2020年10月31日土曜日

(K1280) 「ひとりの時間」は、孤独の時間ではなく至福の時間(2) <仕上げ期>

 

☆☆

ひとりの時間を持て余す人もいれば、堪能している人もいる。今ある環境、残されたエネルギーにみあった「ひとりの時間」の過ごし方を発見できた人は、幸せだ。どこかにあるものでなく、誰かがくれるものでもない

☆☆

 

 

『古里は身近な場所で思う時』

===== 引用はじめ

 …(旧友との)会話が弾むと、郷里の土や草木など自然の香りがほのかに漂ってくるような感覚になった。そこで … 近くの自然公園にしばしば足を運ぶようになった。

 ひとりで春は菜の花畑に舞うチョウを見た。初夏は、新緑に癒され、秋は黄金色に実った稲穂に触れた。そうすると旧友の電話の声と自然が重なり、まるで郷里にいるようなゆったりした時間に包まれた。そのようにして郷里に思いをはせている。

===== 引用おわり

無職 古藤嘉久次 75

 

 

『予想外…老後の幸せに感謝』

===== 引用はじめ

 未婚の娘が出てから、ひとり暮らしが25年になる。毎日、気楽な生活を楽しんでいる。

 朝早く起き、コーヒーをゆっくりと味わいながら… … ベランダの花や野菜の手入れをしながら、季節の移り変わりを堪能する。

 趣味は、洋裁に芸だ。… 退屈することがない。認知症とは無縁の生活だ。

 若い頃の慌ただしさと苦労を思えば、老後にこんな幸せがくるとは思ってもみなかった。今の生活が最高で、ただただ感謝している。

===== 引用おわり

無職 徳永愛子 81

 

 

『孤独な戦い「数独」にも同士』

===== 引用はじめ

 80歳の頃、認知症の予防にいいと知って、「数独」にはまった。…

… 問題集を買ってきてページごとに時間を計って挑戦している。前日より早くできたら自分に拍手だ。

 知り合いに勧めたが、興味を持ってもらえない。数独とは数字との孤独な戦いと思うようにして、あきらめた。

 ある日、地下鉄に乗ると、入り口のドアにもたれて数独をしている男性を見かけた。

 …うれしくなった。

===== 引用おわり

主婦 高垣和子 83

 

 

過去や未来の「私」に出会う

===== 引用はじめ

 コロナ禍により外出自粛をするようになった頃から「現在」の自分と「未来と過去」の自分を見つめている自分とが対話をするような不思議な時間がある。その時間とは新聞や雑誌に載った記事や、家族との思い出の写真や手記を整理し、関心があったものを改めて見る一時のことである。

 あるいは、毎夜、寝床に入ってから眠りに就くまでの静かな時間のことでもある。 …

 このようにして、ひとりで過ごす時間は確かに自分と、もうひとりの自分との対話が始まる有意義な時間なのだ。

===== 引用おわり

学校教育支援員 佐原利幸 73

 

 

<出典>

談話室 産経新聞(2020/10/30)

 

添付は、

平成25年版消費者白書 「第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状」

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2013/white_paper_1024.html



(K1279) 「ひとりの時間」は、孤独の時間ではなく至福の時間(1) <仕上げ期>

 ☆☆

でも、本当は、ひとりの時間というのは、人にとってなくてはならないものであり、創造的なものであり、豊かなものなのだ。高齢になって、ひりの時間をようやくとれるようになった。それは幸せなことだ

☆☆

 

 新聞の読書欄のテーマ投稿は、「ひとりの時間」だった。興味深かった。

 

 一つは、投稿者が高齢だということ。75歳・男、82歳・女、83歳・女、73歳・男だった。つまり、「ひとりの時間」について何かを書こうとするのは、高齢者だということ。

 考えて見れば、働き盛りの人は、忙しくて、ひとりの時間をなかなかもてない。遊び盛りの子供にも、ひとりの時間はあまりない。ひとりの時間をもつのは、主に高齢者だ。

 

