(K0021)では、「体の健康度」「体の自立度」「生活の自立度」「生活の広義の自立度」について考察した。
(K0022)では、「心の健康度」「心の自立度」「尊厳ある生」について考察した。
今回は、「脳の健康度」「脳の自立度」というものを考えてみたい。
「脳の健康度」としては、「精神疾患」と「認知症」の二つを大きく一つの枠の中で考えたい。
例えば精神疾患の一つである「うつ」は「心の病気ではなく、脳の病気である」と言われている。また、関本雅子(関本クリニック)によれば「認知症は、進行性の精神疾患」である。
脳内の化学物質の流れに変化が起こったり、脳内の細胞の変質が起こったりする。それらに起因した「精神疾患」や「認知症」は、心の持ち様で変わるものではない。だから「心の健康度」とは別枠にすべきである。
ところで、認知症を患いながらも、精神疾患を患いながらも、社会の中で生きている人もたくさんいる。
「脳の健康度」の全てを失っているわけではなく、「残存」しているものを最大限に生かしながら、自ら工夫したり周囲の助けを得たりしながら、社会の中で生きている。
その残存している能力を活用して、いかにその人らしく生きているかを「脳の自立度」という言葉で表現する。
私は、人間には魂というものがあり、その魂が病むことはないと思っている。見えにくくなることがあっても、いつも健全であると思っている。
雲がかかって太陽が見えなくても、雲の向こうでは、太陽はいつも燦々と輝いている。
「脳の健康度」が下がるとその人の魂が見えにくくなる。でも魂は、何の傷もなく健全である。
「残存能力」という「雲の切れ目」から、魂(太陽)を垣間見るとき、「脳の自立度」を向上することができる。
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