私の父の世代は「55歳定年」、私は「60歳定年」。今や「65歳定年」になりつつある。その先は「無定年」になると思う。欧米では、そもそも「ある年齢で定年」という概念がない。「年齢による差別」が残っている日本だが、やがてなくなるだろう。「65歳の人は70歳の人より健康」とは言えない。年齢差よりも個人差の方が大きい。だから、定年を年齢で決める意味がない。
さて、ベストセラー『定年後』の著者 楠木新さんが『定年後の真実』といったような名前ではなく、シンプルに『定年後』にしたのが良かったのではないかと語っていた。読者が「定年」を終わりではなく始めだととらえ始めたのではないかと私は思った。「黄金の15年」という言葉に誘われて、「黄金の15年を始める」と意識し、勝手に元気になったのではないか。『定年後の真実』といった書名にしてしまうと、そういった余地がなくなってしまう。
ところで、鈴木健二さんが「老前」という言葉を使っている。これも良いなと思った。
===== 引用はじめ
超高齢化社会になった現在、「老後」は75歳からでいいんですよ。75歳までは「老前」。やることも行くところもなくて一日中、テレビを見て過ごすなんて生活はダメです。年金をアテにしてはいけません。「老後」のためにもバリバリ働きましょう。
===== 引用おわり
老後に何をするかを考えるより、老前になにをするかを考える方が、元気が出る。ただ、老後をどうするかは、積み残しになっている。
<出典>
鈴木健二、「老後」は75歳からでいい【話の肖像画】 産経新聞(2019/02/18)
NHK元アナウンサー・鈴木健二(90)(1)「老後」は75歳からでいい
https://www.sankei.com/life/news/190218/lif1902180012-n1.html
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