【目次】
1-1 ホスピスとは
1-2 在宅ホスピスとは
2 関本クリニックでの在宅ホスピス(講義でのお話+関本クリニックHP)
2-1 関本クリニック開院の経緯2-2 関本クリニックの標準時間割
2-3 関本クリニックの患者例
3 在宅ホスピスの特徴(カッコ内は施設ホスピス) (講義資料より)
4 在宅ホスピスで可能な処置内容 (講義資料より)
5 緩和ケア (http://www.hpcj.org/what/definition.html)
5-1 緩和ケアとは5-2 緩和ケアは…
【詳細】
1-1 ホスピスとは
「ホスピス」というのはラテン語の「ホスピティウム」すなわち「暖かいもてなし」が語源です。英国のシシリー・ソンダース医師によって全世界に広まった「近代ホスピス」とは、「生命を脅かす疾患に直面している患者さんと、そのご家族の苦痛を予防し和らげることで、最期までその人らしく生き抜いていただけるよう、即ち、いのちの質(QOL)を高く生きられるよう、ティームで援助していくプログラム」です。
1-2 在宅ホスピスとは
「ホスピス」に入院せずに、ご自宅で同じような「ホスピスケア」を受けてご家族と過ごすことを「在宅ホスピス」と言います。日本の「入院ホスピス」の場合は「進行がんとAIDS」だけが治療対象ですが、「在宅ホスピス」の場合はどんなご病気の方でも対象となります
2 関本クリニックでの在宅ホスピス(講義でのお話+関本クリニックHP)
2-1 関本クリニック開院の経緯
院長 関本 雅子は、六甲病院緩和ケア病棟(ホスピス)医長をしていたが、2000年に施行された介護保険制度により在宅ホスピスが可能になったと判断し、2001年に六甲病院を退職して関本クリニックを開院した
2-2 関本クリニックの標準時間割
①
「9:00~10:00 予約制がん面談」② 「10:00~12:00 一般外来」
③ 「14:00~18:00 往診及び在宅診療のみ」
2-3 関本クリニックの患者例
①
大病院で抗ガン治療を受けていたが、やめたら入院継続できなくなった② 大病院で抗ガン治療を受けているが、面倒見がわるい
3 在宅ホスピスの特徴(カッコ内は施設ホスピス) (講義資料より)
①
『対象患者』については、「疾患制限なし」(施設ホスピス:進行がん、AIDS)
② 『症状緩和』については、「24時間電話対応・症状に応じて往診」
(施設ホスピス:24時間対応)
③ 『生活』については、「自由」
(施設ホスピス:共同生活の制限あり)
④ 『医師の関わり』については、「毎日~週1日」
(施設ホスピス:毎日)
『看護師』については、「毎日~週に1回。1~1.5時間」
(施設ホスピス:24時間)
『その他』については、「ヘルパー・ボランティア」
(施設ホスピス:病棟ボランティア)
⑤ 『看取り』については、「家族(医師または看護師)」
(施設ホスピス:家族・医師・看護婦)
⑥ 『各種保険』については、「介護保険。一部のがん保険」
(施設ホスピス:がん保険)
医療保険は共通。ともに高額医療適応あり
⑦ 『費用』については、「出来高払い又は在医総(在宅がん医療総合管理料)日額14,950円」
(施設ホスピス:定額制 日額37,800円)
⑧ 『情報』については、「孤独」
(施設ホスピス:患者間・家族間の情報あり)
⑨ 『検査・処置』については、「血液・超音波・心電図。腹水穿刺。点滴・持続皮下注射」
(施設ホスピス:画像検査、胸膜癒着術、手術も可能)
4 在宅ホスピスで可能な処置内容 (講義資料より)
① いずれの在宅医でも可能
点滴、中心静脈栄養管理、在宅酸素、持続導尿、NGチューブ、胃瘻指導管理、院外処方のオピオイド、じょく創処置
② 一部の在宅委で可能
腹水穿刺、輸血、腎孟カテーテル管理、持続硬膜外ブロックおよび管理、気管切開後気道管理、PTCD管理、オピオイド持続皮下注射
5 緩和ケア (http://www.hpcj.org/what/definition.html)
5-1 緩和ケアとは
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、
心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、 苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。
5-2 緩和ケアは…
・ 痛みやその他の苦痛な症状を和らげる・ 生命を尊重し、死を自然の過程と認める
・ 死を早めたり、引き延ばしたりしない
・ 患者ケアの心理的側面とスピリチュアルな側面を統合する
・ 死を迎えるまで患者が人生を積極的に生きてゆけるように支える
・ 家族が患者の闘病経過や自分自身の死別悲嘆に対処できるように支える
・ チームアプローチを用いて患者と家族のニーズに取り組む。必要に応じて死別後のカウンセリングの提供も含まれる
・ QOLを高め、病気の経過に対して良い影響を与える
・ 疾患の早期から適用することが可能であり、化学療法や放射線治療など延命を目指す他の治療と並行して行われる。 また、不快な合併症をよりよく理解しマネジメントするために必要な検査も含まれる
講師:関本雅子(関本クリニック院長)
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