2021年5月31日月曜日

(K1492) 「 老後二千万円問題 」は消えたが、「問題」は残っている

 【 高齢期の家庭経済 ・老後二千円問題】総務省の 家計調査 から計算した「 老後問題 」は、17年度版で有ったが20年度版では無くなった。それでも 金融知識 は必要であり、日本人の 国民病 ともいえる 老後不安 に打ち勝つ一つの 処方箋だ 。


 

1.   「老後二千万円問題」とは何か

2.    二千万円は、どのように計算されたか

3.    消えた「二千万円問題」

4.    そもそも「二千万円問題」は「問題」ではない

5.    本当の「問題」は消えていない

6.   これから必要なのは、金融知識だ

 

【展開】

1.   「老後二千万円問題」とは何か

 金融庁の審議会が報告書で「老後資金として2千万円が必要」と指摘し、野党やマスコミが政府に火の出るような批判を浴びせた。2年前の騒ぎのことだ。

 この報告書が冒頭部分で示した「2千万円」が独り歩きした。老後には公的年金以外に2千万円が必要と受け止められ、「政府が公助の限界を認めた」などと飛躍した議論までまかり通り、日本人の老後不安に火を付けた格好となった。

 

2.    二千万円は、どのように計算されたか

 報告書が指摘した数字は、総務省の家計調査から引用した平均的な統計データにすぎない。高齢者の2人世帯(無職)の場合、毎月の赤字額が約5万5千円になるため、1年で66万円、65歳から95歳までの30年の合計で1980万円=約2千万円になるとの計算だ。

 

3.    消えた「二千万円問題」

 この報告書が引用した家計調査は2017年版だったが、20年版の家計調査をみると、同じ無職の高齢者2人世帯における毎月の収支は、1110円とわずかながら黒字に転換した。これだと年間で1万3千円あまり、30年の合計で約40万円の黒字を確保できることになる。

 

4.    そもそも「二千万円問題」は「問題」ではない

 それでも統計データの平均値を使い、国民の老後資金を一律に論じるのは意味がない。

 個人や世帯が老後にどんな生活を送るかによって、必要となる資金は大きく左右される。多額の老後資金を保有していても、浪費を続けていればその蓄えはいつか枯渇する。個人の暮らしぶりで決まる老後資金について、統計データで一喜一憂しても仕方がない。

 

5.    本当の「問題」は消えていない

 昨年はコロナ禍の影響で消費支出が大きく減少した一方、特別定額給付金などの臨時収入もあり、これらの特殊要因によって家計収支の赤字が解消された形となった。

 老後を支える公的年金の役割は大きいものの、老後資金の形成という自助努力も必要だ。そのために長期積み立て投資は効果的だが、老後不安を煽るセールストークに踊らされ、危うい投資に手を出すようでは本末転倒だ。その見極めのためにも金融知識は欠かせない。

 

6.   これから必要なのは、金融知識だ

 日本でもようやく学校での金融教育が始まった。高校では来年度に入学する生徒から学校側の判断で、預貯金や投資信託などの金融商品や資産形成の重要性などを教えるという。

 正しい知識で個人資産を形成することは、日本人の国民病ともいえる老後不安に打ち勝つ一つの処方箋だ。

 

<出典>

井伊重之(論説委員)、消えた「老後2千万円問題」

【日曜に書く】 産経新聞(2021/05/23)

https://www.sankei.com/article/20210523-FAFFCQLPTRPPBOEF3UGLWVOYME/

 

<添付図>

「老後資金2,000万円問題」の裏に隠された、本当に大切なこととは

http://www.am-one.co.jp/warashibe/article/fuyasu-20190626-1.html



(K1491) 「 認知症の語り 」(0005)

 【 認知症 ・ 語り 】折ったタオルを正確に重ねていくのが難しい。頭の中で整理するのに必死だから、できるだけ余分な話はしたくない。分類: 【 本人08 】【 認知症になるということ 】【 病気と仕事のかかわり 】【 新たな働きの場 】


 作業所行くのは9時、15分、10分、15分やねで、…。だからタオルをたたむ…感じですね。 … 、ノルマっていうのはないんですけど、できるだけ、あの、正確に、ま、4つ折りだったら4つ折りの置き方が難しいのあれあれが大変なんだ……で、だから4つ折りのタオルを10枚重ねて置く。10枚重ねておく…2020でひとくくりで、普通で1つで終わり。それがだから、いくつもあるんだ。

