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施設の入所者は食事や排せつが一人でできず、職員らのサポートを必要とするケースが多い。そのため、求められるソーシャルディスタンスの徹底は、そもそも困難な状況といえる。感染が一気に広がるリスクがある
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新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国の介護施設や高齢者施設でクラスター(感染者集団)の発生が相次いでいる。ただ入所者が寝食を共にしたり、職員の介助が必要だったりするケースが多く、対人距離の確保といった一般的な対策を取ることは困難だ。
対策は徹底したつもりだ。感染者発生に備えてマニュアルを整え、入所者との面会も制限した。入所者、職員の体調管理や施設内の消毒にも気を配ったが、それでもウイルスは人知れず入り込んでいた。
職員やその家族にも感染が拡大。感染していない職員の中には、帰宅せずにホテルや近隣の集合住宅で寝泊まりする人もいた。
クラスターが起きたとして施設名が報道されると、心ない批判や抗議の声も届いた。全員の心身が疲弊する中、無言電話を受けたこともある。
クラスターの経験を踏まえ、事務長は訴える。「入所者は食事や排せつに介助が必要で、ホテルなどに隔離はできない。早期に入院できる態勢が必要だ」。感染の「第3波」が広がる中、「またクラスターが起きるのではないか」という恐怖は、今も拭えていないという。
施設の入所者は食事や排せつが一人でできず、職員らのサポートを必要とするケースが多い。そのため、一般社会で求められるソーシャルディスタンスの徹底は、そもそも困難な状況といえる。一人でも感染者が出れば、感染が一気に広がるリスクがある。
医療体制が行き詰まる中、医師や感染症の専門家から助言を受けられず、対応を迫られるケースもある。消毒用のアルコールやマスクなどが、十分に手に入らない状況にも留意が必要だ。
同団体の調査では、施設の多くが物資面での支援を求めていた。手袋など一部の資材は品薄から価格が高騰し、小規模施設では入手が困難な状況もある。
添付図は、
https://kaigo-gimon.com/civid-19sisetumatome/
<出典>
産経新聞(2021/01/22)
https://www.sankei.com/west/news/210121/wst2101210015-n1.html
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