2019年11月30日土曜日

(K0944) 「面倒くさい」「別にいい」等の口癖増加 <認知症>

 
☆☆
「認知症になりそう、怖い」と言っていると、認知症を加速してしまう。「性格や生活習慣、日々の行動と症状の進行がリンクしている」とのこと。認知症の進行を直接止めるのは難しくても、発言は制御できるだろう
☆☆
 


===== 引用はじめ
 認知症の初期症状として「面倒くさい」「別にいい」などの口癖が増える
===== 引用おわり
 
 認知症発症 →→ 「面倒くさい」「別にいい」などの口癖が増える
 これは現象を表現しているだけです。役立つ表現に直すと、「面倒くさい」「別にいい」などの口癖が増えたら、認知症が進行しているかもしれません。検診に使えます。
 
 矢印の向きが大切です。似ているが、全然、別なのが、
 認知症発症 ←← 「面倒くさい」「別にいい」などの口癖が増える
 これも言えるのでしょうか?
 
 結論としては、言えます。
===== 引用はじめ
 私はよく『言葉は脳の状態を映す鏡』だといっています。認知症に進んでいく人は、早い段階から“悪い口癖”を言っていることが多い。逆に、いい口癖を身につけることで、進行を遅らせることも期待できます。
===== 引用おわり
 
 ここから言えることは、
 「面倒くさい」「別にいい」などと言わずに、いい口癖を身につけなさい。


 
 
 両方向きの矢印があるということは、循環が起こるということです。悪い循環を断ち切り、良い循環を加速したい。
 
 1日に何度も『物忘れがひどくて』という人は、どんどん症状が悪くなります。
===== 引用はじめ
 「なかでも、わかりやすいサインのひとつが“口癖”です。自分の脳は、自分の発言を一番よく聞いている。たとえば、1日に何度も『物忘れがひどくて』という人は、『物忘れがひどい自分』を認め、どんどん症状が悪くなることを自ら容認しているわけです。口癖は自分の状況を指さし確認しているようなもので、繰り返し口にするほど、そちらに誘導されてしまう」
===== 引用おわり
 
 物忘れが悪くなると、気づいてしまいます(悪化すると気づかなくなる)。ここで『物忘れがひどくて』と言いそうになるのを抑えるのは、なかなか難しいでしょう。
 思うと言ってしまいます。また、思うだけでも悪影響はあるでしょう。「内言語」(声や文字となって外に現れない言語。思考や黙読などを言語活動の内面化したものとして説明した言い方)が発せられ、それを脳が「聞く」からです。
 
 何もしないと、悪い思考が入ってきがちです。できるだけ前向きに考え、少々記憶が悪くなるのは「年のせいだ」「しかたない」と取り合わず、残った頭をフル回転しながら、忙しくしていたいものです。


<出典>

認知症の初期症状 「面倒くさい」「別にいい」等の口癖増加
https://www.news-postseven.com/archives/20191111_1483479.html?DETAIL&_gl=1*4rsowz*_ga*S2xIcXNHd1liQktMNUJQZmRtNWF1SXRQSTNBZkd6VWVSRXVZUklkUXlHYmJ2dmxOU0Etd0szZmNxak1KaWFWcA..

2019年11月29日金曜日

(K0943) 自殺・安楽死・セデーション・尊厳死・平穏死・自然死 / 平穏死(A-19)<臨死期>

 
☆☆
【自殺】、【尊厳死(欧米)・安楽死(日本)】、【尊厳死(日本)】、【セデーション(鎮静)】、【平穏死・自然死】。尊厳死や安楽死の定義が欧米と異なることが、日本における議論の混乱の原因にもなっている
☆☆
 

1.   自殺
 日本では、毎年3万人自殺している
 欧米では、宗教的な事情で自殺が許されない
 

2.   尊厳死(欧米)、安楽死(日本)

2.1.  尊厳死(欧米)
 医師が薬物を用いて介助する自殺
 (人に依頼してする自殺)
 いくつかの国で合法化されている
 (オランダでは、余命6カ月)
 日本では、「安楽死」と訳している

2.2.  安楽死(日本)
 薬物をつかって意図的に寿命を短くするもの
 (殺人罪で追訴される)
 

3.   尊厳死(日本)
 延命治療の非開始と中止
 欧米では当然なので、相当する言葉はない
 

4.   セデーション(鎮静)
 臨終の前に麻酔をかけて意識をなくしてしまう
 少し寿命が縮むかもしれない
 (ゆるやかな安楽死? 尊厳死? 平穏死?)
 

