2021年9月30日木曜日

(K1614) 「眠る」「忘れる」は努力ではできない / 「 老人力 」(23)

 【 読書 ・ 老人力 】眠ろうと努力すればするほど眠りがこじれて、目が冴えてくる。忘却力もそうだ。忘れようと努力すると、ますます忘れられない。「テキトー」であることがぼくらを眠らしてくれて、物忘れを実現してくれる


 会社で仕事をしていたときに、ストレスチェックを受けたが、結果は「ストレスなし」だった。「寝られないことがある」への私の回答がNoだったからではないか。

 私は、起きていようとしても寝てしまうことがしばしばだ。覚えていようとしても忘れてしまうのがいつものことだ。この傾向は、最近ますます加速している。このまま行けば、そのまま認知症になってしまうのではないか。

 どうやら「寝る力」「忘却力」は、老人力に関係するらしい。とすれば、私は若い頃から老人力が備わっていて、最近、ますます磨きがかかっているようだ。喜んでよいのか、悲しむべきか。

 

===== 引用はじめ

 眠るというのは時として厄介なことで、問題は、覚醒時の理屈が通じないことである。

 つまり眠ろうと努力したら眠れないのだ。

 眠らない努力なら出来る。会議中など、眠くて眠くてたまらないところを、努力して眠らずにいる。その努力は可能である。

 でも眠る努力は不可能だ。眠ろうと努力すればするほど眠りがこじれて、目が冴えてくる。

 前に忘れることでも書いたが、忘却力もそうだ。忘れようと努力すると、ますます忘れられない。努力して覚えることはできても、努力して忘れることはできないのだ。

 眠ることも忘れることも、努力をもってしては到達できない。でも人間は日々眠り、日日忘れている。これはどうしてだろうか。人生開始以来のすべての現象を全部記憶にとどめて忘れられなかったら、事実上頭はパンクして生きていられない。でもじっさいにはまあテキトーに忘れるので、何とかふつうに生活している。

 ここで重要なのは「テキトー」である。テキトーであることがぼくらを眠らしてくれて、物忘れを実現してくれる。そのテキトーとは何なのか。どう定義すればいいのか。

===== 引用おわり

 

 前回は、

(K1606) 高齢者事業団は働きっぷりが恰好いい / 「 老人力 」(22)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1606.html

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.140 , 142



(K1613)「 認知症の語り 」(22)

【 認知症 ・ 語り 】 レビー小体型認知症と診断を受けた日、「何で俺が……」と肩を落とした夫に悔しさや苦悩を感じた。 【介護者33】【認知症の診断】【診断されたときの気持ち】【若年性認知症】 


 レビー小体型認知症と診断を受けた日、「何で俺が……」と肩を落とした夫に悔しさや苦悩を感じた

 

 夫がはっきリレビー(小体型認知症)って宣告を受けた日は、本当に肩を落として、「何で俺が……」って、ひと言それだけで、その後、シーンと続くわけですよ。で、ややしばらくして「はあ―」ってため息がもれるんですけど、そのもれたひと言と、「何で俺が……俺が選ばれたわけ?」っていう意味深さというか、(病気を)受け止めきれない悔しさもあるし、苦悩もあるし、選ばれてしまったけど、その意味の深さも受け止めきれずに、戸惑いの苦悩の「はあ―」っていうそのひと言が、いまだに覚えてるんですけど、せつなかったです。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/to-be-patient/shindan/559.html

動画があります。

 

前回は、

(K1602)「 認知症の語り 」(21)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1602.html



(K1612) 認知症対応に知恵絞る銀行(3) 福井銀行、京都信用金庫

 【 認知症対応 ・ 銀行 】高齢者が認知症になり、本人も家族も預金を引き出せなくなるといった問題が増えている。認知症の顧客に適切に対応できる資格を取ったり、介護の相談機関と連携したりする取り組みも進む。


 第一生命経済研究所の推計では、認知症の人が保有する金融資産は12年度に個人金融資産の約1割に当たる215兆円に及ぶ。

 

 取り組みは地方にも広がる。

 

