私のインタビュー対象者(20人)の中には、「リタイア後に、さらに仕事をする」パターンの人はいなかった。
「定年女子」(岸本裕紀子)では、次のような章立てになっている。
Part1 リタイア後に、さらに仕事をする
Part2 やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす
私の調査で欠落していた分を、上記 Part1 を要約することで補いたい。
(1) 総務省の「労働力調査」によると、…2017年の60~64歳女性の就業率は51.5%【P.16】
(2) 60歳まで働いた人は、さらに働くという道を選ぶことが主流なのである。その理由は三つある【P.17】
① 第一は経済的な理由だ。「働かなくては食べていけない」人はもちろんのこと、「将来おカネがないと不安だから」との声はとても多かった
② 「仕事が好き」で「働くことは面白い」からであり、定年後も「社会に関わっていたい」、また「人の役に立ちたい」など
③ 「とりあえず、やることが見つからないから」。「仕事をしていないと生活のリズムが保てないんです」という人もいた
(3) 再雇用制度を選ばない女性もたくさんいた。自分が所属していた組織からフリーになる決断をしたということだ【P.18】
(4) 定年後に頼りになるのは、ハローワークをはじめとした様々なレベルの行政の支援センターである【P.55】。ただ、気持ちの切り替えが必要だ。
(5) これまでの仕事と同じ条件は難しい。決まりやすい条件【P.56,57】は、
① 事務職はかなり難関であるが、経理の分野は、わりとすぐ採用が決まるそうだ。パソコンは、できて当たり前
② 「残業はできます、土日も働けます」となると、チャンスが広がる。「都市の中心部からはずれる」「駅から20分歩く」勤務地は、可能性が広がる
③ 販売・接客の仕事は経験者が有利である
④ 調理補助、飲食の裏方など立ち仕事は比較的探しやすい
⑤ 保育所の保育補助、葬儀場での顧客対応の仕事などは中高年に向いている
(6) 履歴書【P.57,58】
① 若者の就活の場合より、写真が決め手になる
② テキトーに書いた志望動機は、見抜かれる。若者に欠けているものを持っているとアピール
③ 「年齢数の履歴書を書かないと決まらない」とまでいわれているらしい
(7) 比較的早く決まる人【P.58,59】
① 面接に落ちても、たまたま相性があわなかったとクールに解釈し、次に挑戦する
② やりたい仕事があったら、とりあえず仕事に就いてみる(働きを認められて、短期→長期、契約社員→正社員、ということもある)
③ しばらくゆっくりするのもいいが、仕事をしないブランクは半年間と決め、その間に準備しておく(アンテナを張る、資格を調べる、パソコンをスキルアップするなど)
④ 自分の中で優先順位が整理されている(カネ目的か、やりがい目的か。人に関わりたいか、社会貢献したいか)
(8) その他【P.63-68】
① 「もうすぐ定年、この先も仕事をしたい」とあちこちに宣伝しておく(ハローワーク等を介さずに、取引先や同窓生のつてを頼る)
② 資格をもつ(仕事探しに有利に働くか、どのような仕事に就ける可能性が高いか等検討し、取得する資格を選ぶ)
以下、略
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