2018年2月5日月曜日

(K0281)  「自立」と「尊厳」 <インクルーシブ社会>


 尊厳の定義の中で自立という言葉が出てくる。何故、自立なのか、事例で説明する


(1) 事例1 下の世話(1)
 ある特別養護老人ホーム(以下、特養)で聞いた話。特養の入所者で、精気が失せたような人と、同じような体の状態であっても、矍鑠(カクシャク)とした人がいるようだが、何が違うのかを尋ねてみた。自分で自分の下の世話ができるかどうかが大きいというのが答えだった。それが出来なくなったとき、一気に崩れる人が多いそうだ。
 

(2) 事例2 下の世話(2)
 別の特養で、事例1の説明をし、意見を求めてみた。「その通りだ」というのが答えだった。車椅子でなんとか移動できていたが、それも難しくなったとき、ベッドの近くに携帯便器をもってきてもらい、ベッドから便器に移り座って用をたす。座り換える時に手伝ってもらってもよいからそれができるかどうかで、本人の気持ちは全く異なる、ということだった
 

(3) 事例3 大腿骨骨折
 これは、どこで聞いた話か忘れた。いままで頑張ってきたが、急にだめになるきっかけとして大腿骨骨折が多いらしい。躓いて骨折してベッド生活に移り、リハビリの意欲がなくなった時、生きる気力も一気に下がってしまうそうだ。
 

(4) 事例4 岸田 ひろ実さんの話
 これは、私のFacebook友達でもある岸田 ひろ実さんから聞いたご自身の話。大手術後、下半身不随になり、これからも歩けるようになる見込みがないと言い渡されて、死にたいとずっと思っていた。娘さんの一言で気を取り直し、リハビリに努め、今では車椅子で全国いや海外も含めて講演し、人々を勇気づけている。使命感がその活力の基になっているのだろうか
 

 自立の事例を、思い出し、拾い上げながら書いてみたのだが、狭い意味の自立、自分の足で立つという事例に集中した。自立がいかに大切なことかがわかる。

 自立の意味を広げてよいと思う。「できるだけ、自分のことは自分でする」「経済的に自立する」「精神的に自立する」を含めてよいだろう。
 

 「尊厳生」の定義を再録する。以下に言う自立とは、以上で説明した自立である。

  自立したいと思う人が

  必要な支援を得て

  可能な範囲で自立を実現し、

  本人が「これで良い」としている

生き方

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