 …私はだから、その、話が……かかわりたくないんかな。……だから、ま、しゃべってこられたらしゃべりますけど、まあ、できるだけ余分な話をしないっていう感じで……まあ、だから頭の中では…整理するのに必死っていうか、頭の中の回ってるあれはね…声を出すのに大変なんです。

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/to-be-patient/shigoto/596.html

(テキストのみ)

 

前回は、

(K1484)  「 認知症の語り 」(004)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1484-0004.html

 

<出典>

『認知症の語り』(編集:認定NPO法人 健康と病の語りディペックスジャパン )

「認知症の語り(126)」、NPO法人健康と病の語りディベックス・ジャパン

https://www.dipex-j.org/dementia/



2021年5月29日土曜日

(K1490) 人件費増 や 人事目詰まり に懸念 / 改正高年齢者雇用安定法

 【 シニア人材 ・ デメリット 】(B) 70歳まで働く。新型コロナウイルス禍に苦しむ企業には 人件費増 で二の足を踏む動きがあるほか、組織の 新陳代謝 でマイナスとの懸念も根強い。若い人材を育てたい企業ほど 雇用期間 の延長をネガティブ


 従業員に70歳まで働く機会を確保するよう努力義務を課した改正高年齢者雇用安定法が4月に施行されたことなどを受け、企業がシニア人材の雇用制度の見直しを進めている。

 

(B)       一方、新型コロナウイルス禍に苦しむ企業には人件費増で二の足を踏む動きがあるほか、組織の新陳代謝でマイナスとの懸念も根強い。

 

(1)       一方、処遇面での課題もある。人件費が増えた分だけ新規採用が抑えられたり、ポストが目詰まりしたりする可能性があるためだ。

中堅電機メーカーの人事担当者は「ただでさえコロナで新規採用を抑えているのに(ベテランが増えて)若手を採用しなければ組織の新陳代謝が進まない」。

YKKは「社内に重鎮が増えると、昇進の遅れなどで若手のやる気をそぐとの懸念の声もある」とし「ある時期で道を譲る制度も検討していく」という。

 

(2)       コロナ禍も障害になりつつある。

関西のホテル運営会社は70歳までの再雇用延長を一部専門職のみにとどめた。「社員の希望通りに雇用を延ばせば人件費の負担が重くなる」

「中小の多くはコロナでテレワーク導入に追われ、同一労働同一賃金も求められた。さらに70歳雇用への対応は経営者にとって大きな負担となっている」

 

(3)       今後の拡大に取り組む課題は多そうだ。

「70歳までの再雇用は努力義務でしかなく、若い人材を育てたい企業ほど雇用期間の延長をネガティブに捉えるところは多い」

 

<出典>

70歳継続雇用 導入の動き相次ぐもコロナ禍がネックに 人件費増や人事目詰まりに懸念

産経新聞(2021/05/20)

https://www.sankei.com/economy/news/210519/ecn2105190018-n1.html


(K1489) 70歳継続雇用 導入の動き相次ぐ / 改正高年齢者雇用安定法

 【 シニア人材 ・ メリット 】 (A) 70歳 まで働く。 経験豊富 な 人材 を活用できるメリットは大きい。 ダイキン工業 、 YKKグループ 、 江崎グリコ、テンポスホールディングス。「豊富な知識や人脈をもつ人材が第一線で働き続けてもらえる」

 従業員に70歳まで働く機会を確保するよう努力義務を課した改正高年齢者雇用安定法が4月に施行されたことなどを受け、企業がシニア人材の雇用制度の見直しを進めている。

(A)       経験豊富な人材を活用できるメリットは大きい。

(B)       一方、新型コロナウイルス禍に苦しむ企業には人件費増で二の足を踏む動きがあるほか、組織の新陳代謝でマイナスとの懸念も根強い。

 

(A)     経験豊富な人材を活用できるメリットは大きい。

ダイキン工業は4月、定年後の再雇用期間を65歳から70歳に延長した。同社は定年後の約9割が再雇用で勤務する。技術や人脈を生かした商品開発や販売網開拓などで貴重な戦力となっている。

YKKグループは4月、国内18社で65歳を上限とする定年退職制を廃止。

りそなホールディングスはグループの一部企業で、社員が65歳まで定年時期を選べる選択定年制を導入した。

再雇用年齢を70歳に引き上げた江崎グリコでは、仕事内容に変更がなければ給与も原則変わらない。

約15年前に定年制を廃止した中古厨房(ちゅうぼう)機器買い取りのテンポスホールディングス(東京)のような中小企業もある

 

