【構成】
I.
思春期~青年期の心理の理解(中学~高校生・大学生)
II. 不登校について
III.ひきこもりについて
IV. 思春期の病理
V.
薬物依存
VI. アルコール依存症
VII.アディクション(嗜癖:しへき)
VIII.
人格障害について
【トピックス】
(1) 本稿では、いのちの電話と関連が深い、現代社会に特徴的なこころの病を取り上げ、病の理解とその対応について考えたい
(2) 思春期の問題行動としては、不登校、家庭内暴力、摂食障害、シンナー・覚醒剤、非行、親・教師への反抗、ひきこもり、などあるが、問題だとみるのではなくSOSとしてとらえる必要がある
(3) 文部科学省の定義によれば、不登校は、「心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは登校できない状態にあること
(4) 引きこもりの定義は、「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交友など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしてもよい)を指す現象概念」
(5) 思春期の病理としては、①強迫性障害、②対人緊張・対人恐怖、③摂食障害、④リストカット症候群、⑤離人・現実感喪失症候群(離人症)、⑥思春期妄想症、⑦被害関係念慮、などがある
(6) リストカットは、①自殺とは違い生きるために切る、②生きていることの確認(すっきりする)、③自分に注目を浴びたい感情が強い、④人がいる時に切るあるいは切ったことを人に言う、などの特徴がある
(7) 薬物依存は、生態と薬物の相互作用によって生じた薬物摂取を止めようと思っても止められない状態をいう
(8) アルコールを長期間大量に飲酒すると、精神依存から身体依存を生じて、飲酒欲求の抑制障害を生じる。このような段階になるとアルコール依存症と判断される
(9) アディクション・嗜癖は、心理学的・行動科学的な視点から定義される用語で、嗜癖対象への渇望、強迫的な嗜癖対象への接近、離脱後再使用する傾向を含む
(10)人格障害では、性格に偏りがある。「きわめて調和を欠いた態度と行動を示し、通常いくつもの機能領域、たとえば感情性、興奮喚起性、衝動統制、知覚と思考の様式、及び他人とのの仕方などにアンバランスがある」
講師:(阪田憲二郎 神戸学院大学 臨床心理士 精神保健福祉士)
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