“DIPEx”は、” Database of Individual Patient Experiences “の略で、日本語では「健康と病いの語りデータベース」という言葉を当てはめている。
● 「健康と病いの語り」とは・・・
健康と病いにまつわる様々な体験をした方々が、自分の体験や思いについて話した語りのことです。
病気の診断を受けた時の思いや、治療法を選択する際の迷いや葛藤、病いをどう受け容れ、どのように切り抜けてきたかは、病気を体験した人でなければ語れません。
日常生活の悩みを解決する工夫やヒントも、体験者ならではのものがたくさんあるはずです。
このような体験者の「語り」は、病気や日常生活に不安を抱える患者や家族に、知恵と勇気と励ましを与えてくれます。
医療に従事する方々にとっても、患者の語りに接することは日々の診療の中ではとらえきれない患者の思いや不安を知る一助になります。
● 「健康と病いの語りサイト」とは・・・
私たち認定NPO法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」は、『患者主体の医療の実現』を目指して、そのような語りを体系的に集積して、健康と病いの語りサイトを開設・運営しています。
日本全国の体験者を訪ねインタビューさせていただき、お一人おひとりの体験の語りを集めて、語りのテーマや年齢や立場などで分類・整理して「健康と病いの語りデータベース」を構築し、インターネットを介したWebサイトで、誰もが、いつでも、自由に、無料で活用できるようにしています。
● 現在は以下の5つの語りサイトがご覧になれます。
(1) 乳がんの語り breast cancer
http://www.dipex-j.org/breast-cancer/
(2) 前立腺がんの語り prostate cancer
http://www.dipex-j.org/prostate-cancer/
(3) 認知症の語り dementia
http://www.dipex-j.org/dementia/
(4) 大腸がん検診の語り bowel screening
http://www.dipex-j.org/bowel-screening/
(5) 臨床試験・治験の語り clinical trial
http://www.dipex-j.org/clinical-trial/
<詳細>
(1) 乳がんの語り
乳がんを体験した20代から70代の女性48名と男性1名にインタビューをしました。
乳がんを発見したときのことや、乳がんの治療について、再発や転移について、生活や仕事、妊娠・出産など27のテーマについて語っていただいています。(2009年12月公開開始~)
(2) 前立腺がんの語り
前立腺がんを体験した50代から80代の49名の方にインタビューをしました。
前立腺がんを発見したときのこと、前立腺がんの治療について、経過と進行について、体調管理や経済的負担など25のテーマについて語っていただいています。(2010年1月公開開始~)
(3) 認知症の語り
若年認知症を体験した50代から60代の女性1名と男性6名にインタビューをしました。
また、認知症の家族介護者である30才代から80才代の女性25名と男性10名にもインタビューをしました。(2013年7月公開開始~)
(4) 大腸がん検診の語り
検診を受けてがんが見つかった人、受けないで見つかった人、受けていても見つからなかった人、
一度も受けたことがない人など…大腸がん検診について35名の異なる立場の方々にインタビューをしました。
(2014年3月公開開始~)
(5) 臨床試験・治験の語り
臨床試験・治験に参加した人、参加できなかった人、参加を断った人など…臨床試験・治験について40名の異なる立場の方々にインタビューをしました。
(2016年11月公開開始~)
● ディペックス・ジャパン(DIPEx-Japan)について
http://www.dipex-j.org/outline/dipex-uk によれば、
「健康と病いの語りデータベース」は、国際組織DIPEx Internationalの加盟団体である、認定NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン(通称:ディペックス・ジャパン)によって運営されています。
「健康と病いの語りデータベース」は、英国オックスフォード大学のDIPEx研究グループ(Health Experience Research Group)が開発したデータ収集・分析・公開の手法を用いて作られた、日本で唯一のDIPEx公式サイトです。
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