がん患者や被災者らの苦悩と悲嘆を和らげようという宗教者の専門職「臨床宗教師」の資格認定制度が始まった。
島薗進 一般社団法人「日本臨床宗教師会」会長、上智大教授(死生学)が
上智大であった初の資格認手授与式(2018/03/05)で語った。
===== 引用はじめ
日本社会が待ち望んでいたことが、いよいよ実現の道に入った。宗教界と社会の在り方に大きく関わる歴史的な日だ。===== 引用おわり
資格制度の目的は、
(1) チーム医療を前提とする緩和ケア病棟などでは多職種連携が必須とあって、宗教者にも信用される資格が必要との判断で設けられた。
(2) 宗教や勧誘を目的とせず、確固たる死生観で相手の話を受け取ることが求められるだけに、
(3) 高い倫理観や継続した研鑽が欠かせないという事情もある
===== 引用おわり
(箇条書き形式に書き換えた)
ここで「(3)高い倫理観や継続した研鑽」をもう少し詳しく見てみると、
①
高い倫理観
・ 倫理綱領とガイドラインを定め、倫理講習を実施する
・ 布教や勧誘を目的としてはいけない
・ 相手の同意を得ない「祈り」や安易な信念に基づくアドバイスを禁じる
・ (宗教施設とは異なる)公共空間のルールを守り、信者でない人々に何も押しつけないと確約する
②
継続した研鑽
・ 根本的に宗教者として磨きをかける教育が必要。宗教“師”として認めていいかどうかは、厳しい基準で問われるべきだ(高木慶子 上智大グリーフケア研修所 特任所長、カトリック修道女(シスター))
・ 資格は、養成教育プログラム(東北大、竜谷大、高野山大など7大学)を修了した宗教者に「日本臨床宗教師会」が与える。初回は146人を認定(プログラム修了者は延べ261人)
・ 5年の更新制。倫理講習のほか、「会話記録検討」などを5年以内に一定程度受講
出典
産経新聞(2018/04/16)
写真は、この新聞記事から転載
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