2019年8月31日土曜日

(K0853) 「家にこもりがちな男性が外で楽しむためには?」 / 『男のサロン』 <定年後>

 
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『男のサロン』の参加者は、当然のことながら男ばかりです。狭い部屋に男22人がぎゅうぎゅう詰めでした。話題提供者が毎回変わる、興味深い10回シリーズです。その6回目に担当させていただきました
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 すまコミュニティビジネス大学 企画発表会で発表した内容(このブログでも11回にわたり紹介してきた)を、昨日(8/30)、生きがい活動ステーションの『男のサロン』(添付図参照)で紹介しました。
 参加者は22人。短い時間でしたが、情報交換・意見交換できました。
 
 例えば、私が「退職により空白が生じ、空白を埋めないと己がなくなる」として、空白を埋めるもの(「仕事」「ボランティア」「自分のための時間」)を見つけ出すことが大切だと強調したのに対し、「そうではあっても、空白も大切だ」という意見がありました。
 確かにその通りで、現役時代は時間に追われ空白がなかったが、退職すると空白を作り出すことができ、それを楽しむという「至福の時間」をもてるようになります。折角退職して空白を満喫できるようになったのに、勿体ないではないかということです。
 どちらも正しいと思います。私は「空白だらけの人」に対して空白を埋めなさいと言い、その方は「(退職しても)仕事だらけの人(予定表にぎっしりと予定を書き込んでいる人)」に対して空白を楽しみなさいと言っています。言う相手が変わると、その人が改善すべき時間の使い方、改善の方向が真逆になります。
 
 様々なキャリアの人が集まり、その分、異なった視点からの意見が出やすい集まりでした。



2019年8月30日金曜日

(K0852) 『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(3) / アンドリュース・スコット氏(5) <人生設計>

 
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終身雇用の時代には、置かれた場でどう頑張るかが重要だったが、今重要なのは、どういう場(ステージ)に自分を置くかである。今まで「就職」とよばれていたものは実は「就社」だった。生き方が多様になっていく
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1.   100年ライフ
  (K0841)で既に書きました

2.   見えない資産
  (K0846)で既に書きました

 
3.   新しいステージ

3.1.  若々しさを加速させる「選択肢の多様化」

 マルチステージの人生では、どのステージをどの順番で経験するかという選択肢が多様になる。 … 同時に、どの世代においても「若さと柔軟性」、「遊びと即興」、「未知の活動に対する前向きな姿勢」が重要な意味を持つことになる。
 

3.2.  新しい3つのステージの出現

 一ヶ所に腰を落ち着けることなく身軽に探検と旅を続け幅広い針路を検討する「エクスプローラー(探検者)」。組織に属さずに自由と柔軟性を重視して小さなビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー」。異なる種類の仕事や活動に同時並行で携わる「ポートフォリオ・ワーカー」
 

3.3.  移行期間と社会制度の変化

 今後は、ステージ間の移行回数が増えていくため、移行期間に向けた事前の準備が欠かせない。移行期間中は、主に活力資産と生産性資産への投資が行われる … 企業の人事制度や、教育や労働、結婚といった社会制度も変化を強いられることになるだろう。
 

<出典>
10分で読める『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』
https://type.jp/tensyoku-knowhow/skill-up/book-summary/vol6/


2019年8月29日木曜日

(K0851) 「老衰死」より「天命を全うする」 <臨死期>

 
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「天寿を全うする」という言葉があるが、私は「天命を全うする」が良い。ここで「天命」は、「天から人間に与えられた、一生をかけてやり遂げなければならない命令」のこと。天命をやりお終えてから死にたい
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 「老衰死」は身体のことで、生物としての死。人の死は、それだけではないだろう。自分がなすべきことをし終えるまで、それが達成できるよう健康を維持し、衰える身体を騙し騙ししながらでも生き長らえ、「もうこれ以上頑張れない」ところまで生き抜きたい。「老衰死」には、それまで待っていただく。どこかで「もういいかな」と思ったら、死をのんびりと迎えたい。
 
