2018年2月8日木曜日

(K0284)  好ましい支援例 <インクルーシブ社会>


 前々回・前回では、「してはいけない支援」について述べた。今回は、私の考える「好ましい支援例」を示す。図を添付する。
 

(1) 「自立を基盤とする尊厳ある生」を実現する支援について述べる

(2)  3つの健康、3つの自立、2つの生活の自立、尊厳生が関係する

(3)  支援できるのは、自立しようとする心と行動である

(4)  人的支援が大切である

(5)  公的支援としては、人的支援と支援者に対する支援であり、資金・人的・法的・情報・その他各種支援がある

(6) 「単純なお金の支給」は、好ましくない支援である

 

【各論】


(1) 「自立を基盤とする尊厳ある生」を実現する支援について述べる
 尊厳生、すなわち尊厳ある生は、自立を前提とする。その自立は、一人で達成する必要はなく、道具や人の手を借りてもよい。
 

(2)  3つの健康、3つの自立、2つの生活、自立、尊厳生が関係する
 詳しくは、
(K0030) 尊厳と自立度 / 自立度など <自立喪失からの脱却>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/05/k0030.html
を参照していただきたい。

 心・脳・体の健康が失われても、助けを得れば心・脳・体の自立は可能である。心・脳・体の自立が失われても、助けを得れば生活の自立は可能である。
 尊厳生を実現するには、心の自立と生活の自立(広義)が必要である。尊厳生が実現できれば、結果として、尊厳死を得る。この尊厳死は、医療(延命治療とか終末治療)が云々ではなく、文字通り、尊厳ある死のことである。
 

(3)  支援できるのは、自立しようとする心と行動である
 心をもつのも、行動を起こすのも、当人であり、他の人がとってかわることはできない。当人に代ってしてあけるのでは、自立を妨害することにほかならない。
 

(4)  人的支援が大切である
 自立しようとする心を起こさせたり、困難にあっても自立しようとする行動を継続させたりするのに、人的支援が有効である。
 

(5)  公的支援としては、人的支援と支援者に対する支援であり、資金・人的・法的・情報・その他各種支援がある
 直接、人的支援を供給することもあり得るが、人的支援を援助することに公的支援の重点を置くのが望ましい。その方が、効率的運営を期待できる。様々な方法で間接的に支援することができる。
 

(6) 「単純なお金の支給」は、好ましくない支援である
 単純なお金の支給は、自立しようとする心を砕き、自立しようとする行動を阻害する。尊厳生を獲得するチャンスを奪う。
 

 なお、ここでは述べないが、被支援者に直接向ける支援の他に、環境の整備に関する支援も必要である。


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