5.   平穏死・自然死

5.1.  平穏死
 延命治療の非開始

5.2.  自然死
<出典>
長尾和宏、「平穏死 できる人、できない人」、PHP研究所(2014)P.79-82

2019年11月28日木曜日

(K0942)  GPS機能なしで位置情報を得る方法 /高齢者の見守り(3) <見守り>

 
☆☆
認知症には徘徊(はいかい)の不安がつきまとうが、ALSOKではGPSを搭載した携帯用通報端末サービス「まもるっく」を提供している。また、小型端末「みまもりタグ」を使ったサービスもある。位置情報が重要
☆☆
 

 小型端末「みまもりタグ」を使ったサービスが二つの点で興味深い。

第一に
===== 引用はじめ
 同端末は14グラムと軽量でバッグに付けたり、専用の靴の中に取り付けたりできる。
===== 引用おわり
 確かに、携帯をもたせても、どこかにポンと置いて、どこかに行ってしまいそうです。
 

第二に
===== 引用はじめ
 このサービスの特長は位置情報の把握の仕方だ。街中で契約者の家族以外の人でも、その人がスマホなどに専用の無料アプリを入れていれば、すれ違った際の履歴が残る。その記録を契約者の家族らが専用アプリで確認できるのだ。
===== 引用おわり

 この発想が面白い。

===== 引用はじめ
 どんな仕組みですか?
 「みまもりタグ」が発するBluetooth®の電波を「専用アプリをインストールしたスマホ」や「みまもりタグ感知器」が受信。スマホのGPSや「みまもりタグ感知器」の設置場所情報を利用して位置情報の履歴を収集します。
===== 引用おわり
===== 引用はじめ
 「みまもりタグ」はGPS機能は搭載しておりません。そのため、「みまもりタグ」自身は位置情報を発信することができません。
===== 引用おわり
 

 「みまもりタグ」にGPS機能は搭載しないので、小型・軽量(わずか14グラム)にできます。弱い電波を出すだけの装置なので、電池交換は1年に1回でよいそうです。
お買い上げ価格は、「月額250円。機器費2200円」。原価はかなり安いと思うが、…
https://www.alsok.co.jp/company/news/news_details.htm?cat=2&id2=857
 
 ただ、ボランティアに無料の専用アプリ「みまもりタグアプリ」(無料)をインストールしてもらうことが必要です。しかし、これは絶えず自分の位置を発信し続けることになるので、極めて気持ちが悪く、私なら嫌です。「みまもりタグアプリ」をインストールしてくれる人がいないと、「みまもりタグ感知器」だけが頼りになり、それでは精度が悪いのではないでしょうか。
 それと、「みまもりタグアプリ」をインストールしたスマホは、かなり電力を消耗しそうな気がしますが、どうでしょうか。
 

<出典>
産経新聞(2019/11/20)
https://www.sankei.com/life/news/191120/lif1911200021-n1.html
 
<御参考>
みまもりタグ
https://www.alsok.co.jp/person/mimamoritag/service.html


2019年11月27日水曜日

(K0941)  延命治療の非開始または中止 / 平穏死(A-18)<臨死期>

 
☆☆
延命治療の非開始か中止かで、大きく違う。中止すると、医師や家族が罰せられる可能性がある。実態は、あうんの呼吸で尊厳死が存在している。尊厳死を法制化しようとしているが、反対がある。日本は特殊な国だ
☆☆
 