 もう一つは、4人とも、ひとりの時間を大切にして楽しんでいることだ。

 「ひとりの時間」と聞いて、否定的なイメージをもつ人が多いのではないだろうか。ひとりで寂しいなと感じる人は、ひとりでいる人を見ると「おひとりで寂しいでしょ」と声をかけることもあるだろう。ひとりを他とのつながりを断たれたと解釈すると、ひとりは否定的な意味合いをもつ。

 

 でも、本当は、ひとりの時間というのは、人にとってなくてはならないものであり、創造的なものであり、豊かなものなのだ。

 高齢になって、ひりの時間をようやくとれるようになった。それは幸せなことだ。

 

 そして、本当は、若者にとっても、ひとりの時間は、大切だ。

 

 続く。

 

<出典>

談話室 産経新聞(2020/10/30)

 

添付は、

一人暮らしだって寂しくない! 一人の時間を楽しむ4つの方法

https://laurier.excite.co.jp/i/Mer_4669



2020年10月30日金曜日

(K1278)  シルバー会員 活路は女性 <高齢期の仕事>

☆☆

東京都狛江市のシルバー人材センターは、女性向けの「お化粧教室」や「ネイル教室」を開催するなどして、女性会員を五年で約百人増やした。池田あけみ事務局長は「センターは就労だけではなく、交流の場でもある」

☆☆

 

 新型コロナウイルス禍で、シルバー人材センターの会員数が減少している。高齢者はコロナの重症化リスクが高いとされ、本人や家族が外出をためらい、退会が相次いでいることなどが原因という。これまで会員は男性が中心だったが、会員を取り戻すため、女性会員獲得の取り組みを本格化させる方針だ。

 

 全体の約七割を占める男性会員が十年連続で減少する一方、女性は二年連続で増えている。昨年三月と今年三月を比較した一年間の女性の伸び率を都道府県別で見ると、一位は島根県(7・7%)で、二位鹿児島県(6・8%)、三位神奈川県(6・6%)だった。

 

<出典>

シルバー会員 活路は女性

産経新聞(2020/10/21)

 

https://www.chunichi.co.jp/article/138271

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2020年10月28日水曜日

(K1277) 老健の感染クラスター対応 求められたのは「介護の力」 <介護>

 ☆☆

新型コロナウイルスのクラスターが発生した。収束まで伴走した山城清二教授が振り返った。「高齢の入所者が、介護職に声をかけられて笑顔になる。これまで、介護の力を分かっていなかったと反省しました」

☆☆

 

 支援に入ったときには、施設のスタッフはわずか6人になっていた。背景には、クラスター発生時に避けられない課題がある。「スタッフの3分の1はPCR検査で陽性が判明して入院。3分の1は濃厚接触者と判断されて自宅待機。そのほか、家族に反対されて職場に出てこられなくなった人もいた」

 

 介護の人手が足りず、山城教授自ら、食事を介助したり、高齢者の体を拭いたりした。食べたがらない人に食べさせるのは至難の業だ。

 

 他施設などから応援の介護職が入ったのは1週間後。施設内の雰囲気はがらりと変わった。山城教授の介助では食べなかった入所者が、介護職の介助なら、出された食事を食べきる。山城教授は「介護の専門職が、低い位置から目線を合わせて話すと入所者に笑顔が戻った。介護の技術があると、みんな明るくなる。これまで分かっていなかったと反省した」と言う。

 

<出典>

老健の感染クラスター対応 求められたのは「介護の力」

【ゆうゆうLife】産経新聞(2020/10/23)



https://www.sankei.com/life/news/201023/lif2010230007-n1.html

(K1276)  高齢者、50年で2000万人増 出生数は4割減、厚生労働白書 <少子高齢化>

☆☆

65歳以上の高齢者を対象にした調査では、「日頃のちょっとした手助けを頼れる人がいない」とした世帯は、44万世帯(H2)→160万世帯(H27)→230万世帯(R22)。親族や近所との付き合いが希薄に

