2018年3月27日火曜日

(K0329)  インターネット通販は「買い物弱者」対策になりえるか <インクルーシブ社会>

 
【目次】
1.   買物弱者の出現

(1)  世帯主が高齢化している
(2)  高齢でマイカーを運転できなくなると
(3)  人口減少が進んだ地方では
(4)  エレベーターのない集合住宅では
 
2.   インターネット通販  その限界
(1)  若い人を中心にインターネットによる商品購入が増えている
(2)  インターネットを自在に使いこなしてきた世代が高齢になってくる
(3)  トラック運送業界の現状。ドライバーの不足、高齢化
(4)  無人運転の自動化  その限界
 
3.   小型無人機「ドローン」  その限界
(1)  検討状況  その限界
(2)  ドローンが頭上を飛び回ってよいのか
 
4.   賢い対応
(1)  インターネット通販、小型無人機「ドローン」の活用  使い分け
(2)  循環型商店街
(3)  地域配送隊
 


【各論】
 
1.   買物弱者の出現

(1)  世帯主が高齢化している
 世帯主が65歳以上の世帯は2015年の1917万9千世帯から、2040年には2242万3千世帯に増える。

(2)  高齢でマイカーを運転できなくなると
 高齢でマイカーを運転できなくなると、途端に行動範囲が狭まる。

(3)  人口減少が進んだ地方では
 人口減少が進んだ地方では商店の廃業や撤退が進み、ちょっとした買い物でもバスを乗り継いで出掛けなければならないといったケースも見られる。

(4)  エレベーターのない集合住宅では
 高齢者の中には店舗が近くにあっても自宅が高台にあったり、エレベーターのない集合住宅に住んでいたりして、「重い荷物を持って階段を上るのは大変」といった悩みを抱える人は少なくない。
 

2.   インターネット通販  その限界

(1)  若い人を中心にインターネットによる商品購入が増えている
 2人以上の世帯におけるインターネットを使って注文した世帯の割合が、2002年の5・3%から16年には27・8%に伸びた

(2)  インターネットを自在に使いこなしてきた世代が高齢になってくる
 「高齢者はインターネットを使うのが苦手」と思い込んでいた。しかしよく考えると、これからは、インターネットを自在に使いこなしてきた世代が高齢になってくる

(3)  トラック運送業界の現状。ドライバーの不足、高齢化
 インターネット通販が充実すると、商品を運ぶ人手が必要になる。ところが、トラック運送業界は、少子化による若者不足に加えて、規制緩和による競争激化もあり、危機的ともいわれる運転手不足に直面している。

(4)  無人運転の自動化  その限界
 トラック自体が荷棚から個別の配達商品を選別し、重い荷物を階段の上の玄関先まで運んでくれるわけではないだろう。
 

3.   小型無人機「ドローン」  その限界

(1)  検討状況  その限界
 政府内ではトラック輸送に代えて、ドローンによる配送も検討されているが、どれだけの重量のものを運べるのか疑問だ。

(2)  ドローンが頭上を飛び回ってよいのか
 そもそも大規模な数のドローンが頭上を飛び回るようになったのでは、危険で外出するのも困難となろう。
 

4.   賢い対応

(1)  インターネット通販、小型無人機「ドローン」の活用  使い分け
 利用できるものは利用するが、過度に依存しない。日用品は、なるべくインターネット通販に頼らないよう心掛ければ、ドライバー不足を少しは改善できる

(2)  循環型商店街
 商店が無くなった地域には、いくつかの個人商店からなる「巡回型商店街」を都道府県が主導する形で創設し、日にちを決めた移動マーケットを開く。

(3)  地域配送隊
 地域ごとに荷物を受け取る物流拠点を定め、そこまで取りに行けばドライバーの負担は軽減される。取りに行けない高齢者には、住民ボランティア組織「地域配送隊」を結成し、サポートすることを考えてもよいだろう。
 
 
出典
河合雅司、「巡回型商店街」の創設を 買い物弱者対策 
日曜講座・少子高齢時代、オピニョン、産経新聞(2018/03/18)
 
買い物弱者対策 「巡回型商店街」の創設を 論説委員・河合雅司
http://www.sankei.com/premium/news/180318/prm1803180004-n1.html
添付図は、このサイトから


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