 
 日本における尊厳死とは、「本人が直接言うか、リビングウイルを文章で示している人が、2人以上の医師によって不治かつ末期とされたときの、延命治療の非開始または中止」という意味です。「非開始」と「中止」のうち、「中止」のハードルが極めて高いのが、日本の現状です。
 

1.   延命治療の「中止」

1.1.  下手をすれば、殺人罪として、医師や家族が罰せられる可能性がある
 たとえさまざまな条件を満たしていたとしても、延命治療の中止は現場の医師にとっては大変怖い事です。

1.2.  実態は、あうんの呼吸で尊厳死が存在している
 調査によると、2割ないし5割もの医師が「延命治療を中止したことがある」と答えています。実態は、本人や家族の意志を尊重して、あうんの呼吸で尊厳死が存在すると想像しています。

1.3.  幸福追求権
 人は誰でも尊厳ある死を選ぶ権利があり、これは憲法第13条に定められた幸福追求権です。

1.4.  尊厳死法制化を考える議員連盟
 延命治療を中止しても(つまり尊厳死を選んでも)、医師は責任を問われないという免責を法律で担保すべきです。本人のリビングウイルが文章で示されていて、家族も同意すれば、2人以上の医師が不治かつ末期と判断したら、延命治療の「中止」は許されるのではないか

1.5.  医師のための法制化か?
 法曹界や宗教界、難病や障害者団体などから反対意見が出ている。「医師のための法制化」だと新聞にたたかれたが、本人のためにリビングウイルの法的担保を求めているだけです。
 

2.   延命治療の「非開始」
 たとえば高齢者が“干し柿”状態になり、ものを食べるのが難しくなったとき、胃ろうや経鼻胃管をしない、あるいは緩和目的以外の点滴などの処置をしない結果が平穏死です。
 
 
<出典>
長尾和宏、「平穏死 できる人、できない人」、PHP研究所(2014)P.74-77
 
平穏死は法的にどう解釈される?【患者が過剰な延命治療を求めていないという理解にとどまり,通常の治療は行われるべき】
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3928

2019年11月26日火曜日

(K0940)  必要なのは「老化」への備え <体の健康>

 
☆☆
高齢化により健康と病気の境界はあいまいになった。しかし医療はいまだ健康と病気の境界がしっかりしていた時代のまま。老化を遅らせることができるのは、薬でなく運動や体に良い食事といった生活習慣の積み重ねだ
☆☆
 
1.   高齢化により健康と病気の境界はあいまいになった
2.   認知症や寝たきりは老化により引き起こされる状態であり、老化は薬では防げない
3.   生活習慣の積み重ねで、老化を遅らせることができる
4.   生活習慣を変えるのは容易ではない
5.   行動変容外来の役割
6.   習慣化するためのコツ
  ★ 詳しくは、以下を参照してください。
  http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1799.html


 
【展開】
 
1.   高齢化により健康と病気の境界はあいまいになった
 高齢化により健康と病気の境界はあいまいになった。年を取ると、ひとつの臓器だけでなく全体が悪くなっていくからだ。例えば生活習慣を原因とする高血圧と高血糖の患者に対して、降圧剤で血圧を下げても血糖は下がらない。全身の老化を止めることもできない。
 
2.   認知症や寝たきりは老化により引き起こされる状態であり、老化は薬では防げない
 認知症や寝たきりは老化により引き起こされる状態であり、老化は薬では防げない。100歳時代に必要な医療はこれまでとは異なる。ところが、医療はいまだ健康と病気の境界がしっかりしていた人生70歳時代のままだ
 
3.   生活習慣の積み重ねで、老化を遅らせることができる
 心筋梗塞や脳梗塞といった病気の救命率は上がった一方で、全身が弱っていく老化に対して「医療」ができることは少ない。老化を遅らせることができるのは、薬でなく運動や体に良い食事といった生活習慣の積み重ねだ。
 
4.   生活習慣を変えるのは容易ではない
 ただ、生活習慣を変えるのは容易ではない。長年、腎臓・高血圧内科の医師として高血圧の患者をみてきた横山教授は平成28年、東京慈恵医大病院に「行動変容外来」を開設
 