<出典>

70歳継続雇用 導入の動き相次ぐもコロナ禍がネックに 人件費増や人事目詰まりに懸念

産経新聞(2021/05/20)

https://www.sankei.com/economy/news/210519/ecn2105190018-n1.html



2021年5月27日木曜日

(K1488) 『 じいじ、最期まで看るからね 』( ホラン千秋 書評 )

 【 読書 ・ 高橋 里華 】行動する著者は「本当の親子」になれたことを実感する。〈大変さと幸せは、実は同じところにある気がしています。大変さを克服したり、大変なことがちゃんとできたときの達成感が私にとっての幸せだとわかったのです〉


 CMやドラマなどで活躍してきた著者が、16年目に入った介護の日々とそこから見えてくる家族のあり方をつづったエッセー。育児と介護のダブルケア奮闘記。

 描かれている介護生活はとてもリアルだしヘビーだ。じいじの認知症は進み、ばあばが亡くなったことすら忘れる。暴力もたびたびで、オムツも欠かせない。 … でも、そんなつらさを柔軟な発想転換によって幸福へ変えていく著者の姿が印象に残る。

 介護をする側もつらいけれど、実は本当につらいのは今までできたことができなくなった本人の方かもしれない。じいじの身になって考え、行動する著者は「本当の親子」になれたことを実感する。〈大変さと幸せは、実は同じところにある気がしています。大変さを克服したり、大変なことがちゃんとできたときの達成感が私にとっての幸せだとわかったのです〉

 

<出典>

ホラン千秋(キャスター、タレント)、つらさを幸福に変える発想『じいじ、最期まで看るからね 育児と介護のダブルケア奮闘記』

【本ナビ+1】 産経新聞(2021/05/08)

https://www.sankei.com/life/news/210508/lif2105080003-n1.html

 

<原本>

高橋 里華 ()、『じいじ、最期まで看るからね 育児と介護のダブルケア奮闘記』



2021年5月26日水曜日

(K1487) 忘れる力 。忘れるのが難しい / 「老人力」(5)

【 読書 ・ 老人力 】 覚える のだったら、無理矢理にでも努力によって覚えることができる。でもそうやっていったん記憶となったものは、努力によって 忘れる ことはできない。真面目に考えるとノイローゼ。時がたてば老人力が解決してくれる

 忘れようとして忘れられないことがある。覚えようとするものは忘れがちなものだが、忘れようとするものはなかなか忘れられない。人間の頭の中は必ずしも都合良くは出来ていないようで、いったいどうなっているのか。

 … 覚えるのだったら、 … 無理矢理にでも努力によって覚えることができる。でもそうやっていったん記憶となったものは、努力によって忘れることはできない。

 忘れたいのに、自分の力では忘れられない、というこの関係を考え過ぎると、ノイローゼになりやすい。頭の奥が苛々してくる。だからこれは真面目に考えてはいけない。こういった自家撞着の関係に幽閉されて帰らぬ人となったのは大勢いる。

 だから考えないのがいちばんである。「いつかは……」ということで放っておけば、そのいつかはの地平の彼方から、忘れ物の援軍がやってくる。ふらふらと、よぼよぼと、心地よい忘却の小波を立てながらやってくるのは、いわずと知れた老人力だ。

 このようにして忘却願望は、必ず時が解決してくれる。

 

 前回は、

(K1480)  力を抜くというのは、力をつけるよりも難しい / 「老人力」(4) <仕上期>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1480-4.html7

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.23 , P.26 – P.27



2021年5月25日火曜日

(K1486) AIが見守る高齢者口座。 詐欺被害防止 、 認知症 検知など

 【 高齢者口座 ・ AI 】 地域金融機関 が、 人工知能 (AI)など最新技術を活用して高齢者口座を見守り、家族にメールを使い警告するなどのサービスを提供する。詐欺被害 から守る(家族に知らせる)、認知症機能低下の兆候を把握する、等

 人工知能(AI)など最新技術を活用し、地域金融機関が口座取引状況により高齢者を詐欺被害から守ったり、無駄遣いを防いだりしてくれるサービスを相次ぎ導入している。お金の使い方から家族が認知症の兆候に気付くことも。ITを使った金融サービスはフィンテックと呼ばれ、高齢化社会の金融面の課題を解決する手段として期待が高まっている。

