2020年4月30日木曜日

(K1096)  重度化予防効果の実証結果 / 「あすなら10の基本ケア」(3) <介護>

 
☆☆
「生協10の基本ケア」の重度化予防効果の実証結果:①心身機能の悪化を防止すること、②「認知機能」や「意欲」「社会的関与」の悪化防止に寄与すること、③食事・入浴・排泄のケアの質が高いことが示唆された
☆☆
 
 「あすなら10の基本ケア」の導入が広がり、今では「生協10の基本ケア」という名に変わっているが、内容は同じようです。
===== 引用はじめ
 在宅生活を支える「生協10の基本ケア」は、ならコープが母体の社会福祉法人 協同福祉会が2006年から実践してきたケアの方法と考え方を基にして構築した生協の介護サービスです。「生協10の基本ケア」では日常の生活行為そのものをリハビリと捉え、ケアの提供を通じて在宅生活を基本とした生活動作の維持・向上を目指します。
 全国の生協では2016年から「生協10の基本ケア」の福祉事業への導入を始め、福祉事業を行う54生協(生協が母体の社会福祉法人含む)のうち、20199月末現在で30の生協・法人が導入しました。
===== 引用おわり
 
 生協の介護サービス「生協10の基本ケア」の重度化予防の効果を実証しました。
===== 引用はじめ
 日本生協連は、2018年に国庫補助を活用し、介護サービスの質評価に係る研究実績のある研究者らによる多面的な検証によって、生協の介護サービス「生協10の基本ケア」の重度化予防の効果を実証しましたので報告いたします。
※平成30年度厚生労働省老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)
===== 引用おわり
 
 実証結果は、
===== 引用はじめ
 「生協10の基本ケア」:調査研究によって実証された効果
(1)  利用者の日常生活動作の中で下肢への加重や重心移動を行い、出来ることは自分で行うことなどに重点を置いた介助が心身機能の悪化を防止すること。
(2)  利用者本人の意向を尊重し、利用者とのコミュニケーションや安心できる場づくりなどの関係性の構築が「認知機能」や「意欲」「社会的関与」の悪化防止に寄与すること。
(3)  「生協10の基本ケア」を実施している群(実施群)と、していない群(非実施群)との比較で、食事・入浴・排泄のケアの質が高いことが示唆された。
===== 引用おわり
 
<出典>
在宅生活を支える生協の介護サービス
「生協10の基本ケア」重度化予防効果の実証結果を報告
~利用者の自立を重視した介助による心身機能悪化防止効果など3点を立証~
https://jccu.coop/info/newsrelease/2019/20191029_01.html
 
https://jccu.coop/info/up_files/release_191029_01_01.pdf

2020年4月29日水曜日

(K1095)  不揃いのイス / 「あすなら10の基本ケア」(2) <介護>

 
☆☆
「自立した生活を取り戻すには、環境を整えることが重要だ」。「フロアにある色違いのイスは、一脚ずつ高さや大きさが違う」だから「ほぼ寝たきりだった100歳の女性が、今は洗濯物を畳んだり、食器を拭いたり」
☆☆
 
 産経新聞に掲載されていた写真を添付します。
===== 引用はじめ
 フロアにある色違いのイスは、一脚ずつ高さや大きさが違う。合うサイズのイスを使えば床に足がつき、立ち上がりも楽になる。自立した生活を取り戻すには、環境を整えることが重要だ。


===== 引用おわり
 言っていることはなんとなく分かります。この延長線上に何があるか。

===== 引用はじめ


 100歳の女性は、骨折での入退院後にホームを利用した。食事や排泄のたびに手をつき、立ち上がる訓練をすると、下肢と両腕で体の重みを支えられるようになる。ほぼ寝たきりだったのが、今は洗濯物を畳んだり、食器を拭いたり、編み物をしたりした過ごす。
 中西さん(*)は「ここでなかったら寝たきりになっていただろう、という人もいる」と自信を見せる。
===== 引用おわり
(*) 奈良県天理市の複合施設「あすならホーム櫟本(イチノモト)」の介護福祉士、中西智香さん(22)。二つ目の写真()
 
 二つの引用は、「自立した生活を取り戻すには、環境を整えることが重要だ」の後半と前半にあたります。不揃いのイスが重要なのでなく、不揃いのイスからスタートして自立した生活に到る道のりを見つめ、それを着実に歩んでいくことが重要なのです。
 
