2017年11月27日月曜日

(K0211)  行政の一部、住民が担う <地域の再構築>


行政との付き合い方には、二つの考え方がある。

(1) 先ず真っ先に「自分たちのことは自分たちでする」があって、その足りないところ、できないところを行政にサポートしてもらう

(2) 行政のしてくれていないことを行政にしてもらえるよう、住民が訴える
 

よく耳にするのは(2)で、住民は行政がやるべきことをしてないと怒り、行政は何でもかんでもやってくれというと(口には出さないけれど)不満に思っている。
 

そういう(2)から離陸し、(1)の領域に飛び立っている地域もある。

===== 引用はじめ
 この間に何よりも変わったのが、住民の意識だという。以前は「役所が~してくれない」という声が多かったが、今、多いのは「役所が~させてくれない」という声。「市民バスの回数券を販売したい」「住民票を発行させてくれ」など、さまざまな要望が出る。山本さんは「住民は、自分たちの地域を自分たちで何とかするという意識を持っている。行政が思いもつかないアイデアが出て、驚きと発見がある」と話している。
===== 引用おわり

私が言いいことは、こういうことだ。
 

これに対する行政のコメントは、

===== 引用はじめ
 同市地域振興課の山本章平さんは「もちろんうまくいっている所ばかりではないし、サービスは(地域によって)平等でないかもしれない。だが、地域の課題はそれぞれ異なる。地域で主体性を持って考えてもらうことに意味がある」とする。
===== 引用おわり

前半は素直に読めるが、後半は引っかかる。「上から目線」を感じる。
「(行政が)住民に考えてもらう」というニュアンスが気になる。
「お上」が言っているから、当然のことなのだろうか。

 
介護保険の世界で、要支援の介護予防の部分を、「国に代わって自治体にさせる」「自治体に代わってボランティアやNPOにさせる」という流れになっているようで、これではいけないと、とても気になっている。

 

話を戻す。具体的に何をしているのか、紹介する。

新聞記事は、次のような説明から始まる。

===== 引用はじめ
 人口減少に直面する地方の自治体は、地域が抱える課題をどう解決すればいいのか。その一つの方策が、島根県雲南市(人口3万9519人、高齢化率35・73%)で実践されている。
===== 引用おわり
 

何を実践しているのか。

===== 引用はじめ
 民谷地区のシンボルは、各戸が毎朝、玄関口に立てる黄色の旗。全55戸の住民が朝に黄色の旗を掲げ、夕べにしまう。隣近所に“今日も元気です”と知らせるサインだ。
===== 引用おわり

民谷(みんだに)地区は、人口169人で高齢化率は44・97%に上る。

 
===== 引用はじめ
 見守りの対象は、80~90代で1人暮らしをする計8世帯。旗が出ていないと、近隣住民が声をかける。全世帯が旗を立てるのは、外部からの来訪者に単身者宅を知らせないためだ。
===== 引用おわり

なるほど。泊りがけで家をでる場合は、隣の人に旗を立ててもらうことも必要だろう。留守だと分かっては空き巣にねらわれそうだ。空き家が分かってしまうのも困るが、これは厄介だ。

 
===== 引用はじめ
 民谷地区振興協議会の主事、福間美幸さん(61)は「イベントもいいが、本当に住民のためになる活動を、ということで始まった」と言う。
===== 引用おわり

その通りだ。

 
同じ市内でも住民ニーズは地域によって違うから、行う事業は異なる。

  サロンを運営
  廃校になった小学校を交流センターに改修。宿泊や食事の提供もする
  放課後の公立幼稚園を借りて、子供を預かる
  住民が市の水道検診を請け負う
など。

 
背景としては、次のような事情があったようだ。

===== 引用はじめ
 合併時に6町で約500人だった職員数は今は約300人。将来を見据え、行政が担っていた地域づくりや地域福祉などを住民に任せることにした。
===== 引用おわり

 
引用:
旗立て、サロン、宿泊施設、子供の預かりも、ゆうゆうLife、社会保障、産経新聞(2017/10/21)

【ゆうゆうLife】行政の一部、住民が担います 「課題があれば市に要望」島根県雲南市の取り組み
http://www.sankei.com/life/news/171019/lif1710190014-n1.html


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