付き合いしましょう
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===== 引用はじめ
 イギリス・ロンドンの画家ウィリアム・ウテルモーレン(William Utermohlen)の絵画作品をご紹介します。1933年生まれのウィリアムはアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)を患った画家として有名で、発病から晩年の作品変遷は驚愕の内容です。
 1995年、62歳の時にアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)と診断されます。
 
 診断受けたウィリアムは奥さんの励ましでアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)という病気を自画像という作品で描くことを決心します。1995年当時の絵からご覧下さい。
 1995年から2000年の5年間の様変わりが凄まじいです。しかし、ウィリアムの描いた自画像は医学的に奇跡と言われています。
 治療を受けながらこれらの絵を描くことは相当難しいみたいですね。ウィリアム・ウテルモーレン(William Utermohlen)2007年に亡くなられています。
===== 引用おわり
 

<出典>
【驚愕】アルツハイマー病になりながらも自画像を描き続けた画家の記録
https://plginrt-project.com/adb/?p=22258

2019年9月23日月曜日

(K0876)  証券会社から見た高齢者顧客 <高齢期の家庭経済>

 
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高齢者は、新たな収入は少なく、資産を持っていても既にどこかに預け入れていることが多いだろう。証券会社が高齢者にアプローチするのは、金融商品を販売したいのではない。いずれ発生する遺産に照準を当てている
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1.   証券各社が高齢顧客専門の営業員の配置を強化している。

1.1.  みずほ証券は16日、高齢顧客専門の営業員を現状の約80人から、令和4(2022)年3月までに約150人に増やす計画を明らかにした。

1.2.  大和証券は来年4月までに、高齢顧客を担当する営業員の全店配置を完了する。

1.3.  SMBC日興証券は10月から、同様の営業員の支店への配置を始める。
 

2.   あえて商品販売件数などの収益目標を持たず、「人生100年時代」に備え、高齢顧客の要望をじっくりと聞き出すのが狙い。

2.1.  ただひとたび相続が発生すれば、顧客の預かり資産が競合他社に流れかねない。

2.2.  丁寧なコンサルティングの裏側では、“真のターゲット”である子供や孫世代の資産をめぐる争奪戦が繰り広げられている。

2.3.  各社とも営業員がじっくり相談に乗ることで、生前贈与や遺産整理、不動産の売却など、主に相続絡みの要望を掘り起こし、グループの信託銀行などと連携しながら問題解決に当たる。

2.4.  「相続を円滑に進めるには、資産の全体像を開示していただく必要がある。トラブルを避けるため、家族間の人間関係を把握することも大切。それには信頼関係の構築が欠かせない」
 
 
<出典>
証券各社、相続資産に照準 高齢顧客向けコンサル強化 
産経新聞(2019/09/17)
https://www.sankei.com/economy/news/190916/ecn1909160016-n1.html

(K0875)  高齢化が進んでも希望が持てる街に <地域の再構築>

 
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「都会の限界集落」(高齢化率56・3%)。①新宿区の事業を受託、②大学生の協力、③住民組織「戸山未来・あうねっと」。「住民の気持ちをうまくつなげたら、夢も希望も案外ある町を作れるんじゃないかな」
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(1)  背景
 スタートの背景には「都会の限界集落」とも称される戸山ハイツの高齢化がある。今年8月1日時点で、地元の戸山2丁目の高齢化率は56・3%。日本全体(28・1%)の2倍にもなった。
 
(2)  していること
 戸山ハイツ4号棟の一角で「カフェあうねっと」。毎週土曜日の午前中、住民が運動やおしゃべりをして過ごす。参加費は100円。主な対象は、介護保険で要支援1や2の認定を受けた人。参加者の平均年齢は80歳を超える。
 
(3)  支援
 住民組織「戸山未来・あうねっと」が、新宿区の事業を受託して実施する。地域全体で高齢者を支え、要介護になるのを防ぐのが目的だ。運営には東京家政大の学生も協力する。
 
(4)  内容
 住民によるコミュニティー活性化の取り組みが始まった。介護予防の運動をしたり、おしゃべりをしたり…。
 
(5)  効果
 「同じ棟に住んでいても顔を合わせることは少ない。ここに来るようになって友達も増えました」。“ご近所づきあい”の復活で、老いを支え合う新たな地縁が生まれている。おしゃべり、あいさつ、情報交換…。そんなささいなことが暮らしを豊かにし、地域に活力をもたらしていく。
 
 
<出典>
【~から】地縁を結び直し、老いを支え合う東京・戸山ハイツの「あうねっと」
産経新聞(2019/09/20)
https://www.sankei.com/life/news/190902/lif1909020028-n1.html

2019年9月21日土曜日

(K0874)  個人Blog 9月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 9月中旬リスト
 


(1723)  ブログに「吐き出している」のか? 私の場合は、
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1723.html
 
(1724)  大江健三郎『燃えあがる緑の木』(3-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1724-3-1100de.html
 
(1725)  納豆ご飯牛乳かけ/シリアルミルク米・大豆版
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1725.html
 
(1726)  大江健三郎『燃えあがる緑の木』(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1726-3-2100de.html
 
(1727)  損得で動く人がいる / おしん(143
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1727-143.html
 
(1728)  外国人旅行者が帰国後に懐かしむ日本:「21の魅力」(その3
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1728-213.html
 
(1729)  男を魅了する女の「モテる褒め言葉」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1729.html
 
(1730) 「自分で自分の欠点を並べ立てる」時
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1730.html
 
(1731)  大江健三郎『燃えあがる緑の木』(4-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1731-4-1100de.html
 
(1732)  ラグビーのポジション
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1732.html
 


なお、前回の紹介は、
 
 (K0864)  個人Blog 9月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/09/k0864-blog.html

2019年9月20日金曜日

(K0873)  頑張らないと生きる力が出ないのではないか <介護>

 
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「生きる力が出ないから頑張れない」というが、そうだろうか。頑張らないと生きる力が出ないのではないか。では何故、頑張れるのか。頑張らざるを得ないから頑張るのではないか。「支えることは支えられること」
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(1)  介護が終わった後の虚脱感
(2)  介護が終わったのに落ち込む理由
(3)  支えていると思っていた義父が、与えてくれていたもの
 


【展開】

(1)  介護が終わった後の虚脱感
 10年間、義父の介護をして夫婦ともども疲れ果て、心の中で「早く終わってほしい」と願っていた。やっと終わった。ところが、いわく、「介護しなくなって楽になったけれど、生活にメリハリがなく気持ちが上向かない」。このように思う人は意外に多いそうです。
 

(2)  介護が終わったのに落ち込む理由
 介護は相手の命・生活を支えるのですから、大きなエネルギーを要します。そのためにはすべての面で頑張らないといけません。その頑張りが、無意識に生活の張りになり、介護する勇気、生きる力になっている。
 

(3)  支えていると思っていた義父が、与えてくれていたもの
 「今までは私たち夫婦が一方的に義父を支えていたと思っていたが、義父の存在が私たち夫婦に生活の張りと頑張る力を与えてくれていたのだと気がついた」。まさに、「支えることは支えられること」です。
 

<出典>
介護が終わった後の虚脱感
【高見国生の認知症と歩む (23)】 産経新聞(2019/09/20)