 前回紹介した「10の基本ケア」の「2.床に足をつけて椅子に座る」に該当します。
 
<出典>
重度化防止に取り組む複合施設 / 代わりにするのが介護だと思っていた
【~から】 産経新聞(2020/04/10)


2020年4月28日火曜日

(K1094) 「あすなら10の基本ケア」(1) <介護>

 
☆☆
10の基本ケア」を実践することで、利用者に「普通の暮らし」を取り戻してほしい。1から10まで、それぞれの行為を順番に行うことがトータルケアとなり、お年寄りを寝たきりにさせない介護へとつながる
☆☆
 
 「あすなら10の基本ケア」というのがあるそうです。

1. 換気をする
2. 床に足をつけて椅子に座る
3. トイレに座る
4. あたたかい食事をする
5. 家庭浴に入る
6. 座って会話をする
7. 町内にお出かけをする
8. 夢中になれることをする
9. ケア会議をする
10.   ターミナルケアをする
 
===== 引用はじめ
 あすなら苑では「10の基本ケア」を実践することで、利用者に「普通の暮らし」を取り戻してほしいと考えています。
 1から10まで、それぞれの行為を順番に行うことがトータルケアとなり、お年寄りを寝たきりにさせない介護へとつながります。
 必ず1から順に取り組んでください。
===== 引用おわり
 
 私は、介護をしたことがないので、ピンときません。なにかバラバラなことが書いてあるようにみえます。「必ず1から順に取り組んでくんで」「1から10まで、それぞれの行為を順番に行う」と「トータルケア」になって「お年寄りを寝たきりにさせない介護へとつながる」といいます。何か、不思議なおまじないのように、私には思えます。
 
続く。
 
<出典>
社会福祉法人 協同福祉会
https://asunaraen.or.jp/care/index.html
 
添付図は、
https://jccu.coop/info/newsrelease/2019/20191029_01.html

2020年4月27日月曜日

(K1093)  要介護の高齢者が〝働く〟介護事業所 <介護>


☆☆
「要介護者は、介護される人」という常識を覆している。「労働は苦役だ」という発想からは思いもつかない。働いて、誰かの役に立って、お金をもらって、仲間と一緒に食事をする。『楽しい』と言ってもらえる作業
☆☆

 高齢者が通いで1日を過ごすデイサービス事業所「楽さん家WORK ON南」(山口県防府市)。デイサービスにつきものの入浴も、食事も、レクリエーションもない、“働くデイサービス”だ。

 利用者は商品の制作や、簡単な農作業や草取り、情報誌の配達などに携わる。添付の写真は、「HAIZAI多肉ポット」。洗った空き缶にラベルを貼り、多肉植物を植えたら完成。道の駅や地域のイベントで販売する。1個500円。売り上げは、利用者に謝礼として支払われる。

 昼食は出ないが、みんなで弁当を買いに行ったり、外食に出たりする。食べたいものを選ぶ、自分でお金を支払うといった「日常」を大事にしている。

 男性と一緒に作業をしていた管理者の岡将太さん(27)は「けがをしないよう、体調を崩さないよう、気をつけている。利用者から『楽しい』と言ってもらえる作業を増やしたい」と話す。

 働くだけでなく、ボランティアにも携わる。防府市が実施する介護予防教室で、利用者の要介護者が会場準備を行っているのだ。

 市高齢福祉課の中村一朗主幹は、「要介護の人が(自分よりも)介護度の軽い要支援者を介助する全国でも珍しい光景」と胸を張る。

<出典>
要介護者が〝働く〟 自治会はボランティア
産経新聞(2020/04/24)
https://www.cara2.jp/area/3204/



2020年4月26日日曜日

(K1092)  環境さえ整えば、誰もが穏やかに生きていける <認知症>

 
☆☆
種類によっては成り立たない認知症もあるが、重篤でないアルツハイマーなら、環境さえ整えば、誰もが穏やかに生きていける可能性が開かれている。目の前にいる人が自分に肯定的であれば、それを鋭くとらえられる
☆☆
 