 「天寿を全うする」の天寿は、天が決めたものとするのが一般的のようだが、私は「天命を全うする」ために、それ(天寿:定められた寿命)に抗いたい。
 

以下、御参考まで。:  似ているが違う概念

===== 引用はじめ
 天寿と大往生
 人として生を受けたからには、できれば90歳以上になって、「天寿を全うして」「眠るがごとく静かに息を引き取りたい」と思う。これがままならないのが人生というものであろうか。
 「天寿」「大往生」という言葉を、国語辞典などによるといろいろな説明をしているが「天寿は、天から授けられた寿命」、「大往生は、苦しむこともなく安らかに息を引き取る」ことに集約できる。
===== 引用おわり
http://y-hamada.hatenablog.com/entry/20181018/1539874091
 
 似た内容ですが、もう一つ。
 
===== 引用はじめ 
(天寿)
 「天寿」とは、天から授けられた寿命。天年。定命。・・・とあります。
 ここでいう「天年」は「天寿と同義」であり、「定命」は「平均寿命」です。つまり、天寿とは、「天から与えられた命の長さ」 や 「平均寿命」となります。
 注意すべきは「天から与えられた命の長さ」または「平均寿命」のどちらか一方だけでも「天寿」と使える点です。そのため、必ずしも平均寿命を超えている必要はありません。
 ただし「天寿を全うする」と言えるのは、事故や災難などの不運や不幸などでない場合・・・という条件がつくようです。
(大往生)
 これに対して「大往生」は辞書によれば、「少しの苦しみもなく安らかに死ぬこと」「また、りっぱな死に方であること」・・・言う意味です。よって、本来の意味からすれば、「大往生」も生きた長さとは関係ないことになります。
===== 引用おわり 
https://おすすめの.com/archives/1319

2019年8月28日水曜日

(K0850)  望ましい死に方としての「老衰死」 <臨死期>

 
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健康寿命を長くしたいが、急死はしたくない。「老衰死」が良い。最後は人のご厄介になるが、元気なうちに前払いしておけばよい(人助けをしておく)。余計な延命処置をしなければ、それほど長くなることはなかろう
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 「ピンピンコロリ」願望が根強いようだ。「ピンピン」は良いが、「コロリ」は急死であり、周囲の人に「さようなら」と挨拶できないし、自分のやりたいことも中途半端で放り出すことになり、嫌だ。では、何が良いかと言うと「老衰死」が良い。
 
 老衰死とは「他の病気がなくて、加齢が原因での死亡」である。厚労省の『死亡診断書記入マニュアル』では「高齢者で他の記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用います」とされている。
 
 老衰死できる可能性が高まった。添付図によれば、死因として「悪性新生物(腫瘍)」の1位と「心疾患(高血圧性を除く)」の2位は揺るがないが、「脳血管疾患」「肺炎」「老衰」が混戦になっている。勢いから見て、今後は「老衰」の3位も揺るがないものになっていくだろう。
 
 健康に気をつけ、怪我しないよう、事故に遭わないようにして、「老衰死」より早く死なないよう努める。余計な延命処置をして「老衰死」より長く生きるのは、遠慮したい。
 

<出典>
赤丸急上昇中の「老衰死」 / 望ましい死に方
Dr仲野の私家版養生訓】 産経新聞(2019/08/06)
 
日本の三大死因、最新順位(2019年版)
https://womanslabo.com/news-20170405-1

2019年8月27日火曜日

(K0849)  すまコミュニティビジネス大学(9) 対象者数の推定(神戸市) <定年後>

 
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「家に閉じこもりがちな男性が外出する習慣をつけるサポート」というコミュニティビジネスを検討している。その事業対象者は、神戸市内で約6,000人いると推定した。対象母数は14万人で4.1%に該当する
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 上に示した約6,000人は、「日常生活で外出することのほとんどない」神戸市在住の60代男性の推定値です(計算根拠は、添付図を参照してください)。正確な事業対象者は、この数字から「要介護等の認定を受け外出困難な人」を減算し、「70歳以上で、介護保険非該当(外出可能と思われる)」を加算しなければなりませんが、おおざっぱな数字としては約6,000人でよいかと思います。なお、男性のみを対象として対象者を計算しています。ビジネスシステムは男女関係ありませので、女性も利用できます。
 
