定年後に、四つの可能性があるのではないか。
(1) 利他に目覚める
(2) 自己に戻る
(3) 働き続ける
(4) 道を失う(失敗)
【展開】
(1) 利他に目覚める
「誰か他の人の為に」というように、発想が大きく変わる。たとえばボランティア活動に没頭し始める。
私は次の文を読んで、「定年後、利他に目覚める」というフレーズを思いついた。
===== 引用はじめ
(男の子が来るはずだったのに、女の子、アンが来ました)。
(マリラ)「置いとけませんね。あの子がわたしらに、何の役に立つというんです?」
「わしらのほうであの子になにか役にたつかもしれんよ」突然マシュウは思いがけないことを言いだした。
ここに、『赤毛のアン』全編を通しての重要かつ感動的な転換があります。マシュウとマリラは、自分たちの役に立つように、男の子を引き取ろうとした。ところが、マシュウの発想が転換して、自分たちがアンの役に立つことができるのではないか、と思うようになる。これは非常に深いヒューマニズムだと思います。マシュウは、アンと出会うことによって、確かに人間として成長しているのです。
===== 引用おわり
茂木健一郎(2018/10)、モンゴメリ「赤毛のアン」、100分de名著、NHKテキスト(NHK出版)
(2) 自己に戻る
生まれてから直ぐ働いたわけではなく、次のように生活の中心が移ってきたのではないか。「遊ぶ」→「学ぶ(学校に行く)」→「働く(就職する)」。定年を機に、「働く(就職する)」を捨てて、「遊ぶ」または「学ぶ(学校に行く)」に戻る。
(3) 働き続ける
継続雇用で同じ会社で働き続ける、子会社や関連会社に移り働き続ける、他の会社で働き続ける、起業するなど。前回の投稿参照。
(K0513) 10月1日は「生涯現役の日」 <高齢期の仕事>http://kagayakiken.blogspot.com/2018/09/k0513.html
(4) 道を失う(失敗)
上の3つのどれも選ばなかった。何をしてよいか分からなくなり、生きる気力を失う。
このうち(4)を除くと、「老いる」というものはないのではないか。
「働いている私だからこそ価値がある」という呪縛からの解放が、(1)(2)にはある。これが、自己変革を促す。
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