 福井銀行は行員が対応に困ったケースを参考に、専門医の意見を取り入れた認知症サポートガイドラインを策定。

 お金の問題は生活と密着しており、金融機関だけでは解決が難しいため、京都信用金庫は介護の相談機関である地域包括支援センターと連携する部署を設けた。

 

 高齢化に伴う問題を総合的に研究するジェロントロジー(老年学)の知見を生かし、対応を向上させようという動きも。三井住友信託と京都信金は民間資格「銀行ジェロントロジスト」の取得を職員に促している。

 

 高齢者が認知症になり、本人も家族も預金を引き出せなくなるといった問題が増えていることを受け、生活が不便にならないような信託商品や、代理人を事前に決めておくサービスを各銀行が取り入れている。認知症の顧客に適切に対応できる資格を取ったり、介護の相談機関と連携したりする取り組みも進む。

 

 このシリーズ、終わり

 

<出典>

認知症対応 知恵絞る銀行

産経新聞(2021/09/20)

 

<添付>

添付図は、前回と同じ。




2021年9月29日水曜日

(K1611) 認知症対応に知恵絞る銀行(2) 三菱UFJ ファイナンシャル・グループ

 【 認知症対応 ・ 銀行 】全国銀行協会(全銀協)は今年2月、判断能力の低下を確認できた顧客の預金について、代理権がなくても親族らが医療費などを引き出せるとの見解を発表。ただし「使途が本人の利益に適合する場合に限る」


 全国銀行協会(全銀協)は今年2月、判断能力の低下を確認できた顧客の預金について、代理権がなくても親族らが医療費などを引き出せるとの見解を発表。ただし「使途が本人の利益に適合する場合に限る」としている。

 

 三菱UFJフィナンシャル・グループも、将来に備えて家族らを代理人に指定する「予約型代理人」サービスを今年3月から提供。利用手数料は無料だ。

 

 三菱UFJ信託銀行などが中心となってつくる「日本金融ジェロントロジー協会」は、試験と継続的な研修で知識や倫理観を身に付けてもらう資格を創設。12月に第1回試験を実施予定だ。

 

<出典>

認知症対応 知恵絞る銀行

産経新聞(2021/09/20)

 

<添付>

添付図は、前回と同じ。



(K1610) 認知症対応に知恵絞る銀行(1) 三井住友信託銀行

 【認知症対応 ・ 銀行 】厚生労働省によると、認知症のある人は令和7年には高齢者の5人に1人となる見通し。判断能力が不十分になると、預金などは凍結され、代理権がなければ家族も原則としてお金を引き出せない。銀行が知恵を絞る


 厚生労働省によると、認知症のある人は令和7年には約700万人に達し、高齢者の5人に1人となる見通し。

 判断能力が不十分になると、預金などは凍結され、代理権がなければ家族も原則としてお金を引き出せない。弁護士や親族らが財産を管理する成年後見制度の利用を求められるが、費用負担や使い勝手の悪さから利用は低調だ。

 

 こうした状況を受け、三井住友信託銀行は令和元年、顧客が事前に家族らを代理人に指定し、認知症になったら代理人が医療費や介護費を引き出せる「人生100年応援信託」を発売。本人が元気なうちは年金のような形で毎月、一定額を信託財産から受け取れるほか、振り込め詐欺を家族らが防止できる機能なども組み合わせた。

 以前は信託額が1千万円以上必要だったが、500万円に引き下げた。同行の谷口佳充・人生100年応援部長は「信託銀行は敷居が高いイメージがあると思うが、長寿社会で信託の必要性は高まっている。間口を広げ、多くの人に活用してもらいたい」と話す。

 

このシリーズ、続く。

 

<出典>

認知症対応 知恵絞る銀行

産経新聞(2021/09/20)



(K1609) 空き家 放置せず処分早めに。「自治体に相談を」

 【 空き家 ・略式代執行】屋根の一部は瓦が剥がれ落ち、納屋の窓ガラスは割れ、土壁や敷地内では草木が伸び放題となっており、倒壊などの恐れがあると周辺住民が以前から訴えていた。「空き家対策特別措置法」に基づく略式代執行を行った


 岡山市建築指導課は「住む人がいなくなった時点で、自治体の空き家相談窓口を活用し、早い段階での処分を考えてほしい」と話している。

 

