2017年7月8日土曜日

(K0069) 第二の成長 / 社会学から見た「少子高齢・人口減少社会」(3) <個人の発達>


前々回・前回からの続き

 ウィリアム・サドラー(Sadler)は、サードエイジを第二の成長の時期とする新しい生き方のモデルを提唱した。小田はそれを模式化した。

===== 引用はじめ

(図7の)点線は、人間の成長、発達に関する古い考え方です。40歳あるいは50歳をピークにして、あとは下降、減衰するばかりです。中年期以降の成長や発達は望めず、できることは下降の勢いをできるだけ小さくすることだけです。

 第二の成長の考え方は、中年期以降も人間は成長、発達を続けることができることです。図7には幾つもの成長・発達曲線を描いてみました。途中で切れているものもあります。成長・発達の程度もまちまちです。出発点もいろいろです。第二の成長は、いつ始まり、いつ終わるかは本人次第です。何か手がけてみたものの、興味が薄れてしまったり、自分にはどうしても向いていないことがわかったり、失敗したり、他のことに興味・関心が生じたりすることもあります。それはそれでかまわないわけで、無理して続けることはありません。そうした自由で拘束されないところに第二の成長の特徴があるからです。

===== 引用おわり

 

 

以下に、Sadlerの「第二の成長へ向けた6つの原則」を示す。

原則1 熟考と冒険のバランスをとる

原則2 現実的な楽観主義を発展させる

原則3 いまサードエイジを生きているのだという自覚を育てる

原則4 労働の再定義 - 労働と遊びのバランスをとる

原則5 個人的自由と親交とのバランスをとる

原則6 自分や他人、地球に対して思いやりのある人生を構築する

 
 
小田 利勝氏(神戸大学名誉教授)、「少子高齢・人口減少社会と老人の反逆」、第51回臨床死生学・老年行動学研究会(201775日)
図7 サードエイジにおける第二の成長

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