2022年2月28日月曜日

(K1716)「 認知症の語り 」(36)

 【 認知症 ・ 語り 】 義姉に舅の介護を協力してもらえず、ストレスがたまり心療内科に通っている。分類:【介護者06】【介護の実際と社会資源の活用】【家族内の介護協力】【舅・姑を介護する】


 義姉に舅の介護を協力してもらえず、ストレスがたまり心療内科に通っている。

 

 義姉が「もうおじいさんの面倒みるの、やだわ」って言うのを聞いて、ほんとにショックで。「自分の親なのに、どうしてそういうこと言えるの」って主人に言ったら、「俺がその分、みるからいいわ」と言ったんです。でも、そんなことできるわけないんですよね。義姉と関係を悪化させたくなかったもんですから、私がすごく我慢しちゃって。もうちょっと深く話し合いをすればよかったんですけど、やらなかったもんですから、「お姉さんの顔も見たくない」っていうような気持ちになってしまったんです。

 心療内科に通うようになったのは、すっごく些細なことでものすごい怒ったり、何かそういうふうで、妹が「そんな怒り方は異常だから、医者に行ってこい」って言ったんです。そのとき妹が主人に、「こういう人が突然白殺したりするから、気をつけてね」っていうようなことを言ってくれたらしくて〔笑〕、それから主人がすごく協力してくれるようになって、だいぶ楽になりましたね。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/resource/kaigo/512.html

動画があります。

 

前回は、

(K1709)「 認知症の語り 」(35)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1709.html

 

<出典>

「認知症の語り(167)」、NPO法人健康と病の語り、ディベックス・ジャパン、日本看護協会出版会

https://www.dipex-j.org/dementia/



2022年2月27日日曜日

(K1715) 介護予防に重要な、社会を渡っていく能力「社会脳」

 【 認知症 ・ 社会脳 】多くの認知症は80歳以上で発症する。促進因子は加齢、遺伝的要因、生活習慣病、鬱病、社会経済的要因が挙げられる。4050代のうちからライフスタイルを意識し、生活習慣病や鬱病にも対応しておくことが重要だ。


 4050代のうちから食事、運動といったライフスタイルを意識し、生活習慣病や鬱病にも対応しておくことが重要だ。知的な活動や社会活動を増やし、脳を鍛えておくこともできる

(1)   運動は早歩きなどの有酸素運動が有効で、歩きながらおしゃべりが続けられなくなる程度の強度にするとよい。さらに筋トレ、バランス運動を組み合わせて行うことが推奨される。

(2)   睡眠も認知症に関係する。最近の論文によると、認知症に最もなりにくい睡眠時間は7時間。さらに1時間以内の昼寝の習慣も、認知機能の低下防止に有効という。 … 

(3)   また「通いの場」を持つと社会交流が増え、社会を渡っていく能力「社会脳」が盛んに働く。記憶力や注意力が刺激され、孤独な感情が癒やされ、仲間の後押しで何かをやり通す力が伸びる。その結果、認知力の向上につながる

(4)   コロナ禍ではビデオ会議システムを用いるのも良いが、高齢者のITリテラシーや機器の問題があり、工夫が必要だ。祖父母が孫や子に語りかけられるような、双方向の機能の導入が重要と考える。

 

<出典>

【タイトル】 介護予防に重要な「社会脳」

【新聞】 産経新聞(2022/02/27) 【100歳時代プロジェクト 日本臨床内科医会WEB講座スポンサードセミナー 「ポストコロナ時代の認知症予防」】

【発信者】 朝田隆(100歳時代プロジェクトの有識者委員、東京医科歯科大学客員教授)



2022年2月25日金曜日

(K1714) 高齢期のマンシン暮らし。引っ越すタイミングが大事です

 【 高齢期 ・ マンション 】戸建て住宅に住む高齢夫婦世帯や、子供やサポートしてくれる人がいない1人暮らしの方の場合は、早めに「マンション生活」も視野に入れて老後の住まい方を検討されてはいかが。引っ越すタイミングが大事。