 8月下旬自治体が認定した倒壊の恐れなどがある「特定空き家」に対し強制撤去を可能にした「空き家対策特別措置法」に基づく略式代執行が行われた。同市では4例目となる。

 特定空き家に認定された家屋について所有者に代わって行政が強制的に解体をすることを、行政代執行というが、その所有者が特定できない場合、略式代執行という手続きをとる。費用は、いったん自治体が負担し、所有者が確認できれば、請求するという仕組みとなっている。

 

 総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、昭和63年に394万戸(空き家率9.4%)だった空き家は、平成30年に848万戸(13.6%)2倍超に増加。政令指定都市で空き家率が高いのは、大阪市の17.l%、北九州市の15.8%、岡山市の14.5%―の順だ。

 

<出典>

空き家 放置せず処分早めに   倒壊恐れ「自治体に相談を」

産経新聞(2021/09/22 )



2021年9月28日火曜日

(K1608) ガラケー 間もなく消えます  高齢利用者26%知らない

 【 ガラケー ・ サービス終了 】旧方式の3Gサービスが来年から段階的に終了していく。3Gが終われば従来型携帯電話(ガラケー)の多くが利用できなくなるが、高齢の利用者の約4分の1が「終了を知らない」と答える調査結果もある

 

1.  ガラケー間もなく消えます

2.  高齢者の保有率: 60代で8割、70代で6割

3.  高齢者の26%知らない

4.  携帯電話大手の対応策

 

【展開】

 

1.  ガラケー間もなく消えます

 スマートフォンの普及や第5世代(5G)移動通信システムのエリア拡大など通信の高速化が進む裏側で、旧方式の3Gサービスが来年から段階的に終了していく。

(1)     ドコモによると、平成18年以前に発売した一部の端末で、利用できないエリアが出始めるという

(2)     KDDI(au)は来年3月末、3Gを終了する予定

(3)     ソフトバンクは6年1月下旬に3Gを終了する予定

 

2.  高齢者の保有率: 60代で8割、70代で6割

 ドコモ系のモバイル社会研究所によると、高齢者のスマホ所有は加速しており、60代で8割、70代で6割に達している。

 

3.  高齢者の26%知らない

 3G終了の認知度は十分ではない。調査会社のMMD研究所によると、60~79歳のガラケー利用者の26・4%が3Gの終了を知らないと回答。

 

4.  携帯電話大手の対応策

 携帯電話大手は主に高齢者を対象にしたスマホ教室などで、4Gや5Gに対応した機種への乗り換えを支援している。

 

<出典>

ガラケー 間もなく消えます  高齢利用者26%知らない

産経新聞(2021/09/21)

 

「ガラケー」に迫る終焉 携帯3G、来年から各社で終了

https://www.sankei.com/article/20210920-K3M2ZHPHUFK65P3DP3MAXEI6SI/



2021年9月26日日曜日

(K1607) ロボポン(ロボット型端末)が高齢運転支援 公道で実証

 【 高齢運転支援 ・ 実証実験 】①本人の想定よりも心身機能が低下していることや危険な運転行動への自己認識を促す。②運転行動を客観的に評価し結果をフィードバックする。③同乗者の存在により事故率が低下する同乗者効果を利用する


 名古屋大などがシャープのロボット型携帯端末を活用し、高齢者証実験を全国の公道で始めた。アドバイスをしたり、運転後の評価をしたりすることでドライバーの行動改善を促し、より長い期間、安全に運転できるようにするのが狙いとしている。

 

 車のダッシュボード上にロボホンを設置。運転中に「速度は大丈夫ですか」などと、道路状況に合わせて動きを交えて声を掛け、運転後には「ここ危なかったですよ」と注意を促す。一般のカーナビなどの音声よりも、ロボットが動きながら呼び掛けた方が、注意がそれにくく、運転改善効果も大きいという。

 

 今回の実証実験は、年齢を問わず公募で選んだロボホン所有者50人が協力一時停止や法定速度の順守などの項目が、導入前後で改善するかどうかを調べる。830日から1210日まで。

 

