【 概念としての余生 】現在から平均寿命までを『余生』、健康寿命までを『前期余生』、それ以降を『後期余生』と定義します。若者にはよいが、高齢者に当てはめようとすると矛盾が出てきます。基本概念はこのままにして、次稿で定義を見直します。
健康寿命という考え方があります。
===== 引用はじめ
健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間
健康寿命が「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されているため、平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。2019年において、この差は男性8.73年、女性12.06年でした。
===== 引用おわり
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1160.html
現在から平均寿命(男性:81歳・女性:87歳)までを『余生』、健康寿命(男性:73歳・女性:75歳)までを『前期余生』、それ以降を『後期余生』と定義します。
すると、
前期余生 =「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」
後期余生 =「健康ではない期間」
となります。
30歳男性だと
余生:30歳~81歳、51年間
前期余生:30歳~73歳、43年間
後期余生:73歳~81歳、8年間 (四捨五入による誤差があります)
30歳女性だと
余生:30歳~87歳、57年間
前期余生:30歳~75歳、45年間
後期余生:75歳~87歳、12年間
若者ならこれでよいでしょうが(一般的な意味での「余生」とは違いますが)、高齢者に当てはめようとするとううまくいきません。
例えば、
健康な75歳男性に、「あなたは後期余生です」と言い、
90歳女性に、「あなたはもう死んでいるので、余生はありません」と言うことになります。
基本概念はこのままにするとして、高齢者用には、定義を見直さなければなりません。
次稿では、「本論における余生」を説明します。