 一方、介護保険非該当男性高齢者(第1号被保険者)は、神戸市に14万人程度いると推定しました(計算根拠は、添付図を参照してください)。この数は「外出可能と思われる65歳以上の男性の数」に相当します。この約4%が「家に閉じこもりがちな男性」ということになります。
 

 事業対象者は少なくないのですが、固有の難しさがあります。先ず、家に閉じこもりがちなので会える機会がなく、だから誘う機会がありません。更に、家から出ることに抵抗感のある人が、自ら家を出ようとするか、本質的な問題があります。
 
 ただ「家に閉じこもっていてはいけない」という意識があれば、チャンスはあると思います。そして第三者、例えば妻や友人も一緒に働きかければ、チャンスは広がると思います。

2019年8月26日月曜日

(K0848)  意思表示の後に訪れるもの <臨死期>

 
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ご本人が最期にどのような気持ちで旅立っていったかも大切だが、最期までお世話をしてきた人たちが見送ったあと、別れの寂しさだけでなく、安堵の気持ちで安らかに振り返ることができるのは、素晴らしいことだ
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 (K0845)からの続き。願いむなしく、その方は入院2日後に帰らぬ人となりました。
 
 病院から入院後の経過を知らせる手紙が届きました。そこには以下のように記されていました。
===== 引用はじめ
 CTでみるとおそらく胃がんがあり、通過障害をきたしていました。吐物により誤嚥性肺炎を起こしていました。
 入院時本人は意思疎通可能な状態であり、『悪性腫瘍であっても検査や治療は希望しない、苦痛を取るために胃の減圧チューブと輸血は希望する、緩和的な対応のみ希望』としっかり意思表示されました。
 貴院からの紹介状のご様子とも一貫しており、本人に意思決定能力があると判断し、緩和的治療と肺炎治療を行いました。
===== 引用おわり
 
 本人がしっかり意思表示でき、病院の主治医も真摯な姿勢で診療してくれました。
 

 訪問看護師に情報提供書を見せて、この方らしい最期を過ごせたことをともに喜びました。
 
 ヘルパーさんも伝えました。最期がご本人の望んだものになったことに安堵していました。
 
「これこそが本当の地域連携、病院連携であると感動しました」(尾崎医師)
 

<出典>
軽やかに人生をしまうには
【在宅善哉・尾崎容子】 産経新聞(2019/08/17)

2019年8月25日日曜日

(K0847)  すまコミュニティビジネス大学(8) ”定年離婚”予備軍になっていない? <定年後>

 
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以前に「熟年離婚」が話題になりましたが、最近はあまり取り上げなくなりました。無くなったからではなく、当たり前になって話題性がなくなったからです。定年になって、前触れなくいきなり離婚を申し渡されます
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「年金分割」熟年離婚は99%やめたほうがいい
「嫌な夫」でも「仮面夫婦」のほうがまだマシだ

===== 引用はじめ
 「離婚しても、夫の年金を分けてもらえば生活はなんとかなる……」
 数年前にブームになった「熟年離婚」という言葉も、今やだいぶ定着してきました。専業主婦でも年金を分割してもらえば、「嫌な夫とは別れて、ハッピーな老後が送れる」というイメージで語られる場面をよく見聞きします。
 このように虎視眈々と離婚を狙っている主婦の方がいたとしたら、それはちょっと危険です。確かに、公的年金は分割が可能ですが、それで将来の生活が成り立つかどうか、かなり微妙だからです。妻に年金を分けることになる夫へのダメージも大きく、熟年離婚で双方ともに貧乏まっしぐらとなりかねないのです。それは、子どもにとっても無関係ではありません。
===== 引用おわり
https://toyokeizai.net/articles/-/242830
 


 夫から切り出す熟年離婚が目立つようになった

===== 引用はじめ
 ひと口に「熟年離婚」と言っても、実はひと昔前と比べ、その形態に変化が生じているのをご存じだろうか。10年前までは、「熟年離婚=妻から夫へ切り出すもの」というケースがほとんどだったが、ここ数年で夫から妻に三行半を突き付ける形の熟年離婚が目立つようになってきているのだ。
 夫から妻に熟年離婚を切り出す場合、おもな理由は次の3つ。「夫の浮気」「夢の実現化」「妻への不満」――夫から妻へ離婚を切り出すケースの多くが、この3つのうちのいずれかに該当している。
===== 引用おわり
https://president.jp/articles/-/28345