===== 引用はじめ

 ロボホンを通じて、注意喚起や運転行動への示唆などの「運転中の支援」に加え、運転後の運転評価などの「振り返り支援」を行うことで、運転者に危険な運転への気付きを与え安全運転を促し、運転者の行動変容効果を検証します。

===== 引用おわり

名古屋大学、モバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した ドライバへの運転支援の実証実験を開始

https://www.nagoya-u.ac.jp/info/20210804_mirai.html

 

<出典>

ロボが高齢者転支援 公道で実証実験開始

産経新聞(20210926)



2021年9月25日土曜日

(K1606) 高齢者事業団は働きっぷりが恰好いい / 「 老人力 」(22)

 【 読書 ・ 老人力 】高齢者事業団。何だか凄く恰好よかった。働きっぷりが恰好いい。いわゆる労働とはまた違う恰好のよさだ。働いてはいるけど、それが収入のためではない。趣味の働き。とこちらがいってしまってはまずいだろう


 会社を定年退職して雇用延長で働くと、仕事は以前と同じなのに、給料は以前より半分以下になることもあるそうだ。

 それなら、いっそうのこと、給料はさらに安くなるけれど、全然別のことをするほうが、すっきりするかもしれない。

 雇用延長では、「周囲はオレより随分質の悪い仕事をしているのに、のうのうと高級を食んでいる」。高齢者事業団だと同じような人たちだ。

 

===== 引用はじめ

 高齢者事業団というのがあって草むしりをしてくれるという。

 それにしても高齢者事業団の働きは大変なものだった。自分たちがあんなに苦労した仕事を、淀みなく綺麗に片付けていく。ほとんど苦労を感じさせない。しかも手間賃がえらい安かった。自分たちが大変だと思った作業だからよけい安く感じたのかもしれないが、それでいいんですかと訊いたほどだ。

 何だか凄く恰好よかった。働きっぷりが恰好いい。いわゆる労働とはまた違う恰好のよさだ。働いてはいるけど、それが収入のためではない。趣味の働き。

 とこちらがいってしまってはまずいだろう。高齢者とはいえ、やはり収入が要るので働巧いている、ということもあるに違いない。むしろそうじゃないと世の中的にはまずい。

===== 引用おわり

 

 前回は、

(K1600) 趣味に走る最近の若者。なぜ? / 「 老人力 」(21)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1600.html

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.120  121



2021年9月24日金曜日

(K1605) 「45歳定年制」波紋広がる。サントリー新浪社長言及

 45歳定年制・ 新浪社長 】新浪剛史社長が「45歳定年制」の導入に言及したことが波紋を呼んでいる。私(=藤波)は、「定年は何歳がよいか」というよりも、「このまま定年制度を続けてよいのか」という問いかけの方が大切だと思った


 サントリーホールディングスの新浪剛史社長が「45歳定年制」の導入に言及したことが波紋を呼んでいる。

 

===== 引用はじめ

 「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」。新浪氏が9日に開かれた経済同友会の夏季セミナーで持論を述べると、SNSなどで「人材の使い捨てだ」といった反発の声が相次いだ。新浪氏は翌日、「定年という言葉はまずかった」と釈明に追われた。

===== 引用おわり

 

 今から8年前にも東京大の柳川範之教授が「40歳定年制」を提唱し、話題になった。これも誤解され当時も反発があったという。柳川教授の真意は、

 

===== 引用はじめ

 技術革新により急速に社会が変革していく中では、大企業であっても安泰とはいえない。倒産やリストラの可能性は常にある。また、平均寿命が延びる中、60歳で定年を迎えても何らかの形で仕事を続ける人は多い。それならば、40歳くらいのうちに一度、できれば12年、新たなスキルを身に付ける学びの時間を設ける制度にした方がよいというのが、「40歳定年制」の意図するところなのだという。

===== 引用おわり

 

 これらの提言の背景には、「終身雇用」「年功序列」などの日本型雇用システムにもとづく雇用形態に既に生じているゆがみがある。

 

===== 引用はじめ

 少子高齢化による財政負担の増加で厚生年金の支給開始年齢が引き上げられるのに合わせ、企業には雇用確保が義務化された。その結果、多くの企業が定年後再雇用制度を導入。役職定年を設ける企業も多い。無理やり新たな仕組みを継ぎ足した今の人事制度には不満がくすぶる。パーソル総合研究所が1月に行った調査では、定年後に再雇用された人の過半数が定年前と同じ仕事をしているのに、年収は平均44.3%も下がっていた。