 高齢者住宅への住み替え相談で多いのは開口一番、「一軒家の維持が大変になってきた。古くなると修理も増えるし、庭の草引きも面倒で」と訴える方です。そして「どのみち子供は帰らないから、売却して老人ホームでマンション暮らしをしたい」と。

 マンション生活に慣れるかどうかは引っ越すタイミングが大事で、80代後半で初めてマンションに引っ越された女性は暮らし方になじめず、すぐに子供さんが老人ホームを探された、ということもありました。

 高齢者向け分譲マンションは、設備は高級有料老人ホーム並みです。ただ、物件を購入するので、利用権の老人ホームとは基本的な仕組みが異なります。それぞれにメリット、デメリットはあるのでそれについては機会を見てお伝えしたいと思います。

 戸建て住宅に住む高齢夫婦世帯や、子供やサポートしてくれる人がいない1人暮らしの方の場合は、早めに「マンション生活」も視野に入れて老後の住まい方を検討されてはいかがでしょうか。

 

<出典>

【タイトル】 高齢期のマンシン暮らし

【新聞】 産経新聞(2022/02/21)  【終の棲家を探して】

【発信者】 「高齢者住宅情報センター」米沢なな子



(K1713) ごみ屋敷(3) 排除でなく適切な支援を

 【 ごみ屋敷 ・ 排除でなく支援 】 ごみ屋敷(ディオゲネス症候群)に対する有効な支援策としては、①〝無意識の求め〟に気付く、②最初に当事者との信頼関係を築くのが大切だ、③心身の健康が危機に陥る前に支援の手を差し伸べてほしい


ごみ屋敷(1) ディオゲネス症候群

ごみ屋敷(2) 都長寿研・井藤佳恵医師が10年調査

ごみ屋敷(3) 排除でなく適切な支援を  ←←←←←

 

【共通の課題】

 ごみ屋敷(ディオゲネス症候群)共通の課題は

①セルフネグレクトによる体調と住環境の衛生の悪化、

②支援を拒絶することによる社会的孤立にある

 

【陥るきっかけ】

 井藤さんが知るごみ屋敷(ディオゲネス症候群)該当者は、

①支援を求める煩わしさ、

②迷惑を掛けたくない気持ち、

③自立しているというプライド、

④人間関係のトラブル

など、ささいなきっかけで容易にそうした状況に陥っていた。

 

【有効な支援策】

①〝無意識の求め〟に気付く

 食べ物を買い込んで腐らせる人は、栄養状態に不安があるのかもしれない。傷にタオルを巻き付けているのは、自分で何とかしたいという表れかもしれない。そうした〝無意識の求め〟に気付き、改善を働き掛けたい

②最初に当事者との信頼関係を築くのが大切だ

 手始めに、体を伸ばして寝られる場所を確保する、トイレや風呂の扉の前を片付けて利用できるようにするなど、基本の暮らしを取り戻すところから始めてはどうか

③心身の健康が危機に陥る前に支援の手を差し伸べてほしい

 

<出典>

【タイトル】 ごみ屋敷 排除より支援を ~ 認知症・歩行困難きっかけに孤立

【新聞】 産経新聞(2022/01/17)

【タイトル】 社会的孤立が要因、求められる心身の継続支援 高齢者宅のごみ屋敷化など近所トラブルにつながる「ディオゲネス症候群」

URL】 https://www.zakzak.co.jp/article/20220207-IFXINRMQLRL2PF55BHAUAYK2NI/

 



2022年2月24日木曜日

(K1712) 再び「老人力」が見直されてもよい / 「 老人力 」(35)

 【 読書 ・ 老人力 】日本でも成金の方たちが意識的にそういう風で、ちょっとでも古くなるとすぐ嫌う。古くなって擦り減ったのは即貧乏と考える。 … 古いのを貧乏と考える点で非常にアメリカ文化だ。とくに戦後の特徴。正しくは明治以降か。


