サードエイジ論(theory of the Third Age)は、イギリスのラズレット(Peter Laslett、1915~2001)により1980年代に提唱された。この学説は、人生の4つの年代(エイジ)のうちの3番目(サードエイジ)を全盛期とする肯定的な加齢理論である。
寿命が短い時代は、子育てが一段落した頃や退職した頃には、残りの人生はそんなに長くはなかった。これに対して、寿命が長くなった今日では、子育てが終わった後の、また、退職してからの人生がとても長くなっている。
長い一生を4段階に分けるとき、「②セカンドエイジ…自立・仕事・養育・貯蓄の時期」と「④フォースエイジ…依存・老衰・死の時期」との間に「③サードエイジ…達成・完成・充実の時期」が割り込んできた。
① ファーストエイジ … 依存・未熟・育てられる時期
② セカンドエイジ … 自立・仕事・養育・貯蓄の時期
③ サードエイジ … 達成・完成・充実の時期
④ フォースエイジ … 依存・老衰・死の時期
サードエイジの期間は、そして、その始期と終期は、個人によって異なる。その人の人生の目標や生き方、そして身体的活動能力や健康度によって異なるからである。一般的には50歳あるいは40歳頃から自立生活が著しく困難になる時期までをサードエイジとすることが多い。サードエイジにある人々をサードエイジャーという。
ラズレットによれば、サードエイジは人生の最盛期であり、セカンドエイジは、サードエイジの準備期間とみなされる。
セカンドエイジを意図的に長く続け、サードエイジを経ずフォースエイジに移ることもある。貧しいと、フォースエイジを迎えるまでセカンドエイジで生活しなければならない。人口高齢化と良好な経済条件を備えた先進国にのみサードエイジが出現するとラズレットは述べている。
また、セカンドエイジを終えてフォースエイジを迎えるまでの時間を無意味に過ごし、「達成・完成・充実の時期と呼ぶにふさわしいサードエイジ」を享受できない人もいる。
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