☆☆

 

 田村憲久厚生労働相は23日の閣議に、2020年版厚生労働白書を報告した。「令和時代の社会保障と働き方を考える」をテーマとし、平成元年の1989年から、高齢化がピークに近づく2040年までの約50年間の変容を推計を含めて紹介した。高齢者数は人口の12.1%の1489万人から35.3%を占める3921万人に増える一方、出生数は125万人から74万人に40.8%減少する。人口構造の変化とそれに伴う社会保障に必要な費用が膨張することを指摘した。

 40年に65歳の人が90歳まで生きる確率は、男性42%、女性68%と予想。「人生100年時代」がより身近になる。

 

<出典>

高齢者、50年で2000万人増 出生数は4割減、厚生労働白書

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/politics/kyodo_nor-2020102301001177?fm=topics

 

添付は、産経新聞(2020/10/23 )



2020年10月26日月曜日

(K1275)  加齢で弱腰に ふがいない <加齢>

 ☆☆

人間が年を取ると丸くなる、とは、残されたエネルギーを逆算しながら、無駄なことにエネルギーを浪費せず細々と長く生きてゆくこと。ある時期からは、精神よりも肉体の声を聞くことの方が重要になってきます

☆☆

 

  相談 概要(50代男性)

 50代男性。年齢とともに自分の意思が貫けなくなってきています。人と闘うことを避けてしまっているような自分に腹立たしさを感じています。

 人を怒らせたくない、ぶつかりたくない、闘いたくない気持ちが自分の中にあるように思います。

 年をとっても型破りで自分らしい生き方をしている人に憧れ、自分もそうありたいと思いますが、行動が伴いません。

 人間は年を取ると丸くなる。これは仕方のないことなのでしょうか?

 

  回答(柴門ふみ)概要

 人は必ず老いてゆきます。その老いに向かって肉体を動かすエネルギーが徐々に減少してゆくのは、自然の摂理です。人とぶつかってもなお自分の意思を通すには、かなりのエネルギーが必要です。仮にもし人が一生に使えるエネルギーが決まっているとして、瞬発的に大きなエネルギーを使ってしまうと残りが少なくなってしまい、その分寿命が縮まる。

 精神は肉体に支配されているといっても過言ではありません。こうありたいと思っても体が裏切る、のではなく体が「それは危険です」とサインを送っているのですよ。

 人と争わず流れに任せる自分に出会ったら「長生きしろよと、体がサインを送っているんだな」と感謝すればよいのではないでしょうか。

 

<出典>

加齢で弱腰に ふがいない

【柴門ふみの人生相談】産経新聞(2020/10/?)

2020.10.25 19:00プレミアム

https://www.sankei.com/premium/news/201025/prm2010250003-n1.html



2020年10月25日日曜日

(K1274)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(4) <臨死期>

 ☆☆

医療に預けるかどうか。「本人はどう生きたいか」と利用者の意向に立ち戻って考えるとよいでしょう。例えば、「点滴で生き続ける状態を本人は望むか」「針が刺さっている状態が本人にとって快適か」といった視点

☆☆

 

 点滴は? 納得と安心

 点滴や経管栄養などは、ある時期を乗り越えれば、再び状態が良くなる場合に行われる治療であって、終末期における点滴は、医学的効果は限定的です。点滴をする場合は、1500mlぐらいがひとつの目安です。過度に用いれば、むくみを助長し、かえって苦痛の原因になることもあるのに気をつけなければいけません。口を濡らす、氷片の利用などの対応でもいいかもしれません。なにも食べれないのを見るに見かねて・・・家族の納得と安心のために期間を限定して点滴を行いながら、家族の思いに沿うようにします。

 

