介護保険制度は、高齢期の家庭経済にとって、プラス面とマイナス面とがある。介護保険を受けるというプラス面と介護保険料を払うというマイナス面である。このマイナス面が、急激に増えつつある。
===== 引用はじめ
全国約1700自治体の27~29年度の平均保険料は月5514円。制度発足直後の12~14年度は2911円だった。4月分からの全国平均額は厚生労働省が4月ごろに発表を予定するが、6千円前後になる可能性がありそうだ。
===== 引用おわり
30年度の平均保険料は18年前の制度発足時の2倍だが、介護総費用は3倍になる。
===== 引用はじめ
介護保険制度が発足した12年度の介護総費用は3兆6千億円だったが、30年度予算案では11兆1千億円と約3倍になる。今後も保険料値上げは続く見通しだ。
===== 引用おわり
直近で言えば、
===== 引用はじめ
平成30年度に3年ぶりに改定される65歳以上の高齢者の介護保険料(基準月額)について、都道府県庁所在地(東京は都庁のある新宿区)と政令指定都市の計52市区のうち、65%の34市区で月額6千円を超す見込みであることが、共同通信の調査で分かった。85%に当たる44市区で引き上げられ、据え置きは8市にとどまる。
===== 引用おわり
引き上げの理由としては、
===== 引用はじめ
多くの自治体で値上げするのは、高齢化の進行で介護サービスの利用が増え給付費が増加することや、事業者に支払う報酬が4月から0・54%引き上げられるため。
===== 引用おわり
「高齢化の進行で介護サービスの利用が増え」について、もう少し分析すると
(1) 高齢化率が高くなる
原則65歳以上が支給対象だから、65歳以上の人口が増えれば支給総額も増える
(2) 高齢者の高齢化
[後期高齢者/前期高齢者]の比率が大きくなっていく。後期高齢者の方が、一人当たりの支給額が高い
(3) 介護保険利用の促進
同じ状態(例えば「要介護3」)でも介護保険制度を活用する人と活用しないない人とがいる。活用する割合が増えていると思う(バックデータなし)
このうち、(1)高齢化率が高くなるのも、(2)後期高齢者の割合が増えるのも、制御不能因子である。(3)介護保険を必要とする人にその活用を制限するのは本末転倒である。ただ、ヘルパーをお手伝いさん代わりに使っている例もあるようで、これは抑制したい。
私たちにできることは、自分の健康を保ち、できるだけ介護保険のお世話にならないようにすることである。そもそもこれは自分自身のためである。
自治体が「個々人の健康維持」を支援することは、介護保険料抑制に役に立つ。
今回調査において、8自治体は「増加額ゼロ」だった。
水戸市「高齢化は進んでいるが、認定率の上昇が見込みより緩やかになっている。介護予防を盛んに行っており、27年度には一般の高齢者を対象にした予防教室の開催実績が全国4位。このあたりが要因と思う」
大分市「介護予防の運動に力を入れたことで住民の意識も変わったし、ケアプランに改善の視点を入れることで介護する側の意識も変わった。どの事業がどう奏功したか、因果関係はこれからだが、総合的な取り組みの結果だと思う」
出典
大阪市2927円で最高額/参加ゼロは「予防」が成果かゆうゆうLife、社会保障、産経新聞(2018/03/17)
県庁所在地、政令市65歳以上の介護保険料 30年度から月額6000円超65%
http://www.sankei.com/life/news/180315/lif1803150009-n2.html
添付図は、このサイトから転載
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