2019年8月24日土曜日

(K0846) 『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(2) / アンドリュース・スコット氏(4) <人生設計>

 
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100年以上生きる時代に重要性を増す資産とは何か。「有形の資産(お金)」と「無形の資産」のバランスをとり、相乗効果をねらう必要がある。「無形の資産」として「生産性資産」「活力資産」「変身資産」がある
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1.   100年ライフ

  (K0841)で既に書きました
 

2.   見えない資産

2.1.  有形、無形の資産のバランスをとる
 ここからは、お金に換算できない「無形の資産」に光を当てていく。 … 100年ライフを過ごすうえでは、両方の資産のバランスをとり、相乗効果をねらう必要がある。長寿化の観点から重要とされる「見えない資産」は、生産性資産、活力資産、変身資産の3つに分類できる。

2.2.  生産性資産
 生産性資産とは、生産性や所得、キャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産を指す。わかりやすい例は、長年かけて培ってきたスキルや知識である。 … また、仲間の存在も生産性資産の一端を担う。 … 評判も生産性向上に寄与してくれる。

2.3.  活力資産
 活力資産とは、人に幸福感をもたらし、やる気をかき立てる資産を指す。具体的には、肉体的・精神的健康や、友人や家族との良好な関係などである。 … また、ストレスを引き起こす要因をうまく管理することも大事だ。 … そのほか、 …深く結びついた親しい友人たちとの関係

2.4.  変身資産
 変身資産とは、人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意思と能力のことである。次の3つの要素が必要となる。 … 「自分について良く知っていること」「多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること」「新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていること」


3.   新しいステージ

  後に書きます
 

<出典>
10分で読める『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』
https://type.jp/tensyoku-knowhow/skill-up/book-summary/vol6/

 


(K0845)  在宅医療を可能にするもの <臨死期>

 
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この事例では、最期に在宅を可能とするのは、(1)本人の強い意志、(2)本人の意思を尊重して在宅を実現しようとサポートする人たち、(3)痛みのコントロール。単に「最期は在宅で」と言うだけでは実現しない
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 心臓がゆっくり動く、いつ心臓が止まっても不思議ではない90歳代の独居の女性

===== 引用はじめ    段落変更
 … 食道や胃に悪いもの、がんなどができているのではないかと思い検査を勧めたのですが、拒否されました。しっかりと判断されての拒否ですから無理強いはできませんでした。

 ある日訪問に行くと、その方は室内で倒れていらっしゃいました。出性の吐物がありました。がんからの出血でしょう、呼び起こすと意識はありましたが、 … ベッドまで連れて行くことができました。
 さてどうすると、ご本人に聞くと「病院に行きたくない」とのこと。このまま在宅でみていこうという私。でも「しんどい」と言い続ける本人。ここでみるのは無理だという看護師。「本人が行きたくないというなら病院に行くのはいいよ。でも私たちがみきれないから病院に連れて行くのはあかん」と言いました。
 そして、苦痛をとるべく、医療用麻薬を使おうと思いましたが、「この人、がんだろうと思うけど、がんの病名がついていない。医療用麻薬が使えない」と気づきました。
 苦痛を取る薬が使えない状況で在宅での療養を続けるのは単に苦痛を放置しているだけになってしまいます。 … がんであることを診断してもらうために病院に行き、そのあとまた在宅復帰し、医療用麻酔が使える状態になれば在宅でもみていけるのではないかと考え、救急搬送しました。
===== 引用おわり
 


<出典>
救急搬送、そして在宅復帰へ
【在宅善哉・尾崎容子】 産経新聞(2019/08/16)

2019年8月23日金曜日

(K0844)  個人Blog 8月中旬リスト <サイト紹介>

 
● 個人Blog 8月中旬リスト
 


(1692)  大船渡の佐々木朗希投手が登板を回避(3) 目標と目的
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1692-3.html
 
(1693)  日本の歴史教育が変わる
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1693.html
 
(1694)  日本を発信(2)  At the Crossroads: Can South Korea Survive Without Japan?
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1694-2-at-crossroads-can-south-korea.html
 