 目が見えない人が指で点字を読めるのは、必要に迫られて頑張っているからではあるが、それだけではなく、失われた視覚の力が、指先に移っているのではないか。
 
 言い換えると、五感のうち一つの感覚が失われると、それを補うために他の感覚が鋭くなるのではないか。
 
 認知症の方は、認知能力が弱まるにしたがい、生きていくために、それを補おうとして、目の前にいる人が自分に肯定的か否定的かを動物的感覚で、鋭くとらえられる。
 
 肯定的だととらえると、安心して、おおらかに自分自身でおられ、
   迷惑をかけないようにしようとか、
   感謝するとか、
   誰かを助けに行くとか、
できる。
 
 そのような人は、周囲から好感を持たれるので、本人はそれも察知して、ますます良い状態になり、BPSDが表面化しにくい。
 
 種類によっては、成り立たない認知症もあるが、重篤でないアルツハイマーなら、環境さえ整えば、誰もが穏やかに生きて行けるのではないかと思っています。
 
 これは仮定ですが、映画は、この仮定を覆さず、支持してくれるものと感じました。
(K1089) 「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」無料公開(4/24 21:00-) <介護>http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1089424-2100.html

(K1091)  汁物摂取で肥満予防を <体の健康>

 
☆☆
100歳まで生きられるのが当たり前になりつつある中、さまざまなメディアで紹介されている手軽な室内運動と併せ、汁物摂取など食生活にも注意することで、健康寿命を阻害する生活習慣病を予防・抑制したいものだ
☆☆
 
 「3食きちんと取り、それぞれに汁物を加えてほしい」。
 これが肥満予防になるらしい。これならば、実行のハードルは低い。

 何故、汁物を摂取すると、肥満予防になるのか。
   汁物を一緒に食べることでおなかが膨れ満腹感につながる
   野菜などの具材による栄養バランスのよさが肥満を抑制する方向に働いている
   汁物の多くは1杯50キロカロリー以下と低いのに対し、汁物の代わりに揚げ物などを食べて満腹感を得ようとした場合、1切れで100キロカロリーを上回ってしまうことも多い
 
 汁物としては、
   代表的な汁物といえば、みそが思い浮かぶ。ただ、高血圧につながる塩分を気にする人もいるが、最近の研究で、みそには塩分のほかに血圧上昇を抑制する大豆由来の成分なども含まれ、1日3杯程度なら血圧に影響しないとの報告もある。
   それでも気になる人は「野菜などの具を多くし、汁を少なめにする方法もある」
 
 この考え方は、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故で屋外活動が制限された福島県で報告されたもの。
 県教委では、原発事故後の児童・生徒の肥満増加と体力低下の克服のため、自身の食生活や健康状態、体力について記録してもらう「自分手帳」を配布。
 手帳内の「食生活」の章では、汁物を「第2の副菜の役割」と解説し、毎食のメニューに加えるよう記載している。手帳の内容は同県教委健康教育課のホームページに掲載されている。
福島県教育委員会、「自分手帳」、「食生活18」ページより
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/282872.pdf
 
 「健康長寿を目指す大人にも適用できる内容」という。

<出典>
【100歳時代】汁物摂取で肥満予防を 外出自粛対策に福島の教訓
https://www.sankei.com/life/news/200420/lif2004200008-n1.html
 
 

2020年4月24日金曜日

(K1090)  認知症に対する点鼻ワクチンの開発 <認知症>

 
☆☆
タウに対する点鼻ワクチンにより、タウオパチーモデルマウスは脳内の抗タウ抗体価の上昇、タウ蛋白蓄積の減少、グリア炎症の改善、脳萎縮の改善、認知機能の改善を示した。認知症を制圧するワクチン開発に寄与する
☆☆
タウオパチー: タウタンパク質が異常蓄積することより起きる神経変性疾患の総称
 
1.   ワクチンで認知症を予防する
 「アルツハイマー病などの認知症の原因とされる異常化したタンパク質「タウ」の蓄積を抑える点鼻ワクチンを開発した」(京都大iPS細胞研究所の井上治久教授(神経科学)らの研究グループ)
 「超高齢化に伴い増加が予想される認知症の制圧には、治療薬のほかワクチンの開発も必須。ワクチンで認知症を予防する社会を目指し、実用化への研究を進めたい」(井上教授)
 
2.   痛みがなく、長い効果期間
 投与に痛みがなく、一度の投与でより長い効果期間が期待できる治療法の開発を目指し、異常化したタウを取り除く抗体を作るための点鼻ワクチンを作製した。
 