 「使い古したものに、えもいわれぬ味わいが生れる。そうやって物体に味わいをもたらす佗び力、寂び力というのは、物体の老人力なのだった。」「古いが故の快さ、人間でいうとボケ味、つまりダメだけど、ダメな味わいというのの出るところが老人力だ。」というところから話が進んでいる。

 

===== 引用はじめ

 日本でも成金の方たちが意識的にそういう風で、ちょっとでも古くなるとすぐ嫌う。古くなって擦り減ったのは即貧乏と考える。成金には一山当てないとなかなか成れぬものだが、でも成金に憧れる人は多く、日本人一般がそうである。古いのを貧乏と考える点で非常にアメリカ文化だ。とくに戦後の特徴。正しくは明治以降か。

 しかし貧乏問題はもう一度考え直す必要がある。貧乏はたしかにダメだけど、ダメな一方で味わいがある。ということを、しかし主張するのは難しい。みんな貧乏は嫌で、金には目が眩むから。

===== 引用おわり

 

 私は、戦後の消費社会の到来が契機だと思う。戦中の何もない時代が終わり、戦後の復興で、日本は物質的に豊かになった。

 経済を回すことにより豊かになることを経験した。古いものをどんどん捨てて、新しいものを買ってもらわないと、経済は回らない。そして、経済を回すことにより、新しい良いものを安価に手に入れられるようになった。それが消費社会だ。

 

 著者は「古いのを貧乏と考える … 正しくは明治以降か」と言っているが、大正~昭和初期の民藝運動は、著者の言う「老人力」回復の動きだったのではないか。

 

 「民藝運動は、1926(大正15)年に柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動です。当時の工芸界は華美な装飾を施した観賞用の作品が主流でした。そんな中、柳たちは、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美術品に負けない美しさがあると唱え、美は生活の中にあると語りました。」

https://www.nihon-mingeikyoukai.jp/about/#:~:text=%E6%B0%91%E8%97%9D%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AF%E3%80%811926,%E3%81%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%96%87%E5%8C%96%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E3%81%9D%E3%82%93%E3%81%AA%E4%B8%AD%E3%80%81%E6%9F%B3%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF,%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%A8%E8%AA%9E%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

 

 GDO成長が鈍化し、コロナが追い打ちをかけた低成長時代の今日、再び「老人力」が見直されてもよいのではないか。

 

 前回は、

(K1705) アメリカは老人力理解不能の国だと思う / 「 老人力 」(34)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1705.html

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.165 P.166



2022年2月23日水曜日

(K1711) ごみ屋敷(2) 都長寿研・井藤佳恵医師が10年調査

 【 ごみ屋敷 ・ 都長寿研 】東京都健康長寿医療センター研究所「福祉と生活ケア研究チーム」の井藤佳恵研究部長(老年精神医学)は、東京都内で精神科医として訪問、対応した270人の高齢者から、ディオゲネス症候群に該当する人を抽出。


ごみ屋敷(1) ディオゲネス症候群

ごみ屋敷(2) 都長寿研・井藤佳恵医師が10年調査  ←←←←←

ごみ屋敷(3) 排除でなく適切な支援を

 

「福祉と生活ケア研究チーム」の研究

 東京都健康長寿医療センター研究所「福祉と生活ケア研究チーム」の井藤佳恵研究部長(老年精神医学)は、東京都内で精神科医として訪問、対応した270人の高齢者から、ディオゲネス症候群に該当する人を抽出。その特徴を調べた。

 

【ディオゲネス症候群の該当者を判定】

 調査には、乱雑さやたまった物の量、風呂やトイレ、キッチンの清潔さなどを採点し、同症候群の該当者を判定した。該当者は61人。非該当者より

①独身・独居や生活保護受給の率が高く、

③暮らしを支える身内、縁者の不在がうかがえた。

 

【生活の自立度との関係】

 認知症の程度も進んでいて、中等度以上とされた人が54%に達した。59%に歩行機能の低下が、33%に排せつリハビリ用のパンツなどが必要な状態で、生活の自立度は低く、歩行や入浴に介助が必要な人が多かった。

