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「残された財産をめぐって遺族同士が相争い、関係が悪化する例は少なくない。遺言書を残すなどして、元気なうちに『終活』に向き合うことが大切だ」。遺言書を偽造するなど不正に手を染めるケースもある
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遺産を残した人の思いとは裏腹に、国による「相続」を阻もうとした身内が、遺言書を偽造するなど不正に手を染めるケースもある。
故人が遺言書を残していれば、法定相続人以外の人でも遺産相続は可能だ。このため、遺言書の偽造トラブルが後を絶たない。
関係者によると、兵庫県内で法律事務所を営んでいた40代の元男性弁護士は昨年初め、亡くなった大阪府内の女性が残した約2億円の遺産を相続できないか、との相談を女性のいとこから受けた。
元弁護士は「(故人の)全財産をいとこに包括遺贈する」とした文案をいとこに示し、いとこが女性の筆跡をまねた手書きの遺言書を実際に偽造。昨年5月に大阪家裁に提出し、相続できるようにした。
ところがその後偽造が疑われ、県弁護士会の調査に元弁護士は不正を認めた。「遺産をいとこに遺贈させた方が故人の遺志を反映できると思った」などと説明したが、元弁護士は、有印私文書偽造・同行使などの罪で在宅起訴され、同11月に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けた。
故人が遺言書を残さず死亡した場合、民法の規定に基づき、遺産は「法定相続人」が分割で相続する。配偶者は常に相続人となり、ほかの血族については子、孫、親などの順で相続。兄弟姉妹が死亡していれば、その子に当たる甥(おい)や姪(めい)にも相続権があるものの、遺言書がある場合を除き、いとこを含む遠縁の親族には権利がない。
自らの死後、誰に何をどれだけ渡したいのか。早めの相続準備が求められている。「残された財産をめぐって遺族同士が相争い、関係が悪化する例は少なくない。遺言書を残すなどして、元気なうちに『終活』に向き合うことが大切だ」
<出典>
相続人なく遺産漂流 国へ603億円、少子高齢化時代反映
産経新聞(2021/02/04
夕刊)
https://www.sankei.com/west/news/210204/wst2102040011-n1.html
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