【 読書 ・ 老人力 】少年問題もそうで、教育、徳育、勉学の改善の努力ばかり積み重ねても、それは理屈では正しいけど、ムリ。だからとりあえず教育問題は放置して、あっさりと仕事をさせればいいのだ。
大学時代に、聴講生として企業の人が来た。ピンとした雰囲気を感じた。それに引き換え、自分が惰性で大学に通っているのではないかと思った。
そこで考えた。今の日本では、高校を卒起すると当たり前のように大学に入学する。これは、よくない。高校を卒業したら、全員、働きに行かせる。2年働いて、どうしても大学に行って学びたい、という人だけが、大学に進学すればよい、
赤瀬氏の考えに賛成する。
===== 引用はじめ
いまの少年犯罪を見ていてつくづくそう思うんですね。中学生の荒れ放題の状態。中学生というとすぐ教育問題ということになり、学校教育、家庭教育の改善の努力をする。でもぜんぜん成果は上がらない。そこを何とかというのでまた努力する。ぜんぜんだめ。
そこで有効なのが老人力、いや反努力だった。当面の問題を放置して、努力を別の方向に迂回させる。
少年問題もそうで、教育、徳育、勉学の改善の努力ばかり積み重ねても、それは理屈では正しいけど、ムリ。だからとりあえず教育問題は放置して、あっさりと仕事をさせればいいのだ。大工仕事、畑仕事、河川工事。給料もちゃんと与える。答案用紙に○×をつけるだけの仕事よりも、木を切って釘を打って物が出来る、給料ももらえるという仕事の方がよほど面白い。人生が面白ければ、とりわけナイフを持つ必要もないし、あえて血を見る必要もない。教育なんてそれからだ。
===== 引用おわり
前回は、
(K1628) 反論理、反努力、老人力の世界だ / 「 老人力 」(25)
http://kagayakiken.blogspot.com/2021/10/K1628.html
<出典>
赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.143 ~ P.144
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