<出典>

旅立ちが近づいてきたら / Welcome to 佐野内科ハートクリニック

https://heart-clinic.jp/%E5%9C%A8%E5%AE%85%E8%A8%BA%E7%99%82/

 

 添付図は、

https://recrea.jp/reading/9493/



2020年10月24日土曜日

(K1273) (暴力をふるう)私を侮辱するなんてひどい(2) / 認知症の人の不可解な行動(42) <認知症>

 ☆☆

相手が強く出たり、無理やり抑えると、作用・反作用の法則で、さらに激しくなります。暴力は、以前から自分の思いどおりにしてきた人やプライドが高い人に多い一方、温厚だった人がふるうこともあります

☆☆

 

(暴力をふるう)私を侮辱するなんてひどい(2) ~ どうすればよいか

 

  感情を優しくいたわる

 怒るにはかならず理由があります。自分を理解してもらえないことや、相手の言葉が理解できないことがつらいのかもしれません。その感情をできる限りいたわってあげましょう。

 

<配慮するとよいこと>

  心理: 本人もつらい

 認知症になりたくてなる人はいない。そのつらい気持ちを汲む

 

  対応: ほめて気持ちを切り替えさせる

 できる限り本人をほめあげ、暴力の原因となっている感情をよい感情に変えさせる。

 

  自尊心を尊重する

 日ごろから本人を尊重する言葉をかけていく

 

  対策:危険なものは側に置かない

 ティッシュ箱など、投げられても安全なものを目につくところに置いておく。

 

<出典>

杉山孝博、「認知症の人の不可解な行動がわかる本」

 

添付図は、

https://info.ninchisho.net/symptom/s60



2020年10月23日金曜日

(K1272)  黒木瞳さんと学ぶ介護のお仕事(11/14) <介護>

☆☆

黒木さんは、「黄昏流星群」で父母の介護に人生をささげた独身女性を好演。当時の役作りのエピソードや、家族や自身の老後、また介護への疑問や不安に思うことなど、これから「介護に向き合う方々の代表」として

☆☆

 

1114()

 【第1回】15:0016:00【第2回】18:3019:30

参加費 無料

 インターネットによるライブ配信

 申込必要

 

 産経新聞社では、114()に無料オンラインイベント「黒木瞳さんと学ぶ介護のおしごと」を開催します。

 家族や自身の介護は、誰もが直面する可能性のある問題。でも、団塊の世代が75歳を超える2025年には介護を担う人材が40万人も不足するといわれており、心のどこかで不安に感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、介護に人生をささげた女性を演じたこともある女優の黒木瞳さんをメインゲストに迎え、介護と介護のおしごとを考えたいと思います。

 

<出典>

「黒木瞳さんと学ぶ介護のおしごと」

https://id.sankei.jp/e/1615




2020年10月22日木曜日

(K1271) (暴力をふるう)私を侮辱するなんてひどい(1) / 認知症の人の不可解な行動(41) <認知症>

☆☆

認知症の人は、自分の気持ちや意志を言葉で表現できず、わかってもらえないいらだちや寂しさを感じています。感情の抑制力も低下するため、少しの刺激で感情が爆発し、暴力になって相手に向かいます

☆☆

 

★ 突然大声をあげて怒りだし、殴りかかる。

周囲の人からすれば困った行為ですが、本人なりにもどかしく苦しい気持ちを抱えています。

 

 

(暴力をふるう)私を侮辱するなんてひどい(1) ~ どういうことがよく起こるのか

  すぐに手が出る

 認知症の症状として、感情が不安定になったり、気持ちが抑制できなくなったりすることがあります。しかし、決して理由なく感情のねじが外れるわけではありません。

 

<こんなケースも>

  介護者の心身の傷になる

  他人に暴力をふるって警察沙汰になる

  介護施設を追い出される

  お互いの関係がギクシャクする

 

