2017年12月5日火曜日

(K0218)  趣味(5)「趣味圧」  / トライアングル理論(18) <定年後>


しつこく、趣味の話を続ける。
 

(K0216)

「ご趣味は何ですか?」と聞かれると、あまり趣味のない人にとっては負担になるという、「趣味圧」をある雑誌が特集しました。

と紹介した。
どうやら、AERA 731日号のようだ。
 

===== 引用はじめ
「趣味は何ですか?」。会話の糸口に聞かれることは多いもの。だが、これといって趣味がないと、この質問はプレッシャーだ。SNSにはリア充趣味に興じる様子がてんこ盛り。趣味界は、なんだかんだと悩ましい。インスタ映えを重視して「趣味偽装」する人、趣味仲間から抜けられずに苦しむ人もいるらしい。AERA 731日号ではそんな「趣味圧」の正体を探る。
===== 引用おわり
https://dot.asahi.com/aera/2017072500053.html?page=1
 

===== 引用はじめ
アエラではアエラネットなどを通じて「趣味」についてアンケートを実施し、81人の回答を得た。「趣味がない」と答えた人は1割強で一見少数派だ。だが、そのうち3人に1人が「趣味を持たないといけないようなプレッシャーを感じることがある」と答えているのが気になる。
===== 引用おわり

 

読んでいると、「趣味」をめぐる、さまざまな葛藤が浮かび上がってくる。

趣味は本来、楽しいはずなのに、人を苦しめている。
それなのに、「趣味をもちましょう」と言ってよいものなのだろうか。

しかも無趣味な私が言っている。
滑稽でもあり、無責任でもあるようにも感じている。

 

検討してみる。

「趣味圧」とは何か。抜き出して、引用する。
 

(1) 「趣味はゴルフ」。“趣味偽装”をしていた。出世頭の上司に「仕事のコミュニケーションに不可欠」と半ば強制された。やっていて楽しくないので、腕も上がらない。第1子の誕生直後ともあって、いやいや出かけるゴルフに、さらに妻の冷たい視線が刺さる

(2) 忙しさを理由にフェードアウトし、付き合いの悪い人間だと社内では思われている。上司がほのめかしたように、出世にも響いているかもしれない。現在、無趣味だが趣味なんて持つ必要はないと考えている。第一、お金がかかる。住宅ローンもあるし、2人の子どもの教育費もこれからだ。

(3) 「自分がやっていて楽しく充実感をおぼえるものを趣味と言うなら、実は私は仕事が趣味です。でもそう言うと、『社畜なの?』と言われてしまう」
 

(4) 人に趣味を聞かれたとき「ありません」と答えると、その場が気まずくなる。このため一応答えは用意している。「ビジネス書の読書と子育て」そう言うと、たいていの人は察してくれ、それ以上深く聞かれることはないという

(5) 子どもの学校の保護者会に行くと、趣味を持つ母親たちの周りには華やかな輪ができる。輪のなかに入るともなく曖昧な笑みを浮かべる

(6) 「お休みの日、なにしてた?」。こんな話題を振られるとギクッとする。わざわざ話すような、スペシャルなことは何もない。この場で期待されているのは、「アウトドア」「映画」など盛り上がれる非日常ネタなのだ

 
(7) インスタグラムに子どもの写真くらいしかアップできるものがない自分と違い、趣味を持つキラキラママたちはSNSの発信も活発だ。投稿するたび「いいね!」がつき、格付けも上がっていく

(8) 親しい友人は「いいね!」増産のためわざわざ遠方のイベントに出かける。たった1日の出来事を何回かに分けて発信するなど、SNSに奉仕する姿は見ていてしんどそうだ。「趣味って何なんでしょう? 『いいね!』がつかないとダメなんでしょうか?」

 
(9) 3人に1人が「趣味を持たないといけないようなプレッシャーを感じることがある」と答えている。「『趣味は何ですか?』と聞かれたとき、答えられないと“つまらない人”と思われる」「定年後に打ち込めるものが欲しいが、まだ見つかっていない」「休日に家でボーッとしているのはよくないような雰囲気がある」

(10)      「エア趣味」を設定する人までいる。ところが取材を進めるうち、それは無趣味な人に限らないことがわかった。趣味偽装は「趣味あり」の人たちの間でも広がっている

 
(11)      チラシの不動産広告を見ては、住むことのない家の家具の配置を考えたり、タウン誌の情報コーナーに「誤嚥性肺炎予防講座」「相続講座」とあれば、参加している自分の姿を想像する。「ビル清掃」「駐車場整理」のパート募集では制服姿の自分を思い浮かべる。「妄想の世界で遊んでいるんです。人になんて言えません。ましてやSNSなんてムリ」

(12)      面白い映画だったが、観た人が周りにいなくて共感は得られなかった。でも、そういう反応には慣れている。マイナー趣味に相手の反応が引き気味と思ったら、すぐ聞き役に徹する

(13)      「生活の役に立たないことばかりして過ごしています(笑)」しかしその様子はなんとも楽しげ。オモテ趣味を隠れみのに、ウラ趣味の世界を思いっきり堪能している。(注)オモテ趣味は(12)の映画鑑賞、ウラ趣味は(11)

 
(14)      「趣味は何ですか?」。就職の履歴書記入で、この問いを突きつけられる人は少なくない。「読書と書いたが実際は漫画中心」

(15)      「履歴書には『音楽鑑賞』と書いています。いかにもクラシックを聴いていそうな雰囲気で(笑)」。実際には、ビジュアル系ロックバンドの追っかけをしている。「私の場合は偽装でなくて、『印象操作』です」
 

(16)      女性の悩みは無趣味ならぬ、多趣味すぎること。時間もお金も体も足りない。多趣味ゆえ不本意な勘違いをされることもある。「移り気な性格のように思われることがあるのですが、全部が現在進行形で、つながっていることをわかってほしい」

(17)      女性にはもうひとつ許せない言葉があるという。「オタクなの?」趣味について聞かれ、話し始めると、そう線引きされることがある。「興味を持てば詳しくなるのは当たり前。『簡単にオタクと言うな!』と声を大にして言いたい」

 
ある。ある。ある。

次回に分析する。

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