ハウスレスとホームレスとは違う。
(事例1)路上生活者は、どこまで行けば救われるか
路上生活者が言った「畳の上で死にたい」。救済処置で、きれいな部屋でポツンと一人で座っていた。彼は未だ救われていない。ハウスレスは解消したが、満足していない。今もホームレスだからである。彼は言う「誰かに看取られながら死にたい」。
(事例2)「ホームレス」を襲撃する「ホームレス中学生」
中学生が路上生活者を襲撃する事件が起こった。その中学生には家があり両親と住んでいる。しかし、彼は言った「家があっても帰るところがない」「親はいても誰からも心配されていない」。路上生活者が言った「彼の気持ちはよくわかる」。続けて言った「私はハウスレスでホームレスだ。その中学生はハウスレスではないがホームレスだ」
困窮には、二つの概念がある。経済的困窮と社会的孤立である。
経済的困窮に必要なのは、ハウスレス支援である。「なにが必要か」を考えて支援する。社会的孤立に必要なのは、ホームレス支援である。「だれが必要か」を考えて支援する。
経済的困窮と社会的孤立はスパイラル関係にある
経済的困窮は、社会的孤立を誘発する。社会的孤立は、経済的困窮を誘発する。
この負のスパイラルを正のスパイラルに逆回転させる
経済的困窮を改善できれば、社会的孤立を改善できる可能性が出てくる社会的孤立を改善できれば、経済的困窮を改善できる可能性が出てくる
従来は、次のように言われていた。
「自立した者が社会に参加できる」。だから言う「自立せよ」しかし、「参加は、自立の前提」である。孤立のままでは自立できない。
自立が孤独死の入り口になってしまうこともある。
経済的困窮に対する支援が、必要である。
しかし、それだけでは解決しない。社会的孤立に対する支援も、必須である。
社会的孤立に対する支援のキーワードは、
「なに」ではなく「だれ」だ。
出典
市民福祉大学主催 市民福祉セミナー「助けてと言えるために ~子ども・家族MARUGOTOプロジェクトの報告~」
NPO法人抱樸 奥田知志 理事長 平成30年1月19日
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