自治会に限らず、ボランティア的活動団体を熱心なリーダーが率いると、活動量が膨張していく傾向がある。しなければならないことが増えすぎて構成員から不満が出、なかには辞めてしまう人がでてくることもある。辞めてしまう人の中には、能力があり、リーダーの期待に応えようと頑張ってきて、燃え尽きてしまった人もいる。このような人を失うのは、その組織にとって大きな損失であり、なんとしてでも避けたい。
対処として考えた事を3点あげる。
(1) 投入労力の上限を設定する(新しい仕事を始める時は、相当する今までの仕事を捨てる)
(2) 無料奉仕に賃金をおき、計算し評価する(机上評価)
(3) 頑張っているリーダーに現実を理解してもらう
(1) 投入労力の上限を設定する(新しい仕事を始める時は、相当する今までの仕事を捨てる)
新しい仕事に取り組む時、それに投入する労力に見合う、今までの仕事を捨てる。例えば、月1回の新たなボランティア活動を始めるために、週4回だった定例会議を週3回にする。
このような取り組みは良いことである。付加価値の低い仕事が付加価値の高い仕事に置き換わっていく。このようにして組織は、どんどん良くなっていく。付加価値の低い仕事も「必要だ」といって止めないから間違える。もしもそれが捨ててはいけない必要な仕事であるなら、付加価値の高い仕事があっても手を出さないか、あるいは手を出せるようにメンバーを増やすかである。
(2) 無料奉仕に賃金をおき、計算し評価する(机上計算)
人件費がかからないから、判断を間違える。兵庫県の最低賃金は、844円である。
http://hyogo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/banner_link/itiran.htmlここでは、850円で計算する。
6人の会議を2時間する。会議室は、1,000円で借りる。
これだけで会議コストを計算すると
850*2*6+1,000=11,200
つまり、その会議は、10,200円以上の価値を生み出さなければならない。
20人の会議なら、35,000円である。この意識が、低い。例えば、コスト意識のないまま漫然と会議をしているのではないか。
「そんなことを考えると、何もできなくなる」… 絶対値で考えるのではなく、相対値(複数のものを金額換算して比較する)で考えると良い。「これは、高いコストがかかるが、実行する意義は大きい。是非これに優先的に取り組もう!」。このように検討していけば、妥当な判断ができるだろう。
(3) 頑張っているリーダーに現実を理解してもらう
リーダーがどのような人で、どう考え、どう動くのか。
えてして会社経験のある人が、陥りやすい。会社は基本的に上昇志向である。もっと働け、もっと儲けとけしかけられてきた。たくさん頑張った人が評価されてきた。ボランティア活動に移っても、引きずって頑張ろうとする。次に、今、ボランティア活動に携わっている人が陥りやすい。人件費がタダで何でもできてしまう。人件費が見えないので、どんどん仕事を増やそうとする。
そして、自己肯定感をもとうとする人である。因みに、自己肯定感を持とうとすること自体は、悪いことではない。その人にとって大切なことであり、かつそれをエネルギーとして他者への奉仕もしている。基本的に良いことだが、副作用もある。
最後に、熱心な人である。自分自ら頑張り、誰かの為に尽くそうとする、基本的に善意の人であることが多い。ただ、いかんせん、周りが疲れてしまう。
会社経験の後にボランティアにかかわり、善意で自らも頑張ってたくさんのことをして自己肯定感を強く持っている人。そのような人に「これを続けるとマズい」ということを理解してもらうのはとても難しい(なお、会社経験が無くて同じ傾向の人もいる)。意見を言うと、自分を否定、自分の行動を否定されたように受け取ってしまうことがある。
個人なら構わない。しかし、組織のリーダーとして動くときは、個人の時とは異なる制約もかかる(他人を巻き込むので。その他人は様々な価値観をもっている。その様々な人を包み込み、全体として組織が機能できるようにすることが、リーダーとしての大切な役割だと思う)。その違いを理解してもらえるかどうかが、境目になるような気がしている。
==== 経過説明
(K0315) 数値目標をどう考えるか /自治会長奮闘記(5) <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/03/k0315-5.html
を見てFacebook上でコメントをいただいた(感謝)。そのコメントにコメントした。
===== 引用はじめ
昨日運営委員会で同じ件について検討しました。
一度やった事を既成事実でいつまでも続けるという発想から今何が一番必要かを考えないと。
我々委員会と一般会員の目が同じ方向に向いていないと。意味がない。
会報も何回も出す事が果たして重要な事か?
===== 引用おわり
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