(1695)  映画『東京裁判』
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1695.html
 
(1696)  ロジェ・カイヨワ『戦争論』(3-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1696-3-1100de.html
 
(1697)  韓国不買運動(扇動されている)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1697.html
 
(1698)  ロジェ・カイヨワ『戦争論』(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1698-3-2100de.html
 
(1699)  韓国と北朝鮮から学ぶ
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1699.html
 
(1700)  V9時代とその後、巨人の選手の違い(育てるということ)
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1700.html
 
(1701)  過去を忘れるということ
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/08/1701.html
 


なお、前回の紹介は、

(K0833)  個人Blog 8月上旬リスト <サイト紹介>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/08/k0833-blog.html

2019年8月21日水曜日

(K0843)  失うのか、手放すのか <臨死期><定年後>

 
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起こった出来事に対して「持っているものを失う」ではなく「背負っているものを手放す」と考えられるか。「人というものは何もかも手放すと、これほどまでに軽やかになれる」。引退において、死を間近に感じた時
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 前回からの続き。「死ぬのは怖い、けど待っている」といったのは、どういう人か。
 
===== 引用はじめ
 この方は人生の前半、たくさんのものを持っておられる方でした。当然ですが、若さ、健康。そして家族、人並み以上の財産、華やかな交友関係。それを全て手放してこられたのでした。そして人生の最終段階で、命すら手放すことを待っているというのです。人というものは何もかも手放すと、これほどまでに軽やかになれるのか、と驚くほどでした。生活もギリギリの経済状態ではありましたが、「今が一番幸せ。ヘルパーさんや看護師さんやらによぉしてもろうて。一番今が幸せ」と繰り返されるのでした。
===== 引用おわり
 
 ここでのキーワードは、「手放す」です。普通なら「失う」という言葉を使います。
 

 起こっている現象は同じです。

 違うのは、「失う」は受動、「手放す」は能動です。私の意思で「手放す」が、「失う」のは私の意思ではありません。
 もう一つ違うのは、「失う」の対象は「持っているもの」で、「手放す」の対象は「背負っているもの」です。「人というものは何もかも手放すと、これほどまでに軽やかになれる」と表現されています。
 
 なにものかを背負ってきた自分の人生、その背負ってきたものを一つずつお返しし軽やかになり、最後は命もお返しして、全く自由になる。そういう死生観かなと思いました。
 
 少し、憧れてしまいました。
 
<出典>
死ぬのは怖い、けど待っている
【在宅善哉・尾崎容子】 産経新聞(2019/08/14)

2019年8月20日火曜日

(K0842)  死ぬのは怖い、けど待っている <臨死期>


☆☆☆☆☆
「死ぬのは怖いです。怖いですけど、待ってます」という生き方もある。「死ぬのは怖い」は自然の理であり、否定する必要はない。が、逃れようとして逃れられるものでもない。逃れようとするから辛いのではないか。
☆☆☆☆☆
 


(1)  自らの死を自ら求めると、自殺や安楽死を求める生き方になります

(2)  死を忌み、抗い、死を怖がる生き方もあります

(3)  いずれでもない、尊厳死、「死を待つ」という生き方もありそうです
 

 「死に方」と捉えるより、「生き方」と捉える方が良いと思います。死を迎える直前まで、どう生きるか。「名誉の死を選ぶ」のも生き方だと思います。正確に言うと、「どう死んでいくかという生き方」です。
 
 私は、(2)は嫌です。(1)も嫌です。残るのは(3)になるのですが、今のところ尊厳死を選ぶ余地はありません。ここで「尊厳死とは、不治で末期に至った患者が、本人の意思に基づいて、死期を単に引き延ばすためだけの延命措置を断わり、自然の経過のまま受け入れる死のことです。本人意思は健全な判断のもとでなされることが大切で、尊厳死は自己決定により受け入れた自然死と同じ意味と考えています」(日本尊厳死協会)。現在は「不治で末期に至った患者」ではないから尊厳死を選べません。すると、消去法で「死を待つ」だけが残ります。
 
 ただ、私は死を間近に感じていないけれど、そのうち間近に感じるようになった時、「死ぬのは怖い」と思うかもしれません。それが自然のような気がします。「死ぬのが怖い」は、「良い悪い」でないし、「こうあるべき」でもない、そもそもコントロールの対象ではないと思います。「こうあった」です。だから、私も「死ぬのが怖い」と切実に思うようになるかもしれません。ただ、それだけでは、本当に怖そうです。
 