5.   行動変容外来の役割
 患者自身に健康を維持するための行動を選んでもらい、その実践と継続をサポートするのが行動変容外来の主な役割だ。
 
6.   習慣化するためのコツ
 100年使える体をつくる方法をまとめた著書『健康をマネジメントする』(CCCメディアハウス)の中では、三日坊主で終わっても次の習慣に移るなど習慣化するための21のコツを挙げた。「健康に良い習慣を継続するには、高いハードルを設けて挫折しないこと、自己肯定感を損なわないこと」。
  ★ 詳しくは、以下を参照してください。
  http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1799.html


<出典>
東京慈恵医大・行動変容外来、横山医師、必要なのは「老化」への備え 
【100歳時代プロジェクト】 産経新聞(2019/11/26)
https://www.sankei.com/life/news/191120/lif1911200023-n1.html

2019年11月25日月曜日

(K0939) 延命治療について発想を変える / 平穏死(A-17)<臨死期>

 
☆☆
「平穏死できる人」になるためには、「治療をしたら必ず治る」「容体がどんなに悪化しても、治療は継続するものだ」という発想を変える必要があります。病気で苦しいのではなく、延命治療で苦しいのです
☆☆
 
 
 いま病院では、とにかく終末期におけるすべての変化に対して、条件反射のように反応します。
  血圧が下がったら昇圧剤を点滴し、
  貧血になったら造血剤を輸血します。
  呼吸が苦しくなったら酸素吸入、そして人工呼吸器をつけ、
  ナトリウムやカリウムの値が正常範囲から外れたら、バランスをとるための薬剤を手にします。
 
 迅速に対応してその結果がよければいいのですが、終末期医療になると、ある時期から延命治療のつもりが“縮命”になっていることが多いのです。もちろん、そうなってはもはや治療とは呼べません。
 
 最期まで過剰な延命治療をつづけると、皮肉なことに、苦痛が増して死期が早まる。そう、病気で苦しいのではなく、延命治療で苦しいのです。すなわち犯人は延命治療を命じる医者であり、それを希望する本人や家族ということになります。
 
 いろいろな病気がありますが、本人を含めみんながもう終末期だと判断したら、延命行為は要らない、要るのは緩和ケアだけという発想に変えてはどうでしょうか。
 
 「平穏死できる人」になるためには、「治療をしたら必ず治る」「容体がどんなに悪化しても、治療は継続するものだ」という発想を変える必要があります。
 
<出典>
長尾和宏、「平穏死 できる人、できない人」、PHP研究所(2014)P.66-69
 
終末期医療に関するガイドライン ~よりよい終末期を迎えるために~
  終末期医療における意思表明(リビング・ウイル)
https://www.ajha.or.jp/voice/pdf/161122_1.pdf

2019年11月24日日曜日

(K0938)  ベッドから転落した男性を救出 /高齢者の見守り(2) <見守り>

 
☆☆
「ベッドから転落して起き上がれなくなった男性を救出する」には知識が必要だ。介護福祉士やガードマンが駆けつけてくれるまでに、きっと家族や身近な人が、なんとかしようとするだろう。そこに危険がひそんでいる
☆☆
 

===== 引用はじめ
 今や救急搬送の半数以上は高齢者(65歳以上)だ。 … しかもその8割が転倒によるもので、けがの発生場所で最も多いのは自宅だった。
===== 引用おわり
 
 例えば、高齢者宅でベッドから転落して起き上がれなくなった男性を救出する際には、

===== 引用はじめ
 力任せに引っ張らず、本人によつんばいになってもらい、自らベッドの側面をつたって起き上がるよう促した。
 無理に引っ張れば、脱臼などの恐れがあり、背後から両手を回して起こすとあばらを骨折しかねないからだ。
===== 引用おわり
 
