(K0349) ある老健の試み(下) <自立>
===== 引用はじめ
認知症の親を介護事業所に通わせたくても、症状によっては事故を恐れる事業所から断られてしまうケースは珍しくない。利用できても、転倒を恐れて「車いすから立たないで」となると、家族には不満がつのる。事業所にすれば訴訟を招きかねない事故の防止は最優先だが、それでいいのか。===== 引用おわり
それでは良くないけれど、そうなってしまう。「それでは良くない」と、大きな声でいくら叫んでも、解決はしない。
このジレンマを乗り越えている事例がある。埼玉県春日部市の介護老人保健施設(老健)「しょうわ」の取り組みを紹介する。
着目すべきは、次の点である。
===== 引用はじめ
利用者や家族と介護に対する価値観が合わないとできない取り組みだが、佐藤医師(*)には、しなければならない話をみんなが避けているように映る。===== 引用おわり
(*) 介護老人保健施設(老健)「しょうわ」の施設長
逆に言えば、避けずに話し合い、利用者や家族と介護に対する価値観を合わせられると、うまくいく可能性が出てくる。
「しょうわ」の施設長である佐藤医師は言った。
===== 引用はじめ
「老化は止められないし、人はいずれ死ぬ。歩かせないで寝たきりになって死ぬよりも、僕は、死ぬかもしれないけれど立って歩き、転んだら治療して、また歩く道を選びたい。そういうことを医者や介護職は伝えないし、本人も家族も決定していない。どう死んでいくのが幸せか、医療や介護に携わる者は本人や家族と話さないといけない」
===== 引用おわり
あちこちで断られた末に「しょうわ」を利用し始めて、やっと自分の時間が持てるようになった小川さんは言った。
===== 引用はじめ
ただ、夫の行動は相変わらず。やはり1人で歩きたがり、施設内で転倒したのだろうか、大腿骨を骨折してしまった。手術で短期入院し、しょうわに戻ってリハビリに励む。小川さんは「(転倒は)本人のしたことだからしようがない。今も車いすから立ち上がろうとしているから、また歩くようになると思う。もう、それでいいと思っています」と言う。
===== 引用おわり
両者がかみ合ったとき、事態は良い方向に向かう。
このような状況を作るのは難しい。
「難しい」けれども、不可能ではない。
「発熱していても預かり、転倒リスクがあっても歩く」ことを奨励する二つの理由
・ そうしないと、家族は在宅介護ができないし、仕事との両立もできないからだ・ 本人らしい生活の継続を目指すからだ
出典
ある老健の試み(下) / 在宅介護は家族支援と自立支援 / 重度も、長時間も、発熱も【ゆうゆうLife】、産経新聞(2018/04/14)
添付写真は、この新聞から転載。
ある老健の試み(下)在宅介護は家族支援と自立支援 重度も、長時間も、発熱も
https://www.sankei.com/life/news/180412/lif1804120014-n1.html
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