 融合型があるようです。(2)+(3)。「死ぬのは怖い、けど待っている」
 
===== 引用はじめ
 その時おっしゃったのは「死ぬのは怖いです。怖いですけど、待ってます」ということでした。死ぬことなど怖くないとおっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。しかし、「死ぬことを怖いと言いながら待っている」という人には初めてお会いしました。
===== 引用おわり
 

 続く
 
<出典>
死ぬのは怖い、けど待っている
【在宅善哉・尾崎容子】 産経新聞(2019/08/14)

2019年8月19日月曜日

(K0841) 『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(1) / アンドリュース・スコット氏(3) <人生設計>

 
1.   100年ライフ

1.1.  100年以上生きる時代をどう過ごすべきか?

 どうすれば個人や家族、企業、社会全体が長寿化の恩恵に最大限浴せるか。 … これまで多くの人々は「教育→仕事→引退」という3ステージの人生を歩んできた。 … (今後は)ステージの移行を数多く経験する「マルチステージ」の人生に突入するだろう。
 
1.2.  長寿という贈り物

 健康、栄養、医療、衛生といった多分野におけるイノベーションによって、平均寿命は大きく上昇してきた。重要なのは、健康に生きる期間が長くなるということだ。 … 想像以上に長く生きられる可能性が高いといってよい。
 
1.3.  機械化・AI後の雇用の未来

 新しいテクノロジーが労働市場を激変させていくことは明らかである。産業の新陳代謝が起こり、新しい職種が既存の職種を代替する。 … こうした変化の中で重要なのは、人々が精力的かつ創造的に生きるための新しい人生のシナリオを考えていくことだ。
 


2.   見えない資産

  後に書きます。
 


3.   新しいステージ

  後に書きます
 
 
<出典>
10分で読める『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』
https://type.jp/tensyoku-knowhow/skill-up/book-summary/vol6/

2019年8月18日日曜日

(K0840) 「介護労働における老々介護」が普及 <介護>

 
 先に、次のように書きました。

===== 引用はじめ
 大きな流れとして、「(1)介護労働における老々介護」が普及し、改善され、その成果(老々介護をサポートするハードウエアとソフトウエア)が、「(2)家庭内における老々介護」に応用されていく、というのが望ましい姿ではないでしょうか。
===== 引用おわり
(K0836)  老々介護の要件。家庭内介護と介護労働 <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/08/k0836.html
 

 「介護労働における老々介護」が普及してきているようです。
 
===== 引用はじめ
 介護現場で働く人のうち60歳以上が全体の21.6%を占めたとの2018年度の調査結果を、公益財団法人「介護労働安定センター」が14日までに公表した。7年連続の増加で、65歳以上に限ると12.2%だった。
===== 引用おわり
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48537270U9A810C1CR0000/
元のデータは、
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_chousa_kekka.pdf
 
 「介護現場で働く人のうち60歳以上の割合」が7年連続で増加する様子は、添付図の左側でわかります。右側は「訪問介護員のうち60歳以上の割合」(おそらく3年前のデータ)で、同じような動きをしています。これは、採用における需給両方のニーズによるようです。即ち、「介護現場は人手不足に直面しているが、その中でも退職後の高齢者がセカンドキャリアとしての職場に選んでいることが割合増加の背景にあるとみられる。」
 
 
 介護現場での経験は、ゆくゆく家庭内介護が必要になってきたとき役立つはずです。老々介護(元気な高齢者が介護を必要とする高齢者を介護する)の経験を、自分自身の為に、あるいは他者の為にどのように役立てていくかは、今後の大切なテーマだと思います。

2019年8月17日土曜日

(K0839)  看取りは人生の宝物になる経験 <看取り>

 
 尾崎容子院長(おかやま在宅クリニック)は、看取りの怖さについて、次のように書いています。

(1)  私はご遺体にお出会いするときは実はちょっと怖いと感じます

(2)  しかし、看取りの過程は怖いとは感じません
 

 介護職にも知識が大切と言います。

(1)  経験のない方にとってはちょっとではなく、とっても怖いんじゃないかな、と想像します。経験なく知識もなく対応の仕方もわからないままにいきなり人の死に向き合わせられ、それが積み重なり「こんな人が死ぬばかりの仕事、嫌だ」と離職につながるのではないかと懸念しています