 

【死亡率との関係】

 長期の死亡率には差がなかったが、1年以内では該当者の方が死亡率が高く、早期に支援する重要性と、支援によって改善を図れる可能性が示されたという。

 

<出典>

【タイトル】 ごみ屋敷 排除より支援を ~ 認知症・歩行困難きっかけに孤立

【新聞】 産経新聞(2022/01/17)

【タイトル】 社会的孤立が要因、求められる心身の継続支援 高齢者宅のごみ屋敷化など近所トラブルにつながる「ディオゲネス症候群」

URL】 https://www.zakzak.co.jp/article/20220207-IFXINRMQLRL2PF55BHAUAYK2NI/

添付図は、

https://www.tokyo-np.co.jp/article/151337



2022年2月21日月曜日

(K1710) 令和4(2022)年 2月中旬 個人Blog リスト

 【 個人Blog ・ 旬報 】 令和4(2022)年2月11~2月20日 個人Blogリスト


(2562) 令和4(2022)年 2月上旬 の 組織Blog リスト

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2562.html

 

(2563) 『日蓮の手紙』(2-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2563.html

 

(2564) 「安心感」が柔軟な行動のカギ(2)お母さんの二つの働き

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2564.html

 

(2565) 『日蓮の手紙』(2-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2565.html

 

(2566)拡大自殺(4) 一人で死ねず他人を道連れにしようとする

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2566.html

 

(2567) 「安心感」が柔軟な行動のカギ(3) 仕組みは安心感にある

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2567.html

 

(2568)藤井五冠 富士山に例えると「森林限界手前、上はまだまだ」

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2568.html

 

(2569)拡大自殺(5) 犯罪心理学 ~ 無差別大量殺人の要因

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2569.html

 

(2570) サル団子が気になる(1/2) 新聞記事に書いてあること

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2570.html

 

(2571) 『日蓮の手紙』(3-1) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2571.html

 

(2572) サル団子が気になる(2/2) 新聞記事に書いていないこと

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2572.html

 

(2573) 4位で準決勝に進んだ私たちの最大のアドバンテージ

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2573.html

 

(2574) 『日蓮の手紙』(3-2) / 100de名著

http://kagayaki56.blogspot.com/2022/02/2574.html

 

なお、前回の紹介は、

(K1697) 令和4(2022)年 2月上旬 個人Blog リスト

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1697.html



2022年2月20日日曜日

(K1709)「 認知症の語り 」(35)

 【 認知症 ・ 語り 】 父には当分お迎えは来ないと思い詰め、ガス栓をひねった。我に返り、あわてて止め、一晩泣いて覚悟ができた。分類: 【介護者30】【介護者になるということ】【介護者の心の葛藤】【介護うつ】


 父には当分お迎えは来ないと思い詰め、ガス栓をひねった。我に返り、あわてて止め、一晩泣いて覚悟ができた。

 

 あの―、ガス()ひねったんですよね、私。「みんな死なないんだったら、もういいよ。私が連れてってあげる。まとめて死んでしまったら楽になる」ってすごく思った。で、ひねったんですけど、ひねった瞬間にうちの犬が「ワン」つて吠えてこっちに来て、「あつ」と思って、「いや、まずい、まずい」と、あわてて(ガスを)止めたんです。

 私と母は、ワアワア泣いた。 … ちょうどお互い出せる機会ができたのが、今思えば、すごくよかったな、とも思っています。それを出したことで、「よし、そうならないように、お互い頑張ろう」っていうような、新たな覚悟ができた、っていう状況だったんですよね。  

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/to-be-carer/kattou/681.html

動画があります。

ホームページでの分類は、【認知症の人を支える家族】【家族の心の葛藤~介護うつ、虐待にならないために】

 

前回は、

(K1702)「 認知症の語り 」(34)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1702.html

 