 なるほど。知識なく、とっさに反応すると大変なことになってしまうかもしれない。
 
===== 引用はじめ
 ALSOKでは、子供と離れて暮らす高齢者宅と警備会社をつなぐ緊急通報サービス「HOME ALSOK みまもりサポート」を提供している。
 高齢者宅に設置したコントローラーの緊急ボタンが押されると、ガードマンが迅速に自宅に駆けつける仕組みで、救急車の手配や親族などへの連絡も行う。駆け付けるガードマンは研修で高齢者をサポートする知識を身につけている。
===== 引用おわり
 

<出典>
産経新聞(2019/11/06)
https://www.sankei.com/life/news/191113/lif1911130009-n1.html
 
<御参考>
HOME ALSOK みまもりサポート
https://www.alsok.co.jp/person/mimamori/

2019年11月23日土曜日

(K0937)  MCIを予防する <認知症>

 
☆☆
認知症予防ガイドライン:①運動習慣、②禁煙、③よい食習慣、④不適切な飲食の防止、⑤認知トレーニング、⑥社会交流、⑦体重、血圧、糖尿病、脂質異常症の管理、⑧鬱病の予防、⑨難聴の管理、⑩若い頃の教育
☆☆
 


1.   予防が必要な対象者をどうつかむか
2.   予防のために何をするか
3.   健康行動 ~ WHOが出した認知症予防のガイドライン
4.   予防のために身につけるべき習慣
 


【展開】
 
1.   予防が必要な対象者をどうつかむか

(1)  自覚的に分かるのは記憶の低下 ~ 最近のエピソード記憶が顕著に落ちる
(2)  注意機能が落ちる
(3)  物事を論理的にとらえ効率的に運ぶことができなくなる
 

2.   予防のために何をするか

(1)  脳トレなどの認知訓練
(2)  血圧管理
(3)  身体活動を増加させる
 

3.   健康行動 ~ WHOが出した認知症予防のガイドライン

(1)  運動習慣
(2)  禁煙
(3)  多くの食材を取る地中海食のようなバランスのよい食習慣 ~ 和食もよい
(4)  不適切な飲食の防止
(5)  認知トレーニング
(6)  社会交流
(7)  体重、血圧、糖尿病、脂質異常症の管理
(8)  鬱病の予防
(9)  難聴の管理
(10)若い頃の教育 ~ 若いときに認知機能を上げておく
 

4.   予防のために身につけるべき習慣
 その人に合った活動を進めればよい

(1)  運動不足の解消
(2)  時には頭を使う工夫も必要
(3)  社交的な活動
 

<出典>
島田裕之介、運動不足解消と頭使う工夫必要、セミナー「かかりつけ医による軽度認知障害(MCI)の早期発見と認知症の予防」(太陽生命保険・日本臨床内科医会 共催。2019/09/29)
 
添付図は、
https://www.kenko-hyogo21.jp/health_knowledge/8549/

2019年11月22日金曜日

(K0936) 認知症における、延命治療のやめどき。リビングウイル(LW) / 平穏死(A-16)<臨死期>

 
☆☆
認知症は経過が緩やかなので、やめどきが分かりにくい。認知症の終末期になると、意思表示できなくなる。頭がはっきりしているうちに、リビングウイル(LW)を文章として残すのがよい。家族との話し合いも大切
☆☆
 

 認知症の特徴と留意点

(1)  延命と縮命の分水嶺が、がんより分かりにくい
 認知症と診断されてから、10年くらい生きることが多く、がんとは療養期間がかなり違います。経過もゆるやかなので、「やめどき」がはっきりしません。

(2)  「ここでやめたい」と自分で希望を言うことができない
 認知症の終末期になると、自分自身で延命治療に対する意思表示ができなくなってしまいます。
 

 文章で意思表示しておくことが大切

(1)  リビングウイル(LW) … 文章として残さないと効力がない
 頭がはっきりしているうちに、文章で意思表示しておく必要があります。それがリビングウイル(LW)です。

