2021年10月31日日曜日

(K1645)「 認知症の語り 」(27)

 【 認知症 ・ 語り 】 画像検査では異常がなく、診断がつかなかった。早期発見・早期治療を期待していたが、命綱を断たれた思いだった。分類: 【本人11】【認知症の診断】【診断のための検査】【画像診断検査】


 画像検査では異常がなく、診断がつかなかった。早期発見・早期治療を期待していたが、命綱を断たれた思いだった。

 

 床を虫がつっつっつ―と歩いているのを見て、「あれ、こんなところに虫がいる」って思いました。数秒間なんですけれども、虫が歩いてぱっと止まったときに、それが綿くずだったんですね。それを見たときに、「これは目の錯覚でも何でもない。これこそが幻視なんだ」と思いました。そのとき、ほんとに血の気が引くというか、……冷汗は出ませんでしたけれども、とんでもないことになったと思いました。

 

 …

 

 で、「画像で出ないので、診断できません。診断できませんから、治療もできません」と言われました。

 早期発見・早期治療が、残された唯一の希望だと思っていましたので、「治療しない」と言われて、‥…何か、こう、命綱が目の前で、ぷつんと切られたと感じまして、……ほんとに、私の真後ろに死神が立っていて、今にも鎌を振り下ろしそうなので、「何とかしてください」つて言いに行ったのに、「鎌を振り下ろして、けがをしたら来てください」って言われたような……、そういう感じがしましたね。

 

https://www.dipex-j.org/dementia/topic/diagnosis/kensa/2531.html

動画があります。

 

前回は、(K1638)「 認知症の語り 」(26)

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/10/K1638.html

 

<出典>

「認知症の語り(21)」、NPO法人健康と病の語りディベックス・ジャパン、日本看護協会出版会

https://www.dipex-j.org/dementia/



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