<出典>

「認知症の語り(139)」、NPO法人健康と病の語り、ディベックス・ジャパン、日本看護協会出版会

https://www.dipex-j.org/dementia/



(K1708) Z世代が社会を変える(15)Z世代(5) 古井康介(26)

 【 Z世代 ・ LINE 】幼いころからスマホに触れてるぼくらの世代は、LINE(ライン)を使って恋をしてる。昔は公衆電話で十円玉を使って好きな人と電話をしてた。発信の仕方を今の時代にあった形にする手伝いをしたい。


 政治専門広告会社社長  古井康介(26)

 政治専門の広告会社「POTET MeDia」の社長。政治家の考えや行政サービスの情報を動画やホームページなどを使ってより分かりやすく伝える。

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/01/k1679.html

 

 三つのポイント

(1)     政治の世界の人が発信したいものを若者に届ける

(2)     制度を知っているかしらないが運命が変わる

(3)     税金は、強制徴収されるサブスクリプションのようなもの

 

【展開】

(1)     政治の世界の人が発信したいものを若者に届ける

 地方議員のなかには、ホームページやSNSを使っていない人も少なくない。それは「ネットで情報を取ってる人からみると、いないのと一緒」と手厳しい。

 

(2)     制度を知っているかしらないが運命が変わる

 たまたま、奨学金募集の張り紙が目に入った。「初めて奨学金の存在を知った。これで大学行けるぞととてもうれしかった」。同時に、制度を知っているか知らないかで運命が変わってしまうことに理不尽さも感じた。

 

(3)     税金は、強制徴収されるサブスクリプションのようなもの

 市民と行政の関係について、定額制サービスに例える。お金を払うだけでなく、しっかりとサービスを利用することで、中身の良い点も改善点も見えてくるからだ。

 

<出典>

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/01/k1679.html

参照





2022年2月19日土曜日

(K1707) ごみ屋敷(1) ディオゲネス症候群

 【 ごみ屋敷 ・ ディオゲネス症候群】「ごみ屋敷」は、精神医学でいう「ディオゲネス症候群」に当たり「誰もがなり得る状態で、地域から排除するのではなく、該当者を継続的に支援して、心身を壊す前に解決を図りたい」としている。


ごみ屋敷(1) ディオゲネス症候群  ←←←←←

ごみ屋敷(2) 都長寿研・井藤佳恵医師が10年調査

ごみ屋敷(3) 排除でなく適切な支援を

 

 高齢者が住まいに物をため込む状況は「ごみ屋敷」などと呼ばれ、近所とのトラブルの原因にもなる。しかし、東京都健康長寿医療センターの最新の研究では、該当者が認知症や足腰の弱りなどの不調をきっかけに、社会的に孤立している実態が明らかになった。精神医学でいう「ディオゲネス症候群」に当たり「誰もがなり得る状態で、地域から排除するのではなく、該当者を継続的に支援して、心身を壊す前に解決を図りたい」としている。

 ディオゲネス症候群は1960年代に英国から初めて報告があった状態で、その後、たるの中に住んでいたとされるギリシャの哲学者、ディオゲネスにちなんで名付けられた。高齢者が住環境や身なりなどの衛生に無頓着になり、援助の申し出も拒否する状態を指す。

 定義については長年の議論があるが、自分の面倒を見なくなる「セルフネグレクト」の一例と指摘される。

 

<出典>

【タイトル】 ごみ屋敷 排除より支援を ~ 認知症・歩行困難きっかけに孤立

【新聞】 産経新聞(2022/01/17)

【タイトル】 社会的孤立が要因、求められる心身の継続支援 高齢者宅のごみ屋敷化など近所トラブルにつながる「ディオゲネス症候群」

URL】 https://www.zakzak.co.jp/article/20220207-IFXINRMQLRL2PF55BHAUAYK2NI/

添付図は、

https://ja.sainte-anastasie.org/articles/psicologa-clnica/sndrome-de-digenes-causas-sntomas-y-tratamiento.html



2022年2月17日木曜日

(K1706) Z世代が社会を変える(14)Z世代(4) 加藤路瑛(15)