===== 引用おわり

 

 私(=藤波)は、「一石を投じる」という意味では有意義な提案だが、「定年は何歳がよいか」というよりも、「このまま定年制度を続けてよいのか」という問いかけの方が大切だと思った。

 

<出典>

サントリー新浪社長「45歳定年制」の波紋 過去にも東大教授が提唱 背景に日本型雇用の限界

産経新聞(2021/09/20)

  会員記事(有料)


2021年9月21日火曜日

(K1604) 令和3(2021)年 9月中旬 個人Blog リスト

 【 個人Blog ・ 旬報 】 令和3(2021)年9月11~21日 個人Blogリスト (9件)


(2454) 令和3(2021)年 9月上旬 の 組織Blog リスト

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2454.html

 

(2455) 「 金の器 」を育てる。 競泳 平井伯昌 、 大橋悠依

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2455.html

 

(2456) 三角関係になりそうでならない「おかえりモネ」

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2456.html

 

(2457) 戦い抜く精神力(根性)。それだけでは勝敗は決まらない

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2457.html

 

(2458) 学びのある分析。ウルフ・アロンと原沢久喜。五輪柔道

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2458.html

 

(2459) ル・ボン『群衆心理』(3-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2459.html

 

(2460) ル・ボン『群衆心理』(3-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2460.html

 

(2461) 総裁選 討論会 良かったところ・悪かったところ

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2461.html

 

(2462) 偶然の学習について。集中力を養うことにより失うもの

http://kagayaki56.blogspot.com/2021/09/2462.html

 

なお、前回の紹介は、

(K1595) 令和3(2021)年 9月上旬 個人Blog リスト

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1595.html



(K1603) 「敬老の日」という記事を読んで、考え込んでしまった

 【 敬老の日 ・ 敬意 】 かつて「お年寄り」や「ご老輩」という言葉には自然と敬意が込められていた ~ これは「かつて」の話になってしまったのではないか。何が足りないか、改善するための高齢者の課題は何か、考えてみた


 「敬老の日」というタイトルの記事を読んで、考え込んでしまった。

===== 引用はじめ

 古来、老いたる馬は路を忘れずという。経験を積んだ人は、自分の行うべきことをよく心得ている。かつて「お年寄り」や「ご老輩」という言葉には自然と敬意が込められていた。年長者を敬い個々の意欲を尊重してともに歩む、そんな心豊かな社会でありたい。

===== 引用おわり

 私には、若い人から「お年寄り」や「ご老輩」という言葉には自然と敬意が込められていた」というものを受け取っている実感がない。

 私だけでなく近くの「お年寄り」も、ただたんに煙たがられているように見える。なぜこのようなことになってしまったのだろうか。四つ考えた。

 

(1)     若い人と接点をもてていない。若者から「敬意が込められ」た言葉を受けるチャンスがない

(2)     我々が上の年代に、「自然と敬意が込め」ていただろうか。我々の姿を若者が引き継いだだけではないか

(3)     高齢者は「若者のために、若者に伝えよう」と語り始めるが、多くはただ高齢者が自分の自慢話をしているに過ぎない

(4)     若者にとって必要なものを、高齢者は外している。若者にとって必要なのは何か、多くの高齢者は把握していない。必要とされるものを与えず、自分が与えたいものを与えている。若者にとって役に立たないものを、恩着せがましく

 

<出典>

意欲を後押しする社会に 敬老の日

【主張】 産経新聞(2021/09/30)


<添付図>

https://nihon-nenchugyoji.com/keirounohi/



2021年9月19日日曜日

(K1601) 少子高齢化 が、 米中対立 に及ぼす影響。人口問題

 【 人口問題 ・ 米中対立 】 (1)中国は「人口戦」を最大限活用。(2)2020年の人口は、中国がアメリカの4.26%(3)中国の人口減少が止まらない。(4)今世紀の後半には、米中の人口は同規模。(5)中国の「未富先老」を避けられそうにない


