今回は、(K0171)からの続きである。
「定年女子」研究のインタビューは、予定の20人に達し、現在、整理しているところである。整理の枠組みとして、「聞いた話の分類と構造」(図添付)を想定した。
インタビューで聞いた話は、「趣味」「仕事」「社会活動」「生活」「健康」「お金」のいずれかに割り当てられる。この6つは、(K0175)の「立体トライアングル・モデル(総合)」に示した6要素に該当する。なお、「基盤」は、「健康」「お金」からなる。
「生活」は、結婚前の「定位家族」、結婚後の「生殖家族」および、影響の大きい要素である「介護」を含む。「介護」には、「親の介護」「夫(妻)の介護」があるが、高齢化に伴い「老々介護」とか「認々介護」(認=認知症)になることもある。家族に障碍者を含む場合は、「障碍者介護」も含む。いずれにせよ、大きな負担になり、無視できない。
「健康」「お金」も大きな要因で無視できないが、ここでは検討の対象にしない。この二つは、ある程度独立して、「定年後の健康」「定年後の家計」というようなテーマで、各々の専門家ら学ぶことをお勧めする。逆に言えば、「定年後の健康」「定年後の家計」ではカバーできない領域をここでは対象としている。
「仕事」をしていた人は、「定年」を境に、人生が激変することが多い。「仕事」は、人生に大きな影響を持ち、それ故、ある日(「定年」)を境に人生が激変するのは当然である。
一方、専業主婦には、定年がない。しかし、「定年のようなもの」がある専業主婦もいる。例えば、非常に負担の多い介護を担っていたが、その相手が死亡した時である。それを境に「人生が激変する」こともある。積極的に言うなら、介護終了をもって「人生を激変させる」チャンスがある。一方、そのような「定年のようなもの」のない専業主婦もいる。
「定年」と「定年のようなもの」を合わせて「定年境」という概念をつくった。
「定年のようなもの」のある専業主婦は、「仕事」をもっていた人と同じように論じることができる。「定年のようなもの」のない主婦は、図において、「現役時代の仕事」「定年境」の幅、言い換えれば、中心の3列がない人と位置づけできる。すなわち彼女たちのことについて、示した図をそのまま使って論じることが出来るが、真ん中の3列の抜けた、ちょっと特殊な人たちだと位置づけられる。
これは何を意味するか。
「仕事をしていた人」と「専業主婦」とを、同じ土俵の上で、統一的に論じることができる。
これは何を意味するか。
「仕事をしていた人」は、「専業主婦」の生き方から学ぶことができ、また逆に「専業主婦」は「仕事をしていた人」の生き方から学ぶことができきる。
これは何を意味するか。
「定年女子」研究によって得られた知見は、定年のない女子にも役立つ。
そして、これは、全ての男子にも役立つ。
いわば、「統一理論」である。
長くなった。続きは次回に書く。
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