☆☆
生きる意味がないとか、早く死にたいと思わざるを得ない状況における自己認識。それでも、自己肯定できるような他者が出現すれば、その他者との関係性の中に新たな生きる意味や希望を見いだせるのではないだろうか
☆☆
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者嘱託殺人事件で、殺害された女性が死を選ぶまでの苦悩は、想像を絶するものだっただろう。
===== 引用はじめ
今回亡くなられた患者さんのように、生きる意味や希望を見いだすことが困難な状況の中で、日々を過ごされている方々も少なくない、のだと思う。解決が難しい状況も多々あり、どう支援すればよいのか、これが正解と言い得るものもないのかもしれない。
それでも、そのような人々が、その状況を生きることを肯定できるような適切な支援やケアのありようを探し求めることは、この同じ時を生きる我々に課せられた役割なのだと思う。
===== 引用おわり
山崎氏は、「他者との関係性で、その時々の自己を認識している」ことに注目しました。「早く死にたいと思わざるを得ない状況における自己認識もまた、その状況における、他者との関係性に依拠している」。それならば、「他者との関係性の中に、新たな生きる意味や希望を見出せる」ことも出来るのではないか。その他者とは、「自己肯定できるような他者」だという。
「我々の役割は、そのような人々の苦しい思いに耳を傾け、その人が直面している困難に対して、具体的な支援を行い、共にその時を歩みながら、その人が自ら、自分にとっての、真に拠(よ)り所となる他者を見いだすことができるように支援することなのではないのか」と山崎氏は思った。
<出典>
苦悩する人々に我々ができること ケアタウン小平クリニック院長・山崎章郎
【正論】産経新聞(2020/08/24)
(会員記事。無料で登録できる)
0 件のコメント:
コメントを投稿