 少子高齢化は、我々の日常生活だけでなく、国のありかた(高齢者福祉と財政、介護政策など)、国家間のありかにも影響を及ぼす。

 

1.    中国は「人口戦」を最大限活用してきた

2.    2020年の人口は、中国がアメリカの4.26%

3.   「一人っ子政策」という致命的ミスを犯した中国で、人口減少が止まらない

4.    今世紀の後半には、米中の人口は同規模となり、米国が逆転する可能性すらある

5.    中国の少子高齢化は止まらず、「未富先老」を避けられそうにない

 

【展開】

 

1.   中国は「人口戦」を最大限活用してきた

 兵士の数が軍事的優位性を意味した第二次大戦当時に「人口戦」という言葉が頻繁に使われた。兵器が進化した現代においては、さすがに「人口規模=軍事力の強弱」とはならないが、マーケットの大きさや豊富な労働力に形を変えて「人口戦」は実質的に続いてきた。外交上の強力な″武器″となるからだ。

 それを最大限活用したのが中国だった。巨大な人口を背景に経済を急拡大させ、存在感を高めてきた。

 

2.   2020年の人口は、中国がアメリカの4.26%

 両国の2020年国勢調査によれば、中国の総人口は141178万人、米国は33145万人だ。4.26倍もの差がある。

 

3.   「一人っ子政策」という致命的ミスを犯した中国で、人口減少が止まらない

 中国は「一人っ子政策」という致命的ミスを犯している。その影響はすでに出生数減として表れている。20年の年間出生数は約1200万人にとどまり、前年に比べて2割近くも急落した。

 危機感を募らせた中国政府は、3人まで子供をもつことを認めたが、その効果は疑間視されている。条件付きで2人目を認める緩和策を講じても、思うように出生数が回復しなかったからだ。

 

4.   今世紀の後半には、米中の人口は同規模となり、米国が逆転する可能性すらある

 中国政府は20年の合計特殊出生率を1.3としているが、実際の合計特殊出生率は「すでに1.11.2台」になっているとの専門家の分析が少なくない。

 仮に、中国政府が示す「1.3」であっても、2100年の中国の総人口は68405万人に減る。もし、専門家が指摘する「1.11.2」ならば、2100年までに4億人を割り込み、3億人台に落ち込む可能性が出てくる。

 これに対して、米国は移民を受け入れ続けていくなら、2100年の総人口が43385万人となる。今世紀の後半には、米中の人口は同規模となり、米国が逆転する可能性すらある。

 

5.   中国の少子高齢化は止まらず、「未富先老」を避けられそうにない

 同規模ならば、国家としての「若さ」が優位性を測る次なる物差しとなるが、中国の高齢化は速く、60年には高齢者数のピークを迎える。同年の高齢化率は33.8%だ。一方の米国も高齢化は進むが、24.l%にとどまる。

 中国には十分に豊かになる前に衰退が始まることを指す「未富先老」という言葉があるが、どうやらこれを避けられそうにない。「一人っ子政策」は、中国が自ら豊かさを放棄するだけでなく、国家の存続さえ危うくしかねない。

 

<出典>

少子高齢化進む中国 米中対立は米国の勝利か 客員論説委員・

【河合雅司・日曜講座】 産経新聞(2021/09/19)

https://www.sankei.com/article/20210919-VD553M6XAVOIZBO4YBR6BCKBTA/

 ~ 会員記事(有料)



2021年9月18日土曜日

(K1600) 趣味に走る最近の若者。なぜ? / 「 老人力 」(21)

【 読書 ・ 老人力 】今日のお題は、「最近の若者はけっこう趣味に走るじゃないか。それは何故か」。著者(赤川)の見立てと、私(藤波)の見立ては違う。14歳の年の差がある。送った青春時代が違うからではないか


 今日のお題は、「最近の若者はけっこう趣味に走るじゃないか。それは何故か」

 

 私というか、私の世代と、趣味の持ち方が変わっっている。特に私なんか、趣味を持っていない(それでいて、毎日を楽しく過ごしている)。最近の若者は、違うのだ

 

 私が考えた理由は、

(1)       昔は、「楽しむ」ということを後ろめたく感じていた。「楽しんでいる場合じゃないだろう」と叱られないかと気になっていた。今は、「楽しむことは良いことだ。当然のことだ」という考えが浸透した