 【 Z世代 ・ やりたいという思い 】「働きたい」。4歳のときには周囲にそう話していた。中学に入って間もなく、小学生の起業家が考案したカードゲームと出会った。父親に「自分の困りごとを解決したら」と言われたことが転機となった。


  12歳で会社設立  加藤路瑛(15)

 クラウドファンディングで資金を集め、12歳で「クリスタルロード」を設立した

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/01/k1679.html

 

 三つのポイント

(1)     「働きたい」。4歳のときには周囲にそう話していた

(2)     クラウドファンディングで資金を集め、12歳で会社設立

(3)     今をあきらめなくていい社会をつくる

 

【展開】

(1)     「働きたい」。4歳のときには周囲にそう話していた

 中学に入って間もなく、母親に買ってもらった元素記号のカードゲーム。パッケージの帯に書かれた言葉に目を奪われた。小学生の起業家が考案したとあった。

 担任教諭に話すと、事業計画書を出すよう言われた。母親に協力してもらいながらネットで書き方を調べ、「初めて何がしたいかを考えた」という。

 

(2)     クラウドファンディングで資金を集め、12歳で会社設立

 その後、クラウドファンディングで資金を集め、平成3012月に「クリスタルロード」を設立して社長になった。社名は自身の名前の英訳″で、誰もが今をあきらめず、光差す道を歩いてほしいとの願いを込めた。15歳未満は法人代表になれないため、代表取締役には暫定的に母親が就いた。

 だが順風満帆とはいかなかった。 … 他の事業も思うようにいかない。

 

(3)     今をあきらめなくていい社会をつくる

 そんなとき、父親に「自分の困りごとを解決したら」と言われたことが転機となった。味覚過敏が強く食べられる物が少ない。触覚過敏のため着られる服が少ない。聴覚過敏で人混みの喧騒がつらい。でも本当は、食べてみたい物や行きたい場所がある。「僕自身が今を諦めていると気づいた」

 「せんすマスク」は、感覚過敏の当事者らからオンラインで意見を募って考案した。成田国際空港での配布用として購入されるなど、約7000本を販売した。こ今年2月には、衣服の痛みや不快感を解消するアパレルプランド「KANKAKUFACTORY」を立ち上げる予定だ。

 やりたいという思いが、15歳の企業家を突き動かしている。

 

4/15歳の起業家・加藤路瑛の転機(17日)

https://www.sankei.com/article/20220107-5RM6AUKHIFO4ZGLHSTT34W5DBY/



2022年2月16日水曜日

(K1705) アメリカは老人力理解不能の国だと思う / 「 老人力 」(34)

 【 読書 ・ 老人力 】アメリカは老人力理解不能の国だと思う。アメリカ人のペン軸というのは擦り減らないんじゃないか。すぐ失くしたり、すぐ壊したり、あるいはすぐ捨てちゃったりして、長年の間に擦り減るというイトマはないんじゃないか。


 侘び、寂びが日本固有の文化であるように、老人力も日本固有の文化で、アメリカ人には分かりづらそうだ。

 

===== 引用はじめ

 いや差別するわけじゃないが、アメリカは老人力理解不能の国だと思う。若さとパワーだけを頼りに全員ライフルを手にしてひたすら前のめりの一つ覚えでやってきた国だから、日本人にいきなり、

「老人力」

といわれても、え? といって、きょとんとした顔しか出来ず、とりあえずライフルを空に向けて一発ぶっ放すだろう。

 アメリカ人の使うシャープペンシルでも指の当たるところは擦り減る。でもその擦り減った曲面がどうのなんて、考えない。

 いや、そうじゃなくて、アメリカ人のペン軸というのは擦り減らないんじゃないか。すぐ失くしたり、すぐ壊したり、あるいはすぐ捨てちゃったりして、長年の間に擦り減るというイトマはないんじゃないか。

===== 引用おわり

 

 ただ、日本もアメリカナイズされてきている。日本からも「老人力」が消えてなくなるかもしれない。

 