 (1) 福岡銀行(福岡市)は高齢者の口座見守りサービスを昨年から試験導入した。高齢者が過去に支払った公共料金やATM(現金自動預払機)の利用データをAIが分析。いつもより多くの金額を引き出したり振り込んだりした場合、本人と家族のスマートフォンに警告メールが届く。

(2) 横浜銀行(横浜市)は、マネーロンダリング(資金洗浄)や特殊詐欺などの犯罪に悪用されている可能性が高い取引をAIで監視するサービスを導入した。

(3) フィンテック企業のマネーフォワードは、京都信用金庫(京都市)と共同で、認知症を検知するため顧客口座を見守る実証実験を行った。本人の同意を得て一定額の出入金があった場合、家族や後見人、ケアマネジャーらに警告メールを送信する。計画的なお金の使い方ができているかどうかも遠隔で確認できる。

 

<出典>

高齢者口座をAIが見守り 地域金融、無駄遣いや詐欺被害防止

産経新聞(2021/05/20)

https://www.sankeibiz.jp/business/news/210520/bse2105200553001-n1.htm




2021年5月24日月曜日

(K1485) 「助けて」と伝えて / 「老老介護」相次ぐ悲劇(2)

 【 老々介護 ・ 介護保険 】 コロナ禍 で 孤立の深刻化 も懸念される。 感染リスク を避けるため外出が控えられた結果、在宅介護者 と 地域のつながり はさらに希薄になり、周囲も 危機的な実情 に気づけない状況を招きかねない。

 家族の介護負担を軽減するための「介護保険制度」が十分活用されていない実態も浮かぶ。厚生労働省によると、令和元年度、家族らから虐待を受けた高齢者は1万7427人(1万6928件)。このうち、68%が介護サービスを利用することが可能になる「要支援」や「介護」の認定を受けていた。

 虐待の要因では「介護疲れ・介護ストレス」が5割近く。同年度、家族らによる殺人、傷害致死、心中などの事件で15人が亡くなっている。被害者の半数以上は、介護サービスを利用していない高齢者だった。

 橋中氏は「施設を利用することは『負け』で介護放棄と誤解されがちだ。介護サービスを利用し、周囲に『助けて』と伝えてほしい。職場や身内、周囲が介護者の状況を気にかけるなど、制度を超えた支援態勢が必要だ」と訴えた。

 

<出典>

「老老介護」相次ぐ悲劇 追い込まれる当事者 新型コロナも追い打ちに

産経新聞(2021/05/13)

https://www.sankei.com/premium/news/210429/prm2104290007-n1.html



2021年5月23日日曜日

(K1484) 「 認知症の語り 」(004)

 【 認知症 ・ 語り 】 「こんなに若いのに」と周囲に同情されることが本人にはとてもショックだったらしい。分類: 【 介護者04 】【 認知症になるということ 】【 本人からのメッセージ 】【 周囲の人へのメッセージ 】

 私は(女房が自分の病気のことを公表することは)最初の頃はためらってたんですけども、女房のほうが「積極的に話をしたい」と。同じような病気の人とか、早期発見のために、自分が何かできるっていうのがあれば話をしたい、という考えだったようです。

 … 同情は結構されてました、やっぱりね。「こんなに若いのに、かわいそうにね……」とか。親成の方とか、自分の両親を介護された方から、そういうふうに同情されるようなことはありました。

 それはやっぱり女房にとってはショックで、同情されればされるほど、もうちょっと外に向かって(病気を公表していこう)、というのがあるのかな、という気がします。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/to-be-patient/message/572.html

動画があります。

 

前回は、

(K1476)  「認知症の語り」(003) <認知症>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1476-003.html



 

<出典>

『認知症の語り』(編集:認定NPO法人 健康と病の語りディペックスジャパン )

「認知症の語り(132)」、NPO法人健康と病の語りディベックス・ジャパン

https://www.dipex-j.org/dementia/

2021年5月22日土曜日

(K1483) 追い込まれる当事者 / 「 老老介護 」相次ぐ悲劇(1)

 【 老々介護 ・ 介護疲れ 】介護問題 に詳しい 介護者メンタルケア協会 の 橋中今日子 代表「 在宅介護者 は 長期的な疲労 が募り、 閉塞感 や 絶望感 、 経済的負担 などが 複合的に影響 して 困窮 し、 事件 に至ってしまうことも多い」