<本人の気持ち>

 「気持ちが全然伝わらない!」

 言葉で「嫌だ」「わかってほしい」「~したい」と表現したいのに、言葉が出てこないため、イライラしています。

 周囲の人が叱ったり、意にそわない行動をしたりすると、「おれをバカにするな」という気持ちがわき、我慢できずに、暴力となって爆発します。

 

<出典>

杉山孝博、「認知症の人の不可解な行動がわかる本」



2020年10月21日水曜日

(K1270)  個人Blog 10月中旬リスト <サイト紹介>

 ● 個人Blog 10月中旬リスト

 

(2119)  日本国内報道が共感のエール / 大坂なおみ選手の人種差別抗議マスク(1)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2119-1.html

 

(2120)  恋のタイミング /男と女の違い(19)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2120-19.html

 

(2121) 「警察の手による継続的な黒人ジェノサイド(計画的大虐殺)」発言 / 大坂なおみ選手の人種差別抗議マスク(2)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/21212.html

 

(2122)  史上初めて全員が欧州組で構成された日本(サッカー)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2122.html

 

(2123)  谷崎潤一郎スペシャル(3-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2123-3-1100de.html

 

(2124)  スポーツの聖域を守るには / 大坂なおみ選手の人種差別抗議マスク(3)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2124-3.html

 

(2125)  谷崎潤一郎スペシャル(3-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2125-3-2100de.html

 

(2126)  組閣の三条件 / 吉田茂(1) / あの頃日本人は輝いていた(16-1)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2126-116-1.html

 

(2127)  向き合うことへの拒否反応 / 大坂なおみ選手の人種差別抗議マスク(4)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2127-4.html

 

(2128)  NHKさん、大嘘はダメです(連続テレビ小説「エール」)

http://kagayaki56.blogspot.com/2020/10/2128.html

 

 

なお、前回の紹介は、

(K1260)  個人Blog 10月上旬リスト <サイト紹介>

http://kagayakiken.blogspot.com/2020/10/k1260-blog-10.html

2020年10月20日火曜日

(K1269)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(3) <臨死期>

 

 

☆☆

だんだん眠っている時間が長くなっていく。こんなとき、家族にできることは何だろうか。先ずは、少しでも食べさせてあげたい。食べられなくなっても、家族ができることはある。できることを全部すれば、後悔は減る

☆☆

 

 ご家族は、こんなことをしてあげてください。

 

A)   少しでも食べさせてあげたい

(1)  食べやすい形、固さなどの工夫や、少量で栄養が摂れるもの(栄養補助食品)などもあります。栄養士や看護師と一緒に工夫してみましょう。

(2)  食事の時間を楽しくすることで、食欲に繋がることもあります。患者さんのお気に入りの食べ物を持ち寄ったリ、ご家族で一緒に食事をされるのもよいでしょう。

 

B)   できることはすべてしてあげたい

(1)  食事が十分とれなくても、ロの渇きをいやすために、氷片、かき氷、アイスクリームを差しあげたり、うがいやロの中をきれいにすると喜ばれることが多いです。

(2)  食事をすることは難しくても、マッサージ、ご家族のことを話す、お気に入りの音楽をかけるなど、食事のことのほかにも患者さんが喜ばれることがないか一緒に探しましよう。

 

<出典>

旅立ちが近づいてきたら / Welcome to 佐野内科ハートクリニック

https://heart-clinic.jp/%E5%9C%A8%E5%AE%85%E8%A8%BA%E7%99%82/




2020年10月19日月曜日

(K1268)  高齢者の体力向上 鮮明 <高齢者の健康>

体力テストの結果を点数化した合計点

☆☆

70代女性で過去最高になった。子供の体力は横ばいか上向きだった一方、3040代女性は下降傾向で、世代によって差が出た。高齢者の健康志向が高まり、体を動かす機会が多いことが影響しているのではないか

☆☆

 

 スポーツ庁は18日、19年度体力・運動能力調査の結果を公表した。体力テストの結果を点数化した合計点が70代女性で過去最高になるなど、高齢者の体力向上が鮮明になった。

