前回書いたように、野村浩子『定年が見えてきた女性たちへ』の真似をして、私のインタビューで「妹たちへのメッセージ」を教えていただいた。それらを集めて、ぐるぐる混ぜ合わせた後、似たものを集め整理していった(一人KJ法)。整理する段階で、私の言葉もいれた。
そのため、以下にまとめている内容は、インタビューで聞いたところから始めて、発言者の意図にできるだけ忠実に沿おうとはしたが、加工している。発言そのものとは言えない
また、①②③は、別の人の発言を、一つの項目に含めたものである。明示しなくても、複数人の発言を一つの項目にくくったものもある。
妹たちへのメッセージ(インタビューより作成)
(1) 【老後のイメージ】老後のイメージを持ちましょう。例えば、土曜午後6時『人生の楽園』を見ていると、皆さん、楽しいとおっしゃっています。目指す老後をイメージできるのではないでしょうか。「贅沢をせず、シンプルにしたいことをして、自己実現している」
(2) 【60歳までの到達目標】60歳の時に振返ってよい人生だったなと思えるように生きましょう。よい人生を送れるかどうかは、その人の人生の送り方で決まるのではないでしょうか。60歳の時点で「やりきった感」があればこそ、60歳から自由に、とらわれることなく、生き生きと過ごせるのではないでしょうか
(3) 【準備1】若い時から計画を立てておき、退職したら自由を享受しながら、ゆるやかにゆとりを持ちながら、社会で培われてきた力を使いましょう
(4) 【準備2】40~50代は仕事に没頭してよいが、1年に1回でも2回でもよいから新しいことに触れましょう。定年後の生活を考えて本を読んだり頭で考えたりするのもよいが、素敵だと思う人に会いに行きましょう
(5) 【準備3】定年10~15年前から準備を始めましょう。60歳の手習いもよいが、チャンスがあれば働いているうちに少しでも良いからお稽古事を始めましょう。できるだけ働いている間に趣味を持ち、定年後はその延長線上で趣味を楽しみましょう(「お稽古事」は、自分を高める要素が入っている)
(6) 【友達・仲間】友達をもちましょう。仲間と一緒に何かをしましょう。そのために①「ストレートな自分を出す」「相手を信用する・けなさない・存在を認める」②「相手の気持ちを汲み取る」③楽しく過ごすコツは「はっきり言わない」「嫌な人と付き合わない」「楽な人とつきあう」。友達・仲間により、新しい世界に導かれます
(7) 【やりたいこと1】やりたいことをやることが大切です。我慢すると自分を殺してしまうでしょう。自分の人生、何をしたいかを見極めて楽しみましょう
(8) 【やりたいこと2】「何をしたいか」「何をしたくて、何ができるのか」考えてみましょう。やりたいことが見つかったら、情報はさらに入ってきます。やりたいことに入れ込みましょう。「やってみて」「自分のものにして」「伝えて」いきましょう
(9) 【やりたいこと3】「目立ちたい」「褒められたい」「満たされたい」のはニーズです。価値は「それをしているだけで楽しい」ものです。貴女にとって価値とは何ですか。働いているときに糸口を見つけておけば、定年過ぎに見えやすくなるでしょう。ニーズを追い求めても、満たされないでしょう
(10) 【やりたいこと4】最初やりたいことが見つからないかもしれないが、必ず次につながると信じて、自分で何かに踏み出しましょう。したいと思ったら、どのような取っ掛かりでもよいから突っ込んでみましょう。続けられるものもあれば続けられないものもある。それでよいのです
(11) 【やりたいこと5】キャリアを生かし、深い専門性を追求したい。取り組むなら、講師と呼ばれるレベルまで到達したいものです。その時、格好つけてはいけません。プライドで失敗することもあります
(12) 【やりたいこと6】若い人たちは目の前のことで必死です。時間に余裕が出来たら、アンテナをはって、自分の人格を形成していきたい
(13) 【やりたいこと7】自分を知ることも必要です。やりたいことの探求・実施を通じて、新しい自分を発見できるとよいですね(「私はこういうことをしたかったのだ」とやってみて気づく)。新しい自分を形成できると良いですね(実は、抑えられていた本当の自分を取り戻している)。” discover ”(発見する) = カバーを外す。彷徨いながらも、本当の自分に出会えると良いですね
(14) 【楽しいことが基本】自分が楽しくて人生が楽しいことが大切です。楽しいことは、やれば続けられます。忙しくても、時間はつくれます。本当にやりたいことは、やれます
(15) 【自律】指示待ちはだめです。自分から出ていく能動的な姿勢が大切です。切り開く力が無いと、能力があっても発揮できずもったいない。最終的には自分でジャッジしましょう
(16) 【笑顔】笑顔でいましょう。否定的に考えず、自分の可能性を信じて、明るく前向きにプラス発想すれば、開けていきます。笑顔は、自分にも相手にも、良い影響を与えます
(17) 【社会貢献】①人生の前半は、生活のため、家族を養うため、我慢もしなければならなかった。人生の後半は、楽しみつつ、社会貢献している。②ボランティアしているつもりがされている。エネルギーをいただいている。③社会貢献だけではなく、人生を楽しみましょう
(18) 【介護】介護を楽しみましょう。介護のコツは、周りの人を巻き込むことです。少し余裕ができたので、介護から少し離れて自分のための時間をもてました。そうすると、嫌々介護するのではなく、楽しんで介護することができるようになりました
(19) 【うまくいかない時】①障壁があるのは当たり前。社会と自分との交流を通じて、変えていくべきものは変えていきましょう。周囲の人をいかに説得するかが大切です。②問題を感じて、こうしたいああしたいと思って、できないからといってあきらめずに、心においてください。いつかきっとできて、それは芽吹きます。③今は何もできなくても、現実をちゃんと見ておきましょう
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