2019年7月24日水曜日

(K0815)  高齢期の引きこもりを考える(3) 引きこもりの善悪 <社会的健康>

 
 働くことを求められない『老年引きこもり』は、必ずしも「悪」ではない。と同時に必ずしも「善」ではない。では、善と悪の境目は、どこにあるのだろうか。エネルギーの有無によって違ってくると思う。
 
1.   エネルギーがある

1.1.  善い引きこもり:エンジョイしている

1.2.  悪い引きこもり:不具合がある
1.2.1. 自分が辛い
1.2.2. 家族が困る
 
2.   エネルギーがない

2.1.  善い引きこもり:自然なエネルギー減

2.2.  悪い引きこもり:鬱などによるエネルギー減
 


【展開】
 
1.   エネルギーがある
 
1.1.  善い引きこもり:エンジョイしている
 引きこもって一人でいることを(エネルギー使って)エンジョイしている。エンジョイするには、エネルギーが必要だ
 
1.2.  悪い引きこもり:不具合がある

1.2.1. 自分が辛い
 エネルギーがあるのに引きこもって、自発的な行動がなく、辛く感じている。エネルギーを使おうとしない時、陥る

1.2.2. 家族が困る
 本人の引きこもりにより家族が困る。夫の言動が原因で妻がストレスを感じ、溜まったストレスにより妻の心身に生じる様々な不定愁訴を主訴とする疾病概念を「夫源病(ふげんびょう)」という
 
 
2.   エネルギーがない
 
2.1.  善い引きこもり:自然なエネルギー減
 老齢化によりエネルギーが減退し、心穏やかに家に留まっている。同居人(家族)が相手をするか、誰かが時々訪問し、人的な接触は維持できている。外出しないので引きこもりのように見えるが、引きこもりといってよいか?
 
2.2.  悪い引きこもり:鬱などによるエネルギー減
 鬱で出かけられず家に留まっている。鬱であるなら、無理やり外出はできない。引きこもり自体が悪いのではなく、鬱の治療が必要。引きこもることを無理に辞めさせてはいけない
 


 結局、「引きこもりは止めましょう」と働きかけるのは、エネルギーがあって引きこもり、不具合がある場合だけのようです。


<出典>
引きこもり「8050問題」逆転の発想も 京大霊長類研教授・正高信男
【新聞に喝!】 産経新聞(2019/07/07)
https://www.sankei.com/column/news/190707/clm1907070003-n1.html

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