3.   マウスを使った実験結果
3.1.  このワクチンを、認知症を発症するマウスに1週間おきに計3回投与して経過観察した
3.2.  脳内でタウに対する抗体が増加したり、異常化したタウの蓄積が大幅に減ったりしたことが確認できた
3.3.  行動試験ではワクチンの投与により認知機能の改善がみられた
 
<出典>
認知症の原因タンパク質に点鼻ワクチン 京大がマウスで抑制効果確認
産経新聞(2020/03/26)
https://www.sankei.com/life/news/200326/lif2003260004-n1.html
 
認知症に対する点鼻ワクチンの開発―遺伝子治療による免疫療法と分子イメージング―
https://www.qst.go.jp/site/press/39697.html

2020年4月23日木曜日

(K1089) 「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」無料公開(4/24 21:00-) <介護>

 
☆☆
「すごい施設があるからドキュメンタリーを撮ってくれないか」と依頼された。 … 人生を謳歌している認知症のお年寄りたちの姿に驚きながらも、話題の介護施設のウラやオモテ、その秘密も明らかにしていきます
☆☆
 
 教えていただいた情報を共有したいと思います。

===== 引用はじめ
さて、24日金曜21時、ご存知の方もいるかもしれませんが、ケアニン(*2)のスピンオフ(*1)映画が無料で公開されるそうです。よかったらどうぞ😊 (舞台はあおいけあ(*3)です。)
今はまだ見れませんが、視聴用URLです。
https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=kEE26cL2DzE
===== 引用おわり
 
(*1) 日本で「スピンオフ」といったら、「テレビドラマなどの作品で好評だった配役を活かした派生した作品」として使われることが多いとのこと。
 上映されるのは、「僕とケアニン(*2)とおばあちゃんたちと。」
 
(*2) ケアニンとは、介護、看護、医療、リハビリなど、人の「ケア」に関わり、自らの仕事に誇りと愛情、情熱を持って働いている全ての人。
 
(*3) 神奈川県藤沢市にある「あおいけあ」は、国内外からの視察や取材が後を絶たない、今もっとも注目を集める介護施設です。施設は常に、利用者や介護スタッフの笑い声で溢れ、訪れた誰もが「ここで過ごしたい」「ここで働きたい」と言います。その人らしい生活を送れるよう支える自立支援ケアは、あおいけあ流として多方面に影響を与えています。
 
 予告編は、
http://bokucare.com/trailer/
 
<出典>
http://bokucare.com/


2020年4月22日水曜日

(K1088)  長寿の秘訣は「友人」「家事」 <長寿>

 
☆☆
朝起きてから食事、掃除、洗濯などの家事や身のまわりのことは全部、自分たちで行う姿。特に、男性が家事にかける時間も弘前より長く、「子どもたちに頼らないで自分でやるというのも、健康寿命を延ばす秘訣」
☆☆
https://jisin.jp/life/health/1832014/
 


 以下は、2017/08/08の記事です。
===== 引用はじめ
「丹後地域、長寿の秘訣は何か? 研究始動 100歳超多く 京都府立医大など」
 京都府立医大と弘前大などのチームは、100歳以上の人口の割合が全国平均より高い京都府北部の丹後地域と、平均寿命が短いと言われる青森県の住民の健康状態を比較して、長寿の秘訣を探る研究を始める。
===== 引用おわり
https://www.sankei.com/west/news/170808/wst1708080077-n1.html
 
 大量のビッグデータの分析により「長寿の秘訣」が浮かび上がった(2020/04/22)。
   友人はたくさん、
   家事をやり、
   大家族でない
ほうが、長生き。
 
 65歳以上の高齢者計約700人を対象にして実施した。比較したのは、
A)   平成29~昨年、平均寿命が最も短い青森県弘前市
B)   100歳以上人口が全国平均の約3倍の京都府丹後市
 
 調査したのは、約2,000項目
身長や体重のほか
血液や全身のコンピューター断層撮影装置(CT)検査、遺伝子検査、
食事内容や生活スタイルにいたるまで
 
<出典>
長寿の秘訣は「友人」「家事」 / ビッグデータで判明
産経新聞(2020/04/22)

2020年4月21日火曜日

(K1087)  個人Blog 4月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 4月中旬リスト
 
(1936)  新型コロナウイルス(COVID-19) / 真偽の定かでない情報
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1936-covid-19.html
 
