2017年12月22日金曜日

(K0235)  フレイル <体と脳の健康>


 「フレイル」について、非常にわかりやすく書いた記事があった。私なりにまとめ直した。


1. フレイルとは何か

2. フレイルの多面性

3. フレイル対策方針

4. 身体的フレイルの評価基準

5. 身体的フレイルの介入

 

<各論>

 

1. フレイルとは何か

(1) フレイル: 健常と要介護の間にある状態 = 図

(2) フレイル対策: フレイル状態に医療などが介入(治療・予防)して、健康状態に戻す取り組み

(3) フレイル対策効果: 要介護期間(健康寿命と平均寿命の差。日本では912年。先進国は約6年)を縮める

 

2. フレイルの多面性

(1) 身体的状態: 低栄養・転倒の増加・筋肉量の低下など

(2) 精神的・心理的状態: 意欲・判断力や認知機能の低下、うつなど

(3) 社会的状態: 閉じこもり、孤食など

 

3. フレイル対策方針

(1) 国・行政、医療機関、福祉などの多方面からアプローチしなければならない

(2) 多面性のあるフレイル対策には、既存の地域包括ケアシステムなどを活用し連携を密に

 

4. 身体的フレイルの評価基準

(1) 5つの評価項目
  筋力の低下: 握力で男性は26キロ、女性は18キロ未満
  日常生活活動量の減少: 外出が少なくなる
  身体能力: 歩行速度の低下(1秒1メートル未満)(横断歩道を青信号の間に渡れない)
  疲労感: 最近、以前より疲れやすい
  体重減少: 年間約4.5キロ、もしくは5%の体重減

(2) 判定基準(5項目のうち)
  フレイル:       3項目以上該当
  プレフレイル(前段階):2項目該当
  ロバスト(健常):   0項目該当

 

5. 身体的フレイルの介入

(1) 運動介入: 筋肉の維持・増強を図る。①歩行程度で維持は可能だが、②増強させるためには、体力に応じた機器の仕様や階段昇降など抵抗(負荷)をかけた運動が必要になる

(2) 栄養介入: 高齢者の栄養源で鍵となるのが1日60グラムのたんぱく質だ。植物性や動物性、魚肉などのたんぱく質をバランスよく摂取するには食事指導も大切だ

(3) 薬物介入: 筋肉量維持や運動機能改善に可能性のある薬剤では、ビタミンDが注目されている。漢方医学も効果が期待できる。フレイルは東洋医学でいう「未病」の状態。生薬(陳皮、人参、五味子)を使った動物実験では、筋肉の量の増加と質の改善に効果が認められた

 

なお、ビタミンDについては、
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail221.html
など
 

出典
向坂直哉、健常と要介護の間 「フレイル」を考える。Healthy Life、産経新聞(2017/12/12)



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