2021年11月15日月曜日

(K1658) 認知症の検査は、かかりつけのお医者さん?[C] 心得

 【 認知症 ・ 心得 】「今ならまだ十分、間に合う」。アドバイスを受けて、認知症が進行しないように楽しい日々を送り、死ぬまで「本格的な認知症」に至らないようにして、人生最後の貴重な時間を有意義に過ごしましょう。


 認知症検診を受けましょう。以下は、私見です。

 

 認知症の検診に来られた方が、認知症かどうか、おおよそ検討がつくそうです。一人で来られた方は認知症でない可能性が高く、家族や親しい人に連れられてこられた方は認知症の可能性が高い。

 

 そこで自分の意志で認知症の検診を受けに行かれる方は、たとえ家族や知人から勧められたにせよ、認知症でない可能性が高いと思います。でも、認知症と診断される可能性もあります。

 認知症には、初期、中期、後期とあります。

https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/dementia/no12/

https://dock.cocokarada.jp/special/ninchisho/knowledge/05.shtml

 

 さらに未だ認知症とは言えない「軽度認知障害」「MCIMild Cognitive Impairment)」の状態があります。軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の中間と言えます。

https://sodan.e-65.net/basic/mci/01.html

 「認知症か認知症でないか、二つに一つ」ではありません。

 

 厚生労働省の発表によると、65歳以上の高齢者において、認知症患者の数は約462万人、MCIをもつ高齢者は約400万人と報告されています(2012年時点)。これらを合わせて約862万人となり、これは、高齢者全体の1/4の数、つまり、4人に1人は認知症もしくは軽度認知障害ということになります。

 つまり、高齢者が4人集まれば1人はいるという「認知症は、普通の状態」です。「軽度認知障害」の段階ならちょっと不便な程度、「認知症初期」ならちょっと困る程度。高齢者集団に入ると、本人が気づかぬままに「軽度認知障害」「認知症初期」まで進んでしまっている人が、周囲に少なからずいると思います。

 

 「認知症検診」は、「認知症かどうかを判定する」ためというより、「軽度認知障害」「認知症初期」を発見するための検診だと私は思っています。というのは、今の医学では、認知症は直せないが、進行を遅らせることはできると言われています。また、MCIの段階なら、回復も見込めるそうです。「適切な対応を行うことでMCIの人の約1641%は健常者への回復が見込める」

https://www.sompo-egaoclub.com/sompo-dementiasupportprogram/know/importance.html

 

 要は、認知症に多少はなっても進行を遅らせて、死ぬまでに重篤な状態にならなければ、ちょっと不便だったり、ちょっと困ったりすることはあっても、尊厳を維持しつつ、精神的にも豊かな生活を一生送られる可能性があります。

 一方MCIを放置すると、認知機能の低下が続きます。MCIから認知症に症状が進展する人の割合は年平均で10%)と言われています。すなわち5年間で約40%の人は認知症へとステージが進行することになります。

https://info.ninchisho.net/mci/k40

 

 「認知症と診断されたらもうおしまい」ではありません。認知症と診断されてからも、充実した人生を送っている人は、たくさんいます。

 

 「認知症と診断されると怖い」という思いで、周囲から勧められても認知症検診を拒んだり、後伸ばししたりする人が多いと思いますが、周囲から検診を勧められて自分の意志で医者にいけるなら、軽度認知障害(MCI)や認知症(初期)と診断されても、「今ならまだ十分、間に合う」。アドバイスを受けて、認知症が進行しないように楽しい日々を送り、死ぬまで「本格的な認知症」に至らないようにして、人生最後の貴重な時間を有意義に過ごしましょう。




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