(1937)  アルベール・カミュ『ペスト』/ 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1937-100de.html
 
(1938)  コロナ緊急事態宣言は、正解の無い問 / 正解の無い問(3)
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1938-3.html
 
(1939)  コグトレ塾 / 認知機能(コグトレ)(4)
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1939-4.html
 
(1940)  正解の無い問に向き合おうとしない人は、決定できない / 正解の無い問(4)
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1940-4.html
 
(1941)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(3-1) / 100de名著
 
(1942)  正解の無い問へのマニュアル的対応 / 正解の無い問(5)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1942-5.html
 
(1943)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1943-3-2100de.html
 
(1944) yousei(要請)をkyousei(強制)に読み替える文化
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1944youseikyousei.html
 
(1945)  日本人は自らを律することができる(山本一力)
http://kagayaki56.blogspot.com/2020/04/1945.html
 


なお、前回の紹介は、

(K1077)  個人Blog 4月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1077-blog.html

2020年4月20日月曜日

(K1086)  高齢期の筋肉維持 / 1カ月の自粛生活“乗り切り方” <体の健康>

 
☆☆
ラジオ体操やスクワットは、自宅で何もなくてもできる。ラジオ体操でも、真面目にすると少し汗ばむことがある。ビタミンDが筋肉の維持に必要らしい。をタバコが増えそうだが、禁煙するチャンスだというのは意外
☆☆
 

1カ月の自粛生活“乗り切り方”
 
1.   運動不足解消 ~ 筋肉の維持
1.1.  自宅で過ごす時間が長くなると、心配なのが運動不足だ

1.2.  「高齢期になると筋肉量が落ちるスピードが速い。筋肉の衰えは、骨折や転倒のリスクを高めるだけでなく、免疫力の低下も招く。感染した場合に重症化しやすくなるのは明らかだ」(日本老年医学会の飯島勝矢理事)
1.2.1. ラジオ体操、スクワットなどの運動を続ける
1.2.2. 魚やきのこ類を食べて筋肉の維持に必要なビタミンDを摂取する。体内のビタミンD増加や精神の安定にも有効とされる日光浴もおすすめだ。


2.   ストレス解消

2.1.  電話で交流
 離れて暮らす家族や友人との行き来は難しくなるが「こういう時こそ電話で交流を」(飯島勝矢理事)

2.2.  飲食や喫煙でストレスを紛らすのはよくない
2.2.1. 重症化要因の一つ
 喫煙習慣がある人は、在宅勤務でたばこに手が伸びる機会が増えるかもしれないが、喫煙は新型コロナの重症化要因の一つといわれる
2.2.2. 禁煙に良い機会だ
 「禁煙をすると3~4日は眠気を増す人が多いが、外出自粛は仮眠を取りやすい環境だ」(日本禁煙学会の作田学理事長)
 

<出典>
ストレス減へ規則正しく 軽い運動や電話で交流を
産経新聞(2020/04/08)
 
1カ月の自粛生活“乗り切り方” ストレス、お金、感染予防…気になるQ&Aまとめ
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/fuji/nation/fuji-dom2004090003?utm_source=dnews&utm_medium=article&utm_campaign=contentsmatch6



2020年4月19日日曜日

(K1085)  実績のある、守りのデマンド交通 <高齢者の移動>

 
☆☆
人口減・利用者減で採算が悪化し、バスを減らしたり無くしたりしたいのだが、利用していた住民が困るので(苦情がでるので)「しかたなく」デマンド交通にする。発想を変えないと、攻めのデマンド交通は採用されない
☆☆
 
 前回、攻めのデマンド交通について述べた。今回は、守りのデマンド交通の状況を見る。
 
 
1.   交通手段の4段階
 
2.   世の中の動向
 
3.   デマンド交通の位置づけ
3.1.  交通の利便性で分類すると分かりやすくなる
3.2.  デマンド型交通とは
 
4.   事例
4.1.      大阪府高槻市
4.2.      大阪府寝屋川市
4.3.      大阪府四條畷市
 
5.   守りのデマンド交通の本質
5.1.  人口減・利用者減で、「しかたなく」デマンド交通にする
5.2.  もともと交通手段のないところに守りのデマンドを導入することは考えにくい
5.3.  発想を変えないと、攻めのデマンド交通は採用されない
 
