テレビドラマ「定年女子」については、(K0107)で述べた。このドラマの「原案」は『定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと』(岸本 裕紀子。集英社文庫)~単行本「定年女子」~とされているが、テレビドラマ「定年女子」は、単行本「定年女子」をヒントにして書いたものであり、そのストーリーが単行本「定年女子」に書かれているわけではない。
文庫本「定年女子」の章立ては、以下の通り(番号は、私がふった)
=====はじめに
1 60代にも、働くチャンスは必ずある
1-1 定年後も働き続ける女性たち
1-2 自分で新たな仕事を探す方法
1-3 会社員人生の後半に直面する二つの流れ
1-4 女性の定年は、男性の定年とどう違うのか
重要ポイント
1.
おカネはいくら必要か2. 健康と体力維持の話
2 仕事をしない生活を楽しむ知恵
2-1 やりたいことを自由にやる女性たち
2-2 「健康的」「人間らしく」がリタイア後のキーワード2-3 新しい生活に向けて押さえておくべきこと
2-4 社会現象としてのリタイア女性たち
おわりに
文庫版あとがき=====
大枠としては、次のように組み立てている。
定年を迎えた女性の生き方として、大きく分けて二つある。
・ リタイア後に、さらに仕事をする・ やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす
いずれにせよ、共通して考えねばならないことが二つある
・ 必要なおカネ・ 健康と体力維持
定年後の生き方として、実は三つある
(1) リタイア後に、さらに仕事をする
(2) やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす(3) 仕事はやめて、かつ、やりたいことがない(見つからない)
著者は、「はじめに」で次のように書いている
===== 引用はじめ定年とは、組織の一員から「個」の自分に戻ることである。アイデンティティの変化に悩むこともあるだろう。仕事人間だった人ほど、戸惑うのかもしれない。
しかし、取材をしながら、「女の人は大丈夫だな」と感じるようになった。気持ちを切り替えて、新しいステージに立つことができ、と
===== 引用おわり
言葉の裏で、「男の人は大丈夫でない」と言っている。
男女で違いがあるようだ。
・ 定年男子では、(3)に陥る人が多い・ 定年女子では、(3)に陥る人が少ない
このあたりについては、「1-4 女性の定年は、男性の定年とどう違うのか」で考察している。
定年後の人生の選択として、(1)か(2)どちらでもいい。ただ、(3)は辛かろう。多数の男子と少数の女子が、ここに陥る。これをいかに防ぐかは大きな課題だ。しかし「(3)を防ぐ」という発想ではなく、「(1)または(2)を成功させる」ことが出来れば、自ずと「(3)を防ぐ」ことができるという発想がよいだろう。
ところで、「(1)リタイア後に、さらに仕事をする」理由が三つあるという。
① 経済的な理由② 仕事が好き
③ とりあえず、やることが見つからない
いずれにせよ、いつかは仕事を終わる時期が来て、(1)の選択肢がなくなり、有効な選択肢は(2)しか残らなくなる。
女子であれ、男子であれ、リタイア後にも職につく人もつかない人も、即ちすべての人にとって、「(2) やりたいことを優先し、仕事ではない時間をメインで過ごす」を実現することは、大切な課題である。
出典
岸本 裕紀子、『定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと』(集英社文庫)
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