2017年9月23日土曜日

(K0146) 文庫本「定年女子」 / 定年女子 <定年後>


テレビドラマ「定年女子」については、(K0107)で述べた。このドラマの「原案」は『定年女子  これからの仕事、生活、やりたいこと』(岸本 裕紀子。集英社文庫)~単行本「定年女子」~とされているが、テレビドラマ「定年女子」は、単行本「定年女子」をヒントにして書いたものであり、そのストーリーが単行本「定年女子」に書かれているわけではない。
 

文庫本「定年女子」の章立ては、以下の通り(番号は、私がふった)
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はじめに


 60代にも、働くチャンスは必ずある

1-1 定年後も働き続ける女性たち
1-2 自分で新たな仕事を探す方法
1-3 会社員人生の後半に直面する二つの流れ
1-4 女性の定年は、男性の定年とどう違うのか

 
重要ポイント
1.    おカネはいくら必要か
2.    健康と体力維持の話


 仕事をしない生活を楽しむ知恵

2-1 やりたいことを自由にやる女性たち
2-2 「健康的」「人間らしく」がリタイア後のキーワード
2-3 新しい生活に向けて押さえておくべきこと
2-4 社会現象としてのリタイア女性たち


おわりに
文庫版あとがき
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大枠としては、次のように組み立てている。

定年を迎えた女性の生き方として、大きく分けて二つある。
  リタイア後に、さらに仕事をする
  やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす

いずれにせよ、共通して考えねばならないことが二つある
  必要なおカネ
  健康と体力維持

 

定年後の生き方として、実は三つある

(1)  リタイア後に、さらに仕事をする
(2)  やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす
(3)  仕事はやめて、かつ、やりたいことがない(見つからない)


著者は、「はじめに」で次のように書いている
===== 引用はじめ
 定年とは、組織の一員から「個」の自分に戻ることである。アイデンティティの変化に悩むこともあるだろう。仕事人間だった人ほど、戸惑うのかもしれない。

 しかし、取材をしながら、「女の人は大丈夫だな」と感じるようになった。気持ちを切り替えて、新しいステージに立つことができ、と
===== 引用おわり

言葉の裏で、「男の人は大丈夫でない」と言っている。


男女で違いがあるようだ。
  定年男子では、(3)に陥る人が多い
  定年女子では、(3)に陥る人が少ない

このあたりについては、「1-4 女性の定年は、男性の定年とどう違うのか」で考察している。
 

定年後の人生の選択として、(1)(2)どちらでもいい。ただ、(3)は辛かろう。多数の男子と少数の女子が、ここに陥る。これをいかに防ぐかは大きな課題だ。しかし「(3)を防ぐ」という発想ではなく、「(1)または(2)を成功させる」ことが出来れば、自ずと「(3)を防ぐ」ことができるという発想がよいだろう。
 

ところで、「(1)リタイア後に、さらに仕事をする」理由が三つあるという。
  経済的な理由
  仕事が好き
  とりあえず、やることが見つからない

いずれにせよ、いつかは仕事を終わる時期が来て、(1)の選択肢がなくなり、有効な選択肢は(2)しか残らなくなる。
 


女子であれ、男子であれ、リタイア後にも職につく人もつかない人も、即ちすべての人にとって、「(2) やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす」を実現することは、大切な課題である。


出典
岸本 裕紀子、『定年女子  これからの仕事、生活、やりたいこと』(集英社文庫)

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