前回は、

(K1698) 古くなれば老人力、というわけではない / 「 老人力 」(33)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1698.html

 

<出典>

赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.164



2022年2月15日火曜日

(K1704)「賃貸」という選択 ~ 高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)

 【 賃貸 ・高優賃】高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)は、平成13年に、高齢者を拒まないバリアフリー化された賃貸住宅として制定された。緊急通報装置もあり、20年間は収入に応じて家賃補助もある。現在はサ高住に移行している。


 

1.  経緯

老朽化に伴いマンションを建て替えることになった。建て替えたマンションに再度住むか、売却して退去するかの選択があり、後者を選んだ

預貯金とマンションの売却金を合わせて新たにマンションを購入しようかと考えていたところ、長男が今後の生活費を計算し、賃貸住宅に住んだ方が良いという結論が出た

たまたま散歩中に「高齢者向け優良賃貸住宅」を見つけた

 

2.  高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)

平成13年に民間活力を利用して、高齢者を拒まないバリアフリー化された賃貸住宅として制定された

緊急通報装置もあり、20年間は収入に応じて家賃補助もある

現在は全国に約33000件登録されているが、高優賃は平成23年から登録が始まった「サービス付き高齢者向け住宅」へ移行した

 

3.  結果

60.96平方メートルの南向き2LDKに家賃補助を受けながら9500円を払っている

水の使用歴で安否確認できるセンサーが付いており、トイレもかなり広め

「うまい具合に空いていてラッキーでした。終の棲家の選択肢として満足しています。100歳までは資金も続くかな()」。

 

<出典>

【タイトル】 「賃貸」という選択

【新聞】 産経新聞(2022/01/17) 【終の棲家を探して】

【発信者】 「高齢者住宅情報センター」米沢なな子



2022年2月14日月曜日

(K1703) Z世代が社会を変える(13) Z世代(3) 塗野直透(21)

 【 Z世代 ・ ダサい 】「大量生産大量消費はセンスがない、『ダサい』という感覚が僕らの世代にはある」。そんな若者たちの感覚を、アンケートに基づいたデータや、ときには率直な言葉にして企業の担当者に伝える。


 ラントレ社長  塗野直透(21)

 企業向けにSDGs(持続可能な開発目標)やCSR(企業の社会的責任)事業のサポートを行う「ラントレ」の社長

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/01/k1679.html

 

 スウェーデンの環境活動家であるグレタさん2003年生:Z世代)発言に、私は違和感を覚える。小さいときから「地球温暖化はいけないことだ」と当然のように育ってきた世代は、発想から違っているように思う。

 

 三つのポイント

(1)     SDGsやCSR事業のサポートを行う

(2)     建前だけなら逆効果

(3)     エシカルな考え方

 

【展開】

(1)     SDGsやCSR事業のサポートを行う

 近畿大経営学部の3年生ながら、企業向けにSDGs(持続可能な開発目標)CSR(企業の社会的責任)事業のサポートを行う「ラントレ」の社長を務める。

 多くの情報や意見に触れて育ち、環境や人権に高い意識を持つ彼らならではの感覚を「商品」にして起業した。

 「大量生産大量消費はセンスがない、『ダサい』という感覚が僕らの世代にはある」。そんな若者たちの感覚を、アンケートに基づいたデータや、ときには率直な言葉にして企業の担当者に伝える。

 

(2)     建前だけなら逆効果

 「大事なのはどんな社会課題をどうやって解決したいかというビジョン。それがないと今の若者には見透かされる」と塗野さんは言い切る。

 子供のころから地球環境や多様性の問題に触れ、SNS(会員制交流サイト)を通じて意見を交わしあうZ世代にとって、建前だけの社会貢献アピールは逆効果。「『やらないといけない』じゃなくて、『やってたらかっこいい』からする。そういう自然体なもの」なのだという。

 

(3)     エシカルな考え方

 大学のプログラムの一環でカンボジアを訪れた。「路上で物乞いしている小さな子供の姿が昔の寂しかった自分と重なった」。つらい思いをする人を減らす助けができる仕事は何かと考え、行きついたのが「エシカル」だった。

