2017年10月25日水曜日

(K0177) 「定年後トライアングル・モデル」 / トライアングル理論(5) <定年後>


前回前々回(K0175)、「立体トライアングル・モデル(総合)」を示した。「定年後」になると「仕事」がなくなるから、立体的な三角錐でなくなり、平面的な「趣味」「生活」「社会参加」三角形になり、「お金」「健康」基盤の上にのる(「定年後トライアングル・モデル」)。
 

「定年女子インタビュー」として、「55 歳以上の女性で、『私は今、充実した人生を送っている』と思っている(充実感がある)」20人の方にお話をうかがってきた。そこで共通して感じるのは、「定年後トライアングル・モデル」が実にしっかりできているという印象である。

 先ず、基盤となる「お金」「健康」であるが、(家計調査も健康診断もしていないが、)安定していると見受けた。これは状況証拠からわかる。彼女たちの多くは、ボランティア活動に関与している。そもそもボランティア活動をするには、「お金」「健康」「時間」が必要だと言われている。「無料ボランティア」という言葉があるが、時間を無料で提供するだけでは済まない。交通費が自腹であるケースが多いし、細々した出費がある。ボランティア内でのお付き合いもあるし、ボランティア間のお付き合いもある。研修費や自らのレベルアップのための投資も必要である。裕福ではないかも知れないし、節約生活をしているかも知れないが、それでも継続してボランティア活動できるだけの、経済基盤はあるとみてよいだろう。そして、健康でないとボランティアは続けられない。

 

「お金」「健康」基盤は、必要条件であるが、十分条件ではない。「仕事」を終えた男性が、家の中にとどまり、「趣味」「生活」「社会参加」がないと、すぐだめになってしまう。「お金」「健康」があっても、それだけでは幸せな「定年後」を築けない。


そして、「趣味」「社会参加」は、向こうからやってこない。「仕事」は、こちらが嫌だと言っても、向こうから押し付けられる。「趣味」「社会参加」は、向こうから誘いにやってくることもあるが、2度・3度と断っているうちにこなくなる。「生活」も自ら引き受けるものだ。


つまり、「趣味」「生活」「社会参加」は、こちらか呼び込みに行かないとなかなか巡り合えず、巡り合えないと「趣味」「生活」「社会参加」のトライアングルは形成されず、空しい人生になっていく。私は、そのように考えている。

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