 昨年510月に679歳の男女約63千人を調査した。握力や上体起こしなど各項目の体力テストや運動習慣に関するアンケートを行った。

 65歳以上は6項目を点数化し60点満点で結果をまとめた。70代前半の男性(39.50点)、70代前半の女性(39.82点)と70代後半の女性(36.77点)が、現行方式が始まった1998年度以降での最高点だった。上体起こしや6分間歩行の点数が大きく伸びていた。

 

スポーツ庁健康スポーツ課 データ

「平成29年度体力・運動調査結果の概要及び報告書について」

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/tairyoku/kekka/k_detail/1409822.htm

 

添付図は、

産経新聞(2020/10/19)

 

<出典>

高齢者の体力向上鮮明に 19年度スポーツ庁調査

https://news.yahoo.co.jp/articles/a2d26e82f8609e9984fa01a18423fb12890bd63d




https://news.yahoo.co.jp/articles/a2d26e82f8609e9984fa01a18423fb12890bd63d

2020年10月18日日曜日

(K1267)  認知症の方と関わるすべての方へのメッセージ <認知症>

☆☆

「家族の会」が加盟する国際アルツハイマー病協会(ADI)が作成した資料をもとに、当会の国際交流専門委員会で日本語に意訳したもの。みんなでアイデアを共有し、力を合わせて、この難局を乗り切りましょう!

☆☆

 

 認知症の方と関わるすべての方へのメッセージです。

みんなでアイデアを共有し、力を合わせて、この難局を乗り切りましょう!

 

<<認知症の人を介護している方へ>>

新型コロナウイルスに関して、これらを参考にしてみましょう

 

【やってみよう】 ○

〇 電話やビデオ通話を使って親しい人と定期的に連絡を取り合いましょう

〇 手洗いを忘れないように家のあちらこちらに張り紙などをしておきましょう

〇 定期的に運動をすることを心掛けましょう。しかし、体の調子を見ながら、やり過ぎないないようにしましょう

〇 「毎日の日課」をできるだけ続けましょう

〇 ニュースを見たり読んだりすることは112回に制限しましょう

 

【避けましょう】 ×

× 脅かすような方法で手洗いを強要したり、無理やり人との距離を取らせるようなこと

× 不要なニュースやメディアからの情報

× 睡眠の問題を引き起こす可能性がある予定外の昼寝や長時間の睡眠

× 認知症の人が、いつもと違う状況のせいで混乱したり動揺したときに、自分自身も一緒に、動揺してしまうこと

 

 これらの内容は、「家族の会」が加盟する国際アルツハイマー病協会(ADI)が作成した資料をもとに、当会の国際交流専門委員会で日本語に意訳したものです。

 

ADI(オリジナル情報:英語)

https://www.alz.co.uk/news/adi-offers-advice-and-support-during-covid-19?fbclid=IwAR0rARbfLnuuUrXGbGWoBSze3wDVe3VXMTwKZMR813wLdH_sIR0hYj3w_yQ

 

<出典>

https://asanoclinic.com/info/3634.html



2020年10月17日土曜日

(K1266)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(2) <臨死期>

 ☆☆

「何かしてあげたい」を満たす:「手足をやさしくマッサージする」「患者さんのお気に入りの音楽を流す」「いつものようにご家族で普段のお話しをされる」「唇を水や好きな飲み物などでやさしくしめらせてあげる」

☆☆

 

 亡くなる1週間前ぐらいになると、食べたり飲んだりすることが減りむせやすくなります。おしっこが少なくなります。だんだんと眠っている時間が長くなり、夢と現実をいったりきたりするようなつじつまが合わないことを言ったり、布団を蹴飛ばしたり、服を脱いだりしたりという行動がたびたびみられるようになります。これを終末期せん妄と言います。せん妄は80%ぐらいの方で見られます。予め知っていないと「痛みで苦しんでいる」と誤認してしまう可能性が高い症状です。