(2)       昔は「右肩上がり」の信仰があって、(公のために)滅私奉公するのが当たり前となんとなく思っていた。今は、「右肩上がり信仰」が崩壊して、最後に良いところに着地できないのではないかと、ある意味、将来に希望がない。だから、最初から「趣味に走る」

 

 著者(赤瀬川原平氏)の考えた理由は、少し違う。

===== 引用はじめ

 いまの時代は、改革はともかくとして、革命信仰を持つことができない。科学信仰を持つことができない。というところで、時代そのものにも有限の先が見えているわけで、そういう時代に生まれてくるのだから、いまの若者は既に基礎控除のようにして、みんな一律に年の功を持っているのだ。

===== 引用おわり

すなわち、

(1)     革命信仰(共産革命で、我々は幸せになる)を持つことができない

(2)     科学信仰(科学技術で、我々は幸せになる)を持つことができない

 

 赤瀬川原平氏の生まれは、私より14年早い。彼の青春時代は「安保反対」、私の青春時代は「ベ兵連」・「東大安田講堂」。同じ「昔の人」でくくるには、無理がありそうだ。

 

 因みに「時代にも年齢があるのだ。地球にも太陽にも年齢があるんだから当然だと思うが、それぞれの文化や文明にも年齢がある。」

に同意する。

 

 前回は、

(K1592) 限界内の世界が無限に広がってくる / 「 老人力 」(20)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1592.html

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.111 112



2021年9月17日金曜日

(K1599) 衰える、かかわる、死ぬ、を受け入れない生き方

 【 深いかかわり ・ 嫌がる 】 「弱りや死を受け入れるのは難しいもの。それは特別なことではありません。この方が独特なのは、自分が受け止きれないことをあちこちに触れ回ることでした」。体の衰え、介護、死を受け入れずに生きる


 私自身は、歳をとるにしたがい、体が衰えること、誰かの世話になること、そして最後に死ぬことを受け入れていきたいと思っている。自分の努力でなんとかできることは頑張るが、自分の努力ではなんともできないことは、受け入れるしかない。受け入れることにより、心の安定を得られ、その安定した心で、できることに集中したいからだ。それが自分にとって、幸せな生き方だと思っている。でも、世の中には全く逆の生き方をしている人もいるようだ。

 

 「ご自身の死についても、ご自身が衰えていくことにもまったく受け入れなどできない状態でした」「人の手を借りることが極端に難しい方でした」

 

 では、その人は暗い毎日を送っているか、というとそうでもない。「明るくひょうきんな方で、お友達も多そうに思うのですが、お友達が関わっている様子はなく、支援者は市内に住むご親戚だけでした」。

 

 どうしたら、そのようなことができるのか。「弱りや死を受け入れるのは難しいもの。それは特別なことではありません。この方が独特なのは、自分が受け止きれないことをあちこちに触れ回ることでした」

 

 「努力してもなんともできないことは受け入れる」ということが努力してもできないので、そのできない自分を受け入れているのだろう。そんな受け入れ方も「あり」なのだ。

 

 受け入れなければいけない」と頭で考えても、できないこともある。それでも受け入れようとすると、苦しいばかりになる。

 

===== 引用はじめ

 そんな風に自分の抱えきれない気持ちを他人に言うものの、その投げかけに対しての真剣な返しを嫌がり、深くかかわられることを極端に嫌がる方でした。管理人さんも「アタシもう死ぬねんて!」と言われたことから、「お元気そうだけれど」と心配されるのですが、いざ何か助けはないかと管理人さんが声掛けをすると支援は拒否されるのでした。愛想よく、元気に明るくお話はされるのですが、深くかかわられることは嫌なのでした。

===== 引用おわり

 

<出典>

深くかかわられることを嫌がる

【尾崎容子 在宅善哉】 産経新聞(2021/09/11)



2021年9月16日木曜日

(K1598) 100歳以上の高齢者、最多8万6510人 。厚生労働省

 100歳以上 ・ 最多 】今月15日時点で100歳以上となる高齢者は、前年同時期と比べて8%増えて8万6510人。20年前の2001年と比べて6倍。女性が約9割を占める。政府からお祝い状と銀杯が贈られる。