 高齢者が高齢者を介護する「老老介護」で無理心中や、介護する相手を殺害してしまう事件が相次いでいる。背景にあるとされるのが深刻な「介護疲れ」。負担が大きい老老介護へのサポートは急務だが、当事者が周囲に支援を求めることに否定的な事例は少なくない。

 東京都内では昨年11月以降、老老介護をめぐる殺人や心中が少なくとも4件発生し、6人が亡くなった。

 橋中氏は、閉ざされた環境に置かれた介護者の選択肢が狭まり「苦しい状況から抜け出そうと衝動的に自殺や心中を図りかねない」とも指摘。「迷惑をかけたくない」「自分でやり遂げる」などの思いから、行政や周囲の支援を受けないケースは少なくないという。

 

<出典>

「老老介護」相次ぐ悲劇 追い込まれる当事者 新型コロナも追い打ちに

産経新聞(2021/05/13)

https://www.sankei.com/premium/news/210429/prm2104290007-n1.html



2021年5月21日金曜日

(K1482)  個人Blog 5月中旬リスト <サイト紹介>

 ● 個人Blog 5月中旬リスト

 

(2331)  世界が「KODOKU」対策注目 担当相に取材殺到

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2331.html

 

(2332)  民間病院活用へ法改正急げ / コロナ直言(3)

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2332-3.html

 

(2333)  三島由紀夫『金閣寺』(3-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2333-3-1100de.html

 

(2334)  ブラジル、新型コロナ患者を癒やす「神の手」

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2334.html

 

(2335)  三島由紀夫『金閣寺』(3-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2335-3-2100de.html

 

(2336)  ワクチン開発 国が支援を / コロナ直言(4)

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2336-4.html

 

(2337)  「 ききわけがいい 」が「 あきらめは悪い 」

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2337.html

 

(2338)  異性の好み /男と女の違い(30)

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2338-30.html

 

(2339)  法の見直し で 柔軟対応 を / コロナ 直言 (5)

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2339-5.html

 

(2340)  三島由紀夫『金閣寺』(4-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/05/2340-4-1100de.html

 

 

なお、前回の紹介は、

(K1472)  個人Blog 5月上旬リスト <サイト紹介>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1472-blog.html

(K1481)  相続登記の義務化 <相続>

 ☆☆

登記が適切にされないことで所有者が不明の土地は、九州に相当する面積の約410万ヘクタールにも上り、再開発事業や災害復興などの妨げとなっている。今回の法改正を通じ、所有者不明の土地をできるだけ減らしたい

☆☆

 

 所有者不明の土地が全国規模で増加する中で、不動産登記法などの改正法が成立した。これまで任意だった土地登記を抜本的に改革する

 

(1)  今は任意となっている土地や建物の相続登記を義務化し、怠った場合には過料を科す

 改正法は土地や建物について、相続を知ってから3年以内の登記を義務付ける。

 

(2)  手続きを簡素化する

 これまでの相続登記は相続人全員の戸籍などを集める必要があったが、これを簡素化して相続人の誰か1人の申し出で手続きできるようにした。

 

(3)  一定の要件を満たせば相続した土地の所有権を手放せる

 希望しない土地や利用価値が乏しい土地を相続した人は、それを国庫に納付できる制度も設ける。これにより管理の手間や税負担を免れることができるが、安易な放棄を防ぐため、手数料などを求めることにしたのは当然だ。

 

(4)  住所変更なども変更登記の申請を義務づける

 所有者の転居に伴う住所変更なども変更登記の申請を義務づける。これに違反した場合には10万円以下などの過料を定めた。

 

(5)  規制緩和も盛り込んだ

 所有者が分からない土地を利用する際の規制緩和も改正法に盛り込んだ。

 

 登記が適切にされないことで所有者が不明の土地は、九州に相当する面積の約410万ヘクタール(国土の2割)にも上り、再開発事業や災害復興などの妨げとなっている。今回の法改正を通じ、所有者不明の土地をできるだけ減らしたい。

 

<出典>

相続登記の義務化 国民の意識変える契機に

【主張】 産経新聞(2021/05/09)

https://www.sankei.com/column/news/210509/clm2105090001-n1.html

 

添付図は、

「土地登記は相続3年内に、違反なら過料 法制審答申」

2021210 19:30  日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE101SW0Q1A210C2000000/