 

 患者さんが休まれているときも、こんなことをしてあげてください。

  手足をやさしくマッサージする

  患者さんのお気に入りの音楽を流す

  いつものようにご家族で普段のお話しをされる

  唇を水や好きな飲み物などでやさしくしめらせてあげる

 

<出典>

旅立ちが近づいてきたら / Welcome to 佐野内科ハートクリニック

https://heart-clinic.jp/%E5%9C%A8%E5%AE%85%E8%A8%BA%E7%99%82/




2020年10月16日金曜日

(K1265)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(1) <臨死期>

 ☆☆

大家族に見守られながら旅立たれた40代女性のご主人「先生、なんかね、ほんまに最後、『しんどい』って言うことなく亡くなったでしょ。あれ、もっとしんどがってもいいから、もっと何かしてあけたかったですわ」

☆☆

 

A)   家族として

(1)  緩和ケアで症状が落ち着いて、何事もないかのように静かに眠っているだけというのは、ご家族にとってはそれだけで「異常事態」なのです。「しんどい」とうなっているほうが「了解可能」なのです。

(2)  「何かしてあげたい」という気持ちを満たすことができない状態で旅立ってしまわれると、喪失感もひとしおのようなのです。

 

B)   在宅医として

(1)  実は、この状態が私の考える『いい状態』なのです。眠ってばかりで心配かもしれませんが、最後に向かって体力が落ちてきて、そこでしんどい症状が取れたら、こうして眠っているばかりになるのです。

(2)  「何かしてあげたい」を満たしてもらえるように、患者さんへのケアの内容をもっと具体的に説明するようにしました。その中で「もっと何かしてあげたい」が満たされるといいなあと思います。

 

<出典>

尾崎容子、「家族の気持ちに寄り添う」

【在宅善哉】 産経新聞(2020/09/12)



2020年10月15日木曜日

(K1264)  本当にすべての人が長く生きることを望んでいるのだろうか / 自立期と仕上期との間にて(11) <自立期~仕上期>

 ☆☆

「本当にすべての人が長く生きることを望んでいるのだろうか」。私もそう疑問に感じることがある。「生きることに疲れる」という感覚もわかる。まだ本格的ではないが、そう感じるまでは、精一杯生きていきたい

☆☆

 

 長寿社会というが、本当にすべての人が長く生きることを望んでいるのだろうか。私の実感からすると「70歳を過ぎたころから、人は一般に生きることに疲れを感じはじめるものだ。恵まれた環境で、日々生きることに歓びと生き甲斐を感じている人はいい。しかし、現実の問題として、人間という動物の自然な生存期限は、はたしてどれくらいのものなのか。

 生きることに疲れる、というのは、当然のことながら身体的なものだ。しかし、そのほかに精神的な疲労もある。俗に「お迎えがくる」などと言うが、そろそろこの世におさらばしたい、と感じる時期が人にはあるものだ。

 奈良のほうに「ポックリ寺」などというお寺があって、人気を集めていた時期があった。

 一日でも長く生きたい、と願いつつ、人は心の底で、「もうそろそろいいかな」とふと思う時があるのではないか。

<出典>

五木寛之、「新老人の思想」、P.134 - 135

添付図は、

https://www.j-cast.com/2016/03/01259983.html?p=all




(K1263) 「安楽死」准看護士師が真剣討論(四条畷看護専門学校) <安楽死>

☆☆

「生と死にどういった権利と義務があるのか、一人一人が納得できる深い議論をしてほしい」「看護師は『死』と向き合わないといけないときがある。学生たちに死について考えてもらいたい」と、授業を開くことにした

☆☆

 

 安楽死は日本で合法化されるべきなのか――。安楽死をテーマにする議論が四条畷看護専門学校で開かれた。

 

 学生らは事前に配布された記事のコピーを読み、安楽死について文献で調べた上で授業に出席。5班に分かれ、それぞれテーマを設定し議論した。

 