 英語で「倫理的な」という意味があり、法律などのしばりがなくても多くの人が正しいと思っていることを指す。

 「供給側の企業をサポートすればエシカルな考え方をもっと広められる」と思い立ち、20歳の誕生日から約2週間後の令和28月にラントレを設立した。

 

3/大量消費「ダサい」 学生社長の解決ビジョン

https://www.sankei.com/article/20220104-OYFE67QU2RJENISDV2Q72YLJOQ/



(K1702)「 認知症の語り 」(34)

 【 認知症 ・ 語り 】抗認知症薬を4種類試したがどれも歩行障害が生じて転んでしまう。薬を抜いたらよくなった。分類: 【介護者33】【認知症の治療】【薬物療法】【薬の副作用】


 抗認知症薬を4種類試したがどれも歩行障害が生じて転んでしまう。薬を抜いたらよくなった

 

 アリセプトにしても、メマリーにしても、リバスタッチっていう貼り薬、それとレミニールとか、4種類くらい試したんですけど、全部、歩行障害につながって、…

 量を減らすことをやってみて、最終的に思いきって薬を抜いたら、よみがえってきた、って感じです。もちろん、視覚の感覚がずれて、いすに座り損なったり色々あるんですけど、そういったことも含めて、今はちょっと落ち着きかけてきたかな。

 お薬だけに依存することをはじめから求めてなかったので、介護のできる分野で、お薬以外の、認知症によいといわれる米ぬか活性化療法とか、玄米療法とか、サプリメントをわが家では取り入れることで、症状は落ち着ぃている、っていう現実があるんです。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/diagnosis/kusuri/365.html

動画があります。

 

前回は、

(K1695)「 認知症の語り 」(33)

http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1695.html

 

<出典>

「認知症の語り(48)」、NPO法人健康と病の語り、ディベックス・ジャパン、日本看護協会出版会

https://www.dipex-j.org/dementia/



2022年2月13日日曜日

(K1701) 五感 満足させるケアを。医療はほんの少しお役に立てる

 【 医療 ・ 五感 】「医療だけが『なんとかする方法』ではない」。医療はほんの少しお役に立てる程度で、この方のよい時間を作っているのは五感を満足させるケアなのだということをご家族に理解していだけるようになりました。


 お医者さんというと、注射を打ってくれたり、薬をくれたり、点滴をしてくれたりする、というイメージがある。それが「医療」だと思っていた。しかし、このお医者さんは、来るたびに点滴を減らしていく。

 

===== 引用はじめ

 退院後2週目に入り、「食べたい」というお気持ちがなくなってきました。点滴量を下げていくと、それによって全身倦怠感も改善し、ご自身で「のどが渇いた」と400ミリリットル程度飲まれるようになったようです。3週目には、点滴量を減らしていくと、食欲がもどり、ペースト状のものを食べているということでした。

===== 引用おわり

 

 「医療とは何か」というところから、違っているようだ。

 

===== 引用はじめ

 「医療だけが『なんとかする方法』ではない」ということを繰り返しお話しし、医療はほんの少しお役に立てる程度で、この方のよい時間を作っているのは五感を満足させるケアなのだ

===== 引用おわり

 

 終末期は、「医療で病気を治す」のではなく、「五感を満足させるケアによって、その人にとってよい時間を作る」ことが大切のようだ。

 医療でできることには、限界がある。医療は「ほんの少しお役に立てる程度」しかできないこともある。しかし、「よい時間を作る」ことに主眼をおけば、医療の役割が明確になり、限界はあるものの役立つものになっていく。

 

===== 引用はじめ

 しかし、体調は安定してみえても、徐々に眠る時間が多くなり、全く食べられない日も出てきました。

===== 引用おわり

 

<出典>

【タイトル】 五感 満足させるケアを

【新聞】 産経新聞(2022/01/29) 【在宅善哉】

【発信者】 尾崎容子