2017年11月26日日曜日

(K0209) 「認知症観を転換」する必要性 / 認知症観の転換(1) <脳の健康>


「住み慣れた地域で、生涯自分らしく暮らすために」~ わかろう認知症・理解とそなえ~(第7回神戸市民フォーラム、神戸市地域医療推進協議会主催、2017/11/25)に参加した。
 

「認知症観の転換」という言葉を中西誠司さん(有馬高原病院)から聞いた。谷村忠之さん(認知症の人と家族の会)から聞いた話も組み込んで整理してみる。
 

全体のテーマは、「認知症観の転換」

今回は、「認知症観を転換」する必要性
次回は、「認知症観を転換」しよう

というコンセプトで整理する。
 

「認知症観」としては、

  「認知症は怖い」という認知症観
  「わが事ではない」という認知症観

の二つを取り上げる。

 

「認知症観を転換」する必要性

1. 「認知症は怖い」という認知症観

1.1. 何故、認知症が怖いのか

 認知症から連想する言葉を聞いたら、「物忘れ」「徘徊」「暴力」「被害妄想」「介護者の負担・心理的苦悩」「介護心中」「高齢者虐待」「悪徳商法被害」「交通事故」「ゴミ屋敷」「近隣トラブル」という言葉が出てきた。これでは、認知症を怖がるのは自然である
 

1.1.1. 認知症が怖いと、どういうことが起きて、それが何故、問題なのか

1.1.1.1. 認知症は怖いので近づきたくない

 認知症の該当キャンペーンをしていると、「認知症」という言葉を見たり聞いたりするだけで遠ざかろうとする人が少なくない → 認知症の人は、普通の人たちと穏やかに暮らすことにより、症状が安定したり進行が遅くなったりする。遠ざかろうとされると、認知症の人は傷つき、症状が悪化したり進行したりする

 
1.1.1.2. 認知症が怖いので知りたくない

 「認知症が怖い」「認知症になったら終わりだ」「認知症になったら家族が困る」という意識が強いと、怖くて認知症の診断を受けられなくなる → 認知症はできるだけ早期に発見し、対処することが大切である。特にMCI(軽度認知障害)の段階で発見し治療すれば、元に戻れることもあるし、進行を遅らせることもできる。MCIのままで放置すると、数年後には本格的な認知症になることが多い

 

1.2. 「わが事ではない」という認知症観

1.2.1. 認知症診断を受けようとしない

 「私は認知症にならない」と決めつけて認知症診断を受けないため、発見が遅れ、重度の認知症になってしまう恐れがある。

 
1.2.2. 「お互い様」という意識で、認知症の人と接することができない

 住み慣れた地域の中で、認知症になっても暮らそうとするなら、連帯が必要である。「先になった人を後になる人が支える」という地域を作れない。


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