2021年5月19日水曜日

(K1480)  力を抜くというのは、力をつけるよりも難しい / 「老人力」(4) <仕上期>

    プロ野球 の世界でも老人力が必要だ。 力を抜く というのは、 力をつける よりも難しいのだ。力をつけるのだったら何も考えずに トレーニングの足し算 だけで、誰でも力はつく。問題はその 力を発揮する とき、 足し算 以外に、 引き算 がいるんだけど、これが難しい

 

 たとえばプロ野球の世界で老人力が必要とされている事実は、あまり知られていない。

 一見強そうな選手でも、老人力に欠けているのはなかなか一軍へ上がれない。若者に老人力などあるものか、と思われるかもしれないが、じつはあるのである。本人も気がつかない形で、じつは体内で老人力は生きている。

 

 力を抜くには技くには抜く力がいるもので、老人になれば自然に老入力がついて力が抜ける。でも若い間は自然には力が抜けない。意識して力を抜く、つまり意識して老人力を先取りする必要があるわけである。

 

 二死満塁の場面、場内がいっせいに盛り上がったところで監督が出てきて、バッターを呼び寄せて耳許で伺か言うのは、あれはじつは、

(老人力で行け)

と言っているのだ。

 

 老人力をばかにしてはいけない。力を抜くというのは、力をつけるよりも難しいのだ。力をつけるのだったら何も考えずにトレーニングの足し算だけで、誰でも力はつく。問題はその力を発揮するとき、足し算以外に、引き算がいるんだけど、これが難しい。

 

 前回は、

(K1474)  老いを楽しむ心のゆとり / 「老人力」(3) <仕上期>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1474-3.html

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.21 P.23



2021年5月18日火曜日

(K1479)  『 ヒトはどうして死ぬのか 死の遺伝子の謎 』、田沼 靖一 <死>

   「 遺伝子 が真に 利己的 であるためには、 利他的 に自ら死ねる 自死的 な存在でなければならない」という難解なテーマを解説。求めるべきは 不老不死 ではなく、 死の意味 を 問い直し 、 有限の時間 を 生きる意味 を知ることではないのか

 

 新しい細胞が生まれ、古い細胞が死ぬことにより、現在の私の体がある。そこで、生まれたての私を構成していた細胞は、すべて既に死に絶えた。それでも、一貫して私がある。もしも古い細胞が交代することを拒否していたら、私は、とっくの昔に死んでいた。

 幸か不幸か、私は、死ぬことを拒否できず、いずれ死んでいく。しかし、それは、人類が生き続けるために必要なことなのだ。

 もしも、他に何らかの影響を与えることが、存在することの要件であるならば、私は、死んでも存在し続ける。

 

===== 引用はじめ

 「遺伝子が真に利己的であるためには、利他的に自ら死ねる自死的な存在でなければならない」という難解なテーマを、わかりやすく解説してくれる。生存に有利な新しい個体が生まれた場合、元の個体の存在は害悪でしかない。多細胞生物は死によって次世代の生を更新しているのだ。

 生命科学の発達著しい昨今だが、われわれが求めるべきは不老不死ではなく、科学を通して死の意味を問い直し、有限の時間を生きる意味を知ることではないのかと著者はいう。

 人生の意味を探るのは哲学の専売特許ではないことを知る一冊。

===== 引用おわり

 

<出典>

作家 北康利 個体の死が支える種の繁栄『生物はなぜ死ぬのか』

【本ナビ+1】産経新聞(2021/05/15)

https://www.sankei.com/life/news/210515/lif2105150006-n1.html



2021年5月17日月曜日

(K1478)  『 生物はなぜ死ぬのか 』、 小林武彦 <死>

   2500年前までヒトの 寿命 は15歳前後だった。 多産多死 が 多様性 を生み、 人類の繁栄 につながったという研究もある。いかに ターンオーバー が重要かを示すものだろう。 自己複製 の メカニズム を獲得し、作っては分解して作り替えるターンオーバーが 生命 を支えてきた

 

 「細胞と個体の関係」と「個体と種全体の関係」とは、同じパターンが組み込まれている。構成要素(細胞、個体)が入れ替わっていくことにより、総体(個体、種全体)が継続し、変化し、多様性を獲得していく。

 

