慶應義塾大学大学院医学研究科委員長
岡野栄之氏の話
(1) 「認知症」あるいは「体が動かなくなる」が原因で要介護状態になる
(2) 「認知症になりやすい」と分かっていれば、発症を遅らせることができる
(3) アルツハイマー型の一部には、遺伝的要因が影響している
(4) 『家族性アルツハイマー』は、遺伝子検査で100%確定できる
(5) すべての認知症の発症を確定することはできないが、かなりの発症予想はできる
(6) 発症する30年くらい前から兆候はある
(7) 遺伝子検査以外に、画像検査(脳内の状態を調べる)も有用である
(8) 認知症を直すことは難しい。発症を遅らせることはできる
(9) 診断を受けて「10年後に認知症になる」と言われるとショックだ
(10) 健康寿命を延ばす上での医学への期待
各論
(1) 「認知症」あるいは「体が動かなくなる」が原因で要介護状態になる
===== 引用はじめ
要介護状態になる大きな理由は2つある。1つは認知症、そしてもう1つは体が動かなくなること。健康寿命を延ばすには、認知症対策が重要であることは言うまでもない===== 引用おわり
(2) 「認知症になりやすい」と分かっていれば、発症を遅らせることができる
===== 引用はじめ
遺伝的な背景を把握しておく、つまり、認知症になりやすいと分かっていれば、診断を受け、病気の進行を遅らせる治療を早めに始めることができる。===== 引用おわり
(3) アルツハイマー型の一部には、遺伝的要因が影響している
===== 引用はじめ
認知症のほぼ半分を占めるアルツハイマー型の一部には、遺伝的要因が影響しているといわれている。===== 引用おわり
(4) 『家族性アルツハイマー』は、遺伝子検査で100%確定できる
===== 引用はじめ
親が発症すると子供も発症する『家族性アルツハイマー』は全体からするとごくわずかだが、この場合に限れば遺伝子検査で100%確定できる。===== 引用おわり
(5) すべての認知症の発症を確定することはできないが、かなりの発症予想はできる
===== 引用はじめ
iPS細胞を利用する方法も研究が進んでいる。何らかの遺伝子の異常に基づくものであれば遺伝子の解析と合わせることによって、かなりの発症予測ができると考えられる===== 引用おわり
(6) 発症する30年くらい前から兆候はある
===== 引用はじめ
βアミロイドとタウという2つのタンパク質が脳内に異常に凝集してたまることによって、認知症の多くは発症する。発症する30年くらい前からこうした現象が始まるとされている===== 引用おわり
(7) 遺伝子検査以外に、画像検査(脳内の状態を調べる)も有用である
===== 引用はじめ
発症していないが認知機能が低下してくる軽度認知症(MCI)の状態を10年くらい経て、認知症になる。画像検査で脳内の状態を調べることで、どの段階にあるかが分かる。===== 引用おわり
(8) 認知症を直すことは難しい。発症を遅らせることはできる
===== 引用はじめ
残念ながら決定的な薬は、まだ開発されていない。ただ、軽度認知症の段階や原因物質が蓄積しているが症状が出ていない段階で投薬を始めると、発症を遅らせることができる===== 引用おわり
(9) 診断を受けて「10年後に認知症になる」と言われるとショックだ
===== 引用はじめ
診断を受けて10年後に認知症になると言われると、やはりすごいショックだと思う。費用の面も含め、診断を受けることが社会的なデメリットにならないようにする必要がある===== 引用おわり
(10) 健康寿命を延ばす上での医学への期待
===== 引用はじめ
ビッグデータやAI(人工知能)を使って予測の精度を高めていく。予防効果のあるサプリメントの開発やiPS細胞を使った先制医療の研究などにも取り組んでいる===== 引用おわり
出典
「ヘルスケア委員会発足 委員3氏に聞く」、「100歳時代プロジェクト」、産経新聞(2017/11/21)
「発症遅らせることが重要」 慶應義塾大学大学院医学研究科委員長 岡野栄之氏
http://www.sankei.com/column/news/171121/clm1711210012-n2.html
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