(2)  家族と話しておく
 日頃から、自分はどのような最期でありたいのか、家族と何度も話し合っておくことが大切です。
 

 追記(私見)
  リビングウイル(LW)は文章として残さないと効力がない
  文章としてのリビングウイル(LW)があっても、法的な効力はない
  家族が納得しないと、リビングウイル(LW)が無視される可能性がある。家族から訴えられたとき、リビングウイル(LW)は医者を守ってくれないだろう。だから医者は、リビングウイル(LW)に書いてあることより、家族の言うことを優先するだろう
  家族(親族も含む)も納得したリビングウイル(LW)でないと、危うい
 

<出典>
長尾和宏、「平穏死 できる人、できない人」、PHP研究所(2014)P.64-65

2019年11月21日木曜日

(K0935)  個人Blog 11月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 11月中旬リスト
 
(1784)  笑う伊藤美誠選手(卓球WC団体戦)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1784.html


(1785) 「災害ごみ」とは呼ばれたくない
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1785.html

(1786)  泥を見ないで 人を見る!!
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1786.html

(1787) 「プロダクトアウト」と「マーケットイン」は対立概念ではない
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1787.html

(1788) 「批判や意見」に対する反応モデル(4)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/17884.html

(1789) 「絵付けをしたい」でも「絵付け師になりたい」でもない(スカーレット)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1789.html

(1790) プロダクトアウトの事例
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1790.html

(1791) 「犠牲」の三態「生・生産」「死」「悲・憤」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1791.html

(1792) 「なぜ勝てたのか」に焦点(女子柔道家 谷亮子)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1792.html

(1793) 学びの型 / 「マーケティングではなく、ブランディングだ」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/11/1793.html


なお、前回の紹介は、

(K0925)  個人Blog 11月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/11/k0925-blog-11.html

2019年11月20日水曜日

(K0934)  MCIから戻る人 <認知症>

 
☆☆
認知症まで行くと戻れる可能性が低いが、MCI(軽度認知障害)なら平均で26%が戻っている。愛知県大府市では53%が戻っている。予防の取り組みに効果があるようだ。「MCIから戻りやすい人」がいるようだ
☆☆
 

1.   愛知県大府市のデータ
2.   どういう人がMCIから戻りやすいのか
 


【展開】

1.   愛知県大府市のデータ

===== 引用はじめ  箇条書き形式にしました
(1)  最近の研究結果を見ると、加齢とともにMCIになり認知症になる流れが一方向的に悪化するだけでなく、回復する場合もあることが分かってきました。
(2)  愛知県大府市で5千人を4年間追跡調査した結果、認知機能が正常だった人は8割が正常を保持していました。
(3)  一方、MCIの人は53%が正常機能に戻っていました。
(4)  MCIと判定されたら予防の取り組みを始めているので、その効果もあると推測していますが、認知機能が落ち始めても戻るのは意外と多いのです。
===== 引用おわり
 
 ここで「(3) MCIの人は53%が正常機能に戻っていました」の”53%”は、異常に高い数値で、平均は26%と言われています(*1)。理由は(4)で触れていますが、大府市には、認知症に関する世界的な研究拠点(NCGG国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)があって(*2)、加齢に伴う疾患全般に関する我が国最大の研究拠点になっています。
(*1) (K0928)を参照してください
(*2) https://www.city.obu.aichi.jp/wv/wv_info/1005998/1006000.html
 

2.   どういう人がMCIから戻りやすいのか

(1)  認知機能低下の度合いが軽い人
(2)  脳のMRI画像で海馬の容量が保たれている人
(3)  開放的な性格の人
(4)  知的好奇心が強い人
(5)  関節疾患がない人
(6)  匂いや視力といった感覚機能が良い人
(7)  車の運転を続けている人
(8)  庭仕事や畑仕事をしている人
 


<出典>
島田裕之介、運動不足解消と頭使う工夫必要、セミナー「かかりつけ医による軽度認知障害(MCI)の早期発見と認知症の予防」(太陽生命保険・日本臨床内科医会 共催。2019/09/29)
 
添付図は、
https://www.city.obu.aichi.jp/wv/wv_info/1005998/1006000.htm


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