【展開】


1.   交通手段の4段階
 都市の規模や立地によって住民の足を支える公共サービスのあり方は異なる。新井准教授(近畿大学准教授。交通経済学が専門)は「公共交通のあり方は現時点で大きく4つに分けることができる」と指摘する。
   大阪市などの大都市では、鉄道や地下鉄、路線バスなどが住民の足の中心。
   また、高槻市など都市部を囲むベッドタウン化した郊外では、路線バスが中心になる。
   中山間地になると限定された本数の乗り合いバスなど公共交通がぐっと少なくなり、
   さらに限界集落に近いような地域は公共交通機能がほとんどない空白地域が多い
(添付図参照)

(注)「中山間地域(ちゅうさんかんちいき)とは、日本における地域区分のひとつで、平野の外縁部から山間地にかけての地域を指す。日本の国土面積の約7割を占めている。」
Wikipedia『中山間地』
 上記③「中山間地」という言葉の使い方は、おかしいと思う。
 
2.   世の中の動向
 今はベッドタウンで路線バスなどが充実している地域でも、このまま少子高齢化が進み、利用者数が減ることになれば数十年後には公共の足の確保が困難になる可能性もある。
 
3.   デマンド交通の位置づけ

3.1.  交通の利便性で分類すると分かりやすくなる
   鉄道や地下鉄、路線バスなどが住民の足の中心
   路線バスが中心
   限定された本数の乗り合いバスなど公共交通がぐっと少ない
   公共交通機能がほとんどない
 人口が減り交通手段の利用者が減るに従い、
その地域に位置づけが変わる  ① → ② → ③
利用可能な交通手段が変わる  路線バス → コミュニティーバス → デマンド交通
 
3.2.  デマンド型交通とは
 高齢者の足として、近年注目されるのがデマンド型交通と呼ばれる、利用者の予約があれば希望の乗降場所まで迎えに行くシステムだ。新井圭太准教授は「必要に応じて運行するので、運営側はコストカットができる。バスの場合は利用者の運賃も抑えられる」とメリットを説明する。
 
4.   事例

4.1.      大阪府高槻市
 来年度から市営バスの高齢者無料乗車券(敬老パス)の対象年齢を引き上げることを決めた。
 市は「高齢化の進展が著しく、将来的に制度の維持が困難。苦渋の決断だった」と説明する。
 
4.2.      大阪府寝屋川市
 昨年12月から、デマンド型交通の一種である「乗り合いワゴン」の実証実験を行っている。
 市には民間に委託しているコミュニティーバスがあるが、急な坂や狭い道などバスの入りにくい場所があった。市のアンケートでは「自宅からバス停までが遠い」と答えた人は30・8%に上った。ワゴンはこういった既存の交通網から漏れた場所への運行を可能にする。
 
4.3.      大阪府四條畷市
 一部地域では今年4月、コミュニティーバスを4人乗りタクシー車両を活用したデマンド運行に変更した。
 導入前は36人乗りのバスが走っていたが、利用者の伸び悩みから1、2人しか乗っていないことも。住民からは「空気を運んでいる」と揶揄(やゆ)されることもあったというが、予約制に移行したことでコスト削減できるようになった。
 
5.   守りのデマンド交通の本質

5.1.  人口減・利用者減で、「しかたなく」デマンド交通にする
 人口減・利用者減で採算が悪化し、バスを減らしたり無くしたりしたいのだが、利用していた住民が困るので(苦情がでるので)「しかたなく」デマンド交通にする
 
5.2.  もともと交通手段のないところに守りのデマンドを導入することは考えにくい
 もともとバスがあったところを無くすときは引け目を感じるが、元々ないところに、新たにわざわざ資金を投入してまで、デマンド交通を導入する気が起こらない
 
5.3.  発想を変えないと、攻めのデマンド交通は採用されない
 攻めのデマンド交通は、守りのデマンド交通とは違う狙い(過疎化防止・地域の活性化)があることは、前回書いた。ここをしっかり説明し、納得してもらわないと、攻めのデマンドは導入されないと思う。
 
 このシリーズ、終わり
 
<出典>
ベッドタウンでも交通難民 / 住民の足確保へ「デマンド」活用
産経新聞(2020/04/11)
 
公共交通の未来は コミュニティバスやデマンドで
https://www.sankei.com/west/news/200410/wst2004100006-n1.html