===== 引用はじめ

 生命維持の仕組みは玄妙だ。

 自己複製のメカニズムを獲得し、作っては分解して作り替えるターンオーバーが生命を支えてきた。ターンオーバーが多様性をもたらし、多様性によって生物は生き残る力を持続してきた。そしてターンオーバーを促すために、細胞が老化し、自死(アポトーシス)するプログラムが組み込まれる。

 

 それは個体と種全体の関係においても同様だ。

 今の世代は次世代を生み、そして支え、彼らの活力維持のために死んでいく。生と死、変化と選択の繰り返しが進化を生んできた。

===== 引用おわり

 

<出典>

作家 北康利 個体の死が支える種の繁栄『生物はなぜ死ぬのか』

【本ナビ+1】産経新聞(2021/05/15)

https://www.sankei.com/life/news/210515/lif2105150006-n1.html



2021年5月16日日曜日

(K1477)  「 もしもあと1年で人生が終わるとしたら? 」 <仕上期>

 ☆☆

元気な時にはつい日常の忙しさにとらわれてしまいます。「 もしあと1年だったら 」と考え、自分の 人生を見つめ直す ことはとても意味があります。そう考えることが、少しでも 後悔を減 らし、 よりよい人生 を歩むために役立つのです

☆☆

 

 もし、あなたが死の間際に「もっと、やりたいことをやっておけばよかった」「もっと人に優しくしておけばよかった」など後悔の念に駆られるとしたら、どれだけ悲しく、悔しい気持ちになるでしょうか。

 仕事にしか価値を感じてこなかった50代の男性は突如肺がんとなり、命の終わりが迫って初めて、地位や名誉に意味はないと気づき、家族や同僚への感謝を伝えながらこの世を去ったそうです。そして死の間際であっても大切なことに気がついた自分は幸せだと言葉を残しました。

 仕事、家族、チャレンジしたいこと。元気なうちにこそ考えておきたいことが、本書には詰まっています。小澤先生とともに人生について考えることは、あなたの心をラクにしてくれるはずです。

 

<出典>

『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』小澤竹俊著 元気なうちにこそ考えたい

【編集者のおすすめ】  産経新聞(2021/05/08)

https://www.sankei.com/life/news/210508/lif2105080007-n1.html



2021年5月15日土曜日

(K1476)  「認知症の語り」(003) <認知症>

 ☆☆

両親の年金は合わせて12万円しかなかった。介護保険適用分を超えた介護費用が10万円を超え生活できなくなった

☆☆

 

分類: 【介護者30】【介護の実際と社会資源の活用】【経済的負担と公的な支援制度】【収入の減少】

 

 両親は年金を前倒しで先にもらっていたんで、(年金が減額されていて)ふたり合わせて12万円しか入ってこなかったんですね。

 … 出ていくお金は、毎月の介護費用とか、介護保険適用分を超えた分とか、合わせれば10万円以上で、それプラス生活費なんて、とでも暮らしていける状態ではなくって。

 私が離職してちょうど1年ぐらい経ったときですかね。うちがそういう状況なので、母の友だちも私の友だちも(私たちを)誘わなくなってくるんですよ。気遣ってくれているのはすごくわかるんですけど、そうすると、だんだん「あ、友だちまでいなくなってしまった」っていうふうに、孤立状態になってきて。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/to-be-patient/keizai/619.html

動画があります。

 

前回は、

(K1469)  「認知症の語り」(002) <認知症>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1469-002.html

 

<出典>

「認知症の語り(187)」、NPO法人健康と病の語りディベックス・ジャパン

https://www.dipex-j.org/dementia/



2021年5月14日金曜日

(K1475)  着るだけで生体情報が測れるウェア / シニアの衣服選び(3) <高齢者向け商品>

 ☆☆

センシングやモニタリング機能のほか、エネルギーの生成、情報の伝達、環境に応じた性状変化などが考えられ、例えば、シャツに血圧や血糖値などのセンサーを組み込み医療に革新的な変化をもたらす。

☆☆

https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/knowledge/theatre/08.html

 

 衣服と健康とのかかわりでは、現在、ウエアラブル端末と同じように、身に着けるだけで心拍数などを測定し、健康状態をモニタリングしてくれるような最先端の素材を使った衣服も開発されている。佐藤氏は「ハイレベルな日本の繊維技術の成果も上手に取り入れ、健康長寿に生かしてもらいたい」と話している。

 