(2)  でも、知識をもち、対応の仕方を知り、死に向かう方に満足していただき、亡くなりゆく方から最高の笑顔をいただくことができたならば、「人生の宝物になる経験」になるのではないかと思うのです。
 

 「看取りの仕事」

 亡くなりゆくのをともに歩むことは怖いことではなく、大切な時間をともにする大変ながらも寂しいながらも私にとって心が満たされるよい仕事です。
 

 「看取り勉強会」

 教育によって知識を身に付けること、知識があることで困った状況を適切に処理できること、それにより、介護職を困らせていた人が喜んでくれること、それを成長と自分自身が感じられること
 

 「好ましい職場」

 知識があることで困難にうまく対処でき、成長を感じられる職場であれば、後輩にも適切に処理する方法を教えてあげ成功体験を積ませてあげられることでしょう。
 


<出典>
尾崎容子、看取りは人生の宝物になる経験
【在宅善哉】 産経新聞(2019/08/15)
 
添付図は、
http://okhomeclinic.com/message/index.html

2019年8月16日金曜日

(K0838)  地域共助で介護予防「テンミリオンハウス」 <地域の再構築>

 
 「地域共助」のお話しです。

===== 引用はじめ
 元気な高齢者は「家庭」がサポートし、介護が必要になれば「施設」という固定観念が強いが、友人、知人や隣近所の「共助」は、生きやすい社会のキーワードだ。
===== 引用おわり

 その通りだと思います。
 

 子育てを終えた世代の女性たちがスタッフとなり、地域コミュニティーの活性化に力を尽くしている。

===== 引用はじめ
 現在のスタッフは10人。40歳から75歳と幅広い。資格は不要で、活動方針はシンプル。利用者が安心して来られて、スタッフも楽しく過ごせる場所にすることだ。「ほんとに楽しいんですよ。いろんなこと話して、笑いあって」
===== 引用おわり
 

 「川路さんち」の運営にあたるのは地域住民によるグループ「萩の会」だ。代表の平山京子さん(72):

===== 引用はじめ
 「一緒に料理作ってくれない? って言われて、それならできるかなって。子育ても終わっていたし、地元で役に立てるならやろう、と思ったんです」。参加してからは自身も友達を誘い、3年前から代表に。
===== 引用おわり
 

 無料ポランティアか?

===== 引用はじめ
 スタッフには一応時給がありますが、お金のためというよりは、皆さん、地域に貢献したいという気持ちでかかわっている。人集めは口コミだけですが、全然苦労していません
===== 引用おわり

(藤波の意見) 無料ではなく有料です。お金目当ての人は「こんな額では嫌だ」と辞めていきます。ボランティア精神のある人だけが残ります。その人にとってのお金は、結果として得られた「おまけ」ということになります。時給は高すぎない方が良いでしょう。少しでもお金をもらえる方が、役立つことをしているという感覚を得られ、長続きすると思います。
 

 制度としては、「テンミリオンハウス」(武蔵野市)の補助です。

===== 引用はじめ
 「テンミリオンハウス」は、武蔵野市が介護保険の適用されない元気な高齢者をサポートするために始めた。運営者に年間1千万(テンミリオン)円の補助金を出す。市内に8カ所あり、住民グループやNPO法人などが管理・運営する。
===== 引用おわり

 テンミリオンハウスは、地域の人材と建物を有効活用しながら、市が運営団体に対し年間1千万円(テンミリオン)を上限とする補助を行って運営する「近・小・軽」の家です。
http://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_guide/koreisha/korei_tenmillionhouse/1006297.html

 川路さんち (西久保1丁目)は、
http://www.city.musashino.lg.jp/shisetsu_annai/shisetsu_hokenfukushi/tenmirion/1000531.html
 


<出典>
地域共助で介護予防「テンミリオンハウス」 気持ち通いあうこと ほんとに楽しい
産経新聞(2019/08/16)
https://www.sankei.com/life/news/190816/lif1908160012-n1.html