2017年5月29日月曜日

(K0030) 尊厳と自立度 / 自立度など <自立喪失からの脱却>


(K0021)では、「体の健康度」「体の自立度」「生活の自立度」「生活の広義の自立度」について考察した。

(K0022)では、「心の健康度」「心の自立度」「尊厳ある生」について考察した。

(K0029)では、「脳の健康度」「脳の自立度」について考察した。

 
今回は、全体をまとめて図で示す。また、解説する。


 

 「輝き続ける人生を全うする」

1-1 「尊厳ある生」「尊厳ある死」(以後はまとめて「尊厳ある生死」)によって、輝き続ける人生を全うすることができるだろう

1-2 「尊厳ある生死」を実現するために、「心の自立度」「生活の自立度」の二つが必要だろう

 

 「心の自立度」

2-1 「心の自立度」を「私は私らしくあり、私の事は私が適切に決める」状態である

2-2 「心の自立度」は、変化させるすべての力の源泉になる

2-3 「心の自立度」が良い状態なら良いことが起こり、悪い状態なら悪い事が起こる

2-4 「尊厳ある生死」は、「心の自立度」がないと実現できない

 

 「生活の自立度」

3-1 「尊厳ある生死」は、「心の自立度」だけでは実現できず、「生活の自立度」も必要である

3-2 「生活の自立度」は必然的に低下していき、それに適応する「生活の自立度」を獲得していく必要がある

3-3「体の自立度」が失われたら、「生活の(狭義の)自立度」を獲得し、それが失われたら「生活の(広義の)自立度」を獲得すればよい
3-3-1 「体の自立度」は、「自分の体を動かせる」度合いである。例えば「歩いて外出する」「自分で寝起きする」「自分で用をたす」など
3-3-2 「体の自立度」が失われたら、「道具」を使って「生活の(狭義の)自立度」を獲得する。例えば、「眼鏡をかけ」「杖をついて歩く」「車椅子で移動する(自走)」など
3-3-3 「生活の(狭義の)自立度」が失われたら、「人の助け」をもらって「生活の(広義の)自立度」を獲得する。例えば、「車椅子を押してもらう」「買物をしてもらって自炊する」など

3-4 「脳の健康度」が失われたら、「脳の自立度」を獲得し、それによって「生活の(広義の)自立度」を獲得すればよい
3-4-1 精神疾患や認知症になっても、残余能力を使ってその人らしく生きることができれば、「脳の自立度」を確保できる
3-4-2 外から見えにくくとも、魂は病まず健全である
3-4-3 「脳の自立度」により、必要な支援を受ければ、不便でも、社会で普通の暮らしをできる可能性がある(「生活の(広義の)自立度」)

3-5 最終寝たきりになって体を動かすことすらできなくなっても、「愛する人のために祈る」ということにより、「生活の(広義の)自立度」を保つことができる

 
 「心・体・脳」「健康度・自立度」

4-1 「心」「体」「脳」を分けて考える

4-2 「健康度」「自立度」を分けて考える。対処が違うからである

4-3 「健康度」は起こっている現象であり、受け入れるものである。一方「自立度」は生きる姿勢であり、主体的に築き上げていくものである

 
 「能動性・受動性」「外部環境」

5-1 「能動性・受動性」
5-1-1 「健康度」は受け入れるものなので、受動性を示す。「自立度」は築き上げるものなので、能動性を示す
5-1-2 「健康度」をあきらめるなら、それは単なる「受動性」であり好ましくない。それでは、「心の自立度(私らしくあり私の事は私が決める)」を確保できない、「能動的受動性」であることが好ましい
5-1-3 「心の自立度」があればこそ、様々な自立を主体的に築き上げることができる

5-2 「外部環境」
5-2-1 「自立度」を獲得するためには、「能動性」だけではなく、「外部環境」整備も必要である
5-2-2 車椅子で出かけても、段差が有ったり、通路が狭かったり、エレベータが無かったりすると、生活の自立度を得られない。本人の努力だけでは解決できない
5-2-3 助けてもらうためには助けてくれる人が必要である。NPO法人など、支援システムがほしい
5-2-4 「道具」を揃えるには金が要る。バリアフリー工事に介護保険を使えるのはありがたい

5-2-5 世の中を変えようとするとき、法律は大きな役割を果たす

 
 その他

6-1 発達障害
6-1-1 子どもの発達障害は大人になって薄まるケースが多いが、残ることも多い(大人の発達障害)
6-1-2 分類としては「脳の健康度」に入れるのが適切だと思うが、「精神疾患」「認知症」と同じ枠に入れられるのには、抵抗感があるだろう。また、表は独り歩きし、誤解を招くこともある。だから、表には書き込まなかった
6-1-3 発達障害には、得意・不得意があることが多く、得意な分野を活用することが大切である。その意味では「残余能力を発揮する」に近い
6-1-4 発達障害では周囲の人の理解があると生きやすくなる。その意味では「人に助けてもらう」
6-1-5 発達障害を「脳の健康度」に分類することは適切だと思う

 
6-2 (今のところ、なし)



追記:別のプログで関連した投稿をした。

(887) 「ひよっこ」にみる「尊厳と自立」
http://kagayaki56.blogspot.jp/2017/05/887.html

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