 テーマは、

(1)  家族らに安楽死を相談されたら何ができるか

(2)  日本で安楽死は合法化されるべきか

(3)  日本で安楽死が認められる日が来るのか

(4)  法整備が整っていない現状で延命治療は誰のために行われているのか

(5)  安楽死が容認される社会になった場合、どのような条件をつけ、(看護師として)どう介入すべきか

 

 「日本で安楽死は合法化されるべきか」については、

(1)  「患者の『死にたい』という気持ちを尊重することも大事だが、患者の家族の気持ちはどうなるのか」

(2)  「合法化することで、今回のような事件は起こらなくなるのではないか」

(3)  「『死にたい』という気持ちをすぐに安楽死に結び付けるのは危険ではないか」

などの意見が出たが、結論は出なかった。

 

 授業を企画した講師の中田さんは「結論は出ずとも一つのテーマに向かってみんなで考える

ことが有意義だったのではないか現場に出ても同僚と議論してほしい」と締めくくった。

 

<出典>

「安楽死」准看護士師が真剣討論

産経新聞(2020/10/15)



2020年10月14日水曜日

(K1262)  東京都の超高齢化に備えよ <少子高齢化>

☆☆

東京都の超高齢化が進んでいる。都市構造、医療や介護の受け入れ態勢、コロナウイルスに起因する高齢者の健康問題さらには経済への影響も深刻だ。他の大都市も後追いで似た状況になるだろう。他人ごとではない

☆☆

 

 東京都の80歳以上人口(9月15日時点)が、前年より約3万2000人増えて約100万7000人となった。100万人を突破したのは初めてだ。東京都は狭く、一部の島などを除き多くの住民の生活圏は一体化している。いわば「80歳以上のみの政令指定都市」を抱えたようなものだ。

 

 超高齢化の要因

(1)  数十年も前に上京した“かつての若者”が年齢を重ねた

(2)  上京した若い世代が故郷から老親を呼び寄せるケースが増えた

 

 都市の超高齢化に備えねばならない

1.   都市構造

(1)  これまで東京はビジネス優先、若者優先の街づくりを進めてきた。「東京」といえば“若者のまち”とイメージしがちだが、そろそろ認識を改めた方がよい

(2)  機敏に動けない人が一定数を占めるようになれば、人の流れは現在よりスローにならざるを得ない

(3)  バリアフリー化は進んできたとはいえ、階段や段差もいまだ数多く残っている

 

2.   医療や介護の受け入れ態勢

(1)  東京都には、高齢者に多い慢性期の病状の患者を受け入れる病院や看護施設は少ない。今後は、ベッドが不足する可能性が大きい

(2)  他県の自治体と提携し、要介護者を受け入れてもらう取り組みもみられるが、こうした手法には限界がある

 

3.   感染症リスクに対する脆弱さ

3.1.  高齢者の健康問題

(1)  新型コロナウイルスで明らかになった感染症リスクに対する脆弱さが新たな課題だ、人口が過密であるがゆえに、感染しやすいのだ

(2)  自宅やその周辺に閉じ籠もるような生活になっている人が少なくない。都会生活特有の近所づきあいの希薄さもあって、日常生活に困るケースが出てくる

 

3.2.  経済への影響が深刻だ

(1)  高齢者世帯の消費支出は他の世代よりも低水準だが、ボリュームが大きく消費全体に与えるインパクトは小さくない

(2)  東京都で仮に70歳以上が消費生活を極端に控えたならば、マーケットは単純計算して1割以上縮むことになる

 

 東京都が先行しているが、その大都市も後追いで似た状況になっていくだろう。他人ごとではない。

 

<出典>

80歳以上100万人 東京都の超高齢化に備えよ 客員論説委員・河合雅司

産経新聞(2020/09/20)

https://special.sankei.com/a/life/article/20200920/0002.html

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