 今月15日時点で100歳以上となる高齢者が、前年同時期と比べて8%増えて8万6510人となり、51年連続で過去最多を更新することが、厚生労働省の集計でわかった。男性は1万60人で、初めて1万人を超える。女性が約9割を占め、7万6450人となる。

 

 100歳以上の高齢者は20年前の2001年と比べて6倍となった。

 主要48か国の比較では、20年の平均寿命は女性(87・74歳)が世界1位、男性(81・64歳)が同2位。

 人口10万人当たりの100歳以上の人数は、全国平均が68・54人。都道府県別では、島根(134・75人)が9年連続で首位だった。

 100歳となった人は政府からお祝い状と銀杯が贈られる。

 

<出典>

9/14() 11:16  讀賣新聞

100歳以上の高齢者、最多8万6510人…男性は初の1万人超え

https://news.yahoo.co.jp/articles/0efc713d14014aae11b019306c1ae4bfd3b080ae






2021年9月15日水曜日

(K1597) 9月21日は、世界アルツハイマーデー。神戸市の取り組み

 【 アルツハイマーデー ・ ライトアップ 】毎年「世界アルツハイマーデー」の啓発活動として、市民向けに認知症への理解を高める取組を行っています。(1) 市内のオレンジライトアップ実施。(2) 市内図書館での認知症に関する本の紹介・展示


 神戸市の記者資料提供(令和3914日)より。

 

 1994921日、スコットランドのエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催され、会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言し、アルツハイマー病等に関する認識を高め、世界の患者に援助と希望をもたらすことを目的としています。

 本市では、認知症の人にやさしいまち~神戸~に向けた取組みを進めており、毎年「世界アルツハイマーデー」の啓発活動として、市民向けに認知症への理解を高める取組を行っています。

 

1.  市内のオレンジライトアップ実施予定

 

ハーバーランド大観覧車

 令和3918日(土曜)から23日(木曜) 1730分から観覧車営業終了時間まで 毎時30分に点灯

 

KOBEライトアップDAYによるライトアップの実施

 令和3921日(火曜)(以下の市内各所)

 明石海峡大橋、ハーバーランド線照明灯(ガス灯通り)、ポートターミナル西デッキ、兵庫運河新川プロムナード、BE KOBEモニュメント、六甲アイランド・リバーモール、メリケンパーク、かもめりあ(ハーバーランド中突堤中央ターミナル)、フラワーロード(光のミュージック)、神戸大橋、神戸市立博物館、三宮プラッツ

 

2.市内図書館での認知症に関する本の紹介・展示

 

<出典>

記者資料提供(令和3914日) 神戸市HPより

世界アルツハイマーデーの取組

https://www.city.kobe.lg.jp/a46210/press/20210914.html



2021年9月12日日曜日

(K1596)「 認知症の語り 」(20)

 【 認知症 ・ 語り 】父は外から聞こえてくる大きな音に怒って隣家にどなりに行くことがたびたびあった。分類: 【介護者25】【認知症の症状とどう付き合うか】【対応に困る言動】【攻撃的な態度】


 脳血管性認知症の父は、大きな音とかに反応するようになりました。道路に近い家なもんですから、大きな車が通ったりしたときとか、あと、隣の方が、音楽を鳴らして車で戻ってきたりしたときとか、そういう音に反応して、どなりに行ったこともあったと聞いてます。苦情っていうよりも、もうとにかく怒りで、どなりに行ったという感じですね。

 あとは、失語があったものですから、普段のちょっとしたことでも、バンって怒ってテーブルを叩いたりとか、物を投げたりとかってするのは、言葉がうまくしゃべれないイライなのかな、というふうに思っていたんですけれど……

 やっぱり、そうやって、何もなかったのに近所にどなりに行ったっていうことが、おかしいなとは思いました。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/symptom/komaru/477.html

音声のみ

 

前回は、

(K1589)「 認知症の語り 」(19)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1589.html

 

<出典>

「認知症の語り(89)」、NPO法人健康と病の語りディベックス・ジャパン

https://www.dipex-j.org/dementia/