2017年10月24日火曜日

(K0174) 生活 / トライアングル理論(3) <定年後>


「トライアングル理論」の「動的・トライアングル・モデル」では、その要素として「仕事」「趣味」「生活」「社会参加」を取り上げた(K0172)。前回(K0173)「趣味」について書いた。今回は、「生活」について書く。


「定年後、女性は大丈夫」と言われているようだが、何故か。私は、「生活」の違いではないかと考えた。「生活してきた人」には、「生活力」があり、基盤があり、居場所がある。だから、大丈夫だ。そして、「生活」できている女性が多い。

では、「生活」とは何か。ここでは、「家事」「子育て」「親介護」「夫介護」から「生活」が構成されると考えた。「夫(妻)の世話」は「家事」に含むものとして取り上げていない。


「生活」とは別に「仕事」がある。従来「夫は外で働き、妻は内で家庭を守る」という考え方が主流であった。現在「定年女子」研究として進めているインタビュー(対象は、55歳以上の女性)でも、その傾向は確認できた。

おおざっぱに言うと、
  専業主婦は、「仕事」はせず、「生活」を支えてきた
  働く夫は、「生活」を妻にまかせ、「仕事」に専念した
  働く妻は、「仕事」と「生活」の両方を背負った。

なお、最近の傾向としては、夫が「生活」を担う割合は増えてきており、その分、妻の負担は減っている。

 
いずれにせよ、女性は「生活」を担ってきた。その経験・能力が高齢期になっても生かされるとともに、「居場所」を確保している。

一方、「生活力」が乏しい「男性」は、定年後生き抜く力が不足し、また仕事を居場所としてきたため、仕事をやめると居場所を失う人が多い。
 

なお、独身で働いてきた女性は、「働く妻」ほどには「生活」の負担が無く、その面においては、「働く夫」に近い。既婚の定年女子とは、少し違うかも知れない。つまり、既婚定年女子を前提として考えた「定年後」を独身定年女子に当てはめようとすると、うまくいかないところが出てきてしまうのではないか。

一方、独身で働いてきた男性は、少なくとも自分の身の回りのことは自分でしてきたのだから「生活」をしてきたが、既婚男性も生活を全くしないわけではないので、こちらは定年男子と一緒に考えて、とくに齟齬はでないのではないか。
 

生活の中で介護が大きなウエイトを占めるが、働いてきた女性は施設に預け、専業主婦は自宅で世話をするケースが多いようで、一般的には、働いてきた女性と専業主婦とでは、介護の重みが違うようである。
 

「生活」は定年後に大きな影響を与えるため、注目する必要がある。

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