===== 引用はじめ

 東レとNTTは、生体信号を高感度に検出できる機能素材hitoe®の実用化に成功した。hitoe®は、繊維を導電化するNTTの技術を使い、東レが開発した繊維径700ナノメーター(髪の毛の7500分の1)という細さのナノファイバーに導電性高分子を含浸したものだ。

 hitoe®を活用した医療用ウェアは着用するだけで計測ができるため、患者の生活の質を下げることなく心電図の常時モニタリングが可能となる。将来は自宅で1週間以上にわたって心電を連続測定することで、従来のホルター心電計では発見が難しかった潜在的な心疾患を発見できる可能性もある。hitoe®をこうした医療現場で活用できるように現在検討と開発を進めている。

===== 引用おわり

https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201608/201608_09_jp.html

 

<出典>

シニアの衣服選び 配慮を

【100歳時代プロジェクト】 産経新聞(2021/05/10)

https://www.sankei.com/life/news/210503/lif2105030002-n1.html



2021年5月13日木曜日

(K1474)  老いを楽しむ心のゆとり / 「老人力」(3) <仕上期>

  偶然だが、産経新聞のビブリオエッセーで「老人力」が紹介されました。

 

 23年前に出版された赤瀬川原平さんの『老人力』。当時の流行語にもなった。本の紹介文によると老人力とは「物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力」である。私たち夫婦も85歳を過ぎたいま、この力がみなぎってきた幸せを実感している。

  老化という失礼な言葉ではなく、例えばため息にも意欲を感じ、若さゆえの自意識過剰からも抜け出して加齢のすべてを前向きなエネルギーとしてとらえた造語だ。情報過多な若い世代に対して老人は「宵越しの情報はもたない」と考える。物忘れではなく忘却力なのだ。当時の私はまだ60代。その奥深さを知らなかった。

 

 右腕が肩より上がらなくなった時、… 悠々力とでもいおうか。

 メトロではいつもどなたかが席を譲ってくださる。 … 親切を引き寄せる力だ。

 テレビドラマでは小声で早口のセリフが聞き取れず … やたらに多くの煩わしい情報の入力を無意識に遮断する力だと思えばいい。

 

 前回は、

(K1466) 「老人力がついてきた」 / 「老人力」(2) <仕上期

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k14662.html

 

<出典>

大阪市旭区 松岡茂雄 85

老いを楽しむ心のゆとり 「老人力」赤瀬川原平(ちくま文庫)

【ビブリオエッセー】 産経新聞(2021/05/12 )

https://www.sankei.com/life/news/210512/lif2105120015-n1.html



2021年5月12日水曜日

(K1473)  着こみ過ぎに注意 / シニアの衣服選び(2) <高齢者向け商品>

 ☆☆

体温調節の機能も低下している。最近では主流となった軽くて温かい機能性素材は若い頃になかったため、そもそもなじみがない。そのため「冬には(保温のために)重めの服をたくさん着てしまう傾向がある」という

☆☆

 

 高齢者は温度変化に対する感覚や、体温調節の機能も低下している。さらに、最近では主流となった軽くて温かい機能性素材は若い頃になかったため、そもそもなじみがない。そのため「冬には(保温のために)重めの服をたくさん着てしまう傾向がある」という。

 佐藤氏の研究室の学生が冬に行った調査では、若い人に比べて、高齢者では着る枚数が多く、重さもあるなど、過剰な重ね着の人が多かった。

 「着込み過ぎると体温調節が難しくなるだけでなく、重さによる締め付けで血流も悪くなり、寒さへの対応力が落ちる悪循環になる」という。

 蒸れなど皮膚への悪影響を防ぎながら、衣類を着込まずに温熱面での快適性を保つには、汗など体から発生する水分を吸収して発熱する「吸湿発熱」などの機能性素材を使った軽い肌着がおすすめだという。

 

===== 引用はじめ

 綿などの一般的な素材でも吸湿するときに熱が発生する。綿100%のシャツとポリエステル100%のシャツ(同じ熱伝導率、熱伝達率に作ったもの)を比較し、吸湿性と衣服の快適性を調べた平田さんらの実験によると、環境の湿度が50%から90%に上がると、ポリエステルは大きな変化がないのに対して綿は表面温度が急激に上がることが分かった[図1(*1)]。

===== 引用おわり

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/121800538/

 

<出典>

シニアの衣服選び 配慮を

【100歳時代プロジェクト】 産経新聞(2021/05/10)

https://www.sankei.com/life/news/210503/lif2105030002-n1.html